源平観戦日記


第14話「家盛決起」

■今回はすごい良かったー。
13回分ずっとちまちまちまちま描いてきた家盛の人柄が、こうやって彼の結末につながるのかと。カタルシスあるわぁ。

【家盛】
■さて。家盛が初めて清盛に面と向かって反抗し、そして失速・墜落するというのが今回のお話。
なぜ家盛が突然あんなキャラになったのかは、丁寧に描かれてると感じました。
「当たり前の母のように笑いかけてほしい」。
私、大河ムックのノベライズは読んでたので、笑いかける対象は清盛なのかと思ってたのですが、ドラマの展開だと、家盛なのかな。
ずっと母は家盛に微笑みかけることに後ろめたさを感じていた。家盛は、母の「清盛を兄としてたてよ」ということばに疑いを毛ほども抱かず、心から清盛を兄と慕っていた。母の自分に向けられた笑顔にも、無理をしているつらさを感じてやれなかった。
「おかあさん、他の女の子どもを立てなきゃいけなくてかわいそう」とは違いますよね。
自分が兄を慕うこと、当たり前のように兄を嫡男としていることが、母に「できた妻」の無理を強いることへの加担だと思ったから、この問題に対して無頓着だった自分を恥じたわけですね。
だから、慕う兄と対決して自分の心が痛む道を選んだ。
母親への「当たり前の母親として笑ってほしい」という台詞と、白い犬をかわいがる兄弟に目を細める姿で、そのへんの心情が伝わりました。犬はいかんよ犬は。泣くー。
■でも、結局は、彼の真心は頼長にかる~く利用されてしまいました。
頼長に認められたと思ったときに、初めて、兄と自分を同じ土俵で比較する視点も持ったのでしょう。そこで芽生えた僅かな自尊心も砕かれちゃった。
ただでさえ無理して冷たいキャラを演じようとしてたから、無理に無理な力が加わって、砕けちゃった…って感じでしたね。
頼長にもいわれてたけど、「こまいひと」ですよね。頼長に再度押し倒されかけて、ひーっってアタマから逃げちゃうとことか、ほんと神経細い人だなぁ。なんかいろいろ失うものが多かったから仕方ないか(涙)。
■さいご、幻の兄に手を伸ばそうとして届かないところは、泣いたわー。
私、前にも何か同じようなシーンで泣いた既視感があったんだけど、いまわかった。
「チャングムの誓い」の、チェ尚宮様が死んじゃうシーンだ!!

【清盛】
■清盛、以前よりずいぶん大人になったと思ったけど、実は相変わらずキャパの小さい男ですね(笑)。
弟がもてはやされて、跡継ぎにふさわしい!とか言われてるとスネちゃう。ガハハお前もやるな、と笑うくらいの気概がほしいところですが、面と向かって敵対してきたのが家盛だったことが、よほどショックだったのかしら。
■今回、いいなぁって思ったのが、時子とのやりとり。
既に、清盛にとっての「家族=居場所」が、忠盛の家から、時子と子どもたちのいる家に移行してますね。
以前に、「忠盛に前ほどのイニシアチブがなくなってきた」と書きましたが、そういう世代とか居場所の変化のさせ方が、このドラマ巧いなぁって思います。
あと、時忠も良かったですね。もーめっちゃチャラい(笑)。なんでこいつここで普通に餅食べてるの?って思うんだけど、いそうだわーこういう親戚!
でも、時子の一途な思いを目の当たりにして、ケッとするわけでも苦笑するわけでもなく、当惑してるのが、「根は悪いやつじゃないんだろうな」って感じ。ねずみ男的…って印象。欲得で動いてるんだけど、愛嬌がありますね。

【義朝】
■出番短かったけど、為義と方向性の違いで衝突してます。おおっ、伏線。
保元の乱では、為義は頼長側、義朝は信西側につくわけですが、こんな形で亀裂が入り始めるとは。
義朝も、嫡男不適合…みたいなこと言われてましたね。おおっ、そうするとこっちも嫡男対抗馬として源義賢が出てくるのか!? 源義賢というと、これまた頼長とのあれこれが有名な人ですが…
(家盛があんな容易く組み伏せられた後なので、義賢がやらかしてくれると、それはそれでカッコいいな・笑)
■清盛との関係は、相変わらずちょっとケガしそうなライバル関係といった感じで、命のやり取りをする厳しさはまだないですね。今回、清盛がちょっと人恋しいモードなので、義朝にも人懐っこいのが笑えた。
■勝気な由良との関係がどうもぎくしゃく気味である一方で、癒し系・常盤が登場しました。義朝&清盛による、平安版マイ・フェア・レディ状態になるのか?
ここを巧く描けば、うちのおかんみたいな女性視聴者が入りやすくなるかもしれないので、いい感じで並行エピソードとして花開くといいな。

