源平観戦日記


カテゴリ:大河ドラマ「平清盛」( 44 )



第18話「誕生、後白河帝」」

■今回は、場面が宮廷の政治劇に集中してたから、話を解説しようとするとあっさりしてますね。
その分、それぞれの登場人物の動きが良かった。清盛は必要最低限な登場でしたが、でもこのくらい抑え目な動きをしてる清盛のほうが、松ケン氏の演技の良さが出るように思います。
私、前回の棟梁宣言場面と、忠盛パパ死去場面は、けっこう前に撮影したんじゃないかと思ったのですが、実際はどうなんでしょうね。

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■冒頭で、ずっと登場していた清盛の庇護者・藤原家成が病死します。
ここで彼の子息として、前回初登場の成親と、師光(こっちは養子)も登場してます。師光はのちの西光ですね。奇しくも「鹿ケ谷で清盛に殺されるコンビ」。でも、この時点では和やかな対応してます。成親がかなり爽やかだ! 
もっとマロ演技してくるかと身構えてたので、これはうれしい。
■家成は、清盛にこの後のことは任せろと胸を張られて、おもわず涙。すっかり弱くなってますね。
ここで家成は、野良犬のほえ声がいまや朝廷になくてはならないものになった、と感無量。
このまま彼の出番は終わってしまうので、これ以上は語ってくれないのですが、彼は自身はソツなく宮廷で立ち振る舞いつつも、どこか清盛の破天荒さが楽しかったのでしょう。
清盛は「面白くない世を、面白く生きる」と言ってじたばたしてます。彼自身にとってまだ筋の通った「面白く生きる」ができている状態ではありませんが、しかし、周囲の人間にとっては彼は「面白く生きてるよなーあいつ」って存在です。
で、多分彼自身にとって面白くなってきた時点には、実は周りにとっては面白くない状態になるんだよね。そのへんがせつないわー。

■その後、近衛帝の容態はどんどん悪化。そして、呈子のご懐妊も結局うやむやになってしまいました。
(この時代はそういうことってよくあったんだろうなぁ。)
鳥羽法皇は、自分が崇徳を叔父子として邪険にしてきたことが、近衛帝に因果としてまわってきたのではないかと、苦悩します。
でも、それ以上に崇徳をじわじわいじめてた得子さんのほうは、しれっと一心に近衛帝快癒をお祈りしてます。こういうのって、自分自身に後ろめたさがあるからこその苦悩だよね。得子は悪びれてないからへっちゃら(笑)。
■いよいよトップの座がまわってきそうな崇徳院陣営。
前回は遠慮がちにしてた院も、行動に出始めました。
息子・重仁を帝位につけた暁には、自分の陣営に入って支えてほしいと直々にスカウトされる清盛。
親子喧嘩に巻き込まれるのは御免とばかりにお断りしますが、そこで崇徳院がパッション全開モードに。
私の前で、面白くない世を面白く生きる!と言い放ったのはお前ではないか。そう私に言ったお前が、面白く生きるために行動しようとする私を支えずして、誰が支えるのか。
そのように肩を掴まれ、清盛は心を動かされたようです。
これはグッときますよね。「平家の武力」だけでなく、清盛自身を必要としてくれてるわけですから。
■しかしそこは突拍子もない清盛さんです。「じゃあ崇徳側につくわ」ではなく、

「じゃあ鳥羽院と崇徳院を仲直りさせよう」

鼻白む人もいるかもしれないけど、でも私、これはアリな案だと思う。
利害で仲たがいしたわけではなく、個人的な感情のもつれ(しかも思い込み)に起因しているので、解決はしやすいわけだ。むしろ、対立を煽る前に一度はやってみてよい努力でしょう。
(現代はケンカっぱやい人が多いので「陳腐」って思うのかもしれないけど…。)
ただ、当事者同士の解決はできないわけじゃないのですが、仲違いの期間が長すぎて、予想以上に当事者以外の周囲に利害が出てきていたわけです…。あああ。
この決定を出すまでの、平家一門の会議のシーンも良かったですね。みんなが活発にいろいろ意見を出して、相互にあーだこーだ言い合って、最後に清盛がきっぱり方針を決める。忠盛時代は、忠盛への一方通行な提案だけで「相互にあーだこーだ言い合う」がなかった。
若い組織!って感じですね。宗子も、これが清盛の率いる一門の姿ですね、と変化を楽しんでいる模様。

■さて朝廷です。近衛帝は、ついに失明してしまいます。役者さん、ちょっと元気すぎないか?と思ったんだけど、まぁいいか。あと、失明の演技って難しいんだなと改めて思った。マヤはすごいわ。
■それを受けて、いろんな人が運動を始めています。
ココにきて、積極的な動きを見せているのは信西です。
呈子による「近衛帝の皇子誕生!」の夢も断たれた忠通に、「崇徳の息子である重仁親王が帝になっちゃったら、いままで彼らをないがしろにしてたアナタと得子サマはやばいよねー」と不安を煽ります。
■清盛も動いています。彼は、鳥羽院に崇徳との和解を勧めます。「詫びよ」っていうのも何かヘンな感じがしますが、まぁ確かにいきなり鳥羽院が崇徳に「私の子だ」と言い出しても、崇徳はシラけるだけなので、確かに「ちゃんと詫びる」ところから始めるほうが誠意があるのか。
でも、いまさらそんな調子のいいこと言っても受け容れられないのでは…と及び腰の鳥羽院。
しかし清盛は、そこを向き合ってこそ乗り越えられる問題なのだ、あなた自身もそれを望んでいるのではないか?と、自分の体験ももとに説得します。
普段策謀に動いてる得子は、いまは近衛帝の快復を祈るのにいっぱいいっぱいなので、鳥羽院に語りかけるなら今がチャンスですもんね。

■みんなが動く中、置いてけぼりなのは雅仁親王です。
たまたま遭遇した清盛に「崇徳院も、お前なんかに頼るなんて、落ちぶれたよね」とイヤミを言ったものの、清盛から自分たちが無視できないほどにのし上がったのだと自信にあふれた表情で返されてしまいます。
雅仁親王が不思議ちゃんキャラで現実逃避している間に、みんなは現実にぶつかりに行って、それなりに成長を遂げていたわけです。
■不思議ちゃんキャラ、ほかの皆とは別格のキャラに自分を位置づけることで、雅仁親王は置いてけぼりの自分の自尊心を守ろうとしていた。しかし、皇位継承レースに沸き返る宮廷の中では、彼は自分の惨めさを感じずにはいられなません。
そして、芸人たちが集まっている青墓の地へ旅行してしまいます。
■にぎやかな芸人たちは、思いがけぬ高貴な人の登場をもてはやします。それにいい気分な雅仁。
しかし、そこに完全に交じり合うことは勿論できません。微妙な空虚感の中、彼は、いまは「乙前」となった祗園女御に出会います。
祗園女御時代はモノクロの衣装でしたが、乙前は淡いピンクのかわいい衣装。彼女が自由に穏やかに暮らしているってことなんでしょうね。
雅仁は彼女に対して、もう一回うたえ!と命令するのですが、このへんから雅仁のしゃべりが駄々っ子になってます。乙前の透き通った歌声に、彼が隠している「魂」が前面に引き出されているようです。
「ならぬ!」「たのむ!」の喋り方とか、ちょっと萌えだわこれ。くそっ、狙われたとおりに反応してしまった(笑)。
乙前に都にきて自分の師匠になってくれと頼むも、私はトシだからと断られる雅仁。雅仁もいまの都から逃げ腰になってるわけなので、それ以上乙前を都に引っ張り出そうとはしませんでした。たしかに、乙前の頭には白いものがかなり混じってますね。髪型のせいでメッシュにしか見えないんだけど。
■乙前の「遊びをせんとや…」の歌声に触発されたかのように、自分の劣等感を吐露する雅仁。
見下してたやつ(清盛)でさえ、かました大言を行動にしようとし、成果を出し始めている。しかし自分はどうだ…と。
乙前はそんな雅仁に対して、あなたに溢れて来るものがあるなら、それは世を動かす力になる…と語りかけるのでした。
その言葉に癒され、乙前の膝で子どものように眠る雅仁。
誰かにただやさしく「あなたにもできる」と言われたかったわけです。彼を帝位につけることに熱心な信西夫婦は、ずっと雅仁を見ていると思うのですが、それは雅仁のポジションを見ているだけで、彼自身の個性や資質は「なんでもよーい」ですしね。
いやしかし、ここで乙前が都についてこなかったのは正解ですね。こんな「あなたには力がある!」とか言ってずっと傍にいて、生活の面倒まで見させてたら、聖子ちゃん完全に「同居の占い師」ポジションですよ(笑)。

■雅仁がゆっくり自分を再構築している頃、ついに近衛帝が崩御しました。
「イヤー!!」と絶叫してそのまま失神する得子。おおー、これぞまさにって感じの「失神する貴婦人」です。
この事態に、都が動き出します。
■まず、左大臣頼長。彼は奥さんの服喪中ですが、近衛帝崩御の報を聞いて出仕します。
(ちなみに、以前に登場してたお気に入りの側近・公春は既に病死してます)
が、そこで「喪中の方は出仕してはいけません」と役人に言われ、「なるほど、理にかなっている」とあっさり引き下がっちゃう。でも皇位継承の局面なんだから、自宅に篭ってちゃダメだよ! と思うわけですが、彼は「自分がいない間に、海千山千の連中がいいように皇位継承の結論を持っていく」という危惧よりも、「ルールに従い、正しい出仕の仕方をする」方を優先しちゃった。
あくまでも「正しい」にこだわる人なので、いまひとつ正しい正しくないでは評価判断できない「陰謀」の世界を読解できないようです。なんか単純化されてるけど、でも、そんなかんじ。うんうん。
■頼長を皇位継承検討会の場から締め出したのは、信西です。雅仁推しの信西ですが、雅仁を帝にするのは正攻法ではないので、正攻法遵守の頼長は最大の障壁だったわけです。うまく追い出しました。
■さて、会議ではいろんな案が出て議論が紛糾しています。
 ・重仁親王
 ・仁和寺にいる守仁親王(父親は雅仁) 
 ・暲子内親王(得子が生んだ娘。璋子が産着をプレゼントしてた子の妹。)
このあたりが候補として名前が出て、堂々巡りをしています。「話題が戻ってます」と指摘する信西が面白い。
彼はさっさと「守仁にするのがよいが、まずは父親である雅仁に」に収束させたいんでしょうね。
■ここで会議出席メンバーはついに鳥羽院にお伺いを立てました。
それまで微妙によそ事考えてるような表情だった鳥羽院は、決意の表情をし、

「朕は、重仁を即位させる。いや、いっそ上皇(崇徳)を再び即位させてもよいと考えておる。」

唖然とする忠通。信西もちょっと意外だったみたいです。
鳥羽は語ります。何の罪もない崇徳を、叔父子と呼び疎んできた。この状態をやめることが、自分の務めだと。
ここに、寂しそうに佇む崇徳のカットとともに入るのが、雅仁の「遊びをせんとや…」の歌声なのがいいですね。この鳥羽の心からの叫びにも、登場できないのが雅仁なのです。
■おおーっ、このまま崇徳側が皇位に!? となったところで、待ったをかけるのが信西です。
なんかオブラートに包んだ言い方をしてますが、要するに、「あなたの個人的感情の問題と、政治の問題は別だ」ということです。
これは鳥羽院にとってはイタい。彼自身も、清盛に崇徳との仲直りを提案されたときに、「それはムシがよすぎる」と言ってたわけですから。しかし、清盛は、それでも向き合えと言ったのです。しかし、鳥羽院はその言葉を信じることができなかった。「信西に負けた~♪いいえ、世間に負けた~♪」です。

■ここからの展開はスピーディーでよかった!

得子の「争いの種をまいてくれるな」という説得、先ほどのピュアな表情から抑えられた表情になる鳥羽法皇、完全に政治家の「ここはそのまま知らん顔しとけば大丈夫」って顔になってる信西。
(ここで私たちは、あー鳥羽は諦めてしまったと気づく。)
    ↓
雅仁の「遊びを…」の歌を聴き、「その歌が聴こえなかったら、自分は生きてはいられなかった」とつぶやく清盛、その言葉のあと、涙を流すものの冷たく「ほう、そなたもか」と言ったあとダン!と床を踏み、立ち去る雅仁。
(清盛にすら置いていかれた雅仁が、「清盛が再生されたように、自分も再生できる」と、共感・感動という名のエネルギーを得た。ダン!は、涙は見せちゃっても清盛に弱みを見せないという意思表示なんだろうね。)
    ↓
ひねり入れながら(笑)すってーんと倒れる崇徳。もう放心。最後の望みを絶たれて悔しさに絶叫する側近・教長。
(崇徳が精神的に今度こそトドメを刺された)
    ↓
ひとり座る鳥羽法皇。小刻みに震えてる。
(自分で決めたものの、それによる良心の呵責や無力感に苛まれてる)
    ↓
脱ぎ捨てられた、舞の蔵面(人の顔を描いている)
(誰かが、脱皮した。誰か=雅仁。)
    ↓
いきなり即位の様子。するするっと御簾が巻き上がった先には、雅仁親王。
ここで初めて、雅仁が新たな帝になったとナレーション入る。

このスピード感がすごく良かった。実際もこんな感じで、いろんな人のいろんな思いを置き去りにしたり追い越したりしながら、事実が次々に決まっていったんだろうなと。
■さて、こんな風に次の帝は決まってしまいました。清盛の提案は通らなかったわけですが、彼の希望は誰を帝につけるというものではなく、鳥羽と崇徳の関係修復ですから、まだチャンスが死んだわけではありません。次はどうなるか。いよいよ保元の乱が近づいてきましたよー。

【おまけ的に】
■平家の会議シーンで、経盛の和歌好きがアピールされてましたね。あと、重盛のガチガチ真面目さも。
自然に時忠が会議メンバーに入ってた。おお、清盛の世代になってるんだなーとしみじみします。
■弁慶が久々の登場。で、為義にボコられてた。なんというか、「この人いたよね、もうしばらくしたら再登場するから、みんな忘れないでねー」的登場シーンでした。
■為朝も初登場。さすが舞台俳優さん、カツゼツいいですね。射た矢が盾を砕いてその先の柱に突き刺さる!あれですね。日向小次郎のシュートがゴールネットを突き破ってその先の壁にめりこんだのを思い出した。
めっちゃ強そうなんだけど、しかし、こいつも暴れて為義に迷惑かけてるのね(笑)。
なんつーか、本人は気のいい中小企業経営のおっちゃんなのに、息子が全員ガタイのいい暴走族になっちゃった…みたいな状態なんでしょうか。
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by mmkoron | 2012-05-06 23:13 | 大河ドラマ「平清盛」


第17話「平氏の棟梁」

■4月末は新人さんの歓迎会シーズンですね。
私の職場も最終週は連続で「きょうは部の歓迎会!」「きょうは課の歓迎会!」「今日はグループの歓迎会!」で連チャンでした。
今年度から新たに管理職になった上司と話してて、その人曰く「もう4月は忙しくて目が回った」と。
■権限がいっこ上にあがって、やりたいことの可能性が広がる一方で「やらなきゃいけないこと」がものすごく増えてそっちで手一杯になる、その焦燥感。
いままでは自分が何か提案しても「提案」として扱われてたのに、「上長の判断」として扱われて、そのまま下が進めていってしまうことへの恐れ。(とはいえ、自分の意見が部下時代と同じ重みで扱われるのも、ちょっとくやしい)
ある程度以上の人数の組織になるといろいろありますよね。
私から「いちど防戦にまわると、もうそこから抜けられなくなるから、やりたいことは、自分の心の支えのためにもやったほうがいいですよ」と伝えたら、「実感篭ってますね…」といわれ、二人でしみじみしたのでした。
「やりたいことやったほうがいいよ」って言うからには、私はそれを行動でちゃんと応援しなきゃいけませんね。

