源平観戦日記


第32話「百日の太政大臣」

■今回のあらすじは

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【都】
ものすごい勢いで位階官職を上げていく清盛。バックについていた藤原基実が若くして病死するという緊急事態が起きるものの、そのピンチもチャンスに変えてのしあがる。
しかし、それは清盛に無視されて内心ハラワタ煮えくり返っている後白河による「祭り上げして倍速でゴールに到達させてしまう」作戦だった。その種明かしをされた清盛は絶望しかけるが、持ち前のバイタリティでそれすらも逆境を変えようとする意欲に変えてしまう。
名ばかり栄誉職である太政大臣にまで持ち上げられた清盛は、自分からわずか100日でそれをあっさり辞任。勝手に「あがり」にさせられた清盛だが、それを逆手にとって、立場の制約から自由になったのだ。

【東国】
頼朝は、永遠に続く流人生活でぼんやりモードだったが、八重姫との出会いによって「小さな幸せで満足」モードに入り、ますますかつての武人としてのカドはとれていった。八重姫と生まれた息子との小さな幸せを育ててここで埋もれて生きていこうとマイホームパパとして目覚めたのもつかの間、前回都で清盛の迫力を目で見てしまった八重姫の父親にその赤子を殺されてしまう。かりそめの平和ボケになりかけていた頼朝だったが、ここで「敗者である自分」を突きつけられることになった。
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とまぁ、こんなかんじ。
本筋はこれだけなんだけど、いろいろ組み込まれている今後へのポイントがありますので、そのへんをメモしておこうと思います。

1)摂関家兄弟のネチネチ
■なくなる前から、朝議の場面や兄弟とのやり取りで、ストレスフルで弱り気味だったことは描かれてました。
基実がなくなったときの、涙目の盛子がかわいそうだけどかわいかった…。これ、基実がイケメンが売りの俳優さんだったら、もっと盛子が視聴者に注目されたかもなーとは思うんだけど。視聴者の興味をあまり分散させない方針なのかな。
基実の息子である基通も、まだみづら結いの子どもですが、出て来ました。もちろんまだ11歳である盛子の子どもではなく、平治の乱で処刑された藤原信頼の同母姉妹の間に生まれた子どもです。
■そして基房&兼実兄弟は、兄の死にイヤミ言うだけでは飽き足らず、さらに宴でも嫌がらせ。
この嫌がらせが、もう昔のアイドル漫画における「主人公のステージ衣装が、ライバルによって隠される」みたいで笑った。そういった場合、王道は

衣装を隠された!→主人公、敢えて制服姿でステージに上がり熱唱!→清楚さがむしろ新鮮だと喝采!

ですから、このドラマも

舞姫を隠された!→なんとかしろと言われた盛国、敢えて自分が衣装を着てダンス!→キモさがむしろ新鮮だと喝采!

かと思ったのですが、普通に、ちょうど来ていた聖子ちゃんにおねがいしたみたいで残念。
それにしてもあの一の舞姫さんの芸能人生命は大丈夫なんでしょうか。この苦しさを糧にして頑張ってほしいです。


2)入れ知恵シーンで藤原邦綱登場
■清盛のビジネスパートナーとも言える藤原邦綱。このドラマでは政治家としての清盛の秘書的存在としては盛国がいるから、もう出てこないのかなーと思ってましたが、ここだけの役割で出てきました。
ちなみに、清盛と時子の息子・重衡の奥さんは、この邦綱の娘(輔子)です。幼馴染婚なのかも…とちょっと萌える。大河「義経」では重衡を細川茂樹(今回の藤原基房役)、輔子を戸田菜穂が演じてましたね。実は最期の別れのシーンが初めて言葉を交わすシーンだったと、インタビュー記事で知って驚きました。
■邦綱の娘たちは、六条・高倉・安徳の乳母をそれぞれ努めています(輔子は安徳の乳母のひとり)。邦綱さん、ある意味清盛以上のヤリ手です。しかもお金持ち。よく「だれだれさんが、●●を失くして困ってたら、邦綱さんがそれを持ってきてくれた」って話が出てきます。で、私は「平安末期のド●えもん…!!」と思ったので、いつか彼を描く機会があったらドラっぽく描いてやるぜと狙ってます。って、ドラマの話から脱線しましたすみません。


