源平観戦日記


第12話「宿命の再会」

■今回イッキに話が進みましたね。すごろくで「6」が出た気分。
OPのキャストの時点で「おっ」の連続でした。
・おっ、明雲が出るんだ!
・おっ、時忠出てきた!
・おっ、時子の父ちゃん、蛭子さんかよ!(そういや「義経」では義経の義父さんでしたね)
・おっ、高階通憲が信西になってる!
・おっ、頼盛出てきた!
ちなみに私、いつもOPの、清盛が矢を放ってお花みたいなCGがばーんと散る映像。あそこでドキドキしてます。あそこに忠実さんが出ると「おっ、摂関家出番あるな」、ナリコさまだと「今日は摂関家出番ないのか…」って。(笑)


■第11回の前半くらいまで、「おお、成長してきたなー」って感じになってた清盛ですが、精神的な支えで、清盛の自信の源だった明子が死んでしまったために、またふてくされモードに戻って増し舞いました。
平家が比叡山の強訴と交渉するシーンから始まりますが、清盛はかなり抜け殻の表情。
マツヤマ清盛は、叫んでばかりなのはちょいウザいけど、表情がいいですね。台詞がなくても、状態が結構詳細に伝わる。
■強訴をうまく(財力を使って)退けた平家ですが、今回も忠盛パパが三位以上の「公卿」になることは叶いませんでした。今回の昇進の結果は「正四位上」。あと一息の、このカベが厚い!!
その壁の厚さを感じているのは平家だけではありません、高階通憲もです。
腹の内では武士を使い倒す気で、公卿にする気なんてさらさらない鳥羽法皇。自分とこが権力の座に就くことこそが正しい道と信じて、それ以外は眼中にない摂関家。それに高階通憲は絶望していました。
別に平家をとりたてていこうとしてるわけではなく、よいパフォーマンスをする臣下がそれ相応の役職に就く状態にしたいというのが通憲の主張だと思います。が、それが叶わない。
それはつまり、下級貴族である通憲自身の未来も閉ざされているということです。
通憲は出家して清盛の前に現れ、ぼやいていきました。彼はこれ以降、「志だけでは道は開けぬ」と正攻法を諦め、ますます搦め手で政治に関わっていくんでしょうね。その第一歩が、出家する(官僚での出世コース諦めて、著名人枠での登用を狙うようなもんだよな)ということなのでしょう。
(でもこのへんの説明が足りなかった。単に武士を応援して、でも夢破れて隠居するって言ってるように見えちゃうよなあれだと。)
その姿に、清盛の閉塞感や無力感はますます募ります。
■通憲が頼長のもとを訪れ、そこで「あー、この人も結局アタマ固いんだよな」と思ってるシーンは、鸚鵡ちゃん主役でしたな。「シュクセイ!」って。
こないだの「ナイミツニナ!」もそうですが、鸚鵡ちゃんが覚えるほどにシュクセイしたんだな、頼長…。

さて。ここで別の疑問がわきました。

あの鸚鵡、何年生きてるんだ…?

鸚鵡ちゃん初登場がいつだったかを思い出します。たしかあれは第8話。ちょうど8話の終わりに明子がおなかに赤ちゃんがいることを伝えて、清盛がカンゲキしていました。ということは1137年くらいです。
で、高階通憲が出家して、信西が出家するのが1144年7月。宋から渡ってきたことを考えると、すでに10歳くらいにはなってるのでしょう。しかし鸚鵡は長生き(30年以上生きるらしい。すごいな、今から私が飼い始めたら、私より長生きしちゃうかもしれないのか…)なので、まだ鸚鵡人生の1/3過ぎてない感じですね。

■さて。清盛の憔悴とは別に、平家一門は地道に発展を続けます。
今日は清盛の弟・頼盛が元服しました。おおーっ、頼盛まで出てきました。
「武士として弟を導くように」という忠盛の言葉に、くってかかる清盛。病の妻に寄り添うこともできず、そこまでして武士の名を背負っても、朝廷の使い捨て駒でしかない。一時期明子の存在によって「家族のために」というモチベーションを持った清盛だけれど、それが消えて、清盛はまた何のために頑張ればいいのかわからなくなっちゃったわけですね。
頼盛は、表情のアップが2回程度しか出てこないので、どういうキャラなのかは読みとれませんでした。
■明子が遺した2人の息子は、時子がしばしば訪れて面倒を見ていました。

そして他人の息子に少女漫画的恋愛教育をする時子(笑)。

二人の息子に源氏物語を読み聴かせたり、琵琶を聴かせたりしますが、清盛に下手な琵琶を聴かせるなと文句を言われて憤慨。
そしてぷんすか怒りながら帰宅した家で、今度は姉弟ケンカ。平時忠登場です。
いいですねー。パパの書物を鶏合わせのバクチですっちゃったらしい。
しょんぼりして鶏(こいつらが負けたのか…)を眺めてるパパがかわええ。しかし蛭子さん、相変わらずすごい棒読みだ(笑)。
時忠はラクして楽しく生きたいと抜け目なくチャンスを探してるタイプのようです。で、毎回バクチに負けて流されることになるのか。(笑)
■時子が清盛邸に通い詰めてると知った時忠は、姉を今をときめく平家の後妻にしようと清盛を訪問。
あけすけな物言いに思わず弟をビンタする時子。
自分の中にある想いへの動揺と、ひょっとしたら…という願望を言い当てたれた動揺からでした。
それをうつろに見やった清盛は、琵琶を弾くなと時子に告げた理由を再度伝えます。

