源平観戦日記


第2話「無頼の高平太」

■今日で今年のセンター試験が終わりましたが、そういや去年は「保元物語」、義朝が為義を処刑する直前のやりとりのシーンでしたね。そういやあのシーンの為義もけっこうトホホ系な描写だった気が…。

■第2話も、鎌倉殿のシーンからスタートです。
三種の神器のうち、草薙剣だけが海の底に沈んで見つからないという報告が鎌倉に入ります。
政子は怒ってますが、頼朝は是非もなしってな気分になってるようです。きっと清盛が持ってっちゃったんだろう…と。
『双調平家物語』では、平家が朝廷から「剣」を奪い取って沈んでいった…という解釈でしたが、この頼朝もそれに近い感傷を持ったのかもしれませんね。
■さて。しかし第2話時点の清盛さんはまだ元服前のひよっこです。
いくつのつもりなのかわかりづらいのですが、今回崩御する白河院が1129年没ですから、このとき清盛11歳…。
あの松ケン清盛は11歳…ちょっと無理がありますね。「おふく16歳」ほどではないけど。まぁ中学生くらいだと思って視聴することにします。

■清盛はすっかりひねくれちゃったみたいで、「無頼の高平太」と京の賭場で名の知れた存在になっちゃったようです。今でいうとゲーセン通いのヤンキーってとこですかね。でも横断歩道で「ちっ、しょーがねーな、乗れよババア!」って悪態つきつつおばあちゃん背負って渡っちゃうような(笑)。
青臭い正義感はそのままのようですが、家族との関係はすっかりこじれちゃったみたいです。
まぁ、すっかり心を許してた母親にあのしうちを受けて(お母さん、ムリしてる感アリアリですもんね。もうちょっと平太が歳とれば、母親との関係も再構築できるんだろうけど、まだ親には完成された人間でいてほしい年頃でしょう)、しかも生い立ちがああいうことだったんだから、素直になれないのは仕方ないかな。。。
■そんな清盛ですが、いよいよ元服の式が決まりました。
そして中二病のお約束のように「俺は大人にはならない!」的な決意表明。しかし、忠盛には、その反抗の底の浅さを見透かされて、逆ギレして逃亡。
そして清盛はそのまま鉄塔に登って「情熱を忘れちまった大人たちへ」という垂れ幕を下げ…なんてことはなく(あったんだよ、10年位前にそういう甘酸っぱい事件が!)、盗んだバイクならぬ自分の愛馬で駆け出します。道端で「俺はだれなんだー!!!」と自分探しの絶叫をしてたら、「だれでもよいから、助けてくれー」の即レスが入る(笑)。
ここで「えっ?」って聞き返す平太が可愛かった。あと、落とし穴から「出してくれ」って言われて思わず「はい」って返事しちゃうとことか。根はまえだまえだ弟の頃のまま、素直なんだとわかります。
■さて。助けを求めてたのは、平太がイタズラで掘ってた落とし穴にはまっていた、貧乏っぽい貴族でした。
これがのちの信西こと高階通憲。彼の死に方を思うと、かなり皮肉な登場シーンですね。
この貴族はお礼もそこそこに、平太に、現在の世の中の混迷を講義。目の前の落とし穴を政情の不安定さ、月光を遮る黒雲を世の混沌にたとえます。
一方、平太は、月光を遮る黒雲は、月の光の清らかさに染まりたくてあがきくすぶる姿に見える…と。
面白いですね。信西は、目の前の光景に白河院の政治を見ているけれど、平太は白河院の内面を見てるわけです。DNAの底力。

■その話題のひと、白河院は祗園女御とご歓談中。
…のはずが、祗園女御がやんわりと白河院の「殺生をさせないために狩猟禁止令を出し、魚網を回収して償却させている」をやめさせようとしたら、逆ギレ。
普段傲然と構えてる院なのに、感情的になってるので、かなり追い詰められているようです。
■そして、もうひとりの王家のキーパーソン・鳥羽院。
かれは、屈辱感に苛まれながらも、璋子のもとに夜のお渡り。
璋子を待つ間は不満ぶちまけてるのに、璋子がやってくると、うれしくなっちゃう。
惨めでせつない男心です。これ、鳥羽パートのファンが確実にできるような気がするわ。ここだけ夜10時のドラマになってるもん(笑)。

■平太は無事に元服式を迎えました。が、式にいつもの無頼ルックでやってきて、加冠役の藤原家成に「なぜ貴族達は白河院をいさめないのか!」と詰め寄ります。答えられないような大人にもらう冠なんて願い下げ、とばかりに立ち去ろうとする平太。
私がかつて中学生だったころ。卒業式に白ラン長ランで出席しようとしてゴネて「着替えて来い!」って帰らされた先輩がいました。あんな感じですな。
平太の場合は自宅で式をやってますので、帰らされるわけではなく、対清盛用に呼ばれていたゴツイ青年・伊藤忠清に羽交い絞めにされて、めでたく加冠。
「清盛」の名前をここでもらいました。
家成、最初「勇者ヨシヒコの仏様…」と笑っちゃいましたが、なかなか「腹を据えて貴族やってます」って感じのたたずまいで、今後の出番が楽しみです。
彼の息子達も今後出てくるのかな?
■名前は変わったものの、相変わらずの清盛君は、気晴らしに漁師の鱸丸の船に乗って海の散歩。
成人式を終えてから息苦しさが増してるようで、「海はいいなー」と伸びしてご満悦。
「俺も漁師になって魚くって暮らせたらいいのになー」みたいなKY発言しちゃいますが、中二だから仕方ありません。まだ子どもなので、10年後くらいに「ぎゃーあのときの自分を穴掘って埋めてしまいたいー! 鱸丸ごめん、ほんとごめんー!!!」となるはずなので、大目に見てあげてください。
清盛くん、黙ってしまった鱸丸に気づいてハッとなります。
そうです。鱸丸とその父・滝次も、白河院の狩猟禁止令の影響で、漁を禁じられて、食べるのに困ってる状態だったのです。