■新人さんならぬ新人管理職にも試練である新年度。
きょうの清盛はなんだかタイムリーな話題でしたねー。…とうわけで、きょうの感想は、しみじみ日記調でお送りしたいと思います。

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■忠盛が、そつなくかつ中央集権で組織運営をしてたので、清盛はあまりその知識を受け継いでないようです。引き継いでみて、自分の知らない、「小さいけど面倒」な仕事がたくさんあることに面食らう清盛。
忠盛は清盛を自由な仕事ができる人間にしたかったから、こまごました「やらなきゃいけないこと」を仕込むことよりも、「やりたいこと」を考えさせるほうを重視してたんでしょうな。しかし、だったら、「やらなきゃいけないこと」がある程度勝手に進むくらいに仕組みをつくっておいてやってほしかったっすね…。
そのへんは、忠盛が、自分の有能さをよくわかってなかった(=自分にしかできないのに、皆にもできると思っちゃってた)、手落ちかも。
■棟梁になったからには、かかわり合いになりたくない人脈にも関わらなきゃいけません。
清盛のために、トップとの宴会をセッティングしてくれる家成さん。この人ほんとにいい人ね。
そこで不得意なお歌を詠まねばなりません。もう清盛はそのことでアタマいっぱい。焦りだけがたまっていきます。
こういうときに頼りになる義清こと西行は高野山での修行期間だそうで、清盛は信西に和歌を教えてもらおうとしますが、断られてしまいます。
ここはお前が朝廷の中で今後どうなるかの試金石だ、だから自分でやれと。
信西のこういう「実力主義」が、良いところでもあり、のちのち孤立する要因でもあるんでしょうね。

■一方、新人「棟梁の妻」になったのは、時子。
人のよい彼女は、夫の部下になってくれたみんなのために、心をこめてごちそうしようとお食事の準備をします。
が、読みが甘かった。棟梁レベルの宴会規模をわかってなかったので、お料理が全然足りてなかったのです。
■こっちも「あーーーわかるーーーー!」って感じ。
最初に「どういう人を、どういう集まりに呼ぶのか」っていう大枠を知るところから始めなきゃいけなかったのに、自分がわかる目線から仕事を始めちゃったんですよね。うううう、いろいろ思い出してイタいわ…。
「みんなに気持ちよく過ごしてもらおう」って思ったこと自体はいいんだけど、「みんな」の想定が、清盛が棟梁になる前と変わってなかったわけです。
「社会人になってすぐ職場の飲み会とかの幹事まかされて、はりきったんだけど、めっちゃ学生ノリの飲み会にしちゃった」みたいなもんですかね。ああ心が痛い…。

(ところで、いま、清盛のあとの番組をそのまま流してるんですけど、その「新型うつ特集」がまたイタくてつらい…どうして今日のN●Kは、楽しい連休前にこんな傷をえぐる残虐プログラムなんだ(笑)。)

■で、結果は、宴会の席で夫婦喧嘩です(涙)。
周りが気を遣って「じゃあ、お料理足りなくても、楽を奏でて耳を楽しませて」ってナイスパスしてくれたのですが、琵琶を弾かなくなって久しい時子は、そのパスすらも受け損なう。
清盛のもやもやは一層高まります。

■この家庭内不和は、子どもたちにも飛び火。
清盛の子どもは、いま、知盛まで生まれてます。(知盛が結構顔の整ったコだったので、成人後にも期待♪)
重盛は、もうとにかく「よくできたお子さん」タイプ。清盛にない理性&知性の光があります(笑)。
基盛は、飽きっぽくてでも行動力のありそうな、子どもらしい子ども。適度なちゃらんぽらんさが、清盛似ってよりも、時子にちょっと似てるように描かれてますね。面白い。
宗盛は、まだ幼児なので、言われたようにのんびりやってる状態。
彼は特にいまの家族関係に疑問も違和感も持ってないわけですが、時忠がいらん波風を立ててしまいます。
■幼児の宗盛に、わざわざ
「お前は後妻の息子で、先妻の息子である重盛や基盛とは敢えて下に置かれてるから、無理に武芸も学問も磨かなくていいよ」
ぎゃーーーー宗盛になる人になんてこと言うんだお前ー!!!!!!!!!!!!!
この後の時忠の言動を見ると、どうやら彼は
 ・能天気そうに見えてそれなりに考えてる時子を、清盛がお気楽キャラだと思ってるトコロが不満。
 ・ラクに生きていいんだぜと宗盛に言いたかった。
のかもしれませんが、幼児にそんな対応してはいけません。明らかに、励まし方が、世間に疲れた同僚への「くじけたっていいさ、にんげんだもの」的手法です。相手見て励まし方考えろよ時忠…。

■この迷惑な叔父さんの励ましの悪影響を受けてしまった宗盛(まだ清三郎だけど)は、「うわーん!もう何もやらないもん!!」となってしまう。仕事の悩みでいっぱいいっぱいの清盛は、「お前ひとの気も知らないで…!」となっちゃいます。
とはいえ、相手は幼児なので、怒りの矛先は時子へ。激昂してる清盛は、「明子ならもっとちゃんとやった」と、言ってはならん一言を言ってしまいます。
ダメージを受けてしまう時子。
時子は、清盛が思ってるほどお気楽な人間でもありません。かつて清盛が告げた「耳にのこる明子の音色を消されたくない、だから琵琶を奏でてくれるな」という言葉をバカ正直に守って、琵琶を断ったのだ。
時忠はそう告げます。

いや、それだけじゃなく、時子にも明らかに適性なさそうだったけどね…

と思ったのはおいといて(笑)。
あのときの言葉って、死んだ明子を忘れて時子に癒されそうになってた清盛が、自分の心を明子のほうに引き戻すために言ってた言葉だと思います。だから、言葉面通りに受け取らなくてもいいと思うんですけど、明子のことも尊敬してた時子は、それをそのまま額面どおりに受け取ったんでしょうね。
■清盛は、そのもやもやを抱えたまま、宴の場に挑みます。


■この頃、朝廷では、得子の大切な大切な子・近衛天皇の体調が思わしくない状態でした。今すぐどうってわけでもないけど、「もう長くないだろうな…」って状態です。
近衛帝が崩御したら、次は誰が頂点に立つのか。若い近衛帝には子がまだなく、忠通が差し出した娘は懐妊しています(とみんな思ってる状態です)が、しかしまだ男か女かもわからない。
そうなると、崇徳院のリベンジの可能性も浮上します。崇徳院の子・重仁親王は近衛帝の1歳下ですから、当時としては十分大人です。生母の出自が低いことがネックではありますが、彼を帝にして崇徳が院政を執る可能性だって出てきます。

・得子の思惑…近衛帝になんとしても長生きしてもらいたい! 
          どーしてもダメなら生まれてくる孫に。
・忠通の思惑…近衛帝に入内した娘のおなかにいる子に!
・頼長の思惑…兄(忠通)の思惑通りになって増長させたくない。
          娘・多子は近衛に嫁いでるけど、懐妊の気配なし。
          近衛の体調的に、難しいかな…。
・崇徳の思惑…ひょっとして重仁のチャンス…? 
          いや、ダメ!腹違いとはいえ弟(近衛)の夭折を願うなんて!
・雅仁の思惑…どーでもいい。
          でも、崇徳が自制してるどす黒い権力欲をつっつくのは楽しいわー。
・信西の思惑…タイミング次第では、漁夫の利で、
          自分の推しメン・雅仁にもチャンスが出そうだ。
          一時たりとも政局から目が離せないな。
・鳥羽院の思惑・・・不明。でも、ここまでこじれさせた自分を恥じる気持ちはある。

各人物の立場や言動を整理すると、こんな状態のようです。
■崇徳は、風流を愛する人なので、理性では必死に「病気の弟を心配する兄」であろうとしますが、「でも、アイツが子のないまま死んでくれれば、重仁が有力候補…v」という黒い気持ちを、雅仁にツンツンされてます。
この二人の同居生活、面白いなぁー。
崇徳にしてみると、自分が抱えている闇を雅仁が代弁して、「いやいや、やめなさいそんなこと」ってたしなめるこの状態が、ストレス発散でもあるんでしょうね。雅仁は崇徳に対しては「でもアンタだってそう思ってるじゃん」とまで踏み込んで攻撃はしないようだし。

■そんなこんなで、宴会に出席した摂関家兄弟も、王家のみなさんも、そういうドロドロを抱えてつつ、しかししれっと「春」のお題をエレガントに和歌にします。
崇徳院は「満開の花を見た…………という夢を見ました」という夢オチ!歌を披露しますが、得子にいきなり「まぁあんた、政治も夢の中でしかできないもんね(ププ」とコメントされ、黙り込みます。
いい感じに場が冷えたところで、清盛の歌が披露されます。
家成の子・成親が詠み役ですが、歌を見るなり、「よ、読めません…」と放棄。

1)すごい下品だった
2)字が汚くて読めなかった
3)和歌じゃないかった

さて答えはどれでしょう。正解は3)でした。「4人いるうちの息子たち。全員俺の子!」という家族宣言。
「っつーか、それ、和歌じゃない」と出席者呆然。
しかし、清盛はただいま思いつめてたことをそのまま言葉にしたのでしょうが、内容は、この宴に出席したメンバーの「身内で、『死ねばいいのに』レベルの諍いをしている」ことへの痛烈な皮肉になります。
■鳥羽法皇は、これがちょっと面白かったご様子。
「朕を射てみよ」事件から、法皇様は清盛の隠れファンですね。彼にとって清盛は、「違う選択肢にしていれば、なれたかもしれない、なりたかった自分」なのです。
■あと、せっかくセッティングした宴でこんなズッコケ和歌を披露されて、かつ「そんなわけで、いまから家庭内喧嘩を収めなきゃいけないので、これでお開きにしましょう!」と言われてしまった家成さんも、「しゃーねーなぁ(笑)」ってリアクション。
これ、前回に伏線敷いてたんですね。前回、自分の邸宅を打ち壊された家成が、珍しくぶすっとした表情で頬杖ついてる姿が出てました。あのシーンで、彼が、納得ずくで朝廷に己をポジショニングしながらも、「やってらんねー」って思いも持ってる姿が描かれてました。
で、今回の表情。彼は清盛の熱心なファンなどではなく、ちょっと引いてはいますが、「めんどくさいヤツだけど、嫌いじゃない」って思ってることがわかります。
前回のあの表情がなかったら、このへんは伝わらないわけで、ほんと細かいつながりは丁寧なんだよなこのドラマ。漫画なり小説なり、自分で「おはなし」を書いてる人間にとっては、面白い。
読み手が前のめりで情報を得ようとすると、そのぶんの情報がちゃんとあちこちに埋め込まれてるタイプのつくりですね。「人物描写が浅い」っていう評価もあるけど、私、相当情報埋め込んでると思うんだけどなぁ。参加者的に、自分が情報をとりに行けば深まるタイプのつくりだとは思います。
そういう意味で、「浅くも観れるし深くも観れる」こういう作り方って興味深い。ゲームとか作るときにもできそうな手法だなーって思うんですけど、ネックは、この時代の前提知識が読み手側にないので、「浅く観る」がうまく機能してないことですね。
材料と手法がうまく相乗効果を出せてないっていう評価なら理解できる。でも、「描き込みが浅い」ってのは、このドラマの場合は「それはあなたの読み方が浅いからじゃないか?」って思う。歴史じゃなく、物語の読み方という意味で。
この脚本家さん、ひょっとしたら視聴率とかのことで凹んでるかもしれないけど、ぜひまた大河を、今度はわかりやすい時代で、この手法をまた使ってやってみてほしい。そしたら、かなりイケると思うんだ。


■さて、宴会を強制終了して家に戻った清盛。
すると、すでに息子たちが動いていました。宗盛に、時子の琵琶の音色が自分たちを慰めてくれたことを語り、兄弟3人で時子のもとへ。時子に、まっすぐに自分たちの思いを伝えます。
清盛が戻ってきたときには、息子達は輪になって母の演奏を聴いていました。駆けつけてきた父にびっくりし、勇気を振り絞って、間に入る重盛&基盛。自分たちの時子への感謝を伝え、母を悲しませるなと父をしかりつけます。
時子の目にはうっすら涙。これ、まさに「雨降って地固まる」ですね。清盛本人が時子に感謝を伝えるよりも、時子はもっとうれしかったでしょう。
清盛は、宗子へのコレが足りなかったんだよな。(まぁトラウマあったから仕方ないんだけど)

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■清盛とその家族は、こんな風にまずコアメンバーが絆を取り戻しました。ここからはお互い支えあって、がんばっていくのでしょう。
■一方、不穏なのは源氏。
前半パートでは、義朝は完全ノロケモードでした。
常盤の穏やかさに癒されて、すっかり丸くなってる(笑)。清盛にも「昇進おめでとう! 俺も、お前ほどじゃないけどちょっと出世したよ。お互いに会社のために頑張ろうな!」みたいなアナタどちらさまですか級の爽やかコメントをかまして、デレデレです。常盤すげぇわアンタ。
■しかし、そんな幸せデレデレも長く続かず。
摂関家にどこまで与するかというテーマにおいて義朝と対立していた為義は、ついに義朝との決裂を決意します。次男・義賢に伝家の宝刀を譲り、嫡男の座を狙わせるかのような言葉をかけます。
そのことを知り、父に詰め寄る義朝。
為義の台詞がかなしかったですね。「誇らしき我が子よ、お前は強うなりすぎた」。
義朝は、自分のために泥臭い仕事も我慢してやってる為義に誇りを取り戻してほしかった。しかし、そうやって父を叱咤激励しているつもりが、為義をうちのめし、僅かに守っている「それでも、家を守る為に」というプライドを砕いていた。
なんだかんだでお父さん大好きな義朝は、この先どうなるんでしょう。
そして鎌田父子も。この父子は、別に互いが決裂してるわけじゃないけど、でも互いが使える主君の苦しみや屈折に寄り添うためには、主君と同じ状態に身を置くしかないんですよね。この父子もつらいなぁ。。。
■つらいといえば、由良。
彼女は、義朝がよそに女を作ってる、しかもかなり本気モードであることを知りつつも、賢い妻として自制してます。昔の彼女だったら「キー!!!」ってなりそうなのに、かなり義朝に教育されちゃってるなぁ。
というだけでなく、ただプライドが高い女じゃなくて、根が真面目なんでしょうね。頼朝が母側についてるところが救いです。

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■さてさて。今回は、清盛が棟梁になるという節目の回であったことも関係してか、清盛の兄弟や子どもたちの描写が丁寧でしたね。「これから彼らが話題の中心になってくから、顔とキャラおぼえいてねー」という。
■弓のシーンは、「できてないフォーム」が巧くて笑った。
経盛は、芸術の才能がまだ出てきてないので(一門の宴会シーンで、楽で耳を楽しませようという提案はしてましたが。あれって、経盛でしたよね?)、いまの時点ではただのダメキャラっぽいのが気の毒。
教盛は、教経的な、勇猛キャラなんですね。私は、鹿ケ谷後の描写で、わりとオットリさんなイメージのほうを持ってたので、ちょっと意外。でも、経盛とのキャラ分けのわかりやすさを考えると、これでいいんだろうな。
■あとは、さらっと家成の息子・成親が登場しました。
岡山の吉備津が最後の紀行コーナーで紹介される日も来そうですね。岡山県民としては楽しみですなぁ。
重盛と同い年齢のはずですが、重盛は子役、成親は大人の役者さんですね。
もっとマロマロした感じかと思ったら、わりと普通な演技でした。
あの「読めません」時の「こんなのありえんわ」って感じのリアクションで、家成ほど清盛の個性との親和性が高くないことは一目瞭然ですが、この先どうなるでしょうね。わくわく。
■あと、次回楽しみなのは、なんといっても雅仁親王!
かなり表情出してきてましたね。私、いままでのこの人の出番を観てて、「このドラマは、わかりやすい悪役を作らないようだけど、雅仁だけは違うのかな?」って思ってたんですよ。
清盛の家で双六勝負をする回ではちょっと彼の内面を描きそうだったけど、でも「心に闇をもっていて、誰にも内側を見せない人」路線で行って、視聴者にも見せない方針なのかなって。
でも、次回の予告で、「あー、後白河の内側にも挑戦するんだ」とわかり、すごいワクワクしてます。
踏み込まずに「ちょっとヘンな人なんです」で済ませたほうがラクな人物だと思うんですよ。「義経」のときはそうしてましたよね。(ほかで言うと、織田信長もそういう扱われ方にされやすい傾向あると思う)
井上靖で「後白河院」ってあって、彼の周辺人物の後白河評で構成されてる面白い小説ですが、一方で、そういう描き方なら描けるけど、本人一人称は難しいよなとも思う。なんというか、彼のメンタリティは、現代人が想像するのが非常に難しそう。
でも、今回の脚本の人は、敢えて挑戦しに行くんですね。
まさに「めんどくさいけど、嫌いじゃない」です。そういうの。
成功しても失敗しても応援したいし、頑張ってほしい。
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by mmkoron | 2012-04-29 23:27 | 大河ドラマ「平清盛」


第16回「さらば父上」

■現在締め切り前の追い上げで一日の時間割が大変なことになっとります。
きょうはイ・サンも録画にして、せっせと漫画描こうと思うので、感想もあっさりめで参ります。
とほほー。清盛様、私の時間も日招きで10時間くらい戻してくださいー!!!