自分の中にある明子の音色をかき消されたくなかったからだ。

これ、正直な気持ちなんだろうけど、きっついね。
「明子を思い出すからつらい」って言われるよりも「大切にしたい思いがあるから、邪魔しないでくれ」って言われたほうがショックだわー。ただし、こう言って来るってことは、清盛は時子に少し心を動かされている(恋愛ではないとしても)部分があるわけですよね。
しかし、時子には言葉の裏側とか考える余裕はありません。
しょげて恋心を諦めかけた時子ですが、自分の「ひょっとしたら」願望を浅ましく思う時子に、時忠が言います。それは違うと。きれいな想いも、何らかの欲から始まっていると。
■これは、前々回の義清出家などから続いていたテーマへの、いったんの答えですね。
美しいものも、出発点は決してキレイなものではない。ただ、それが自分の中のせつなる欲求であるから、美しいものに育っていく。

■ここで舞台は高貴な方々に。
出家したたまこさま。自分の愚かさを償うために心穏やかに出家した彼女ですが、病に倒れます。
いよいよ本当にたまこが自分のもとを去るとわかり、動揺する鳥羽法皇。かつて病(実は白河院恋しい病だったんだけど)に伏した彼女にプレゼントした水仙の花を庭に探します。
鳥羽法皇にとっての「水仙」は、たまこの不義密通を知ったトラウマの源でなく、それ以上に「たまこは、あのとき水仙を渡したら、快癒した」というラッキーアイテムになってるようですね。
でも、今はお庭には菊が咲いてるようです。つまり秋ですな。
水仙の季節は冬~春なので、当然咲いてない。そこで、水仙をもってこいとお触れを出すのです。
この鳥羽法皇の動揺シーン、よろよろ歩いてきて家成にしがみつくシーンではじめて「おっ、このドラマのこの二人もちょっと親密っぽくなったな」と思いました(笑)。家成、鳥羽院のお気に入り(そういう意味で)になって出世したとも言われてる人ですし…。
■お触れは平家にも届き、家盛はしっかり準備。清盛を誘いに来ます。
こんなくだらない召集に応じてられるかとふてくされる清盛。明子を失った悲しみは誰にもわからないとつぶやく清盛に、自分が一門のために恋人を諦めた過去があると告げる家盛。でも、誰にも言わないつもりだったのに、と言った自分を恥じます。
それを見て、清盛は反省したようです。
自分がどう生きるかに必死で、自分の思いを伝えることに必死で、他人の想いを受け取る余裕がなかったのが清盛です。わかってもらいたいばかりで、わかろうとしてなかった。
そんな彼が、ようやく自分を省みる時期が来たようです。
■で、清盛は水仙探しに躍起になりますが、颯爽と現れた義朝に手柄を持っていかれちゃいました。
彼は立派な関東ジャイアンになってるので、子分たちに命じて、遅咲き(けっこうな遅咲きじゃないか?私、植物の知識はないんだけど…)の水仙を持ってこさせたそうです。
なので、ドロドロの格好になることもなく、あくまでもかっこよく去っていく義朝。
懐かしくなったのか、笑顔気味で義朝に駆け寄った清盛ですが、相手が確実にクラスチェンジしてる風情に、あっけにとられたようです。
帰宅した義朝を迎える為義は相変わらずでしたね。「ひーひー」って泣くのがもうキュート(笑)。

■水仙は鳥羽法皇のもとに届き、彼からたまこさまへと渡されました。
たまこに向かって、「しっかりせよ!」と怒鳴る鳥羽法皇。よく考えると、彼って、たまこさまの仕打ちを嘆いたり罵ったりすることはあっても、「~しなさい!」と命じることってなかったですね。
その声で目を覚ますたまこ。
目を覚ました彼女に、水仙を握らせる鳥羽法皇。瀕死のたまこだから、それ以上のリアクションは望めない。だから、鳥羽法皇は目を覚ましてくれただけでもう満足なんですよね。愛しくてしょうがない、って感じで彼女に頬を寄せる姿がけなげでほろり。
しかし、病のたまこのそばから、法皇は引き離されてしまいます。(これは清盛&明子と同じですね)
扉の外に出されてしまう鳥羽法皇。そこに、扉の内から、たまこが呼びかける声が聞こえます。

