源平観戦日記


第9話「ふたりのはみだし者」

今回のタイトル、はみだし者・その1は雅仁だとして、もう一人は清盛なんですかね。今回のお話ではあまりはみだしてなかったので、ちょっと違和感。むしろ、「すげーよ清盛、ちゃんと出仕して社会人してるじゃん!」って思ったんですけどね。
むしろはみだしてたのは崇徳帝だったような。はみだし1が自分から偽悪的にはみだしてるのに対して、自分の意志ではなくはみだしちゃってる感じ。

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■今回最初に登場したのは、初登場・雅仁親王でした。後の後白河院ですね。
でもまだ重盛が生まれたての頃なんですから、この親王様は11歳とかその頃だということに…
そんで場末で博打体験してるんですね。今でいうと小学生が名古屋今池駅裏のパチンコ屋で打ってるような感じなんでしょうか。しかも見るからに高級そうな派手な服着て。
末恐ろしい小学生ですね、じゃなかった親王様ですね。
■興味深かったのは、このシーンに出てきた遊女(かなり下層っぽい)らしき人です。もろ肌脱ぎで、足も丸出しな感じでした。ほんとに下層だったら、こういう直接的なカッコの人もいたのかもなー。

■で、季節は春です。
思いつめた顔で座り込み、固まってる清盛のもとに、赤ちゃんの鳴き声が聞こえてきました。重盛誕生です。
赤ちゃんを抱きしめて涙をほろほろ流す清盛。「血を分けた、俺の子じゃ…」のつぶやきにじんわりくるのは、これまで散々、清盛の寄る辺なさを見てきたからですね。見守る盛国のカットもじーんときた。
しかし、次の宴会シーンで盛国が絡み酒だったことが発覚(笑)。
■忠盛&宗子からもお祝いの言葉があり、さらに宴会には家盛が駆けつけてくれました。兄弟二人水入らずで酒を酌み交わす清盛と家盛。周りからの圧力がなければ、この二人は元来素直で純朴だし、仲良しなんだなーというシーンでした。
で、ここで「平家は兄弟の仲がよかったといわれる」と頼朝のナレーション。「それに比べて」と続いたので、自分とこの兄弟仲決裂っぷりを語るのかと思いましたが、自分とこは棚に上げて、鳥羽院子息たちの関係のことを語り始めます。

■この頃、帝(崇徳)はますます孤独病が悪化中。
中宮聖子(マツダのほうじゃなく、藤原忠通の娘の聖子さん。でも今回はお父さんが誰かは特に説明しませんでしたね。)は子が生まれないことを恥じてるのか帝と距離を置き、そして同母弟の雅仁親王は場末の博打場通い。
雅仁の乳母・朝子の夫はなんと高階通憲です。夫婦ふたりで、彼が帝になる可能性に賭けているわけです。
通憲は、自分の学識を使った直球ルートの政界入りはあきらめ、搦め手ルートに切り替えたようです。
そんな彼らの「賭け」を皮肉る雅仁親王。
この時点では、この雅仁親王のキャラ付けが「底知れないお人」なのか、「小賢しい中二病」なのか判別がつかない感じです。
それにしても、朝子さんは浅香唯ですか。シーシーシーガールですな。

■さて、ここで場面転換です。
久々に聖子ちゃん(今度は松田のほう)も登場です。清盛が生まれた子を見せに来訪したのです。
「お久しぶり!」ってカンジのやりとりじゃないので、しばしば清盛はここを訪問してたようです。
しかし、聖子ちゃんこと祗園女御は、清盛の成長を見届けたのをよいきっかけに、都を出るんだと。しかし、彼女は「清盛も成長したし、もう安心」って気分でもないみたい。この先の波乱を予感してるようです。
その波乱に向かうことになる清盛に、賽の目ひとつで大逆転ができる双六の面白さを語りかける女御でした。
このシーン、二人が語り合ってる後ろで、重盛をせっせとあやしてる盛国がかわええ。
■さて。東国にも運命の前にいる人がひとり。
乳兄弟の正清と一緒に木登り中の義朝さんです。まだ迷走から抜け出せない彼は、木の上で正清に語りかけます。次に足をかける場所を間違えなければ、誰よりも早くのぼることができる、それが木登りだと。
この人生観というか出世観の対比って、今後に何か伏線になるのかな。
一発逆転の双六型(清盛)と、着実に手を打っていく木登り型(義朝)。私はあんまり清盛にバクチイメージはなかったし、義朝に堅実君イメージもなかったので、ちょっと意外な対比です。でも明らかに意図的にやってるよねこれ。
■とはいえ、義朝はまだ次にどこに足をかければいいのかわからない状態。
正清にも、もう少し辛抱してくれと申し訳なさそうに告げます。わざわざ一段下の枝に降りて上目遣いで言うの。義朝って、清盛にも由良にも傲慢というか強いところしか見せませんでしたが、正清にはホンネトークなのね。
それに対して正清が「いつまでも待つ」とか「一緒に頑張ろう」とかじゃなく、「落ちるときは一緒だ」って答えるのも、いいね。義朝を外面の強気に押し上げるんじゃなくて、弱気なまま受け止めてる。義朝に対する自分のポジションが分かってる答え方。ほんとに仲良しなんだなと思えるいいシーンです。
さて、そんな二人に、「勝ってくれたら部下になるから、敵をやっつけてー!」と三浦さんのお申し出。
堅実にやってこうと言ったそばから、いきなり棚ボタですよ!