3)頼朝
■子どもができたとわかった当初は、「また罪をかさねてしまった…」と、自分の不幸に酔ってるモードだったのが、実際に子どもを抱きしめたところで変化しました。永遠にリピートする毎日をヨシとするのではなく、毎日をちょっとずつ積み上げていきたいと希望を持つようになった姿は、ちょっともらい泣きしちゃった。
このドラマの頼朝は(実際も)、親兄弟と不意にはぐれて、そのまま捕縛され。親兄弟が殺されたと教えられはしたけど自分で見てるわけじゃない。いきなり戦いから切り離されて、戦いを全うできずにそのまま現実から迷子になっちゃったような状態で十数年生きてたんですよね。そりゃ「明日が今日でも…」になってくのはわかる。(実際には都に縁者が残ってたりもするので、ある程度情報は得ていたんだろうけど)
そんな中で自分の居場所をようやくつくったわけだけど…しかしむごい結末。
■余談ですが、頼朝が「私はまた罪を重ねて…」と自分に酔ってるときに、藤九郎や大根業者(違)たち周囲の男子どもがそれをたしなめるわけでもなく、なんとなく同調して「そんなことないよ、ファイト!」みたいな空気になってるのが、いかにもありそうで笑えた。男子会のぬるさがいい。(^^
■しかし、幸福や未来の希望は、伊藤祐親の帰宅であっさり消える。
幸せそうにキャッキャしてる居間の奥に、無言で佇む祐親が怖かった…!
そしてそんな父親に無邪気に自分の赤ちゃんを抱かせてしまう八重姫。「ぎゃーなんてことするんだお前!」と八重姫に叫びたくなったよ!!
「私の赤ちゃん、こんなに可愛いんだから、お父さんも当然可愛いって思うでしょ?」って気分なんでしょうね。「子どもだけしか写ってない年賀状を送ってくる職場の同僚」みたいな心情だよなこれ。
娘をはらませちゃった頼朝のほうがまだ現状認識度は高かったけど、しかし、赤ちゃん連れ去られたときに、すぐ行動できず「えっ?えっ?」となってたあたり、彼の現状認識も甘かったわけです。
■一方、残酷な場面を決して頼朝に見せまいとする藤九郎の厳しい表情はよかった。
このドラマの「男子主要人物の第一の側近」はみんないい役だよなぁ。ちょっとしか登場しなくても見せ場がある。そんな中で、ここぞという登場タイミングがなくてなんとなく便利に使われてるのが盛国だったりするね。何かこの先に重要な役があるからこそ、あの役者さんをあてているとは思うんだけど…脚本、頼むよ~!

■ところで。今回のあとにフォーム経由で「頼朝むかつく!」となぜかうちにメールが届いて、「私、登場人物へのメール転送代行業はしてないよ!?」とびびった。(笑)
フォローすると、頼朝の最後の
「ひとつだけわかっていたことは、私の子を殺したのは、遠い都にいる平清盛であるということだけであった」
はもちろん
「遠い都であっても、清盛率いる平家が実権を握っている限り自分は敗者であり、大切な者や当たり前の生活を守ることなどできないという事実を私は突きつけられた。」
という、現実認識しました…って意味であって、頼朝が自分のうかつさを棚上げして清盛を逆恨みした、ということじゃないと思います…って、メールくれた人もそれは御存知だとは思うのですが。。。

4)西光(藤原師光)再登場
■朝子さんに私の命令は信西の命令と思え!と叱咤されて、後白河に仕えることにしたようです。
後白河が、清盛にちょっと放っておかれてる状態であり、後白河もそれにムカついてることはその直前に描かれてました。後白河は「清盛ヨイショ作戦」をひそかに実行してたわけですが、後白河大事の朝子も、彼女なりに動いたわけですね。
■西光は、信西を討った源氏の生き残り(頼朝)を流罪で済ましたことを恨んでいることを宣言しました。ああ、すでに10年後の鹿ケ谷フラグが…。

そんなこんなで不安の種まきをしつつ、次回へ。
次への種まきを丁寧にコツコツやってく実直さは、このドラマの美点でもあるんだけど、しかし視聴者は最終回までにどんな盛り上げがどこで行われるか知らないわけで、ゴールの見えない状態で伏線撒きばかりされるのも疲れる。週1のドラマだったら、種まきが多少強引でも、毎回の「ドカン」をもっと大げさにしてもいいと思うんだけど、そのへんの力加減が「全体を踏まえての配置」重視に偏ってる感じなのが、このドラマが「作り手の自己満足」と言われがちな要因なのかなと思う。
↑この評価も大げさというか、言いすぎだと思うけどね。ネットって、批判や悪口をなぜか大げさな表現で書きがちなのが怖いですね。
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by mmkoron | 2012-09-06 00:24 | 大河ドラマ「平清盛」

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