瀕死の病人の声のわりにデカくないか。

んが、ここは「か細い声だけど、二人がニュータイプだから聴こえた」と思うことにします。

■このシーン、たまこの表情ではなく、たまこの声を聞く鳥羽法皇の表情メインにしているのがいいですね。
鳥羽の絶望が描かれるところから始まったのがこの二人の物語でしたから、やっぱり鳥羽が救われる姿を描くのが「シメ」なんでしょう。
水仙を握り締め、「愛しさに包まれています」と鳥羽に伝えるたまこ。
彼女が言う「(ようやくわかりました。)人を想う気持ちの、きよげなること…」の言葉選びも好き。これは私の主観でしかないんですが、きよらなり=エレガント、きよげなり=清々しい ってイメージあるので、ここで「きよらなること…」ではなく、「きよげなること…」のほうがしっくりくるなーと。
最期の「ああ、我が君」って呼びかけも、コテコテだけど泣けたー。ずっと受動的だった彼女が、ようやく自分から呼びかけたんだよね。じーん。
■鳥羽法皇がたまこの臨終時に「磬」を打ち鳴らして泣いたという逸話は、ガンガン叩いたのを扉にして、「磬」については鎮魂の響きを…みたいにアレンジされてましたね。
その音を聞きながら、得子が手を合わせる。彼女はあれほど憎んでいたたまこに対して、冥福を祈る気持ちになっていることを不思議がってましたが、それは、得子の想いも元は鳥羽法皇への強い愛から始まっているからですね。
得子の仕打ちを、ちゃんと鳥羽への激しい愛情からの憎しみだとわかっていたたまこ。
ある意味、誰も正当に評価してくれない得子の愛情を、評価してくれていたのがたまこさまなんですよね。
うーん、恩讐を超えた関係っつーか。
さーて、ここから鳥羽法皇の純愛パートは終わってしまいました。あとは鳥羽&得子はドロドロ政治パートだけっすね。うわぁ。

■さて。終わる愛があれば始まる愛がある。
清盛たち平家を出し抜いて鳥羽法皇から見事おほめの言葉をいただいた義朝。
ご機嫌なところに、為義から義朝帰郷を聞いた由良御前が訪れました。義朝、一度しか会ってないだろうに、由良の顔覚えてたのね。
相変わらずの「(うれしくってしょうがないセリフ)と、父が…」の素直になれない由良。
彼女が統子内親王に仕えていると知った義朝は、ひっどいプロポーズをします。要約すると、「お前はよい朝廷とのパイプを持っている。なので、俺の正妻になって嫡男を産め。」。憤慨する由良ですが、でもずっとずっと待っていたほれた弱み。結局義朝に抱きしめられたら、自分からすがりついてしまうのでした。
由良がけなげなんだだけど、抱きしめてる義朝の、「一仕事やりとげた」的達成感の笑顔が、カッコいいけどでらムカつくわー(笑)。
■一方。清盛のほうも。
ただしこっちは、義朝にしてやられて、すっかりしなびてた心に闘争意欲という火がつきました。
家盛の抱えていた苦しみに気づいてなかったこと、義朝にしてやられたこと。
すっごい卑近な動機ですけど、「後ろ向きになってる場合じゃない、動かなきゃいけない」って気持ちになったんですね。
勢いよく帰宅したそのままに、二人の子どもと遊んでやっていた時子に「もうお前でよい!」とプロポーズ。
時子も最初はムカー!となるけれど、しかし、そんな清盛に惹かれちゃったのは時子自身ですから、結局はその胸に飛び込んだのでした。
ちゃんとそのタイミングで、カゴに閉じ込めた雀が飛んでった(笑)。よかったね時子。
明子に対しては甘えてた清盛ですが、時子とは友だち夫婦っぽい雰囲気ですね。さて、今後清盛がほかに子どもを作る段階になったらどうなるのかしら…。
■で、由良は熱田で嫡男・頼朝を出産。(ちゃんと「私が生まれた」って言ってましたね。)
時子のほうにも、おなかに新しい命が宿っていたのでした。おおー、いよいよ次回は宗盛誕生です。
(そういや宗盛と頼朝って同年生まれか…)
どちらも順風満帆って感じですが、しかし清盛にはまたしても事件の予兆が…。


■OPに出てた明雲って、どこにいた?って思ったのですが、最初の強訴シーンに出てきた代表っぽいお坊さんがそうだったようですね。
清盛よりちょい年上くらいだから、役者さん的に違和感はないんだろうけど、でも戦う気マンマンな雰囲気が、意外でした。明雲って、平家物語だけ読んでると、もっと「巻き込まれ型」っぽい人に思えてたから。
でも、平家に出てくるときはもうおじいちゃんですもんね。若い頃はやらかしてたのかも(笑)。
明雲は、清盛晩年にも出てくるはずなので、どうなってくのか楽しみですね。平家とはある程度親密になっていく人だし。
■明雲というと、平家物語に出てくる、安倍泰親の「日と月の下に雲がかかっている。縁起悪い。」って見立てがわかりやすくて、印象に残ってます。
それにしても、天災でみんなが動揺してるときに畳み掛けるように不吉なこと言うトコロといい、壇ノ浦合戦前のイルカ占いといい、平家物語に陰陽師が出てきて何かお告げすると、たいていロクな見立てになってないんだよね。いつも「占うよりも、こいつを黙らせたほうがいいんとちゃうか」って思う(笑)。
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by mmkoron | 2012-03-26 00:26 | 大河ドラマ「平清盛」

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