源平観戦日記


第15話「嵐の中の一門」

■いま、漫画描いてます。今日も家事以外はずっと漫画。これを乗り切ってGWは遊びくらしたい…!!

■さてと。精神的にボロボロになっていた家盛が馬上から崩れ落ちたのが前回までのあらすじです。
今回冒頭、やっぱし家盛はそのまま亡くなっていました。
今まで時々剥がれつつも理性を維持して「知的な母」として頑張ってきた宗子さんですが、家盛のなきがらにとりすがり、身も世も無く号泣します。
そのあとに走りこんできた清盛。この驚きの表情がいい。ショックが突き刺さってるのがわかります。しかし、家盛に当たり前のように近づこうとしたところで、宗子に家盛に触れるな!と叫ばれてしまいます。
呆然となった清盛を、怒りの形相でひっつかんで皆の輪の外へ放り出す忠正叔父さん。
叔父さんは、清盛が神輿を射抜いた神罰が、家盛に降りかかったのだと思っているのです。事件から1年半くらい? うーん、まだ「神罰だー!」が適用するくらいの期間かぁ。前回にちょっと出てきてた藤原師通も、事件から亡くなるまで4年くらいあるしね。
忠正からは「お前が死ねばよかった!」とまで言われる清盛。何も言い返せず、這いつくばったまま涙を堪えて前を睨みすえるしかないのが悲しい。
■その騒動の中、忠盛は黙々と仕事に復帰します。その様子を気に入った鳥羽院は、忠盛に、落雷で消失した高野山の宝塔を再建せよと命じます。もちろん、私財で再建してあげるわけですよ。これが仕事!?って現代の感覚では思っちゃうけど、仕事なんですよね。接待ゴルフがメインの仕事、みたいなもんかしら。つらい。
■一方、清盛はまたしてもメソメソしてます。屋根に上って雨に打たれたり。
それに対して、やってきた弟の頼盛は「兄上は何かにつけて大仰な」とあきれ気味。この頼盛は、清盛評が的確ですね「突っ走るわりに、あとでうじうじ悩む」みたいな評価もしてて、その通りだわーと笑いました。
でも、清盛のこのダメなところって、「自分はその他大勢に泥まない人間だ!(=よそ者であることを敢えて誇示する)」という気持ちと、その一方で常に持っている所在無さ・よそ者である寂しさの葛藤の結果、ずーっと持ち越している性質なんですよね。
今までずっと見てきて、本質的に解決してないことも知ってるから、ウザい性格だよなーと思いつつも、気の毒なんだよね。
さらに頼盛は清盛に、家盛の最後の言葉を告げます。と言っても、「あにうえ」の一言なんですけど。ただ、家盛が最後の最後に声をかけた相手は、清盛だったのです。

■それでちょっと浮上したのか何なのか、清盛は高野山での再建事業に向かいます。これ、セットなんですよね…森の雰囲気の再現度がすごい。ヨコ向きだったら、森のシーンって結構見るけど、奥行きを見せた画面で森を作るのって、結構大変なんじゃないだろか。これすごいなー。
■そこで、義清に再会する清盛。よっぽど寂しかったんだろうね、義清に会ってニコニコしてるのが、かわいくもありかわいそうでもあり…。相変わらずのモテモテ義清にズッコケたり、生き生きしてます。
それを裏打ちするように、京では時子が弟に語っていました。清盛は思っていたのと違った。思っていたよりも、もっと寂しい人だった。だから私は絶対に離れない…と。

■浮上した清盛ですが、宗子が舞子の形見である鹿角を叩きつけて、忠盛に詰め寄り、号泣している姿を見てしまいます。で、またテンションダウン。
やっぱり自分なんかが高野山の再建をしたところで、家盛の供養にはならない…とウジウジしているところに、今は西行となった義清が訪れました。
そして、平泉の寒さの中で、立ちすくんで歌を詠んだ話を再びします。
前回高野山で再会したときは、「お前、そんな寒い中で和歌なんか詠んでなんだよー」的に清盛がからかっただけだったのですが、西行は清盛に伝えます。
なぜ突き刺さる寒さの中、目を逸らせなかったのか。それは、その厳しい中に何か美しいものが見えたからだ。あなたも、今の一門の嵐から目を逸らすと。そうすれば美しいものが見つかる。
■つい土壇場で逃げがちな清盛に、逃げるなという西行の言葉。その言葉に、清盛に覚悟が生まれます。