■清盛→義朝ときたら、次は3バカトリオの3人目・色男佐藤義清さんです。
義清さんは、ソウルメイトになった帝の孤独をなんとかしてあげたいと、たまこ様のふわふわ病を改善しようと思い立ちます。
そんなとき、たまこ様のライバル・得子についに皇子が生まれました。のちの近衛帝です。
さっそく清盛はお祝いの品物を持って行きますが、ご寵愛の女性に子が生まれたというのに、鳥羽院は苦い顔。そのへんの事情がよくわからない清盛に、鳥羽院側近の家成は、生まれたお子のお誕生パーティーがじきにあるから、そこにおいで(そしたらわかるよ)と教えてくれるのでした。相変わらずいい人やね。
■この子の誕生は、当然今の帝(崇徳)にとっては不安の種です。心配する義清の前に、具合が悪いと言っていたはずの帝がわざわざお出まししてくれます。でも、何も言わない。何も言わないんだけど、義清の前に出てくる。具合悪いんだけど、義清に離れてほしくない…不安を言葉にできるわけじゃないんだけど、わかってほしい…。崇徳様、ほんと繊細ですね。

■そして生まれたお子さんのお誕生パーティーです。出席者は

・赤ちゃん ・お父さん鳥羽院 ・お母さん得子
・微妙に下座っぽい中途半端な位置に、たまこ様
・ゲスト席に忠実・忠通・頼長の摂関ファミリー
↑ここまでがアリーナ席↑
・スタンド席に清盛や義清たち武士連中

とまぁこんな感じ。鳥羽院がパーティー開会宣言をした直後、得子が「祝いに相応しい和歌を詠んで」と義清に名指しでリクエストします。
得子いじわるですね。義清が帝やたまこ様お気に入りであることをわかってて、敢えてわが子の誕生を祝う和歌を詠ませるのでしょう。ここで和歌を詠んじゃったら、ガラスのハートな帝がどんだけハートブレイクするかしれません。また「心傷ついてます」オーラ全開で御簾の前にお出ましになりますよきっと。義清、ピーンチ!
■しかし、義清はまさかの大勝負に出ます。帝・作の「瀬をはやみ…」の歌を詠んだのです。
今はこんな隔てられているけれど、いつか仲良くしたいねという、生まれた子への帝への思いを代わりに発表しました。と義清。
帝の孤独を出席者(主に鳥羽院とたま子様)に訴え、得子の傲慢を皮肉る、ナイス機転です。
ナイスではあるんだけど、一同ドン引き。
さらに、義清&帝の思いをけたけた嘲笑しながら、雅仁親王再び登場。赤ちゃん抱っこさせて、と受け取ったものの、やわらかいほっぺを興味に任せてぎゅうぎゅうつねって泣かせてしまいました。
それを「戯れが過ぎるぞ」とたしなめた鳥羽院に、
「私の戯れなんて可愛い物。(あんたたちの戯れに比べたら)」
と皮肉に笑う雅仁親王。

まぁ、確かにお戯れすぎだったよね。出勤前に押し倒したり。

国政をおろそかにするほど側女に入れあげて、さらにその側女は国母になろうと必死だし…と雅仁は続けます。あ、そういう意味だったのね。てっきりあの仰天プレイの数々を指しているものだとばかり(赤面)。
■さーてここからが本番です。雅仁にイヤミ言われたところで、

得子「私は国母になりたいわけじゃない。ただただ福々しい天然女を叩き落したかっただけ。」と
いきなりホンネ暴露。白河との子を帝にしたくせに…と暗黒トーク開始。
鳥羽院、やめてーと絶叫。

