源平観戦日記


第7話「光らない君」

■今回から、ドラマ直前に「見所紹介」的なコーナーが出てきましたね。それがないのが良かったと思ってたので、ちょい残念。見やすさアピール施策なのかな。
■では、今回の見所です。えっと、正直申しまして

どうしよう、私、今回が一番面白かったかもしれん…!!


1)清盛が成長した!!
海賊の頭領・兎丸は、清盛とはあくまでも対等なつもりでいるので、一門だけウマい汁吸うつもりだったら承知せんぞ!と息巻きます。が、清盛は「俺についてきたことを、決して悔やませはせん!」と胸を張る。
清盛、成長したんだねー。もう、土壇場で自信がない清盛ではありません。
盛国と名前を変えた鱸丸にも、「胸を張って、俺に仕えよ!」と堂々としたものです。
鱸丸は、清盛の乳父・盛康の末期養子みたいなかたちにしてもらったようです。
この設定、面白いですね。清盛が死ぬのって、盛国の屋敷でしょ。
さらに壇ノ浦後の盛国の死に方を思うと、この二人が血縁や「代々のつながり」の全くない、ほんとに個人と個人の心の結びつきだけの主従だってところが、深い意味を持つように思います。

2)明子が、いかにも重盛のママって感じですてき!
■理詰めで自分の生き方を考えてて、結構頑固。うーん、重盛ってかんじ!(私の印象だけど)
でも、明子の気持ちはわかる。結局、彼女は「自分」に自信がないんですよね。
親からも、生身の自分じゃ勝ち目がないから、オプションで勝負しろって教育されて、お祈りだ琵琶だ何だと身につけているけど、でもそれを剥ぎ取ったときの自分に自信がない。
しかし、清盛は
 ・自ら父親を迎えに行ってすっころんでる姿
 ・手ずから作った料理(当時は自分でご飯つくるのは、別に褒められた行為ではないはず)
 ・海の話に目を輝かせた様子
で明子に惚れ込んでて、これはどれも「オプション」ではない、彼女の「素」なんですよね。
逆に明子のほうも、義清が会心の出来だといった和歌には興味がなくて、彼の強さや大らかさに惹かれてる。
そのへんの「必然性づくり」は、うまいなーって思いました。
■実際の「高階基章女」ってどんな人だったんでしょうね。
確かに、イケイケ時代の清盛は嫁さんにするには格落ちかもしれない。誰かの屋敷に彼女が仕えてて、それで見初めたとかなのかしら。
でも、その女性に嫡男を産ませて、そして生まれた重盛を重んじてたわけだから、火遊び気分じゃなくて、ほんとに彼女を好きだったのかもしれないよなーとか、いろいろ思いを馳せてしまいました。


3)恋する清盛がかわいいぞー
■まだ義清も出家してない時期だし、清盛は多分ハタチそこそこなんだよね。
なら、まだあの子どもっぽさでも仕方ないとしよう…。
大声で格調高く(彼としては・笑)和歌をよみあげてるのに意味わかってないトコとか、「つま…つま…」ってグルグルしてるとことか、漫画的だけど笑ったわぁー。面白い!
■義清がいい味出してますね。出番少ないけど、彼がどういう人柄なのかわかるところはすごいと思う。
前に出てきた猫をそのまま大切にカゴまで用意して飼って、清盛の和歌を代作してあげて…って様子から、基本的に面倒見のいい人なんだなってのはわかる。で、同時に、清盛の和歌の代作をしてあげてるんだけど、途中から自分の和歌づくりに頭がいっちゃう様子から、面倒見はいいんだけど、第一優先は自分のインナーワールドだってのもわかる。
■義清といえば、ついに崇徳帝が出てきました!
義清がぶるぶる震えてるのをみて、私は最初「義清は、『うっへー、帝に呼ばれちゃったよ。院と帝のいざこざに巻き込まれるのは勘弁~』って緊張してるのかな?」と思ったんですが、よく考えたらまだ近衛帝も生まれてないし、そういう危惧をする時期ではないですね。
義清が自分で言ってたとおり、ほんとに緊張してただけなんでしょう。しかし、崇徳の和歌を聞いてるうちに、批評家魂が湧き上がって緊張がおさまっちゃうところが、いかにも義清でした。
崇徳は、自分の心を読み取ってくれた義清に心を寄せたようですね。思いっきり人間として這いずり回ってる三上鳥羽とは違う、ちょっと浮世離れした感じのキャラクターで、神秘的です。このへんのキャラ分けもウマい。崇徳もすごく寂しい人だけど、でも三上鳥羽と同じ「現代人っぽく悩む」にしちゃうと、キャラかぶっていきますもんね。


