源平観戦日記


第28話「友の子、友の妻」 

■久々に感想を書きます。書いてないとこから順番に埋めていこうかなーとも思ったのですが、記憶が新鮮なほうを先に書いちゃったほうがいいと思いなおしまして。28→25→26→27の順番で埋めていこうと思います。
今回は、本編開始直前のCMで岡山でも清盛トークイベントやるという告知が! 饒舌じゃないほうの考証の先生がゲストでした。ドラマ本編のトークというよりも、背景知識のトークになりそう(そっちには実はあまり興味がない。ドラマの話だからこそ今、生で聴きたいわけなので。)な気もしますが、往復はがき出してみよう~。

今回のストーリーは戦後処理に特化してたのでスッキリしてました。あと、あっさりしてましたね。

1)義朝の最期
■自分達の本拠地である東に向かって逃亡した義朝。
そういえば昔、「なぜ日本人は北東に逃亡する傾向にある」ってのをTVで見たことがあったのを思い出しました。義朝の場合は東国が勢力圏だという理由があるので、別に日本人の習性ってわけじゃないんだけど。のちの木曾義高が、鎌倉を脱出してなぜか埼玉方面に逃げてくのが不思議だったんですよねー。
■義朝と一蓮托生な鎌田正清のほか、義平、朝長、頼朝の3人も父親に付き従います。しかし、この3人が次々に離脱していく。
まず最初に頼朝。父が源氏伝来の太刀・髭切(旧名:友切)を佩いていないことに気づいた彼は、父親に声をかけますが、義朝は心ここにあらず状態で返事をしてくれない。ひょっとしてお父さんどこかに落としちゃったのかな? ときょろきょろ探しているうちに、はぐれてしまいます。
従来の「寒くて馬上でうとうとしてる間にはぐれた」じゃなかったですね。
次に次男・朝長。彼はもともと傷が深かったのですが、途中、美濃の「青墓」でいよいよ進めなくなってしまいます。自分を置いていってくれ、できることなら他人の手にかかるよりも、お父さんの手で引導を渡してくれと懇願され、義朝はかつて父にはできなかった「手にかける」をやりとげます。
最後に長男義平。彼は父に再起を期してくれと願いつつ、自分も落ち延びて挙兵すると去っていきます。実際彼はこっそり都に潜伏したところを見つかって、近江方面まで逃げるんだけど最後に捕縛されて殺されちゃうんですよね。義平ですが、重傷の朝長を馬に乗せて、自分は引いてあげてるところに、残忍な勇猛さだけではないところを感じてちょっときゅんとしました。
■伝来の太刀、命そのもの、活力、それぞれの形で父の名誉を守ろうとした子どもたち3人を失って、そうして義朝がたどり着いたのは、知多半島。
土地勘のある人だと、「どうして岐阜から知多へ行くんだ?」って不思議ですよね。岐阜からだったらそのまま名古屋市内に入って熱田を頼るか、東国目指すかすればいいのにと。私、平治物語を読んでないのでそのへんのいきさつがわからないのですが、揖斐川あたりを下ってそのまま海路に入ろうとしたけど、天候が悪くて知多にいったん避難した…とかなのかなぁ。
■まぁそれはいいとして、正清の舅の治める地に逃げ込んで、一息のふたり。正清の舅である長田忠致は、疲れた二人にお風呂の用意までしてくれる気配りを見せてくれます。なんつー歓待。「ゴハンにする? オフロにする? それとも…」的新妻のよーな歓待ぶりです。しかし、義朝は気づいていました。
彼らを匿う気なんてないのです。
俺は足をかける場所を間違えた、もう木登りは終いじゃ。そう正清告げる義朝。タイミングよく、長田が「お風呂の用意をしましたので、太刀をお預かりします。」と告げます。そう。長田たちは2人を丸腰にしたうえで捕らえるつもりなのです。
ここが自分達の最期の地と悟った義朝と正清は、こっそり機をうかがう長田勢を払いのけ、庭に飛び出します。そこで刺し違えて死ぬのでした。「切腹」というお作法がない時代だから、死に方もいろいろバラエティーに富んでますよね。
失われていく義朝の視界に映るのは、「次は負けぬからなー!」と叫んで自分の背中を追っていた清盛の姿。…といっても、負われていた義朝には清盛の姿は見えなかったわけなので、声が脳裏に浮かんでいたのでしょう。「次などない戦に負けた」彼に聞こえたのがその声だったというのは、義朝にとってはせつないですなぁ。。。

