源平観戦日記


第6話「西海の海賊王」

■先週書いたことについての続きは、別項に。
■いま、日曜20時から24時までの流れが充実なんですよ。
清盛終わったあとに感想書いて、23時から「イ・サン」見てるんですけど、今が多分一番くらいに盛り上がってるところなので、もうワクワクしておりまして。
韓国ドラマの何がいいって、私俳優さんわからないし、しかも歴史もほとんどわかんないから、この先誰が悪役に化けるのか見当もつかない。「えっ、この人出番多いから重要だと思ってたのに、こんなショボい理由で死んじゃうの!?」みたいなことが起こるのが、スリリングです。あと、「えっ、この人かしこい役だと思ってたのに、意外と策がショボい役だったのね!」とか。
あと、『本日は大安なり』も見てます。裏切られる可能性がないから、安心して見られるんですよねー。

■さて今週の「平清盛」です。
今回、すごいさわやかだった気がするわーと思ったら、三上パートが控えめだった(笑)。
本筋の清盛パートとはまったく別枠だったので、先に紹介しときますね。
帝(ARATA崇徳)に斡旋される予定だったのに、一転、既成事実のかたちで鳥羽院に仕えることになった得子。もともとたまこ様のほえほえしたところが気に入らなかったようで、廊下ですれ違っても、道を譲らない。
でも「大奥」みたいに「お前が譲れよ」とメンチ切り合う状態にはならず、たまこ様があっさり引いて下さいました。得子が「わたくし、お子を授かりましたの」と言っても、「おつとめご苦労様です。」。
たまこ様にとっては、「あなたもお仕事頑張ってるので、成果が出てきてよかったわね」ってなもんでしょうね。可愛い後輩が「はじめて受注いただきましたー!」って報告してくるようなもんで。
得子さま、まさに暖簾に腕推し、柳に風。でも今回はここまで。
■得子の気持ちの掘り下げが次回にまわった分、今回は堀河局がたまこVS得子への不安を説明してくれました。堀河局、デキる女だと思ってたんだけど、歌仲間の義清(今は彼氏)にまさかのリーク。
義清は「そんなことより、今はあなたと歌を楽しみたいな」と言ってますが、明らかに、よく言えば無垢、悪く言えばパープーなたまこ様に興味を持ってるようです。

■と、いう話が宮廷では繰り広げられていたのですが、西海に出張中の平家はそんな話には一切関わりなし、汗臭く戦っております。
前回は海賊船と遭遇したところで話が終わってました。今回、いよいよ戦いが始まります。
荷物を積んだ船の振りをして奇襲する…という作戦は成功はしたのですが、そのあとの乱戦状態では、大きな船との高低差がネックだったようですね。隙を突かれて逃げられちゃいます。
「やーいやーい」みたいに囃し立てながら逃げる海賊船。デカい唐船なので、平家側の小船では追いつけず。清盛はギリギリして海賊船を睨みつけますが、海賊船に気を取られて無防備な彼に、海賊船から最後っ屁のように放たれた矢が!
清盛を庇ってかわりに矢を受けたのは、乳父の盛康でした。
重傷を負った盛康の姿に、打ちひしがれる清盛。今まで散々盛康には迷惑かけてましたが、今回はよほど責任を感じたと見えます。唐船の規模に驚き、対策に悩む父や叔父の姿を見たこともあって、単身海賊船調査に飛び出すことにしました。

…って、何をどうするつもりだったんだ…?

あとでいなくなった彼の姿を探す平家の皆が「多分後先考えずに行っちゃったんだろう」って分析してますが、ほんとそんな感じですね。盗んだバイクで走り出したいお年頃なのでしょう。まだ。
■で、盗んだわけではない小船で走り出そうとしたところに、「これはわしの船じゃー」とつかみかかってくる謎の男が。平家の荷物に忍び込んで移動してた、高階通憲さんでした。
ここで、情報の訂正が。前回私は、彼が西へ移動しようとしてた目的を、「海賊を実地で見るため」だと書いていましたが、違ったようです。いや、最初はそうだったけど目的変えたのかな。なんと通憲は、唐船にのって宋の国へ渡ろうとしてるんだと!
小船で移動中、その行動に至った経緯を話してくれます。藤原南家(ってちゃんと言ってたね)に生まれて勉学に励んだけど、ゆえあって(まぁお金の問題だと思うが)高階の家に養子に入ったと。でも、出世はもう天井が見えてる。そこで、才能さえあれば身分に拠らず取り立てられるチャンスがある宋に行きたいのだと。