■さてさて。今回の見所は
 1)忠盛がいよいよ清盛を跡継ぎに指名
 2)忠実パパ&頼長 VS 忠通の争い本格化
 3)義朝と為義の亀裂もいよいよ…
 4)忠盛の死
 5)ちょっぴり注目の登場人物
に分けて感想を書いていきたいと思います。

1)忠盛がいよいよ清盛を跡継ぎに指名
■最大の見せ場は、この指名シーン1コ手前の、「武士の世を作る!」宣言のほうですね。BGMも盛り上げてたし。しかし、聞いてたメンバーが
・清盛→もう知ってた。
・家貞→もう知ってた。
・忠正→逆らわないけど根本が保守なので、微妙な反応。
・頼盛→もともとあまり感情を表に出さない人。
・忠清→よくわかってない。
なので、「ついに殿が決意を告げたー!!」的衝撃がなかったのが残念。ああ、今更ながら家盛の死が惜しまれます。絶対彼ならむせび泣いて感動してくれた…。
■で、跡継ぎ指名シーンです。忠盛亡き後の話なんて…と嫌がる清盛を忠盛が「万が一のときのためだ」となだめるときの、宗子と家貞のリアクションで、万が一じゃなくて、かなり準備が必要な病状だとわかります。
忠正がずっとうつむいてたのも、それがわかってるからかな?と思ったけど、それだけじゃなく、やっぱり清盛が棟梁になることに対して、他に選択肢がないことはわかっているけど、納得できてないんですね。あああ…
「平氏の棟梁は清盛と定める」宣言のあと、清盛がふっと宗子のほうを見るのが、いつもの清盛だよなーと思いつつ、しかし宗子の頷きを受け止める眼差しは、成長した清盛でしたね。
やっぱし、松ケンは黙ってたほうが演技がいいよ。
宗子のリアクションも良かった。慈母の微笑みとかだと、今までの経過からしてウソくさいもん。一門の同志的な結びつきというか。
■で、形見分けも行われました。みんな武具馬具(そういや、演劇部にいたときに、ぶぐばぐぶぐばぐみぶぐばぐ…って早口言葉やってたなぁ)でした。
このシーンで改めて思ったんですけど、当時の武士の「モノ」へのネーミングセンスって、ちょい独特ですよね。
笛の「小枝」とか、琵琶の「青山」とかは、もともとの名前つけたのは貴族ですよね。こっちは、見た目や音色のイメージなんだろうなってわかりやすい。で、なんかキャッチーじゃないですか。
でも、刀とか、いくら膝やヒゲが切れたからって、「膝丸」とか「髭切」とか、なんか「すっげー」感がない。盛り方を間違えた感じ。 「抜丸」も抜く気合で切れちゃうくらい!…って言いたいならせめて「抜切」にしてくれと。「丸」にしちゃったら、もう何かよくわかんねーじゃん、と。(笑)
馬への名前の付け方も、面白いです。貴族が猫とか犬とかに名前をつけてるのとは違って、人間みたいな名前にはしてないので、あくまでも「道具」なんだなーと思います。
「生食」は、初めて聞いたとき、「すげーな、いくら最期はつぶして食べちゃうときがあるからって、ナマショクかよ」って思ったら、イケズキだった(笑)。

2)忠実パパ&頼長 VS 忠通の争い本格化
■攻め入って何をするのかと思ったら、食器セットを奪ってました。
と書くと、なんかしょーもない感じですが、この食器セットでお正月の大切な儀式をするんですね。なので、「氏長者としての儀式の継承」が重要で、食器セットはその象徴なわけです。別に摂関家がグルメ一家なわけではありません。
■頼長が、いよいよ増長してきました。こういう人はものすごく温和な人と組んだらいい仕事するんでしょうが(温和な人は胃をいためるでしょうが)、頼長は基本自分が一番賢いと思ってる人で、その傾向に歯止めが利かない状態なので、タッグも難しいでしょうね。
■得子が頼長を忌々しく思う理由がまだ「体の弱い帝に、きっつい進言で心労かけやがって…」なのが、面白い。まだ自分が権力を振りかざすのがたのしー!ではなく、わが子大事がメインなんですね。近衛帝死後に変わってくるのかな。

3)義朝と為義の亀裂もいよいよ…
■本来は、義朝は父親の苦悩を知ったあの日からずっと父親を浮上させてあげたいと思ってるし、為義もかっちょいいわが子がかわいくてしょうがない。でも、「摂関家に従うしかない」という選択肢だけは、どうしても相容れない…。しんどい状況ですね。
義朝が、もっと東国の勢力を従えてる自分をアピールして、自分で仕事を勝ち取ってくるくらいに運動すれば、為義だって本心から摂関家の番犬になりたいわけではないので、義朝の方針になびいてくれると思うんだけど…。義朝も、微妙に行動が足りないんだよなぁ。
■由良がけなげでかわいいですね。義朝が思っている以上に、彼女は義朝が自分を娶ると言ったときの台詞を真摯に受け止めてるのかもしれない。自分の仕事を、この家での役割を果たさなきゃ!って頑張ってるんですよね。ああでも、義朝は自分でやりたい派だから、それを期待してるわけじゃないんだ…。
で、ただ受け止めて、自分の一番弱いところをふんわり包んでくれる常盤に行っちゃうのねー。
■常盤の台詞は、前回のスカウトがきたときの義朝の台詞を受けての発言ですね。
「私に、ああ言ったのは、あなた自身が自分の父親の役に立ちたいからだったんでしょ?」と。
でも、ちょっとここは説明足りないよなー。前回、そこを読みとれてなかったら、ものすっごく唐突だもん。「えっ、あんた達いつの間にわかりあったの!? ニュータイプ!?」みたいな。

4)忠盛の死
■清盛が夢を見た…という入り口で描きながら、でも中盤は、忠盛目線で清盛を見ている画面ですよね。
ああ、忠盛も同じようにいま夢の中で清盛とお別れしてるんだ…と、親子の双方向交感が伝わる、面白いシーンでした。
あまり「泣けー泣けー」じゃなくて、あっさり描いたのも、よかった。
明子や家盛のときがもう涙ざーざー演出だし、このあとの保元の乱も相当ウェットになるわけだから、ここは清清しいのが救いになります。


5)ちょっぴり注目の登場人物
■統子内親王

由良へのアドバイス役で登場。今回だけの特別出演なのかな? かなり良い雰囲気だったので、また出てほしいなぁ。特別にめっちゃ美人!とは思わなかったけど(すみません)、雰囲気美女というか、おっとり優雅な風情で、でも台詞まわしにはどこか温かみもあって、良かった。
私、平安時代の美女ってどういうものなんだろうと思ったときに、おそらく顔の造作やスタイルよりも、話し方とか姿勢とか仕草とか、そういう全体的な雰囲気だったと思うんですよ。
前に、雅楽の偉い先生にお話を聴いたときに、昔の音楽の評価ってのは、もっと感覚的な「雰囲気」へのものだった…と聞きました。お香の先生に話を聞いたときにも、季節の風物を香りに取り入れるってよりも、季節の雰囲気(重さとか軽やかさとか華やぎとか)を香りであらわすものなんですよ…って聞いて、なるほど当時の美しさって、今のこまごまとディティールを見てくものじゃないんだな、と理解したんですよね。
なので、あの統子様はそのイメージに合ってた。

■厳島の佐伯さん
温水さん、ちょい演技カタかった? 
人のよい宮司さんなのか、野心家なのか、どういうキャラとして入ってきたのかよくわかんなかった。このドラマでこういうのは珍しいですね。
厳島のお社は、もっとボロくてもよいと思った。清盛の屋敷とそんなに違わないんだもん(笑)。
シムシティ的に、このお社が、出番のたびにゴージャスになっていくのかしら。わくわく。

■家成さん
今回ちょっとカッコよかったね。あのサイコロをじゃらじゃら言わせてるところ、ぽっと手放すところ。
割り切って宮仕えしてるけど、ちょっと「やってらんねー」感も漂ってて。
それにしても、家成という役は、フルにストーリーで活用されてる感じですね。最初出てきたとき、ここまでずっとあらゆる場面で出てくるとは思ってなかった。
私、邦綱(重衡妻・輔子のお父さん。清盛の仕事のパートナー的存在。)が出てこないとわかったときに、ちょっと残念に思ったんですけど、この家成の役どころは、私が想像してた邦綱だなーと、それで満足してます。(出てくる時代は違うけど)
あらすじを見ると、家成は次回も世話を焼いてくれるみたい。あと数年で死んじゃうはずですが、ラストシーンはどんな感じなのかなー。

■宗盛と頼朝
子役がちゃんと出てきました。宗盛は、剣を持ち上げるのを投げ出す姿に「ああー、みんな頑張ってしつけてくれー!!」とハラハラした。頑張らせてたけど、でも宗盛になっちゃうんだよね(笑)。上の二人が一緒に出てこないのは、わざとなのかな。兄弟仲を心配…。
で、宗盛が5歳ですって言ってたってことは、次回あたりで知盛生まれますね。わくわく。
一方、頼朝のほうが、見込みのあるコとして描かれてた。ちょっと悔しい(笑)。
為義と義朝がケンカし始めてたとき、鎌田正清がそっと頼朝を抱えて見せないようにしてたことに、きゅんとなった。この人もつらいよね。結果的に自分の父親と対立しちゃうわけだから。



■次回は新生一門としてのスタートですが、あらすじの文章を見る限り、順風満帆でもないみたい。
一門は忠盛(しかも仕事ぶりが完成された状態)に引っ張ってもらってる状態が「当たり前」になってるし、忠盛のやり方に慣れきってるから、清盛が引き継いでみると、「あれ? 別に変わったことをしようとしてるわけではないのに、なんかうまくいかないな。」状態になるってのはわかる。わかるというか、すごく共感してしまいそう。清盛が予告で「みんなを大切にしたい!」的なことを所信表明してるじゃないですか。あれも結構、いろいろ思い出してイタいわー(笑)。
こういうのってドラマでは見たくないって人も多いから、また視聴率厳しいだろうなーって思うけど、私は楽しみ。

■忠盛さんが亡くなって、お話にひと段落ついたので、中間まとめ的に「大河のここがすき」「ここがちょっと…」な内容を書いてみました。こちらもおひまなときにでも。
■これはあくまでも「私」の意見です。
私の意見が歴史好きの代表的な意見だとも思わないし、大河好きの代表的な意見とも思わないし、平家好きの代表的な意見だとも思いません。
なので、「違うな」と思ったときは、「この人とは違うな」って思っていただいて、「平家が好きな人って…」とか「今年の大河の信者って…」みたいに括らないでいただけると有難いです。
ツイッターとかブログとかがそういう乱暴さを増長してる気がする。ネットの情報って、実際はよほど深い階層まで見に行かない限りは、狭い範囲の情報しか見れてないんだけど、なんだか広く見れてるような気持ちになっちゃうんですよね。そこは常に意識しておかなきゃと思う。
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by mmkoron | 2012-04-22 22:35 | 大河ドラマ「平清盛」


パパもなくなったので、ちょっと自分の感想を整理。

■もう16話ですか。今回の大河が何話まであるのかわかりませんが(サイトの「次回予告」枠は50までありますね)、1/3が過ぎて、次は保元・平治編突入だろう(最後の1/3が、いわゆる「平家物語」なのかなと)ということで、ここで、今まで見てきて、「今年の大河の好きなところ」「ちょっと…なところ」を整理しようと思います。
あとで自分が「あーこんなこと考えてたんだー」と思い返すためってのが主目的ですが、何かのついでにつまみ読みしてもらえたら幸いです。


【「平清盛」のここが好きだ】

1)人物の描き方に遠近感がある

■清盛は、ものすごくブレの大きな人ですよね。世の中を変えるー!って言っても行動がついてかない。
虚勢を張ってても実態はすごく自信がない。アウトローを気取っててもものすごく人恋しい。
こんな風に清盛がわりと混沌とした描き方ですが、こういう「まぁこれが人間だよなぁ」ってリアルさは主人公だからじっくり見せることができる。
■で、比較すると、清盛から遠景にあたる人…頼長たち貴族とか、皇族とかはもっとシンプルな人物設定ですよね。キャラは濃いけど、そんなに深くない。で、清盛の家族たちは、ちょうどその中間のリアルさを持ってる。
すごく考えて人物を設定して、自制して動かしてる感じが好き。
これで、描き手が暴走すると、遠景の人間がやたら深くなったりするんですよね。そういうのは引く。
…これは、オタク的視点での感想ですね。

2)清盛がわりとダメな人(笑)
■清盛って、人生の成功者じゃないです。
確かにものすごく成り上がれたけど、自分が夢見ていることに、誰も底の底からは共感してくれない。
自分はいますごく充実してるけど、これが続いていく手ごたえをもてない。
大河「義経」のとき、ひとりで福原にぽつんと残ってる後姿のカットがありましたが、私、あのカットは印象に残ってるなぁ。
■今、忠盛が「心の軸」って言ってますが、私、このドラマで清盛が「心の軸」を完成させてほしくないなーって思ってるんです。ただでさえ一門滅びるのに、内面的成功までナシになったら物語として聴衆が満足しないので、無理だと思うけど…。
だから、今のブレブレの清盛もわりと好きです。ものすごくゆっくりだけど、じわじわ成長してますよね。
で、この清盛…感情の振り幅が大きくて、動いてから考えて、しかも後悔するタイプで、家族のことが大事…この清盛が、『平家物語』の清盛につながってくイメージはわりと容易にできます。
■ドラマを見てて、「『平家物語』の清盛は違います、本当はこんなにいい人なんです」ってアプローチじゃなく、『平家物語』の清盛像を生かしながらチャーミングにしてくれていると感じるから、非常に気に入ってます。
私、松山ケンイチ氏の演技も、ここ数年の中ではかなり良いと思うんですよ。ぎゅっとにらんだときに、怒ってるのと後ろめたさがあるのと寂しさがあるのと、ちゃんと違いますよね。セリフなくても見てりゃわかるのは、すごいと思った。漫画原作の作品にばかり出てるイメージあったので、演技もキャラっぽいのしかできないのかと侮っててすみませんでした。