2)信頼の最期
■信頼と成親は、後白河のところに逃げ込んで謝罪していたところを、清盛側へ引き渡されました。
後白河のところに逃げ込むってのが、甘いっていうのと同時に、後白河はマジでアホだと舐められてたんだろうなーと思っちゃいます。
ボロボロの2人をねぎらうかのように見せて、信西がかつて言い残した長恨歌(=無能な臣下を寵愛しすぎると国を滅ぼすよーというメッセージ)を謡って聴かせ、清盛サイドに引き渡す後白河。
最初は後白河と一緒に歓待演技しておいて、後で捕縛される2人を冷たく見ていた紀伊局が印象的でした。
どそれにしても、後白河が何を思ってこういう行動をしてるのか、いろいろな解釈が可能ですねー。

ⅰ)本当はどっちもバカだけど可愛い臣下なので、助けたかった。
  でもこの状況で清盛に逆らう気はない。引き渡すしかあるまい。
ⅱ)遊び相手としては重宝していたが、信西を殺したのは許せない。
ⅲ)あくまでも自分を立てるからこそ可愛がってた。自分を舐めて権力を握ろうとしたのは許せない。

引渡しの後に非常に苦々しい表情をしてたので、ⅰ)と解釈することもできなくはないんだけど、でもそう考えるには、清盛の権力がまだ完成されてないかなー。
ⅱ)だと「実は賢君」モード、ⅲ)だと主役が自分でないのがガマンならない自己中さんですよね。私はⅲ)かなって思うんですけど、どうなのかな。次回の滋子とのやりとりでそのへんの心情がわかるのかもしれないですね。
■そんなこんなで、六波羅に引き渡された2人ですが、成親は家成パパ時代からのよしみもあり、かつ現在は重盛を通しての姻戚ということもあって、断罪を免れました。しかし信頼は許されない。「おもしろくないのう」とつぶやく彼に、清盛は志のないヤツが面白く生きられるはずないだろと言い放ちます。で、斬首。
全体的に、信頼の扱いはアッサリしてましたね。キャラクターも、このドラマとしては伊藤忠清とか清盛弟のうち教盛や経盛レベルに単純化されてた。
平治の乱は「敵」を義朝に絞り込んで描いたってことなんでしょうね。
保元の乱が、誰か特定の人や陣営を敵としたというよりも、「運命のハードル」と対峙する感じだったのとは違って、シンプルに描かれてるなーと思います。