なんか宋が美化されすぎてる気がする。が、まぁいいか。

李白の詩をそらんじてるんなら、杜甫とかがどんな感じだったかもわかりそうなもんだが…。でも、確かに科挙って、公平そうな印象あるもんな。
で、「おもしろくない世(=自分たちが虐げられているのがデフォルトな世)」にうんざりしてた清盛は、それに飛びつきます。今すぐ行こう!宋に行こう!!と。あんた盛康どうなった。トリ頭すぎる…
通憲が「こんな小船ではムリ!」となだめても、「そこは気力でなんとか…」って(笑)。(北●●から小船で漂着する人も、一部こんな感じで気合で旅立ってるんだろうかとちょっと思ってしまった)そこでもめてる間に、二人の小船は海賊たちに捕捉されてしまったのでした。

■唐船の船底で目を覚ます清盛。見張り役の少年と少女は日本語が話せませんが、同じく捕虜になった通憲が通訳してくれます。さすが通憲さん、宋に興味あるから言葉も勉強してたんですね。
少年と少女は、春夜と桃李と名乗ります。二人の名が李白の詩由来だとわかった通憲は、二人と意気投合します。詩から名前をとられてるってことは、この二人はもともとはそれなりの家の子だったんでしょうね。
■ここで清盛は海賊の棟梁とご対面。通憲は中国語ができること、清盛はガタイの良さを認められて、とりあえず命は助かります。が、追討使(忠盛の軍)の兵力などを尋問されます。
素直に白状することを断固拒否して暴れる清盛。
(ところでここで、棟梁は拘束がゆるかったと春夜を叱るんだけど、桃李にはメロメロに甘くて笑った。ロリかよ!って思ったんだけど、清盛がまだ高校生くらいだからこの棟梁も20歳そこそこ…でも十分ロリか。)

清盛は、通憲にツッコまれつつも、断固として自白を拒否。サイコロで賭けをして、自分が勝ったら自白しないといいのけます。勿論かれは生まれつきの強運ですから、勝利。
■甲板に出た清盛は、船の大きさと人々の活気、そして船から見える景色にもう夢中。言葉は全然わからない、何がなんだかわからない、でも楽しくてしょうがない…そんなことが伝わるいいシーンです。
清盛は、得体の知れないものを得体が知れないという理由で不安になるのではなく、それが楽しいタイプなわけです。清盛の「おもしろく生きる」は、今のところ、思うようにいかない世の中への反発でしかないわけですが、もっとポジティブなものを心の中に持ってることを感じさせてくれます。
■あと、このシーン、なんだか龍馬っぽいですね。でも、男子の何%かはこの因子持ってるんだと思うわー。
うちのお祖父ちゃんは「かっこいいから」って理由で海軍入ったって言ってたし(船にまともに乗ることなく終戦)、うちのお父さんは加山雄三の若大将シリーズにハマりこんで海関係の学科受験したって言ってたし。でも父さん、私が文学部行くって言ったら「趣味と一生の学問は違うぞ!」って。オマエモナー。

■ここで棟梁が自分語り。彼は食い詰めた技術者たちを集めてこの海賊を組織したようです。さっき通憲もぼやいてたけど、それだけ何か優れたものを持っていても、生まれのせいで食い詰めるしかない世の中だってことですね。
さてここで、この棟梁が「兎丸」であることがわかります。第1話で、清盛にお前の父親・忠盛は俺の父親の仇だと詰め寄り、清盛の出生の秘密を暴露した、まえだまえだ兄です。
それがわかってお前のせいで知らんでもいい情報を知ってしまったんだー!と兎丸につかみかかる清盛。ここで兎丸も、彼が忠盛の子で、追討使がにっくき忠盛だと知ります。
そうなったら、さっきの賭けとかもうチャラですよ。清盛は縛られて、船のマストから吊るされます。なぜか通憲も連座でマストの根元に括り付けられちゃいました。海賊達になにかぶつけられてるなーと思ったら、わかめだった。なんか和んだ(笑)。
■忠盛のもとには、清盛を人質にとったぞーと挑戦状が叩きつけられます。清盛を返してほしくばひとりで来い、と。ビデオで見直したけど、字がみつを系すぎて「清盛」と「一人」しか読めんかった…。
清盛一人のために、平家の棟梁が一人でのこのこ死地に赴くなど、あり得ません。でも、清盛を死なせたくなくて苦悩する忠盛。でも、そもそも清盛のスタンドプレーが悪いわけだし…
そこに、横たわる盛康が苦しい息で言います。清盛は乳父に怪我を負わせたことで思いつめて、後先も考えずに行動に出たんだろう、(アホだけど)でも、それが清盛だ、と。盛康は無鉄砲で迷惑かけまくりの、でも心根の真っ直ぐな清盛が、それでも可愛くてしょうがないんだね。
そして、それは忠盛も同じ思いなのでしょう。
それを察した忠正は、自分が代わりに行こうと言い出します。自分は清盛なんていなくていいと思っている、でも兄上には必要なのだろう?と。でも、これ行ったら自分死んじゃうでしょ。忠正はそれだけ忠盛を信頼してるってことですよね。じーん。
そこに、清盛以上の体育会系、伊藤忠清が「いや、みんなで行こう!」と、明け方の闇に乗じた奇襲を進言します。さらに、鱸丸が、海賊警護隊のときの仲間たち(よかったー無事釈放されてたんだね)を連れてやってきます。今回なんだかみんなアツいねー!!