3)時代の捉え方
■私が『平家物語』を好きになった理由は、覚悟して滅んでいく姿が美しい…とかじゃなくて、その滅びに向かうしかない状況の中で皆がじたばたしている、体当たりで砕け散っていく人もいれば、逃げて逃げて、でも運命に捕まってしまう人もいる。それでも、何か自分で自分を表すものを選んで消えていく。自分で自分の生き方を決める選択肢が非常に狭い時代で、そうやってじたばたするエネルギーに、共感というか「ぎゅっ」と来たからです。
うーん、なんて表現すればいいんでしょうね。そういや先日FF零式だっけ、あのゲームの主題歌聴いてて、「一本道の途中で見つけた自由だ」って歌詞があって、じーんこれは私が平家好きなのと通じるわぁって、ゲームの内容知らないけど思ったんですよ。知章が知盛を逃がすのも、瀬尾が太った息子のところへ戻っていくのも、時子が宝剣と帝を抱いて沈んでいくのも、一本道の中での精一杯の自由の行使だなと。
■で、今回の大河のコンセプト「たくましい平安」。
あのキャッチ見たときに、この先どんなダメダメグダグダになったとしても、掲げたこの目標を取り下げない限りは応援し続けようと決めました。私が『平家物語』をはじめとした源平作品を読んで一番心をつかまれたところに、この製作者の人たちも心をつかまれたんだとシンパシー感じたから。


4)「王家」の描き方
■敢えてこの表現を使います。だって、「皇室」って書くと、今の皇室との連続性をイヤでも意識しちゃうもん。元々この単語を使う背景って、それもあると思います。
■「太平記」のとき、ちょっと不満が残ったのは、護良親王のあたり。当時は南北朝を舞台にしただけでも大事件だったから、後醍醐が悪かった…とはあからさまには描けなくて、護良親王のあたりがちょっともやっとした出来だったんですよね。
でも、今回の帝や院の描き方って、もうほかの登場人物との区別ないですよね。これ、ものすごい挑戦だと思うんですけど、今までの大河でここまでってなかったと思うんだけど(「大化改新」とかも結構遠慮がちだったよね)、あまり話題にされなくて、ただ上っ面のところだけでバッシングされててもったいない。
その延長ですが、「明らかなワルモノ」がいないってのも好きです。白河院も、どこか内面に「恐れ」を抱えた人でしたよね。敢えて言うなら、後白河が明らかにワルモノっていうか、視聴者が心を寄せる「隙」が少ないように思いますが。今後どうなるのかな。

5)挑戦するのが好きだ
■戦国にしときゃいいのに、あえてマイナーな時代を選んで、それでこれだけのものにしてくれてる。
役者にオファーするときに、役者さんも登場人物のことを全然知らないから、一人ひとり説明のペーパー作った…って話あったけど、あらゆる材料が少ない中で、私が大好きなこの時代を、手間がかかるの覚悟で選んでくれたことに感謝します。本当に好きだと思ってなきゃできないと思うから。
■これは視聴者・お客さんというよりも、別の世界で何らかの仕事をしている人間としての共感、この時代を好きで漫画という製作してる人間としての共感です。
役者選びも、私、かなり手堅いと思ってます。ここ数年の中で「演技ヘタすぎてみてられない」人物がほぼ出てこないのは久々。深キョンが微妙だけど、まぁ彼女は松坂慶子と同じ大根が演技としての味になるタイプだから。(そういやどっちも時子なんですね)
頼朝夫婦もちょいあぶないかな? でも、二人の年齢を思ったら、いいんじゃないですか。人間、大舞台に立たないと成長しないでしょ。成長の場を与えるのって大切だと思う。で、今の世の中、お客が完全な完成品ばかりを要求して、「育てる」気持ちの余裕がないことのほうがすごく問題だと思ってる。

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【清盛のここはちょっと。】

1)人物がわかりにくさは、おそらくスタッフの想像以上
■職場の人とかと話してても、この時代の人間の名前と立場は全然一致してないんですよね。
「保元の乱」とかは覚えてても、なんか分かれて戦った…くらいの知識で(むしろ高校生とかのほうが名前はわかるのかもしれん)、どういう経緯で…なんてわからない。よくよく思い出せば、私も高校時代にこのへんって図式だけで暗記した記憶あるもん。高校の社会の授業って、日本史も世界史も公民も(地理も)だから、もう詰め詰めですもんね。
■でも、多分「どういう時代なのかしら?」って興味を持っていた人もいると思うんです。しかし、ややこしいから脱落するし、フィギュアやってるしそっち観るかーってなるよなぁと。

・服装のバリエーションがあまりないので、見た目での区別がつきにくい。
(役者がわからないお年寄りにはしんどそう。江が色分けになってたのは、ある意味賢かったなぁと。あと天地人のマンガっぽい髪型も。)
・時期ごとに「帝」「院」「法皇様」と呼ばれている人間が変わっていく。
・画面が暗いので、役者の区別がつかないと誰が何を言ってるのか区別つかない。

このへんが要因ですが、なかなか本編の演出でどうこうするのは難しい。
■いっそそれを逆手にとって「この時代がわかる」くらいの見せ方にすればよかったのにとも思うんです。冒頭で見所ダイジェストありますよね。あそこをコテコテ人物説明にするとか。サイトに関係図載せてるけど、サイトって基本興味がある人だけが行く場所だから、「ながら見」の視聴者に対しては不親切ですよね。
ただ、「この時代がわかる」にしちゃうと、許容幅が狭い人が「実態と違う!」って文句つけるのかもしれないけど…。うーん。でも、個人的には、史実とドラマの違いへの認識は、視聴しているそのご家庭の中で解決すべき問題だと思います。


2)清盛の性格
■これは変えられないし変えなくてもいいんだけど、絶対あるよなーと思う。
私、「風林火山」って大河がどうしても観れなくてですね。1話とかワクワク観てたし、「武田信玄」も観てたし、前述の「おんな風林火山」の件もあって、武田に興味はあったんだけど、もうとにかく主人公の山本堪助のキャラクターが嫌いで嫌いで。
■役者さんは別に嫌いじゃないんですよ。むしろ巧いと思ってた。
でも、あの悦に入ってるテーブルトークRPGプレイヤーのような(笑)、策と真心の距離が測れてないような、あの感じがどうにも好きになれなかった。で、彼が出てるシーンを見てられないから、結局ドラマを見れなかった。世間で不評だったお姫様とかは好きだったんですけどね。
で、清盛ですが。このドラマの清盛も「この性格がどうして好きになれないー!!」って思う人はいると思う。あと、主人公にそんなにアクがない通常の時代劇(上様だって黄門様だって、ドラマの鬼平にしても、そんなに個性強くないですよね)が好きなお年寄りにもキツいだろうな。


3)スカっとしない
■この先の、保元も平治も、福原遷都も、多分あまりスカっとした成功談にならない。
1話1話もあまり、「清盛ピンチだー!」→「うまく乗り切ってカタキ役がぎゃふん!」って展開じゃなく、清盛は常にもやもやを抱えてますよね。
私とかは、そこがたまらん(笑)とか思うけど、丁寧に伏線張ったりとロングスパンで見ることは非常に意識されてるけど、1話1話のスッキリ感が足りないと思います。
■で、清盛のこの先の展開を考えていてふと思ったんだけど、「毛利元就」の最終回があんなトンデモだったのって、同じく「スカっとしない」からかもなー。視聴してたときは「なんじゃこりゃ!」だったけど、じゃあ普通にエンディングを迎えたら物語の締めとして、視聴者に満足感与える感じだったかというと、そうでもないのかもしれない。太平記の締め方も、結構えいやっとまとめた感じだたもんな(唐突感はあったけど、感動はした)。



不満はこのへんかな。よく言われる、「人物が陳腐」とかは、天地人とか江とかに比べたら(このへんはかなり単純化されてた。でも結果的にそれがわかりやすかったともいえるんだよね。)、明らかな差異はなくて、「好み」の領域かと思います。
「リアルを目指す」って言い過ぎたから、反発されちゃったんだと思う。
本来は、「人間をリアルに描きます」って意味じゃなく、あくまでも創作物の領域の中で「たくましさ」を表現できる演出をします、って意味だったんだろうけど。
昔の大河のDVDとか結構持ってますけど、比較して、明らかに何かあるとは思えないんですよね。私、結構大河ドラマは観てますけど、思い返してかなり強引なのとかありました。大好きな「太平記」でもそうだし、「独眼竜」の場合は、お母さんとの関係への踏み込みが浅いって私の場合は思うし。もうそういうレベルになると、ただ、そのドラマと見てる私との波長が合うかどうかという「好み」です。
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by mmkoron | 2012-04-22 22:00 | 大河ドラマ「平清盛」


第15話「嵐の中の一門」

■いま、漫画描いてます。今日も家事以外はずっと漫画。これを乗り切ってGWは遊びくらしたい…!!

■さてと。精神的にボロボロになっていた家盛が馬上から崩れ落ちたのが前回までのあらすじです。
今回冒頭、やっぱし家盛はそのまま亡くなっていました。
今まで時々剥がれつつも理性を維持して「知的な母」として頑張ってきた宗子さんですが、家盛のなきがらにとりすがり、身も世も無く号泣します。
そのあとに走りこんできた清盛。この驚きの表情がいい。ショックが突き刺さってるのがわかります。しかし、家盛に当たり前のように近づこうとしたところで、宗子に家盛に触れるな!と叫ばれてしまいます。
呆然となった清盛を、怒りの形相でひっつかんで皆の輪の外へ放り出す忠正叔父さん。
叔父さんは、清盛が神輿を射抜いた神罰が、家盛に降りかかったのだと思っているのです。事件から1年半くらい? うーん、まだ「神罰だー!」が適用するくらいの期間かぁ。前回にちょっと出てきてた藤原師通も、事件から亡くなるまで4年くらいあるしね。
忠正からは「お前が死ねばよかった!」とまで言われる清盛。何も言い返せず、這いつくばったまま涙を堪えて前を睨みすえるしかないのが悲しい。
■その騒動の中、忠盛は黙々と仕事に復帰します。その様子を気に入った鳥羽院は、忠盛に、落雷で消失した高野山の宝塔を再建せよと命じます。もちろん、私財で再建してあげるわけですよ。これが仕事!?って現代の感覚では思っちゃうけど、仕事なんですよね。接待ゴルフがメインの仕事、みたいなもんかしら。つらい。
■一方、清盛はまたしてもメソメソしてます。屋根に上って雨に打たれたり。
それに対して、やってきた弟の頼盛は「兄上は何かにつけて大仰な」とあきれ気味。この頼盛は、清盛評が的確ですね「突っ走るわりに、あとでうじうじ悩む」みたいな評価もしてて、その通りだわーと笑いました。
でも、清盛のこのダメなところって、「自分はその他大勢に泥まない人間だ!(=よそ者であることを敢えて誇示する)」という気持ちと、その一方で常に持っている所在無さ・よそ者である寂しさの葛藤の結果、ずーっと持ち越している性質なんですよね。
今までずっと見てきて、本質的に解決してないことも知ってるから、ウザい性格だよなーと思いつつも、気の毒なんだよね。
さらに頼盛は清盛に、家盛の最後の言葉を告げます。と言っても、「あにうえ」の一言なんですけど。ただ、家盛が最後の最後に声をかけた相手は、清盛だったのです。

■それでちょっと浮上したのか何なのか、清盛は高野山での再建事業に向かいます。これ、セットなんですよね…森の雰囲気の再現度がすごい。ヨコ向きだったら、森のシーンって結構見るけど、奥行きを見せた画面で森を作るのって、結構大変なんじゃないだろか。これすごいなー。
■そこで、義清に再会する清盛。よっぽど寂しかったんだろうね、義清に会ってニコニコしてるのが、かわいくもありかわいそうでもあり…。相変わらずのモテモテ義清にズッコケたり、生き生きしてます。
それを裏打ちするように、京では時子が弟に語っていました。清盛は思っていたのと違った。思っていたよりも、もっと寂しい人だった。だから私は絶対に離れない…と。

■浮上した清盛ですが、宗子が舞子の形見である鹿角を叩きつけて、忠盛に詰め寄り、号泣している姿を見てしまいます。で、またテンションダウン。
やっぱり自分なんかが高野山の再建をしたところで、家盛の供養にはならない…とウジウジしているところに、今は西行となった義清が訪れました。
そして、平泉の寒さの中で、立ちすくんで歌を詠んだ話を再びします。
前回高野山で再会したときは、「お前、そんな寒い中で和歌なんか詠んでなんだよー」的に清盛がからかっただけだったのですが、西行は清盛に伝えます。
なぜ突き刺さる寒さの中、目を逸らせなかったのか。それは、その厳しい中に何か美しいものが見えたからだ。あなたも、今の一門の嵐から目を逸らすと。そうすれば美しいものが見つかる。
■つい土壇場で逃げがちな清盛に、逃げるなという西行の言葉。その言葉に、清盛に覚悟が生まれます。

■さて。その頃朝廷では、元服した近衛帝に、頼長の養女・多子、忠通の養女・呈子の両方が入内し、寵を争う事態が起こります。元々は忠通は長く嫡男が生まれず、弟頼長を養子にしていましたが、1149年時点で、基実・基房・兼実と3人男子を授かっています。なので、もう弟に家督を譲る必要がなくなってるわけですね。
しかし、パパ忠実は頼長に早く家督を譲れと強いているようです。
これ、忠通は相当傷つく状況だと思うんですけど、どっちも陰湿なやり取りなので、清盛ん家のようなかわいそう感がない(笑)。
とにもかくにも、頼長は父親の愛情で加点されて、兄と真っ向勝負している状態です。
■一方武士は。忠盛のほうは揺るぎもなく、仕事を着々と行っています。その様子に得子もご満悦。これが完成したら公卿に推薦してあげるね、と言われて高揚します。
しかしそれを台無しにするのが頼長。
 ・清盛への鬱屈を煽ってやったら、あっさり乗ってきたよ(バカねー)
 ・お前のほうが跡継ぎに相応しいよっておだてたら、あっさり尻尾を振ったよ(バカねー)
 ・こっちに踊らされてると理解したときには手遅れだったみたいね(バカねー)
 ・自分に何もかも差し出したよあいつ。いろんな意味で。(バカねー)
の多重攻撃で、忠盛の信念を砕きました。
このドラマの中で、頼長と雅仁は精神攻撃が得意な双璧ですね。頼長は父ちゃん譲り。
さて、このシーンで頼長のお気に入りの近習・秦公春が登場してました。わざわざ「きみはる」って呼びかけてたのは、こやつらが「そういう仲」だという気安さを表現しているわけですが…。
私は、「恩赦で犯罪者が釈放されたのがどうにも納得できなくて、公春を行かせて犯罪者を殺させたよ」事件の印象で、秦公春って、黒服グラサンでいつも前で手を組んで立ってる(笑)イメージを勝手に妄想してたんですよ。でも、普通に上品そうな人でショック(笑)。