■さて。その頃朝廷では、元服した近衛帝に、頼長の養女・多子、忠通の養女・呈子の両方が入内し、寵を争う事態が起こります。元々は忠通は長く嫡男が生まれず、弟頼長を養子にしていましたが、1149年時点で、基実・基房・兼実と3人男子を授かっています。なので、もう弟に家督を譲る必要がなくなってるわけですね。
しかし、パパ忠実は頼長に早く家督を譲れと強いているようです。
これ、忠通は相当傷つく状況だと思うんですけど、どっちも陰湿なやり取りなので、清盛ん家のようなかわいそう感がない(笑)。
とにもかくにも、頼長は父親の愛情で加点されて、兄と真っ向勝負している状態です。
■一方武士は。忠盛のほうは揺るぎもなく、仕事を着々と行っています。その様子に得子もご満悦。これが完成したら公卿に推薦してあげるね、と言われて高揚します。
しかしそれを台無しにするのが頼長。
 ・清盛への鬱屈を煽ってやったら、あっさり乗ってきたよ(バカねー)
 ・お前のほうが跡継ぎに相応しいよっておだてたら、あっさり尻尾を振ったよ(バカねー)
 ・こっちに踊らされてると理解したときには手遅れだったみたいね(バカねー)
 ・自分に何もかも差し出したよあいつ。いろんな意味で。(バカねー)
の多重攻撃で、忠盛の信念を砕きました。
このドラマの中で、頼長と雅仁は精神攻撃が得意な双璧ですね。頼長は父ちゃん譲り。
さて、このシーンで頼長のお気に入りの近習・秦公春が登場してました。わざわざ「きみはる」って呼びかけてたのは、こやつらが「そういう仲」だという気安さを表現しているわけですが…。
私は、「恩赦で犯罪者が釈放されたのがどうにも納得できなくて、公春を行かせて犯罪者を殺させたよ」事件の印象で、秦公春って、黒服グラサンでいつも前で手を組んで立ってる(笑)イメージを勝手に妄想してたんですよ。でも、普通に上品そうな人でショック(笑)。

■心の軸を砕かれた忠盛。1話以来の激しさで、清盛のもとにやってきます。
清盛は、絵師さんの勧めで、曼荼羅に筆入れをさせてもらっている最中でした。それを蹴っ飛ばし、止めようとする忠盛。自分が間違っていた、武士は今の立場で甘んじていればよいのだ、身の程知らずな目標を持ったから、宗子を家盛を傷つけた。
これは、清盛の存在を否定する言葉でもあります。しかし、清盛はもう傷つきませんでした。
引き剥がされても、どっかにぶつけて額から血を流しても、曼荼羅に這って行き、放り投げられた絵の具のかわりに、自らの血で菩薩?の唇に朱を入れます。
その姿は、忠盛すら圧倒されて、手出しできない。
この儀式は、忠盛や宗子を経由しない、清盛と家盛という兄弟の儀式なんですね。親(一門)の思惑を経由せず、まっすぐに向かえば、清盛にとっての家盛、家盛にとっての清盛はただただ大切な自慢の兄弟でしかない。
■清盛が見た美しいものは何だったのか。それは、いつも挫けていた、けれど今回まっすぐに通して形にした、自分自身の兄弟への愛情だったのかもしれません。
その反射を宗子は見て、「家盛が、かけがいのない兄上によろしくと言うておる」と言ったのでしょう。
なんかこれはわかる気がする。私にも弟がいるんですけど、親を経由したときの(連絡ルートという直接的なことではなく、気持ちの上で親の存在を経由するかどうか)関係と、直接つないだときの関係は、ちょっと違う気がする。
■こうして、一門の絆を取り戻した平家でした(でも忠正おじさんは不満なままなのでは?)。しかし、こっちが鎮火したらこっちで火が。源氏のほうで騒動がおきようとしていました。

■さてさて、今回の源氏です。流れに沿うとちょい脱線なので、ここに書きます。
前回、義朝は「院に仕えたい!」と、摂関家に追従する為義に反抗していました。
そんなに院への忠義心篤かったんだっけ?と思ってたけど、あれは「院に仕えたい」というよりも、「摂関家に仕えたくない」だったんですね。初期に、為義が忠実からけしかけられて、忠盛を闇討ちしようとした件。あれが義朝に「摂関家は父を道具として使い捨てようとしている」と決定的な不信感を抱かせる伏線になってました。なるへそー。私はすっかり忘れてました。やられた。
■摂関家に逆らえない為義が腹立たしい義朝。ふてくされて町に繰り出したところで、常盤親子に出会います。どうやら前回お酒を買って以来、この家族から買い物をしてあげてるようですね。
常盤は、忠通配下のスカウトマンに、入内する呈子の雑仕女にならないかと勧誘されていました。病気の母を置いて外に働きになんて出られない!と拒否するかまえの常盤に、義朝は、親の暮らしをよくしたいなら、スカウトを受けるべきだと諭します。
わたし、由良のときにちらっと言ってたみたいに「常盤が呈子に仕えれば、情報ツールになる」みたいな野心で勧めるのかと思ったのですが、違いました。義朝は言うのです、「親の役に立つのが、子どもとして本望ではないか」と。
ああ、義朝もほんとはお父さんの役に立ちたいんだな、そのために間違った行動を正したいのに、伝わらないからイライラしてるんだな、と。ほろりとくる言葉ですね。忠正が清太にかけた言葉と同じ手法ですが、こっちにもまんまとじんわりしてしまったよ。
■しかし、そんな思いも伝わらず、為義は忠実・頼長の命じるままに、どっかを焼き討ちするようです。どこなのかは次回分かるわけですが。

■書きそびれたのは、崇徳&雅仁親王の負け組同居生活。この同居ハウスは住みたくないわー(笑)。
同母兄弟なのに、まったく意思疎通できてない。
清盛並みに人恋しいタイプなのに、周りにいるのが璋子様とか雅仁とか電波な人ばかりで哀れだよ崇徳さま…。「お前マジ頭おかしいだろ」という反応ではなく、「お前ほど潔かったら」って雅仁をしみじみと見る素直さが、気の毒さを増してます。そこはうらやむところじゃない。
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by mmkoron | 2012-04-15 22:54 | 大河ドラマ「平清盛」

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