■で、こちらは朝霧の中、マストに吊るされてる清盛。
すごい絶望だと思う。清盛はこれまでの経緯から考えて、皆が助けに来てくれるとは思ってないでしょう。
ぼんやり吊るされてるマストの根元で、李白の「春夜宴桃李園序」を(でいいのかな?)中国語で諳んじてる通憲。『奥の細道』の冒頭がこの詩のオマージュだってことしか知らなかったんだけど、通憲さんが意訳してくれます。曰く、この詩は「はかない人生を、おもしろく生きろ」だと。
(おもしろい、のニュアンスが舞子が言ってたのとまた違う気がするんだけど、まぁ詩って、受け取る人によって反射される光が違うのがおもしろさだと思うし、いいんだろうね)
そんな言葉をどこかで聞いたことがある…と思う清盛。流れる舞子の歌声。でも清盛はそれが誰の声なのかはわかるはずもありません。
そして、霧の向こうに目を凝らすと、平家の船団の姿が…
TRFも「奇跡とは絶望の次のチャンスなんだから」と唄ってましたが、この演出いいですね。霧の中で迷う清盛の胸に流れる母の歌、そして霧の向こうに仲間達。
よっしゃーいよいよ決戦だー!! 
海賊達は甲板でぐーすか寝てたので立ち上がりが遅く、終始平家軍優勢です。
清盛の綱を切ってマストからおろしてくれたのが忠正叔父さんなのが、またよかった。通憲さんは、鱸丸がちょっと気にしてくれてたんだけど、結局放置されて、また「だれでもよいーたすけれくれー」ってなってました(笑)。
兎丸は…というと、船の先端、船室の上に陣取って、なかなか動かない。どうしてなんだろーって思ってたら、これ、チャンスを狙ってたんですね。
忠盛が近づいたところで船室に叩き入れ、タイマン勝負に持ち込みます。
「お前らが斬るは、俺たちが盗むのと同じじゃ」の言葉に、兎丸が朧月の息子だと気づく忠盛。心から父親を慕っていたからこそ復讐に燃える姿を見て、忠盛には兎丸を叩き切ることへの躊躇があるようです。
若さの差もあるんだろうけど、ピーンチ! となったところに、清盛が乱入。
ここから清盛VS兎丸の戦いになります。
■で、この戦いなのですが…。なんかこういう戦い、どこかで見たことがある……
たとえるなら、「聖闘士星矢」のアスガルド編とかポセイドン編のラスト。

ボロボロになりながらも、双方立ち上がり、剣を振るう。
何が二人を立ち上がらせているんだ!? あれは、もしやセブンセンシズ…!!(ドオオオオン)


何度だって立ち上がってやる、なぜなら俺は女神の聖闘士武士だからだ!!!!