4)得子さまこわい
■得子すげー。これって、つまり、
出勤するために鏡の前でネクタイしめてる旦那に、新妻が「いますぐ子作りして!!」飛びかかる。みたいなもんでしょ。どんだけ新婚で浮かれててもそんな妄想は浮かばないわ。
あ、でも、鳥羽院にとっては子作りが最優先の仕事だし、これも仕事か。それにしても、三上鳥羽が、めっちゃ得子に押し切られてて、笑いました。えーっ、忠盛&清盛に対峙したときのあの老獪さはどこへ!?って。
■あ、そうだそうだ。今回はじめて、たまこさまの会話の中だけですが、「雅仁親王」の名前が出ましたね。


5)少女漫画脳時子がおもろい
■源氏物語FAN時子の使い方が面白かったですね。あの絵巻調CGも凝ってて、よかった。
読んでる時子のナレーションは古文で、字幕が現代文ってことに、私は素直に嬉しくなりました。
ドラマの台詞では難しい語句は使わないように配慮して、「光らぬ君」じゃなくて「光らない君」だったりするわけだけど、根本では古文の響きを尊重してくれてるんだなーと。
■で、あの源氏アニメーションですが、平安時代の絵巻に慣れてる彼女のビジュアルイメージだからアレですが、つまり現代の少女漫画大好き女子に置きなおすと
c0024548_2118348.jpg

って感じなんでしょうか(※この絵は全然現代の少女漫画じゃないですね)。いいわー時子!
■そんな彼女が、無骨極まりない清盛のプロポーズ画面を垣間見て(そう、彼女は垣間見られてるのではなく、自分が垣間見ている側なのだ)、全然夢のようなプロポーズじゃないその情景に、ものすごく感動を覚えてる。それが彼女にとっての「雀の子が飛び立った」瞬間だ…っていう、そのまとめ方がすごく良い。
ベタかもしれないけど、でもこういう何重にも仕掛けられた「ベタ」って、コロンブスの卵みたいなもんで、なかなか思いつかないと思うんだ。


6)清盛の嫁取りが興味深い
■このドラマの中では、忠盛も、そして今回の清盛も嫁取り婚なんですね。
明子が公開裁判みたいに、みんなの前であいさつさせられてるのは「ぎえーこんな結婚報告は気の毒すぎるー」って思ったけど、彼女が末端貴族である一方清盛が今後洋洋であることを思えば、ちゃんと全員に許可をもらっておかないと後がしんどいってのはあるのかもしれない。
家盛はいい子やねー。明らかに他の親族が「あちゃー」って顔してる中で、「ここは自分が歓迎して場を和ませなきゃ」って思って前に出てきたのがわかる。心根のやさしい子だし、同時に、周りの顔色に左右されすぎる子でもあるんですよね。
■で、清盛の口上を聞いて、自分がついに結ばれなかった舞子への想いと重なる部分(=彼女の生き方や信念に共感した)を感じる忠盛。
「ああー、それを言ったら忠盛様の琴線に響いてしまう~」っていう家貞の苦みばしった表情が良かった。
宗子の表情もいい。イトコが持ってきてくれた縁談を蹴られたことはガッカリだけど、そんなこと以上に、忠盛が今も舞子を忘れられないこと、結ばれてないはずの舞子と忠盛に絆があることが許せないんだよね。
このドラマ、男性中心の内容なんだけど、結構女性の心情描写が丁寧なのが嬉しい。中でも宗子は魅力的ですね。ほかの女性に比べると、彼女はリアルだし、彼女単独で(他の登場人物との相互関係や対比なしで)キャラが立ってるように思います。彼女が忠盛が死んだ後も長生きする人物だからそうなってるのかもしれないけど。

7)そんなこんなで、今回はすごいと思った。
宮廷パートと清盛パートって、別々進行になりがちだと思うんですが、そこを、忠盛・清盛の昇進話でつなぐだけじゃなく、崇徳の和歌の詠み方→義清→清盛の和歌の詠み方、でもつなぐ。
さらに、前回から一足飛びに成長した清盛について、「この清盛だから明子を救える」を描くことで、成長をお話の中にしっかり根付かせる。で、今回、忠盛が今までほど絶対的なパパ像じゃなくなりましたよね。すごくさりげなく、そういう移行も起こってる。
今回は特に、お話の運びに感動した回でした。



あ、そうだ書くの忘れてた。
清盛が「好きな女の子以外には、興味ない」タイプに描かれてたのは、
少女の「そうあってほしい」願望をよくわかってらっしゃると思いました。
実際にそんなやつだったらヤだけど、自分だけにやさしくしてほしいんだよね(笑)。
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by mmkoron | 2012-02-21 21:50 | 大河ドラマ「平清盛」

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