みんなドン引きしつつも、日本古来よりのスルースキル発動

強烈に悪意をぶつけられてたまこ様泣き出す…と思ったら、
「私は人をいとしく思うとかわからない。ただ白河院の言うとおりにしようと思って…」と的外れな告白。
鳥羽院、何か言おうとしてももう言葉も出ない。
おつきの堀河も何かフォローしようとキョロキョロするが、打つ手なし。

けらけら笑ってくるくる回りつつ雅仁退場

頼長は気分が悪いから帰る呼ばわりし、忠実は今日は面白かったわーと皮肉り、摂関家退出。「いつでもお力になりますよ」とか(声だけ)優しく(めっちゃ上から目線で)言われて、たまこ泣いてるし、得子はギリギリしてるし、もう鳥羽はちょんってつっついたら絶叫しそうな顔つき。
で、お誕生日会終了。

ひどい。こんなひどいパーティー、星飛雄馬のクリスマス会以外で見たことないわ!

■この誕生パーティーは、ぼんやりのたまこ様も流石にダメージを受けたようです。そこに義清が登場。
美しいもの大好き、面倒見るの大好きな義清君は、「たまこ様を愛に目覚めさせて、たまこ様を救い、帝をも救う」妄想プランを思い描いちゃったようです。多分、彼の脳内でランスロットみたいな騎士道物語が完成してます既に。
うーん、誕生会でのあの歌も今回も、「相手をエレガントに救う自分が好き」って感じなのかも…って思った。面倒見いい人なんだけど、土壇場では自分の様式美のほうを大切にしちゃう人だね。


■今回のお誕生パーティーは、息子が同じく生まれたばかりの清盛としてみたら、こんなお祝いしかしてもらえない赤ちゃん皇子がかわいそうでたまりません。義憤に駆られて通憲にくってかかる清盛ですが、そこに雅仁がまた勝手に外出しちゃったとの知らせが。
■雅仁様はまたバクチに出かけて、しかし今度は負けに負けてひんむかれたようで、下着姿で座り呆けておりました。最初に、キャラ付けが「底知れないお人」なのか、「小賢しい中二病」なのか判別がつかない…と描きましたが、負けたことを勝ったときと同じテンション楽しめてないあたりは、後者のようですね。
それを見透かされ、清盛に「あんたの奇行って、周りに構ってほしいための悪あがきだよね(意訳)」と言われてムカついた雅仁君は、清盛にバクチ勝負を挑みます。
曰く、「自分(雅仁)が勝ったら、清盛の息子・清太をもらう」と。で、無理やり勝負開始されちゃった清盛。
清盛もバクチ運は強いはずなのですが、こののち危ないところも常に勝ち続ける大天狗相手では分が悪い。サイコロで10以上を出さなければ負けちゃう!というところまで追い詰められたのですが…そこで無邪気にサイコロを手に取った清太が、10を出した。


重盛、これで一生の運を全部使い果たしちゃったんだな……


清盛は安堵のあまり放心状態です。が、気を取り直して、清太と一緒に「あがり」にコマを進めます。その二人一緒の「ひーふーみーよー」のほのぼのした声も、負けたことも全部ムカついた雅仁君は、なんと双六盤を振りかぶって、お邪魔虫・清太にぶつけようとする!

めっちゃ大人げない!!(子どもなんだけど。)

驚いた清盛。雅仁のワガママにも大人の対応をしていた清盛ですが、ついにキレます。清太を抱きかかえ、庇いながら「この先、清太に害をなそうとすることあれば、雅仁様のお命、頂戴つかまつる!!」。

うわー。これめっちゃ伏線ですね。
ちょうど私、各話紹介漫画がもうじきこの伏線の回収シーンに到達するので、感慨無量です。
ドラマでそのシーンをやるのは、おそらく40話くらいになってからなんだろうと思いますが、そのときにも清盛は「なぜ重盛を傷つけた!」って怒りを爆発させるのかな。想像するだけでうるうるしちゃう。
■しかし、清盛に対してひるまない雅仁。そこらへんのキモは座ってるんですね。平家の父子は王家とは違うと言う清盛に、でもお前に流れてるのは白河院の血じゃんって言い放ち、また高笑いで去っていく雅仁様なのでした。
登場回だったわけですが、雅仁君の性格は
 ・皮肉屋
 ・自分が常に上位からの観察者でいたい
 ・珍しいもの好きだけど、あくまでも自分が傷つかない前提でのチャレンジ精神

って感じのようですね。うーん、世の中に一定人数いる種類の人ですなぁ。
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by mmkoron | 2012-03-08 01:34 | 大河ドラマ「平清盛」

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