みたいな。
■それはおいといて。
自分が何者かわからない苦しさ、何をして良いかわからなくてグレるしかなかった寂しさ、そんな自分のもとに皆が来てくれた喜び、それをぜーぜーしながら吐き出す清盛。
なんか、よかったねって思いました。彼はグレてたけど、ほんとの本音はいつも飲み込んでましたもんね。
この回が清盛の成長が最初のステージにのぼる回なのかな。皆との関係性もすこし変わりそうですね。
しかし、全員が取り囲んで聞いてる状況はちょっと後から「穴があったら入りたい」になりそうだけど(笑)。
■最終的に、気力で清盛が勝ちます。まさにコスモを燃やしたほうの勝ち、って感じの戦いでしたな。ゆでたまご的に言うと「火事場のクソ力」、北方謙三風に言うと「死域」ってやつですかね。
しかし、兎丸とその部下達を殺さず、身柄を自分に預けてほしいと願い出る清盛。清盛は、自分を取り戻すために必死に戦っていた兎丸に自分と通じるものを感じています。だから、一緒に来てほしいと。
兎丸の場合は、朧月の実の息子ですが、幼くして世間に放り出されて、生きるために必死になるだけではなく、朧月の息子としての矜持を失うまいと懸命だったんでしょうね。
朧月はてっきり殺されると思ってたので、突然のスカウトに驚きますが、しかし、彼と手を組むことを承諾します。
今回の手柄的に、清盛はそんな判断できる立場じゃないと思うんですけど、これは
 ・忠盛の罪悪感救済
 ・独自勢力を育てておくことは平家にとっても損にならない
でもあるので、OKが出たんでしょう。物語の中ではそこまでいちいち言ってないけど。

■ラストは、捕らえた海賊達(水増しした…って言ってて笑った)を見せ付ける凱旋パレード。
清盛は「海賊王になるぞー!」ってもう上機嫌。
王家の犬じゃない発言も、海賊王発言も、今はまだ彼がピンときた誰かの夢(前者は父、後者は兎丸)の受け売りでしかありません。清盛が清盛自身の「おもしろく生きる」形を見つけるのは、まだまだ先のようです。
でも、成長がゆっくりゆっくり丁寧に描かれてるのがいいと思います。マンガ的ではあるんだけど、でもうちの弟とか見てても、結構男子って単純だからこういうのでいいと思う(笑)。
■そして最後に、パレードの見物人として重要キャラ登場。
「あれが平家の御曹司だって」と言われて、キャッどれどれ?と見て「なにあれ」と幻滅する平時子。
最初に妻になる明子よりも、彼女のほうが先の登場になったところは、少女漫画とかのお作法踏まえてるなーと思いました。
(ホントに後発のキャラが最終ヒロインとかヒーローになると、ちょっと裏切られた気がしません?)

■今回の話が海賊パートでしっかりまとまってたので、入れ込む隙がなかったのですが、東に旅立った義朝にもイベントが起こってました。
旅の途中、熱田を通りかかったら、神様にお供えするお米が盗賊に襲われていたのです。
盗賊からお米を救い、宮司さんからお礼を言われた義朝は、そこで宮司さんの娘・由良と出会います。
宮司さん、誰だろうと思ってよく見たら……イモ欽トリオのよしおだ!!!
(ここで私の中で勝手にBGM「ハイスクールララバイ」が流れ出す。)
娘がわざわざ燭台の灯を入れに来るっておかしいと思ったけど、彼女はカッコよい武士(最近上り調子の平氏を期待したらしい)をひと目見ようと、自分で出てきたようですね。かなりの美少女なので、義朝もまじまじ見てます。

(とにかくとびきりの美少女さ♪)

しかし、その武士が源氏だったとわかって、「なーんだ源氏か」。

(うかつに近寄れば感電死♪)

そんな由良を、義朝は「おいそこのブス」呼ばわり。父親が恥をかくような高慢ちきな物言いをする、その心根がブスだと。そんなことをイケメン微笑で言われて、由良はギリギリしつつも言い返せません。
由良御前、昔の美少女ゲームに1人必ずいるタイプのキャラですね。(多分見た目は金髪縦ロール。)
でも、由良御前はよほどちやほやされて育ってきたようで、そんな義朝に100%片想いBaby,I love soスキスキBaby ちょっと振られてムリムリBaby しちゃうのです。わかりませんか。わかりませんね。

■と、今回は清盛成長パートの比重が大きく、あとはさらっとした回でした。
清盛の成長が第2ステージに移り、次は彼の恋バナが始まるようです。
次回は、息子がほしい得子が鳥羽院に襲い掛かりそうになってたり、義清が堀河局と別に悪くないはずなんだけど、やけに背徳っぽい演出で恋愛してるのに比べると、かなりまだまだ青いようですが、でも脇役でなく主人公が清涼剤になってるドラマって、なんか新鮮だわ(^^
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by mmkoron | 2012-02-12 23:54 | 大河ドラマ「平清盛」

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