■心の軸を砕かれた忠盛。1話以来の激しさで、清盛のもとにやってきます。
清盛は、絵師さんの勧めで、曼荼羅に筆入れをさせてもらっている最中でした。それを蹴っ飛ばし、止めようとする忠盛。自分が間違っていた、武士は今の立場で甘んじていればよいのだ、身の程知らずな目標を持ったから、宗子を家盛を傷つけた。
これは、清盛の存在を否定する言葉でもあります。しかし、清盛はもう傷つきませんでした。
引き剥がされても、どっかにぶつけて額から血を流しても、曼荼羅に這って行き、放り投げられた絵の具のかわりに、自らの血で菩薩?の唇に朱を入れます。
その姿は、忠盛すら圧倒されて、手出しできない。
この儀式は、忠盛や宗子を経由しない、清盛と家盛という兄弟の儀式なんですね。親(一門)の思惑を経由せず、まっすぐに向かえば、清盛にとっての家盛、家盛にとっての清盛はただただ大切な自慢の兄弟でしかない。
■清盛が見た美しいものは何だったのか。それは、いつも挫けていた、けれど今回まっすぐに通して形にした、自分自身の兄弟への愛情だったのかもしれません。
その反射を宗子は見て、「家盛が、かけがいのない兄上によろしくと言うておる」と言ったのでしょう。
なんかこれはわかる気がする。私にも弟がいるんですけど、親を経由したときの(連絡ルートという直接的なことではなく、気持ちの上で親の存在を経由するかどうか)関係と、直接つないだときの関係は、ちょっと違う気がする。
■こうして、一門の絆を取り戻した平家でした(でも忠正おじさんは不満なままなのでは?)。しかし、こっちが鎮火したらこっちで火が。源氏のほうで騒動がおきようとしていました。

■さてさて、今回の源氏です。流れに沿うとちょい脱線なので、ここに書きます。
前回、義朝は「院に仕えたい!」と、摂関家に追従する為義に反抗していました。
そんなに院への忠義心篤かったんだっけ?と思ってたけど、あれは「院に仕えたい」というよりも、「摂関家に仕えたくない」だったんですね。初期に、為義が忠実からけしかけられて、忠盛を闇討ちしようとした件。あれが義朝に「摂関家は父を道具として使い捨てようとしている」と決定的な不信感を抱かせる伏線になってました。なるへそー。私はすっかり忘れてました。やられた。
■摂関家に逆らえない為義が腹立たしい義朝。ふてくされて町に繰り出したところで、常盤親子に出会います。どうやら前回お酒を買って以来、この家族から買い物をしてあげてるようですね。
常盤は、忠通配下のスカウトマンに、入内する呈子の雑仕女にならないかと勧誘されていました。病気の母を置いて外に働きになんて出られない!と拒否するかまえの常盤に、義朝は、親の暮らしをよくしたいなら、スカウトを受けるべきだと諭します。
わたし、由良のときにちらっと言ってたみたいに「常盤が呈子に仕えれば、情報ツールになる」みたいな野心で勧めるのかと思ったのですが、違いました。義朝は言うのです、「親の役に立つのが、子どもとして本望ではないか」と。
ああ、義朝もほんとはお父さんの役に立ちたいんだな、そのために間違った行動を正したいのに、伝わらないからイライラしてるんだな、と。ほろりとくる言葉ですね。忠正が清太にかけた言葉と同じ手法ですが、こっちにもまんまとじんわりしてしまったよ。
■しかし、そんな思いも伝わらず、為義は忠実・頼長の命じるままに、どっかを焼き討ちするようです。どこなのかは次回分かるわけですが。

■書きそびれたのは、崇徳&雅仁親王の負け組同居生活。この同居ハウスは住みたくないわー(笑)。
同母兄弟なのに、まったく意思疎通できてない。
清盛並みに人恋しいタイプなのに、周りにいるのが璋子様とか雅仁とか電波な人ばかりで哀れだよ崇徳さま…。「お前マジ頭おかしいだろ」という反応ではなく、「お前ほど潔かったら」って雅仁をしみじみと見る素直さが、気の毒さを増してます。そこはうらやむところじゃない。
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by mmkoron | 2012-04-15 22:54 | 大河ドラマ「平清盛」


第14話「家盛決起」

■今回はすごい良かったー。
13回分ずっとちまちまちまちま描いてきた家盛の人柄が、こうやって彼の結末につながるのかと。カタルシスあるわぁ。

【家盛】
■さて。家盛が初めて清盛に面と向かって反抗し、そして失速・墜落するというのが今回のお話。
なぜ家盛が突然あんなキャラになったのかは、丁寧に描かれてると感じました。
「当たり前の母のように笑いかけてほしい」。
私、大河ムックのノベライズは読んでたので、笑いかける対象は清盛なのかと思ってたのですが、ドラマの展開だと、家盛なのかな。
ずっと母は家盛に微笑みかけることに後ろめたさを感じていた。家盛は、母の「清盛を兄としてたてよ」ということばに疑いを毛ほども抱かず、心から清盛を兄と慕っていた。母の自分に向けられた笑顔にも、無理をしているつらさを感じてやれなかった。
「おかあさん、他の女の子どもを立てなきゃいけなくてかわいそう」とは違いますよね。
自分が兄を慕うこと、当たり前のように兄を嫡男としていることが、母に「できた妻」の無理を強いることへの加担だと思ったから、この問題に対して無頓着だった自分を恥じたわけですね。
だから、慕う兄と対決して自分の心が痛む道を選んだ。
母親への「当たり前の母親として笑ってほしい」という台詞と、白い犬をかわいがる兄弟に目を細める姿で、そのへんの心情が伝わりました。犬はいかんよ犬は。泣くー。
■でも、結局は、彼の真心は頼長にかる~く利用されてしまいました。
頼長に認められたと思ったときに、初めて、兄と自分を同じ土俵で比較する視点も持ったのでしょう。そこで芽生えた僅かな自尊心も砕かれちゃった。
ただでさえ無理して冷たいキャラを演じようとしてたから、無理に無理な力が加わって、砕けちゃった…って感じでしたね。
頼長にもいわれてたけど、「こまいひと」ですよね。頼長に再度押し倒されかけて、ひーっってアタマから逃げちゃうとことか、ほんと神経細い人だなぁ。なんかいろいろ失うものが多かったから仕方ないか(涙)。
■さいご、幻の兄に手を伸ばそうとして届かないところは、泣いたわー。
私、前にも何か同じようなシーンで泣いた既視感があったんだけど、いまわかった。
「チャングムの誓い」の、チェ尚宮様が死んじゃうシーンだ!!

【清盛】
■清盛、以前よりずいぶん大人になったと思ったけど、実は相変わらずキャパの小さい男ですね(笑)。
弟がもてはやされて、跡継ぎにふさわしい!とか言われてるとスネちゃう。ガハハお前もやるな、と笑うくらいの気概がほしいところですが、面と向かって敵対してきたのが家盛だったことが、よほどショックだったのかしら。
■今回、いいなぁって思ったのが、時子とのやりとり。
既に、清盛にとっての「家族=居場所」が、忠盛の家から、時子と子どもたちのいる家に移行してますね。
以前に、「忠盛に前ほどのイニシアチブがなくなってきた」と書きましたが、そういう世代とか居場所の変化のさせ方が、このドラマ巧いなぁって思います。
あと、時忠も良かったですね。もーめっちゃチャラい(笑)。なんでこいつここで普通に餅食べてるの?って思うんだけど、いそうだわーこういう親戚!
でも、時子の一途な思いを目の当たりにして、ケッとするわけでも苦笑するわけでもなく、当惑してるのが、「根は悪いやつじゃないんだろうな」って感じ。ねずみ男的…って印象。欲得で動いてるんだけど、愛嬌がありますね。

【義朝】
■出番短かったけど、為義と方向性の違いで衝突してます。おおっ、伏線。
保元の乱では、為義は頼長側、義朝は信西側につくわけですが、こんな形で亀裂が入り始めるとは。
義朝も、嫡男不適合…みたいなこと言われてましたね。おおっ、そうするとこっちも嫡男対抗馬として源義賢が出てくるのか!? 源義賢というと、これまた頼長とのあれこれが有名な人ですが…
(家盛があんな容易く組み伏せられた後なので、義賢がやらかしてくれると、それはそれでカッコいいな・笑)
■清盛との関係は、相変わらずちょっとケガしそうなライバル関係といった感じで、命のやり取りをする厳しさはまだないですね。今回、清盛がちょっと人恋しいモードなので、義朝にも人懐っこいのが笑えた。
■勝気な由良との関係がどうもぎくしゃく気味である一方で、癒し系・常盤が登場しました。義朝&清盛による、平安版マイ・フェア・レディ状態になるのか?
ここを巧く描けば、うちのおかんみたいな女性視聴者が入りやすくなるかもしれないので、いい感じで並行エピソードとして花開くといいな。

【清盛の弟たち】
■突然、経盛&教盛が出てきたー。教盛のほうがハキハキ君で、経盛のほうがおっとり君というキャラなのですね。前者が体育会系、後者が文化系ってキャラ分けにするのかな。
こいつら清盛につめてーな!ひどい!! って思ったけど、まぁよく考えると、発言権のない庶出の子ども達って、こんな感じなのかもな。
それにしても、清盛が「神輿を射た事は後悔していない!」と宣言したときの、ドン引きっぷりったらなかった(笑)。画面からいい具合に場が冷えた感じが伝わったよ…。
こんな弟たちが、どうやって壇ノ浦で運命を共にするまで進むのか。今の時点で兄弟達に全然人望のない清盛(笑)が、どうやって彼らを引っ張っていける度量を身につけるのか。今後の出番が楽しみです。
■そんな中、既にほかの弟達と一線を画す感じになってるのが、頼盛ですね。
清盛にとって針のムシロだった家族会議のシーンでも、係わり合いになろうとせず、ちょっと痛ましげな表情でした。
あれ、清盛に対してなのかなーって最初思ってたんだけど、ひょっとしたら家盛に対してだったのかもしれないと改めて思ったりしてます。彼は家盛が無理している気配を感じてたんじゃないかと。
この頼盛、「義経」のときに出てきた頼盛(は、心弱いけど真面目な人…って感じだった)とはまた違う印象ですね。今はとらえどころない感じなんですけど、この先どう描かれるか興味あります。
賢そうだけど、時忠みたいな「利に聡い」感じ…ともちょっと違う演出のように思うんですよね。
この頼盛の路線のままだったら、「一門の中で孤立気味で、宗子による縁もあって平家から離脱」とも「自分の保身を図って、離脱」とも違う理由で、都に留まりそう。平家を残すためなら…という思いの発露とか。


【頼長】
■頼長が家盛とそういう関係だったという記録はないわけですが、頼長が舞人に手を出したって話は残ってるので、そこから着想を得たんですかね。
舞のシーンが結構じっくりでよかった。「義経」の青海波とか、役者さんたちはめっちゃ練習したって語ってたのに上半身だけ2秒くらいでしたから(涙)。
舞のシーンで紅葉を簪にしてて、家盛が落馬するあたりは桜。「割と長いスパンの話だったんだな」ってのがさらっと出てましたね。直衣も着替えてたし(人物デザインの人も、直衣の色はお約束どおりにしてるって言ってた)。
■あ、そうだそうだ。このドラマで出てくる、布部分が赤い御簾って、「義経」の小道具の再利用ですよね。「義経」のときに「本来は緑色の布なんだけど、平家っぽさを出す為に、平家のシーンのために赤い布を使った御簾を作った」ってスタッフさんが語ってたんですよ。そのときは「当時は丸い柱なんだけど、丸にすると費用がかかるから四角い柱を使ってる」とも書かれてたんだけど、今回丸い柱のシーンもありますよね。「義経」の道具が再利用できる分、丸い柱に費用をまわせたのかな?とか勝手に想像。
■あ、いかんいかん。頼長でした。
自分からたくらみのネタばらしをベラベラ語りだすところが、「いかにも悪役ー!!」って、わたくし拍手喝采でした。いいねいいね。
しかも、「棟梁の器だと思って引き立てたと思ってるのか?」的なあの台詞!
悪女キャラの「私があんたみたいなゴミと本当に付き合うと思ってたの?」に通じるあの憎らしさ!! 頼長って、融通利かない人だけどそこまで性格悪くないだろ、とも思ったんだけど、でもこのドラマの「自分は使う側・相手は使われる側だという身分意識、自分は他のヤツとは違うという自意識がはっきりあって、隠そうともしない」というキャラとしては、自然な台詞でした。
悪辣度がupしてるけど、でも、陰の政治的素養も実際よりも高めに設定されてるような気がするな、この頼長って。


■今回、「そこで終わるかー!」ってトコロで終わりでした。次回は既に家盛が死んじゃったところからスタートの模様です。1話以来のブレブレ状態になる忠盛が見ものです。次回もたのしみ!
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by mmkoron | 2012-04-09 00:56 | 大河ドラマ「平清盛」


第13話「祗園闘乱事件」

■今回は祗園社との騒動の回です。っつっても、ドラマとしては地味な事件です。当時の寺社勢力との関係のことを説明してないと、何をそんなに大騒ぎするのか伝わりづらいし。でも、その説明が面白いとも思えないし。
■で、結果としては、騒動そのものはあっさり描き、白河院の影響を筆頭としたしがらみ全般を逃れられない、鳥羽院の心理描写を中心にしてました。私、このドラマの、こういう情報の割り切り方が好きなんですよね。
こういう時代物ドラマって、視聴するときの

・こっち側からの「あれやこれをこんな風に描写してほしい」と希望があって、それが実現されるかどうかで評価する
・あっち側から与えられたものをそのまま受け取って、その意図を受け取ったうえで「それは面白い、これは面白くない」と評価する

この2つの受け取り方は似てるようでかなり違ってて、私が他人の評価を見て「うーん」って思ったり、逆に私のほうが叱られたりするのは、そのへんのスタンスの違いなんだと最近じわじわ分かってきました。

■脱線しました。で、この騒動ですが、清盛(というか兎丸)が昔なじみと始めたケンカが発端でした。
平家は、兎丸一党や盛国を検非違使庁に差し出す「トカゲの尻尾きり」でその場をしのぎます。が、寺社側はそれだけでは収まらない。忠盛&清盛の流罪を要求?して神輿をかついで宮中に向かいます。
兎丸たちが、「すぐに助け出す」と小声で言う清盛に対して、「獄暮らしは慣れとる」ってさらっと言うのがいいですね。清盛に従っていることを当てこすられて激怒した兎丸だけど、清盛との信頼関係に揺らぎはないのねと。
おとなしくしているしかない平家にかわって、強訴を阻止するのは源氏。しかし、天台座主明雲は「射てみろホレホレ」とばかりに、神輿を前面に出して挑発します。
さて、ここに「神輿の威を借るナントカ」そのものの位置づけで、弁慶初登場です。
背に負った箱に七つ道具みたいな謎の道具を入れてて(しかし鉄の熊手が普通の熊手だったので、ただのお掃除スタッフに…)、「弁慶っぽさ」がちゃんと演出されてるのが笑える。
先頭に立ってうろちょろして、完全にただのお調子者のヤンキーですな(笑)。めっちゃ強気でぎゃーぎゃー言ってるのに、神輿が射られた途端に腰を抜かしてるトコとか。
この弁慶が、のちに常識破りしまくりの義経を信奉しちゃうのは、ちょっと分かる気がする…。
■さて、「うりうり、射れるもんなら射てみろよ」という挑発にギリギリしている源氏を飛び越して、一本の矢が神輿を直撃します。
腰を抜かして「おおーおおー」と叫ぶしかない弁慶の目線を負った義朝は、矢を放ったのが清盛であることを知ります。

■その結果、いよいよやばいぞと平家一門は家族会議。
「わざとじゃないですよね」「故意に射るバカなんていない!」でみんなが納得しようとするところに、「狙っていたのだ」とKYかつ正直に申告する清盛。
心底祟りを怖がっている伊藤忠清がプリティー。清盛「あんなものはただの箱じゃ!」→忠清「ひぃー」 のやりとりが(笑)。この直前の「故意に射るバカなどおるか!」「わざと射たのじゃ」のやり取りもだけど、緊迫しつつ笑わせるところで、「事件としては深刻だけど、ストーリー上ではこの事件の罰そのものは重要じゃないですよ」ってのを感じます。