3)頼朝の処遇
■ドラマを観て、池禅尼がハンガーストライキして頼朝を助命しようとした理由が、「家盛に似ていたから」だけではなく、シビアな処断に徹することで無理をしている清盛の心的負担を慮ってのことだったのが、良かった。
血曼荼羅の件があったのに、ここで「家盛をころさないでー」だと、あのとき描かれた話が台無しじゃん!って思ってたので。
テンション上がったのにつられてうっかり水を飲んじゃった池禅尼のリアクションが可愛かった。
■池禅尼登場の前には、同じ年である頼朝と宗盛がしっかり比較されてました。初陣だったからちょっとショボくても仕方ないんだ…と自分を擁護しようとする宗盛に、うっかり私も初陣だったんですよーと返して逃げ場を奪ってしまう頼朝。あーあ。
この2人、この20年以上後に、今度は鎌倉でご対面するんですよね。逆の立場で。そこも描かれるのかな。伏線貼るのが大好きなこのドラマで、ここで宗盛と頼朝が対面したってことは、あるんじゃないかなーって期待してます。しかし、見るのがツラいシーンになりそうだな…。
■さて、そんなこんなを経て、頼朝の処遇が決まる日がやって来ました。
父が清盛の前においていったという髭切の太刀を見て、父の弱さに傷つき、早く殺して欲しいと願う頼朝。その彼の前に清盛は立ち、殴りつけます。清盛は目の前にいる頼朝ではなく、もう殴りつけることのできない義朝を殴りつけたのです。
ここからの流れがアツくていいですね。
保元の乱のときに、清盛は「生き抜いてこそ」を強く知った。だから、どんな形であっても武士の世を作り上げようとしている。しかし義朝は、「武士らしくあれた」ことに自己満足してイチかバチかの勝負を選び、結果的に舞台を降りてしまった(と、清盛は思っている)。清盛は、唯一同等の立場で「生き抜く」苦しみを理解し合えると思っていた義朝を失ったことに傷ついている。
セリフをきいていて、あーそういうことなのかと理解できました。
■ここで、義朝の死のシーンで入っていた、清盛の「次は負けぬからなー」とつながりました。
義朝は、あの回想をしながらなんとも言えない表情で死んでいきましたが、あれは「次」の勝負をもう清盛としてやれない寂しさだったんだなと。義朝は、あのときにはじめて「後悔」したんじゃないかな。「もっと長く清盛と競い合える方法を探してもよかったのかな」って。
正清と刺し違えるシーンでは思わなかったんだけど、ここで清盛のセリフをきいていて、義朝のあの表情とすんなり繋がった。
■いわば異業種の友である信西も、同業他社の友である義朝も失って一人残された清盛は、一人で夢に向かって進むしかありません。一人ぼっちで目指す夢は、楽しくて夢を目指すのか、楽しくて目指してた頃の自分の夢をかなえてやるという義務感なのか。それでも清盛は立ち止まらずに進んでいきます。頼朝はその背中を見つめるのでした。

4)常盤母子の処遇
■常盤は、子ども3人を抱えて逃避行。鬼若(弁慶)が彼女に隠れ家を提供し、出産できるように取り計らってくれたようです。しかし、関係者が次々に捕縛されていく今、見つかるのも時間の問題。
そこで彼女は、自分から清盛のもとへ乗り込んで、命乞いをする道を選びます。
鬼若はその決断に承服できませんが、しかし、通りすがりの庇護者でしかない彼が口を出すこともできないのです。
■で、結局常盤も3人の子ども達も命を救われます。ここで、清盛自身の出生を重ねてきたのが面白かった。そっか、確かに、今度は清盛が白河院の立場なんですよね。だとしたら、確かに殺せないわ。
清盛は、傷ついた自分の心を立て直して前に進むために、「どんな目にあっても、生きることを選択する」魂を探しています。だからこそ、頼朝を殺さずに、生きることを強いた。
常盤は、私は源義朝の妻だと言い放ちつつも、清盛の手篭めにされてでも生き抜いて子を守る覚悟を見せました。それこそが清盛を救う魂です。にやりと笑って常盤に覆いかぶさる清盛が、なんとも痛ましいというか何というか。はやく元気になってね。次回には元気になってるみたいですが。


5)その他
■今回って、あまり脱線がなかったのですが、師光の動向は気になりますね。
西光となった彼は、十数年ののちに、清盛の敵対者になっちゃうわけですが。今回頼朝を助命したこともその一因になるのかなー。
■あとは、安達盛長が初登場でしたね。このドラマでは池禅尼が手配したことになってるのかー。
平家サイドがつけた側近から始まって、やがて頼朝に心服して腹心になっていくって展開なのかな。それとも、もともと何か思うところがあって池禅尼の募集に手を挙げたって設定なのかな。今のところ分かりませんが、今後が楽しみです。
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by mmkoron | 2012-07-15 22:48 | 大河ドラマ「平清盛」

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