■そして、漁師達のまとめ役だった滝次は、困り果てた仲間達をなんとかしたいと、とうとう漁に出て逮捕されてしまうのです。鱸丸は命からがら京にたどり着き、清盛にそのことを告げます。
滝次をなんとか助けてやりたい清盛。しかし忠盛は、禁を犯した滝次を救う事はできないという返事。
その理屈が我慢できない清盛は、「清」の字を与えられた自分の名にかけて、罪なき民を泣かせて武士など名乗れるか!と忠盛に叫んで、飛び出していきます。
それを見送る忠盛は感慨無量。自分が何者かわからない、その清盛にもただひとつ「武士」であるという自覚がゆるぎなく存在することがうれしいのです。
宗子がそれを見るまなざしがいいですね。彼女にはそういう男同士の「志でつながる」的な機微はわからないみたい。
■白河院にアポなし対面に特攻した清盛。まさに電波少年。(文字そのままの意味で)
アホだけど、でも口先だけで大人批判するよりガキも、見所のあるいいヤツです。
「忠盛の子か?」と問われて、「父ではございません」と答えるところが、かわいそうですね。これ、反抗心で言わないだけじゃなくて、言える自信がないんですよね。
白河院に、滝次を赦免してほしいとお願いしますが、「国を治めるうえでしめしがつかない」と却下されます。
しかし、清盛は白河院の内面を見抜いていました。
寿命がつきる今になって、権力の怪物になった自分が極楽往生できるかどうか不安になったのだろう、と。
白河院は余裕で聞き流していますが、なにか琴線にふれるものがあったようです。
ここで清盛のもとに歩み寄ります。そこで、清盛の出生の秘密をバラしてしまいます。忠盛が清盛に伝えていない、母親の死の経緯です。
■最初、母親が白拍子と聞いて「聞きたくない」という反応をしていた清盛。たぶん自分の素性の賤しさを指摘されると思ったのでしょうが、その後の思わぬ展開に愕然。
これこそが白河院の見たかったリアクションですね。
白河院は初対面のとき、清盛(当時は平太)を犬あつかいでまともに見ようともしませんでしたが、この段階では「面白い」対象になってるんですね。自分の血を引く、しかしまったく違う生き物として面白がってる。
■結局、清盛は滝次を助けることはできませんでした。それでも何か一矢報いたい清盛は、突如舞の稽古を始めます。

■そして清盛の舞のお披露目。
為義たち源氏御一行様が「きーっくやしい!」ってなってるのが、お約束でかわいいっす。
雅楽の演奏シーンはけっこう時間ゆったりとってるのが嬉しかったなー。「義経」のときの青海波は、すっごい楽しみにしてたのに一瞬だったから。
■白河院の御前で優雅に舞う…と思いきや、鱸丸からパスされた宋剣(これが彼の「勝負太刀」らしい)で突如ロックな舞を開始。白河院の御前に躍り出て、刃を目前につきつけるパフォーマンスまでやってのけます。
あまりに前衛的だったので、周囲も咎めることもできず「…えっと、これも演出?」みたいな反応なのが笑えた(笑)。
■白河院は青臭い清盛よりもさらに上手ですので、余裕で清盛の挑戦的なパフォーマンスを楽しんでます。
ある意味、白河院が政治の秩序とかよりも個人的な興味や欲求を重視してる人だからこそ、清盛は罰されずに済んでるって感じですな。
白河院から面白き舞であった、とお褒めの言葉。「まこと、武士の子らしくての」と。
前のシーンで「このもののけの血を引くのだから」とからかった院ですが、
それと同時に彼の中に(本来は流れていないはずの)「武士の血」を読みとったんですね。
■さて、今回の舞には、もうひとりギャラリーがいました。木の上から眺めていた、為義の嫡男・義朝です。
「ちちうえ」って呼びかけられたときの為義パパの反応で、めっちゃ自慢の息子なのね…ってわかります。
そりゃ、自分の息子が玉木宏だったら、自慢したくなるわな。

■このしばらく後に、白河院はついに崩御。
良くも悪くもその権力を一極集中させていた白河院の崩御で、いろんな人のいろんな枷が外れ、世の中は混乱していくのでした…。

【今回のまとめ】
清盛、中二病全開。
男性視聴者だったら、自分の若気のいたりを思い出して、きゅんときたりするんですかね。いいなぁ。

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by mmkoron | 2012-01-16 01:37 | 大河ドラマ「平清盛」

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