■罰せられる前に、自分たちでお詫びモードに入ろう・・・と、自ら検非違使庁に入り謹慎する忠盛と清盛。
家族会議では清盛をぶん殴ってみせた忠盛ですが、実際はむしろスカっとしてたようで、せいせいした表情で謹慎に入るのでした。
■今度は朝廷が清盛たちへの罰でもめています。
 忠通・家成…平家の武力財力は現在の政に欠かせない。寺社側の言い分で安易に罰したくない。
 頼長…武士などが力を持っていること自体がそもそも間違い。これをチャンスに一掃したい。
って状態です。忠通と頼長のパパ・忠実は、頼長派。自分のお父さん・師通が神罰で若くしてなくなったことを引き合いに出し、チクリと鳥羽院を刺します。
(師通のくだりは、平家物語巻1「願立」にも出てきます。拙サイトの各話紹介にも師通はちょこっと登場しますので、ご覧くださいませ~)
■パパは味方してくれましたが、頼長は、自分と意見を同じくすると思ってた信西が反対意見だったのがショックだった。信西は、頼長の才を評価しつつも、彼の目標が摂関政治の復活であり、それでは「才ある身分の低き者」である自分たちが活躍できるチャンスがないことをわかっているのです。ゆえに、「俗世にて、自分の務めを果たす」と頼長に告げて去っていきます。
ここの「俗世にて」って、頼長の理想に現実味がないことの皮肉なんでしょうね。
これにはらわた煮えくり返る頼長。彼は非常に優秀なんだけど、周囲への配慮のなさ、「マイルールの押し付け」っぽさが徐々に出てきてますね。私もそういうイメージを持ってたので、ここはわりとイメージどおりだわ。

ところで、頼長のこの性格って、彼の息子たちよりも忠通んところの兼実がちょいキャラかぶってる気がするんだよなー。兼実のほうが、鬱憤を外側に発散しないので(悪く言えば、「文句言ってるだけ」)、世の中で煙たがられながらも生きていける程度の濃さなんだけど。

■朝議は忠盛親子をどうするかで意見がものわかれ。源氏側も、平家がこの先どうなるか気になっています。とにもかくにも源氏の武をここでアピールするしかない、という為義の隣で、義朝は少年漫画のライバル役モードになっておりました。
「誰が清盛を流罪になどさせるものか…こんな形で俺の前から姿を消させてたまるものか…!!」
めっちゃコテコテだがね!
■なんだかんだでずっと謹慎中の忠盛親子に、妻たちは差し入れを準備します。と言っても、着物などを準備してくれた宗子に対して、時子からは双六セットのみ(笑)。
時子からしてみれば、勝手なことをして皆に迷惑をかけた清盛のオイタへの罰なのです。彼女の、清盛のバックボーンを理解しない無邪気さは、逆に清盛を明るいほうに引っ張ってくれますね。
さらに、やけくそ気味にたらふくご飯を食べていたら、腹を押さえてうずくまる時子。食べすぎ…ではなく、いよいよ出産です。うわー宗盛生まれちゃうのかぁー。

■そんな出産騒ぎの折に、運よくなのか悪くなのか、「目の前で清盛を罵ってショックを与えた詫びを言おうと」忠正が訪れます。時子はぜんぜん気にしてなさそうなのにね(笑)。
ちょうど良かったとばかりに、出産の手配をしている間の子守役を頼まれてしまう忠正。子ども達に作ってあげてるおもちゃがおもしろいね、お馬さんかわいい。
時子に赤ちゃんが生まれたら、自分たちはもう今までどおりに接してもらえないのではないか。そんな不安を口にする重盛に、「そんなことは断じてない、そんなことは気にせず、生まれてくる子をうんとかわいがってやれ」と忠正は強く励まします。ここはうるっとくるわ~。誰も好き好んで血のつながりの有無で争わない…という忠正の言葉に、自分も本当は争いたくないという思いと、清太たちは争ってほしくないという思いが見えて。
ここまでの忠正は、あくまでも「家族として」、その甘えというか親近感がある中で清盛を嫌ってるんですよね。それが、そうではなくなってしまう時が来るのかと思うと…ううう。
■清盛と忠盛は双六中。
忠盛はぽつりぽつりと舞子の思い出を口にします。白河院と、無責任なお告げにひとりで立ち向かった女性。
そして忠盛はずっと待っていたのです。清盛が、母と同じように、あてのないルールに立ち向かうときを。今まで清盛はさんざんいろんなことにタテついてきましたが、ただ自分の気に入らないものにタテつく時期を経て、だんだん彼は反抗に筋を通すようになってきた。それを忠盛は待っていたのです。

■家族の会話がほのぼのしている間、朝議はますます紛糾。
頼長はこれをきっかけに、清盛の余罪を調べ上げて叩くつもりです。あくまでも調べ上げていて、でっちあげではないところが、頼長のチャームポイントでもあり、弱点でもありますね。
頼長は、捕らえたはずの海賊連中を平家が自分の部下にしていることを断罪しますが、信西は効率的な掌握術だと逆に評価します。信西が長台詞で自分の政治プランを語る場面は全然ないんですけど、「使える人材は使いまくって、国直属ではたらく力を集める」って感じなのかな。
■長会議にぐったり気味の鳥羽院。
彼は白河院の呪縛から自分が未だに解き放たれていないことを感じ、苦しんでいます。
白河院の呪縛を払拭したくて、彼の息がかかったもの(たまこ様含む)を遠ざけてきた。しかし、それすらも白河にとらわている証ではないか…そう思うようです。

■そんな鳥羽院は何を思ったのか、検非違使庁の清盛を訪ねます。
そこで問います、神輿を射たのは手違いか、それともわざとだったのかと。
■院みずからの質問ですが、院が何を思って質問したのか意図はわからない。しかし、ここで何を答えたかによって、清盛の運命は決まる。清盛はゆっくりと口を開きます。
彼の決意の表情と、運を託すかのようにサイコロを握り締めるしぐさを見てれば、「わざとだ」と答えるのはわかります。ここの動きもいいなぁ。
清盛から「わざとでございます」とはっきり聞いた鳥羽院。おもむろに両腕をひろげます、さながらジュディオングの「Wind is blowing from the Aegean~♪」のように。
曰く、「神輿を射たときのごとく、朕を射てみよ!」。その言葉に、清盛は前を見据え、見えない弓を引き絞り、矢を放ちます。
■このシーン、撮影時は音がないわけですよね。うわーそっちを観てみたかったー!
まっすぐに院(というか、その向こう側の何か)を睨み据える清盛もですが、それ以上に、何かにおびえつつも何か期待しているかのような鳥羽院の目がすごい良かった!
放たれたのは矢だけではありません、その瞬間に鳥羽院も、心の底の重石から解き放たれたのです。
鳥羽院は「白河院と朕が乱しに乱したこの世に放たれた一本の矢だ!」と清盛に最大の賛辞を送ったのでした。
「何にも振り回されず、まっすぐに突き進む信念」というものが鳥羽院は見たかったんですね。それをモデルにしたかったし、「それができないお前は、だから駄目なんだ!」と引導を渡されたかった。
こういう救われかたってあるんだなー。なんつーか、Mな救済

■というわけで、忠盛親子は無事に罰金だけで放免されました。父上も兄上も戻ってくるとなって、上機嫌で母親のもとに向かう家盛に、母・宗子の声が聞こえてきます。
宗子は、忠盛の心の中心を亡き舞子(「前の奥方様」と言われてるけど、実際はプラトニックで終わった感じだよなぁ)が占めていることに傷つき続けています。
その本心の吐露を聞いてしまった家盛。彼は、そのまま、三男誕生を喜ぶ清盛邸を訪問します。そして、なんとここに来て清盛への敵対宣言を放ちます。
兄上を嫡男として認めることはできない、これより先は私が一門を背負う…と。
■これ、今までの家盛の描写がなかったら、彼の突然の心変わりは意味不明だけど、かなり今まで丁寧に彼の描写があったので、理解するとっかかりがありますね。
家盛は、自分を取り巻く環境や人の心に対して、自分があまりに「能天気」であったと思い、自分を責めたんではないでしょうか。
彼自身も家のために好きな女性を諦めたり、海賊退治行きを兄に譲ったりと、常に一歩引いたポジションですが、別に彼自身はそのことについて父や兄に対する不満はなかったですよね。むしろ、自分が不満なくニコニコしていることが、母親である宗子をも幸せにすると思ってたんじゃないかと。
でも、ココにきて大人になった彼が宗子の忍耐を見た。彼が思ったのは父や兄への怒りではなく、彼の今までの性格描写に即してみるなら、「何も考えずにのほほんとしてた自分が申し訳ない」でしょう。
だから、勇気を振り絞ってお兄ちゃんとこへ決別宣言に行ったんでしょうね。

■実際の家盛と清盛がどういう兄弟だったのかはわからないけど、解釈の自由度が高いこの二人の関係を、あえてこういう複雑な形にしたのって、どういう意味があるんでしょう。この二人の関係は、のちの重盛と時子腹の兄弟たち(このドラマなら特に宗盛か)や、ひょっとすると頼朝と義経にもお話として反映されるかもしれないので、清盛&家盛が単純な仲良しでも敵対関係でもないことの意味が、のちのちわかるといいなと思います。

■さて、次回はいよいよ頼長の男色シーンですか。
私は、舞を担当した家盛に目をつけて…って流れは、ウマいなって思ったんですよ。舞で目をつけたのって、古今著聞集とかで頼長が舞人に手を出した話が出てくるからですよね。
そういうちょこっとの記述を入り口に、そこからぐぐっと広げる手法って、創作として好きです♪
■前にも書きましたが、摂関家と清盛たちとの政治的お付き合い以上の人間関係をドラマにつくっとかないと、保元の乱が単なる「どっちにつく?」話になっちゃうと思ってたんです。「新・平家物語」を観た印象がまさにそれだったんですよね。
でも、清盛主役でやってこうと思ったら、清盛自身が崇徳や頼長に対して私的な思いを持ってないと、「出来事ドラマ」になってしまう。この清盛なら崇徳は白河つながりでいけるとして、摂関家はどうするんだ?と思って宝、「なるほどー」と目からウロコです。
しかし、今までの頼長には(あと、鳥羽&家成にも)そういうのを匂わす描写はなかったわけで、「えっ、どうしてここで押し倒すの?」になっちゃう気はするんですよね。そのへんがどう処理されるのか興味津々。
■いやはや、どんな描写になるんですかね。
草燃えるが相当だったので(DVDで観た。演技のビミョーさと、映像の暗さの相乗効果で、かなりエグく感じたんだけど)、少々の描写なら気にしない自信があります(笑)。
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by mmkoron | 2012-04-07 19:33 | 大河ドラマ「平清盛」


第12話「宿命の再会」

■今回イッキに話が進みましたね。すごろくで「6」が出た気分。
OPのキャストの時点で「おっ」の連続でした。
・おっ、明雲が出るんだ!
・おっ、時忠出てきた!
・おっ、時子の父ちゃん、蛭子さんかよ!(そういや「義経」では義経の義父さんでしたね)
・おっ、高階通憲が信西になってる!
・おっ、頼盛出てきた!
ちなみに私、いつもOPの、清盛が矢を放ってお花みたいなCGがばーんと散る映像。あそこでドキドキしてます。あそこに忠実さんが出ると「おっ、摂関家出番あるな」、ナリコさまだと「今日は摂関家出番ないのか…」って。(笑)


■第11回の前半くらいまで、「おお、成長してきたなー」って感じになってた清盛ですが、精神的な支えで、清盛の自信の源だった明子が死んでしまったために、またふてくされモードに戻って増し舞いました。
平家が比叡山の強訴と交渉するシーンから始まりますが、清盛はかなり抜け殻の表情。
マツヤマ清盛は、叫んでばかりなのはちょいウザいけど、表情がいいですね。台詞がなくても、状態が結構詳細に伝わる。
■強訴をうまく(財力を使って)退けた平家ですが、今回も忠盛パパが三位以上の「公卿」になることは叶いませんでした。今回の昇進の結果は「正四位上」。あと一息の、このカベが厚い!!
その壁の厚さを感じているのは平家だけではありません、高階通憲もです。
腹の内では武士を使い倒す気で、公卿にする気なんてさらさらない鳥羽法皇。自分とこが権力の座に就くことこそが正しい道と信じて、それ以外は眼中にない摂関家。それに高階通憲は絶望していました。
別に平家をとりたてていこうとしてるわけではなく、よいパフォーマンスをする臣下がそれ相応の役職に就く状態にしたいというのが通憲の主張だと思います。が、それが叶わない。
それはつまり、下級貴族である通憲自身の未来も閉ざされているということです。
通憲は出家して清盛の前に現れ、ぼやいていきました。彼はこれ以降、「志だけでは道は開けぬ」と正攻法を諦め、ますます搦め手で政治に関わっていくんでしょうね。その第一歩が、出家する(官僚での出世コース諦めて、著名人枠での登用を狙うようなもんだよな)ということなのでしょう。
(でもこのへんの説明が足りなかった。単に武士を応援して、でも夢破れて隠居するって言ってるように見えちゃうよなあれだと。)
その姿に、清盛の閉塞感や無力感はますます募ります。
■通憲が頼長のもとを訪れ、そこで「あー、この人も結局アタマ固いんだよな」と思ってるシーンは、鸚鵡ちゃん主役でしたな。「シュクセイ!」って。
こないだの「ナイミツニナ!」もそうですが、鸚鵡ちゃんが覚えるほどにシュクセイしたんだな、頼長…。

さて。ここで別の疑問がわきました。

あの鸚鵡、何年生きてるんだ…?