【清盛の弟たち】
■突然、経盛&教盛が出てきたー。教盛のほうがハキハキ君で、経盛のほうがおっとり君というキャラなのですね。前者が体育会系、後者が文化系ってキャラ分けにするのかな。
こいつら清盛につめてーな!ひどい!! って思ったけど、まぁよく考えると、発言権のない庶出の子ども達って、こんな感じなのかもな。
それにしても、清盛が「神輿を射た事は後悔していない!」と宣言したときの、ドン引きっぷりったらなかった(笑)。画面からいい具合に場が冷えた感じが伝わったよ…。
こんな弟たちが、どうやって壇ノ浦で運命を共にするまで進むのか。今の時点で兄弟達に全然人望のない清盛(笑)が、どうやって彼らを引っ張っていける度量を身につけるのか。今後の出番が楽しみです。
■そんな中、既にほかの弟達と一線を画す感じになってるのが、頼盛ですね。
清盛にとって針のムシロだった家族会議のシーンでも、係わり合いになろうとせず、ちょっと痛ましげな表情でした。
あれ、清盛に対してなのかなーって最初思ってたんだけど、ひょっとしたら家盛に対してだったのかもしれないと改めて思ったりしてます。彼は家盛が無理している気配を感じてたんじゃないかと。
この頼盛、「義経」のときに出てきた頼盛(は、心弱いけど真面目な人…って感じだった)とはまた違う印象ですね。今はとらえどころない感じなんですけど、この先どう描かれるか興味あります。
賢そうだけど、時忠みたいな「利に聡い」感じ…ともちょっと違う演出のように思うんですよね。
この頼盛の路線のままだったら、「一門の中で孤立気味で、宗子による縁もあって平家から離脱」とも「自分の保身を図って、離脱」とも違う理由で、都に留まりそう。平家を残すためなら…という思いの発露とか。


【頼長】
■頼長が家盛とそういう関係だったという記録はないわけですが、頼長が舞人に手を出したって話は残ってるので、そこから着想を得たんですかね。
舞のシーンが結構じっくりでよかった。「義経」の青海波とか、役者さんたちはめっちゃ練習したって語ってたのに上半身だけ2秒くらいでしたから(涙)。
舞のシーンで紅葉を簪にしてて、家盛が落馬するあたりは桜。「割と長いスパンの話だったんだな」ってのがさらっと出てましたね。直衣も着替えてたし(人物デザインの人も、直衣の色はお約束どおりにしてるって言ってた)。
■あ、そうだそうだ。このドラマで出てくる、布部分が赤い御簾って、「義経」の小道具の再利用ですよね。「義経」のときに「本来は緑色の布なんだけど、平家っぽさを出す為に、平家のシーンのために赤い布を使った御簾を作った」ってスタッフさんが語ってたんですよ。そのときは「当時は丸い柱なんだけど、丸にすると費用がかかるから四角い柱を使ってる」とも書かれてたんだけど、今回丸い柱のシーンもありますよね。「義経」の道具が再利用できる分、丸い柱に費用をまわせたのかな?とか勝手に想像。
■あ、いかんいかん。頼長でした。
自分からたくらみのネタばらしをベラベラ語りだすところが、「いかにも悪役ー!!」って、わたくし拍手喝采でした。いいねいいね。
しかも、「棟梁の器だと思って引き立てたと思ってるのか?」的なあの台詞!
悪女キャラの「私があんたみたいなゴミと本当に付き合うと思ってたの?」に通じるあの憎らしさ!! 頼長って、融通利かない人だけどそこまで性格悪くないだろ、とも思ったんだけど、でもこのドラマの「自分は使う側・相手は使われる側だという身分意識、自分は他のヤツとは違うという自意識がはっきりあって、隠そうともしない」というキャラとしては、自然な台詞でした。
悪辣度がupしてるけど、でも、陰の政治的素養も実際よりも高めに設定されてるような気がするな、この頼長って。


■今回、「そこで終わるかー!」ってトコロで終わりでした。次回は既に家盛が死んじゃったところからスタートの模様です。1話以来のブレブレ状態になる忠盛が見ものです。次回もたのしみ!
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by mmkoron | 2012-04-09 00:56 | 大河ドラマ「平清盛」

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