鸚鵡ちゃん初登場がいつだったかを思い出します。たしかあれは第8話。ちょうど8話の終わりに明子がおなかに赤ちゃんがいることを伝えて、清盛がカンゲキしていました。ということは1137年くらいです。
で、高階通憲が出家して、信西が出家するのが1144年7月。宋から渡ってきたことを考えると、すでに10歳くらいにはなってるのでしょう。しかし鸚鵡は長生き(30年以上生きるらしい。すごいな、今から私が飼い始めたら、私より長生きしちゃうかもしれないのか…)なので、まだ鸚鵡人生の1/3過ぎてない感じですね。

■さて。清盛の憔悴とは別に、平家一門は地道に発展を続けます。
今日は清盛の弟・頼盛が元服しました。おおーっ、頼盛まで出てきました。
「武士として弟を導くように」という忠盛の言葉に、くってかかる清盛。病の妻に寄り添うこともできず、そこまでして武士の名を背負っても、朝廷の使い捨て駒でしかない。一時期明子の存在によって「家族のために」というモチベーションを持った清盛だけれど、それが消えて、清盛はまた何のために頑張ればいいのかわからなくなっちゃったわけですね。
頼盛は、表情のアップが2回程度しか出てこないので、どういうキャラなのかは読みとれませんでした。
■明子が遺した2人の息子は、時子がしばしば訪れて面倒を見ていました。

そして他人の息子に少女漫画的恋愛教育をする時子(笑)。

二人の息子に源氏物語を読み聴かせたり、琵琶を聴かせたりしますが、清盛に下手な琵琶を聴かせるなと文句を言われて憤慨。
そしてぷんすか怒りながら帰宅した家で、今度は姉弟ケンカ。平時忠登場です。
いいですねー。パパの書物を鶏合わせのバクチですっちゃったらしい。
しょんぼりして鶏(こいつらが負けたのか…)を眺めてるパパがかわええ。しかし蛭子さん、相変わらずすごい棒読みだ(笑)。
時忠はラクして楽しく生きたいと抜け目なくチャンスを探してるタイプのようです。で、毎回バクチに負けて流されることになるのか。(笑)
■時子が清盛邸に通い詰めてると知った時忠は、姉を今をときめく平家の後妻にしようと清盛を訪問。
あけすけな物言いに思わず弟をビンタする時子。
自分の中にある想いへの動揺と、ひょっとしたら…という願望を言い当てたれた動揺からでした。
それをうつろに見やった清盛は、琵琶を弾くなと時子に告げた理由を再度伝えます。

自分の中にある明子の音色をかき消されたくなかったからだ。

これ、正直な気持ちなんだろうけど、きっついね。
「明子を思い出すからつらい」って言われるよりも「大切にしたい思いがあるから、邪魔しないでくれ」って言われたほうがショックだわー。ただし、こう言って来るってことは、清盛は時子に少し心を動かされている(恋愛ではないとしても)部分があるわけですよね。
しかし、時子には言葉の裏側とか考える余裕はありません。
しょげて恋心を諦めかけた時子ですが、自分の「ひょっとしたら」願望を浅ましく思う時子に、時忠が言います。それは違うと。きれいな想いも、何らかの欲から始まっていると。
■これは、前々回の義清出家などから続いていたテーマへの、いったんの答えですね。
美しいものも、出発点は決してキレイなものではない。ただ、それが自分の中のせつなる欲求であるから、美しいものに育っていく。

■ここで舞台は高貴な方々に。
出家したたまこさま。自分の愚かさを償うために心穏やかに出家した彼女ですが、病に倒れます。
いよいよ本当にたまこが自分のもとを去るとわかり、動揺する鳥羽法皇。かつて病(実は白河院恋しい病だったんだけど)に伏した彼女にプレゼントした水仙の花を庭に探します。
鳥羽法皇にとっての「水仙」は、たまこの不義密通を知ったトラウマの源でなく、それ以上に「たまこは、あのとき水仙を渡したら、快癒した」というラッキーアイテムになってるようですね。
でも、今はお庭には菊が咲いてるようです。つまり秋ですな。
水仙の季節は冬~春なので、当然咲いてない。そこで、水仙をもってこいとお触れを出すのです。
この鳥羽法皇の動揺シーン、よろよろ歩いてきて家成にしがみつくシーンではじめて「おっ、このドラマのこの二人もちょっと親密っぽくなったな」と思いました(笑)。家成、鳥羽院のお気に入り(そういう意味で)になって出世したとも言われてる人ですし…。
■お触れは平家にも届き、家盛はしっかり準備。清盛を誘いに来ます。
こんなくだらない召集に応じてられるかとふてくされる清盛。明子を失った悲しみは誰にもわからないとつぶやく清盛に、自分が一門のために恋人を諦めた過去があると告げる家盛。でも、誰にも言わないつもりだったのに、と言った自分を恥じます。
それを見て、清盛は反省したようです。
自分がどう生きるかに必死で、自分の思いを伝えることに必死で、他人の想いを受け取る余裕がなかったのが清盛です。わかってもらいたいばかりで、わかろうとしてなかった。
そんな彼が、ようやく自分を省みる時期が来たようです。
■で、清盛は水仙探しに躍起になりますが、颯爽と現れた義朝に手柄を持っていかれちゃいました。
彼は立派な関東ジャイアンになってるので、子分たちに命じて、遅咲き(けっこうな遅咲きじゃないか?私、植物の知識はないんだけど…)の水仙を持ってこさせたそうです。
なので、ドロドロの格好になることもなく、あくまでもかっこよく去っていく義朝。
懐かしくなったのか、笑顔気味で義朝に駆け寄った清盛ですが、相手が確実にクラスチェンジしてる風情に、あっけにとられたようです。
帰宅した義朝を迎える為義は相変わらずでしたね。「ひーひー」って泣くのがもうキュート(笑)。

■水仙は鳥羽法皇のもとに届き、彼からたまこさまへと渡されました。
たまこに向かって、「しっかりせよ!」と怒鳴る鳥羽法皇。よく考えると、彼って、たまこさまの仕打ちを嘆いたり罵ったりすることはあっても、「~しなさい!」と命じることってなかったですね。
その声で目を覚ますたまこ。
目を覚ました彼女に、水仙を握らせる鳥羽法皇。瀕死のたまこだから、それ以上のリアクションは望めない。だから、鳥羽法皇は目を覚ましてくれただけでもう満足なんですよね。愛しくてしょうがない、って感じで彼女に頬を寄せる姿がけなげでほろり。
しかし、病のたまこのそばから、法皇は引き離されてしまいます。(これは清盛&明子と同じですね)
扉の外に出されてしまう鳥羽法皇。そこに、扉の内から、たまこが呼びかける声が聞こえます。

瀕死の病人の声のわりにデカくないか。

んが、ここは「か細い声だけど、二人がニュータイプだから聴こえた」と思うことにします。

■このシーン、たまこの表情ではなく、たまこの声を聞く鳥羽法皇の表情メインにしているのがいいですね。
鳥羽の絶望が描かれるところから始まったのがこの二人の物語でしたから、やっぱり鳥羽が救われる姿を描くのが「シメ」なんでしょう。
水仙を握り締め、「愛しさに包まれています」と鳥羽に伝えるたまこ。
彼女が言う「(ようやくわかりました。)人を想う気持ちの、きよげなること…」の言葉選びも好き。これは私の主観でしかないんですが、きよらなり=エレガント、きよげなり=清々しい ってイメージあるので、ここで「きよらなること…」ではなく、「きよげなること…」のほうがしっくりくるなーと。
最期の「ああ、我が君」って呼びかけも、コテコテだけど泣けたー。ずっと受動的だった彼女が、ようやく自分から呼びかけたんだよね。じーん。
■鳥羽法皇がたまこの臨終時に「磬」を打ち鳴らして泣いたという逸話は、ガンガン叩いたのを扉にして、「磬」については鎮魂の響きを…みたいにアレンジされてましたね。
その音を聞きながら、得子が手を合わせる。彼女はあれほど憎んでいたたまこに対して、冥福を祈る気持ちになっていることを不思議がってましたが、それは、得子の想いも元は鳥羽法皇への強い愛から始まっているからですね。
得子の仕打ちを、ちゃんと鳥羽への激しい愛情からの憎しみだとわかっていたたまこ。
ある意味、誰も正当に評価してくれない得子の愛情を、評価してくれていたのがたまこさまなんですよね。
うーん、恩讐を超えた関係っつーか。
さーて、ここから鳥羽法皇の純愛パートは終わってしまいました。あとは鳥羽&得子はドロドロ政治パートだけっすね。うわぁ。

■さて。終わる愛があれば始まる愛がある。
清盛たち平家を出し抜いて鳥羽法皇から見事おほめの言葉をいただいた義朝。
ご機嫌なところに、為義から義朝帰郷を聞いた由良御前が訪れました。義朝、一度しか会ってないだろうに、由良の顔覚えてたのね。
相変わらずの「(うれしくってしょうがないセリフ)と、父が…」の素直になれない由良。
彼女が統子内親王に仕えていると知った義朝は、ひっどいプロポーズをします。要約すると、「お前はよい朝廷とのパイプを持っている。なので、俺の正妻になって嫡男を産め。」。憤慨する由良ですが、でもずっとずっと待っていたほれた弱み。結局義朝に抱きしめられたら、自分からすがりついてしまうのでした。
由良がけなげなんだだけど、抱きしめてる義朝の、「一仕事やりとげた」的達成感の笑顔が、カッコいいけどでらムカつくわー(笑)。
■一方。清盛のほうも。
ただしこっちは、義朝にしてやられて、すっかりしなびてた心に闘争意欲という火がつきました。
家盛の抱えていた苦しみに気づいてなかったこと、義朝にしてやられたこと。
すっごい卑近な動機ですけど、「後ろ向きになってる場合じゃない、動かなきゃいけない」って気持ちになったんですね。
勢いよく帰宅したそのままに、二人の子どもと遊んでやっていた時子に「もうお前でよい!」とプロポーズ。
時子も最初はムカー!となるけれど、しかし、そんな清盛に惹かれちゃったのは時子自身ですから、結局はその胸に飛び込んだのでした。
ちゃんとそのタイミングで、カゴに閉じ込めた雀が飛んでった(笑)。よかったね時子。
明子に対しては甘えてた清盛ですが、時子とは友だち夫婦っぽい雰囲気ですね。さて、今後清盛がほかに子どもを作る段階になったらどうなるのかしら…。
■で、由良は熱田で嫡男・頼朝を出産。(ちゃんと「私が生まれた」って言ってましたね。)
時子のほうにも、おなかに新しい命が宿っていたのでした。おおー、いよいよ次回は宗盛誕生です。
(そういや宗盛と頼朝って同年生まれか…)
どちらも順風満帆って感じですが、しかし清盛にはまたしても事件の予兆が…。


■OPに出てた明雲って、どこにいた?って思ったのですが、最初の強訴シーンに出てきた代表っぽいお坊さんがそうだったようですね。
清盛よりちょい年上くらいだから、役者さん的に違和感はないんだろうけど、でも戦う気マンマンな雰囲気が、意外でした。明雲って、平家物語だけ読んでると、もっと「巻き込まれ型」っぽい人に思えてたから。
でも、平家に出てくるときはもうおじいちゃんですもんね。若い頃はやらかしてたのかも(笑)。
明雲は、清盛晩年にも出てくるはずなので、どうなってくのか楽しみですね。平家とはある程度親密になっていく人だし。
■明雲というと、平家物語に出てくる、安倍泰親の「日と月の下に雲がかかっている。縁起悪い。」って見立てがわかりやすくて、印象に残ってます。
それにしても、天災でみんなが動揺してるときに畳み掛けるように不吉なこと言うトコロといい、壇ノ浦合戦前のイルカ占いといい、平家物語に陰陽師が出てきて何かお告げすると、たいていロクな見立てになってないんだよね。いつも「占うよりも、こいつを黙らせたほうがいいんとちゃうか」って思う(笑)。
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by mmkoron | 2012-03-26 00:26 | 大河ドラマ「平清盛」


N●K広島トークイベント「平成に平安のリアリティーを」

============================
●はじめに●
講演の感想は書きますが、講演の内容そのものは
このブログの中には書いていません。
出し惜しみ…ではなくて、著作権的にNGだと考えるからです。
(私の判断基準は「この講演内容で、この講演者が講演料をとる
ことができるか?」です。私はできると判断したので、
内容そのものの要約にはせず、私が聴いた感想としてまとめています。
この辺をどう考えるかは人それぞれだと思いますが、
WEBはグレーが多い領域だからこそ、
自分の頭の中では線引きをしとかなきゃなーと…)

============================

■応募したら当選しまして、ウキウキと行って参りました。
つい調子にのって、「じゃあ土曜日の仕事終わった後に、そのまま新幹線乗って広島までいっちゃおー」と思い立ち、会場近くのホテルを予約したのはよかったのですが、イベントは14時開場。ホテルは11時チェックアウト。3時間どーすんだ
あまり遠くに行くのもなーと思ったので、会場近くの原爆ドームと、資料館を見てきました。高校の修学旅行ぶりです。資料館は人多かった…年齢層がかなりバラけてて、なんかちょっと安心しました。お年寄りばかりだと、不安になっちゃいますよね。「若い人は関心ないのかなぁ」とか。

■で、14時に会場に行ったのですが、平均年齢高ェ。50overが7割って感じです。
聴こえてくる会話に耳を向けると、清盛関連トークイベントのリピーターが多いみたい。「前は~だった」みたいな会話がよく聞こえてきました。
で、50-60くらいのおばちゃん3-4人組みたいなグループが多いんです。
でも、今回のイベントって、役者さんでも脚本家の女性でもなく、人物デザインの人のトークです。
私の母親くらいの世代の人が面白い話題にも思えないので不思議だったのですが、司会者(NHK広島のアナウンサー?女性でした)の

「今日は、人物デザインのお話です。女性の皆さんファッションについて、ぜひ質問してくださいね。」

の促しでなるほどと納得。「ファッション」の切り口なのかー。
でも、人物デザインって、いわゆる「ファッション」ともまた違う気がするんだ…。
実際、トークイベントで出ていた話は、「たくましい平安」というコンセプトを、人物の見た目にどう反映するか、内面・立場ともに変化していく登場人物たちをどのように設定するかって話だったので、「この衣装はここがお洒落のポイントです」的な話ではありませんでした。
■で、やっぱり帰り際に奥様グループは「今日の話はカタかったね」って話しながら帰ってました。
史実云々の講習会でもないので、どちらかというと、歴史ファンとかこのドラマのファンというよりも、「ものづくり」に興味がある人向けの話でした。私としては、聞きたい話がメインだったので非常にうれしかった!

■会場のトーク席の脇には、実際の衣装が展示されてました。
たまこ様、雅仁親王、祗園女御、清盛の黒い直垂、ちょうど前回に鳥羽法皇が着てた水色の裘代、北面武士の小豆色の直垂。
軽くなら触ってもOKよといわれたので、さわったりしつつまじまじと見てみましたが、地紋はもちろん織ってあるのですが、上の文様はプリントでした。見た限りでは、織り込まれてるタイプはなかったな。
あと、紗の衣装も材質は正絹ですって。化学繊維じゃないのねー。
衣装はもう一点、本編ではまだ出てきてない「乙前」の衣装も出てました。このドラマでは祗園女御=乙前という設定で行くそうですが、祗園女御がモノトーンの衣装だったのに対して、乙前は朱色っぽい細長の上に淡いピンクの唐衣を羽織ってました。色調的にはこっちのほうが聖子ちゃん!って感じ。(ネタバレの一種ではあるので、色変えときます)
でも、祗園女御の再登場なら、乙前は結構なご年配ですよね。おばあちゃんがフリルっぽいチュニック着るような感じかしら?
そうそう。ドラマ見ながら、「祗園女御が帰る故郷って、どこなんだろ」って思ってたけど、乙前と同一人物という設定ですから青墓宿のへんなんですね。柘植氏と落合氏が話してて、「あ、そっか」ってようやく気づいた。

■さてさて。肝心のトークですが、人物デザインの柘植氏と、チーフプロデューサーの落合氏がゲストでした。
最初はわりと番宣サイトとかステラとかに書いてあったような内容。
ストーンウォッシュと透け感と、眉や白塗りが特徴的なメイクの話です。
■私が聞いてて面白かったのは、、
・「人物デザイン」という役割が出来たことで、ドラマ制作のどこが良くなったか
・それでもスタッフ間や役者との摺り合わせができないとき、どうするか

っていう、仕事の話でした。
それまでは、衣装と小道具とかつらが別チームで動いてて、演出の指示で各々が工夫してたので、その工夫が噛み合わないときがあった。演出の守備範囲は多岐にわたるし、衣装や道具の材質について詳しいわけじゃないから、具体的に指示ができない。しかし、人物デザインという役割ができたことで、ドラマのコンセプトをデザインに反映するための具体的な提案ができるようになるから、連携がうまくいった…って話。
あと、「たくましい平安」っていうキャッチが、1年間の長丁場をやっていくときの「戻りどころ」として非常に重要なんだって話も、すごく共感しました。いわゆるPDS(今はPDCAのほうが主流らしいが)の「P」ですよね。
どこの仕事も同じなんだよなーと。
別に清盛云々とは関係なく「すごいわー」と尊敬したのは、この方は非常に優秀なデザイナーなんだけど、個人としての優秀さ以上に、他のスタッフに対して「相手はどういう意図でこうしているのか」を根気強く探る姿勢でした。話の内容もわかりやすいし、すごいクレバーな人です。(むしろ、どちらかというとプロデューサーのほうが話がありきたりで面白くないと思ったくらいい。)
途中で、一見きらいだな、やだなと思った対象でも、得るものが絶対にある。…という意味の話をされてたときに、「職人と思われがちな仕事だって、成功を導くには結局コミュ力なんだよなー」としみじみした…。私も見習わないかんわ。

■あと、話のついでみたいにちらちら出てただけで、その話はメインにはなってなかったんだけど。
聞いてて改めて「わかってて、それでも意図があって、別の方法選択してる」ってのはよくわかりました。
この時代が強装束であるとか、紗は春夏の衣装だとか、清盛が平治の乱で黒一色の武具だったとか、ちゃんとわかってて、そのうえでストーリーや「たくましい平安」コンセプトとの調和を選択してるんですね。そうだとは思ってたけど、話の端々からやっぱりそうだったと感じられて、信頼(ノブヨリ感じゃないよ! 笑)感高まりました。

■そんなこんなで、内容ぎっしりの面白いトークショーでした。
何が面白いって、観客席からの質問が良かった。「仕込みか?」と思うくらい、質問の質がよくって。

1)コーンスターチ以外に「墨」を使うって、どういう風に?
2)スタッフ間で意見があわないときに、どうやって解決するの?
3)脚本のように、衣装にも伏線ってある? 今後注目しておくといい人物の衣装があったら教えて。
4)私も将来人物デザインのような仕事がしたい。今後どういうアクションをすればいい?

すごいよくないですか? 非常に具体的なモノの話から、仕事の仕方の話、次にストーリーとの絡み。
私も質問してみたいことあったんだけど、3)の人が質問した時点で「うわっ、めっちゃトリ向きの質問だよ。この後にできる質問って何かあるのか!?」と思ったんですよ。そしたら4)が出てきた。
3)の「まとめ感」の後にしてもいい質問としては、もうこのくらいしかないですよね。完璧すぎる…。
■というわけで、この日いろいろ見聞きして感じたのは、
「こんなに、ストレートに商品(ドラマ)の中身に対して、悩んで考えて作りこんでるものって、なかなかないよね」ということです。多分、1クールそこそこのドラマとかだったら、「中身に対して適切か」以外のほかの要因(コストとかスポンサーの意向とか)に引っ張られて決まっちゃうケースのほうが多いと思う。
この努力を応援したいとも思うし、やっぱそれ以上に羨ましい!(最後はそれか 笑)


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 具体的にはいろいろ聞いて、かなりきっちりメモもとってるのですが、
 興味のあるかたは、イベントのときにでも聞いてやってください。
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by mmkoron | 2012-03-25 19:53 | 大河ドラマ「平清盛」


第11話「もののけの涙」

■世間は飛び石連休ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。私はといいますと、

きゃっほー!今回は飛び石連休にできました!!

というわけで、せっせとGWを目指して漫画のネームをきってます。
旅行もちょっと考えたんですけど、でも来週広島行くしまぁいいかって思って。
■そうそうそうそう、来週は土曜日に仕事したあと、夜入りで広島に行って来ます。大河の人物デザインの人のトークショーに当選したんです。
NHK広島がちょくちょくトークショーとかイベントをやってて、ずっと人物デザインか舞台監督かで狙ってたので、今しかない!と。どんな話が聞けるのかな。最近仕事で「私、取材スキルが下がってるかも…」と思ってたので、ちゃんとメモとって聞いてこようと思っとります。そのご報告はまた別項にて。

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■さて。今回は内容ぎゅうぎゅう詰めでしたね。
ちょい詰め込みすぎちゃう?って思ったんですが、次回でたまこさまと鳥羽院の話がクライマックスなので、そっちに余裕を持たせた形ですかね。

【義清出家の波紋】
■義清君の出家は、親友・清盛だけでなく、一夜の不倫相手だったたまこさまの心にも小波をなげかけました。堀河局の表現は的を射てますね。さすが和歌フレンド。
確かに、和歌って、ほんとに達者な人同士だったらものすごい「自己開示&開示内容の受け取り」なんだろうな。漫画はあんまし自己開示としては伝わりづらい気がする。表現内容がシンプルになればなるほど凝縮された自分が出ちゃうってことなんだろうな。
■それから、波紋どころか思い切り揺さぶられちゃってるのは崇徳院。
義清に対して「この人だけは自分の魂をわかってくれる」と思っていたのに、その義清がこの世からドロップアウトしちゃったのですから、もうショックです。
しかし、そんな崇徳帝に対して、自分も似た立場であったこと、しかし自分は自分の意志で生きていくと宣言する清盛でした。別に崇徳院を励ますって雰囲気でもないですが、転んだ子どもに対して「自分で這い上がって来い」って呼びかけるのに近いカンジかな。自分で乗り越えなければならないものだと、経験でわかってるんでしょうね。清盛も大人になってますね。
■このあとの、義朝のところでも書きますが、このドラマ、若者が成長してく姿がいいですね。あっちこっちにゴツンゴツンとぶつかりながら、自分らしさを獲得してく姿が好きです。「自分らしさ」が、ぶつかりながら周囲との関係性で獲得してくものとして描かれてるところに共感します。

【崇徳帝の決起とその顛末】
■意気消沈気味の崇徳帝でしたが、そんなときに、血を分けた子・重仁親王が誕生します。赤ちゃんを抱きしめ、涙を流す姿で、彼がどれだけ寂しかったかわかる。短いカットですが良いシーンですね。
この親王の生母は身分低い侍女ですが、しかし崇徳帝はようやく生まれた自分の「家族」になんとしても帝の位を譲りたい。そして、今度こそ自分が政の表舞台に立ちたい。
崇徳帝ははじめて鳥羽院に対して、自分が政をする!と宣言します。
■ここで慌てたのが、娘・聖子を崇徳院の中宮にあげている藤原忠通です。聖子の養子になっている体仁(生母は得子、父親は鳥羽院)が次の帝になると思ってたのに…とアワアワです。
そんな慌てなくても、重仁も聖子の養子にしちゃえばいいじゃん、重仁の生母の身分は低いから恩を売れるし…って思いたくなるわけですが、聖子が体仁の世話にかまけてる間に、帝が侍女に手をつけて生ませたのが重仁ですから、応援する気になれない…ってことなんですかね。
■しかし、キーキーする忠通に比べると、得子は根性が据わってます。ここで重仁をエサに、崇徳帝をいっきに丸め込みにかかりました。曰く、

・直接重仁に譲位するのではなく、いったん体仁(中宮聖子の養子なので、帝の養子でもある)に譲って、ワンクッションおきなさい。
・崇徳→体仁→重仁 にすることで、中宮聖子と父・忠通の面子も立ちます
・重仁は私(得子)が面倒みます

崇徳はなんで得子の言うことなんか聞いちゃうのー!?って思うんだけど、彼にとっての敵は自分の両親だから、得子は外野的な認識なんでしょうね。
この提案を、崇徳は受け容れ、譲位が行われます。
■しかーし。そんな譲位当日に衝撃。
譲位の詔の文言を聞いてた崇徳は、仰天して玉座からまろび出ます。
なんと、体仁への譲位が「(養)父が、息子へ」ではなく、「兄が、弟へ」の趣旨で説明されてたのです。
仰天した理由は崇徳院が茫然自失しながらも説明してくれてましたが(笑)、父が子に対して譲るからこそ院政が可能になるのであって、兄→弟ではできないんだそうです。

いや、そんなことないっしょ。やればいいじゃん。

と、現代に生きる私とかは普通に思うわけです。
先例偏重で本質的ではないこと(や、タテばかりでヨコやナナメに動けないこと)を「お役所仕事」って言い方したりしますが、まさにその「お役所仕事」がこの時代には既に出来上がってたわけですなぁ。
この先例主義に縛られなかったのが白河院です。自分の奥さん(賢子)が泣くなって、身も世もなく泣き叫んでたときに、周りが「死は穢れなので、これ以上なくなった奥さんにひっついてちゃだめです。こんな前例ないです。」ってたしなめたら、「じゃあ俺がその例の最初だ!」って言い切ったっていう。
みんな白河院の亡霊に踊らされて、彼を超える強烈な意志を発揮できないわけですね。ま、できちゃったらソイツが主人公になっちゃうわけでして、その場面は清盛が成長するまでしばらく待たねばなりません。
■そんなこんなで、結局院政で政治のイニシアチブをとるのは、変わらず鳥羽院(=体仁の父親)のままです。ここでの崇徳の呻き声が既にホラーでした。
この崇徳院、普段の作ったカンジのひょーんと高い声と、ホンネ(主に周囲への恨みつらみ)を吐き出すときのドスの利いた声とのギャップがこわいっす。
鳥羽院のキレ方とはまた違いますよね。彼はピュアな人が「キー」ってなってる感じだけど、崇徳のほうがなんかどす黒い別人格が出てくる怖さがあるわぁ。これも後々の怨霊化への布石なのかしら。
■この「皇太弟」のシーン、説明しはじめるとややこしいと思うのですが、巧く必要な情報だけ伝えてますね。
・弟ではダメらしい
・帝は知らなかったけど、周囲はみんなわかってたらしい
・決まっちゃったら、帝にはどうにもならんらしい
ってのが、狼狽しまくる帝と平静にスルーする周囲の姿でわかりました。まぁ後のことはわかんなくても困んないもんね。こういう情報の取捨選択は勉強になる。

【世代交代?の平家】
■そんな政局の変動の中、平家は新年会。
「どこの派閥に入る?誰に味方する?」みたいな話題をかわす中で、「朝廷には信用できるやつなんて誰もいないんだから、一番面白いと思える道を選べばいい!」と清盛。
そんな清盛にお小言を言うのは今までは忠正の役目でしたが、そのお役目は家盛にシフトしていっているようです。彼も彼なりに、この家の中での自分の立場というのを考え始めているようですね。
だんだん忠盛の存在感も、背景的になってるし、このあたりの空気の出し方はいいな。
家盛が言っていることは正しいんだけど、最終的にエネルギーとポテンシャルがあるのは清盛のやり方かもしれないな、って思わせる空気もある。
■新春といえばかくし芸ですが、ここで宗子ママがまさかの出し物。
ママと、清盛の嫁・明子&家盛の嫁・秀子の3人で琴・琵琶・笙のアンサンブルです。
忠正が宗子のこと褒めまくりで笑った。多分、忠正の中では、宗子お姉さまがめっちゃ美化されてる。「うつくしくけなげな兄嫁」シチュエーションで。(笑)
昇殿のお許しもらったー!って宴会してた頃から、既に10年。あのときに家来たちが裸踊りしてギャースカ宴会やってたことを思うと、かなり家風が変化してますね。その辺も面白い。
ただ、忠清は相変わらず体育会系っすね。ご飯食べて戦できれば万事OK!って感じがかわいいけど不安。
この人、維盛が富士川に進軍するときの側近ですよね。だからかー(笑)。
■さて、新春かくし芸大会で琵琶の腕を発揮した明子さんは、ご近所のご令嬢たちへの在宅指導も始めたようです。で、助手を探して時子さんをスカウトするのですが、練習サボってた時子さんは、へたっぴぷりを露呈して、取らなくてよい笑いをとってしまうのでした。
今回も時子は源氏物語を読んで「これが源氏の君と●●の出会いなのね~」をやってました。読んでたのは朧月夜と源氏の出会いなので、以前の「若菜巻」から4巻分くらいしか進んでない。たぶん、一回読み終わった後に「●●と源氏の出会い」ばかり読み直してるとみた。ハーレクイン脳(笑)。
■明子さんは、清太&清次の子育てだけでなく、盛国の縁組の世話をしたりと、内助の功を発揮しています。盛国に対しては、自分の出自を恥じる彼に対して、それを超える努力を彼がしていることを称え、背中を押す。この細やかさは、正面からぶつかるタイプの清盛にはないものであり、非常にお似合いの夫婦です。ああ、この「こんな日常がずっと続けばいいな」って、不幸の予兆だよねドラマ的には…(涙)。

【エネルギッシュ全開な源氏】
■さて、平家一門が卒業したらしい、ギャースカな宴会をやってるのが、関東でブイブイ言わせてる最中の義朝さん。彼は関東で戦いを繰り返す中で、すっかり立派なジャイアンになっていました
宴会会場に使わせてもらったお屋敷の持ち主があいさつに来たら、「この家気に入ったわー(圧力)」「どうぞお家ごともらってやってください!」。すげー(笑)。
義朝は成長して野趣を身につけてますね。もともと情よりも行動、クールというタイプでしたが、都にいたときの甘えみたいなものが消えていってる。都で成長している清盛は、調和力みたいなものを少しずつ身につけてる感じですが、環境での違いだよなぁ。面白い。
■このお屋敷の持ち主・ハタノさんは妹も差し出したようで、義朝はその妹もちゃったといただいちゃったのでした。こうして、関東では頼朝のお兄さんがぽこぽこ誕生中です。
かわいそうなのは、都で義朝の帰りを待っている由良です。義朝に会えない鬱憤を為義にぶつけるものの、ついに為義からもキレられちゃいます。所詮は小娘なので、ビビるのが可愛いですね。
でも、謝り方が不承不承なのが、為義のヘタレさというか由良の強情さというか(笑)。
「ただ、私は義朝どのに会いとうて…」と泣き出しちゃうところに、小汚いハンカチ差し出す為義もかわええ。由良に「なんですか!」て突っぱねられてるの(笑)。
屋敷の庭におさるさんがいて、武器の手入れしてる人もいるので、由良が呼びつけてるんじゃなくて、由良が出向いてるんですねー。確かに頼朝のナレーションどおり「一途で、報われない人」だな。


【たまこさまひっそりと退場】
■体仁の即位で、得子側は完全勝利といった状態です。さらにとどめを刺すべく得子は、たまこ様の側近を配流に処します。得子を呪詛したというのがその罪状。
証拠となったのろいの人形をつきつけますが、たまこ様にはわかっています。その人形は、得子が初子である内親王を生んだときに、たまこ自身が得子にプレゼントした、子の成長を願う厄除け人形でした。
得子の罠だと憤慨する堀河局を、たしなめるたまこ様。彼女は、自分のこれまでの他人への仕打ちが自分にいま返って来ている、これを受け止めることが自分の罪ほろぼしであると、覚悟をしているのでした。
そうしてたまこ様はひっそりと宮廷を去り、出家するのでした。
■堀河局も一緒なんですよね。私、この女主人と女房との一体感にも興味あったんですよね。
皇族をここまで生々しく描いてるのも今までなかったと思うけど、女主人と女房の両方がセットではなく別の人格をもったキャラクターとしてちゃんと描かれて、しかも二人の一体感も描かれてるのも、少なかった気がします。「武田信玄」の八重とかそうなんだけど、彼女はキャラ濃すぎて(笑)、「ああ、そんな感じなのかも」とは思わなかったし(^^

【明子の死】
■盛国の縁談も無事まとまったようで、平和そのものだった清盛とその家族でしたが、突如暗雲が。
よりによって、家族の幸福を祈って神社におまいりしたその帰宅後に、明子が風病に倒れます。
風病は風邪ではなく、風に乗って感染したとしか思えない病気、みたいな感じですかね。
明子の場合は、行き倒れていた人を見つけて世話をしていたので、そこで何か感染しちゃったのでしょう。
■お医者さんから効く薬がないと言われ、宋の薬を取りに行こうと家を飛び出すのですが、盛国が必死で止めます。なぜ止めるのかは、後でわかります。
で、今度は明子の病室へすっとんでいこうとするんだけど、感染する病気ですから、平家の嫡子である清盛は病室に近づくことを許されません。義父(明子のお父さん)からも「もしあなたに病気がうつったら、明子がどれだけ悲しむか」と言われて、思いとどまるしかありませんでした。
■忠盛パパ、宗子、家盛、家貞たちが清盛邸に駆けつけたとき、清盛は快癒祈願の読経をする僧侶達の中で必死に念仏中です。しかし効果のない念仏にしびれを切らした清盛は、「そうだ、陰陽師に依頼をしよう!」と憑かれたように立ち上がります。
その言葉にギクリとする忠盛と家貞。忠盛が、最愛の人・舞子を失ったきっかけは、たまこ様の病気平癒のための陰陽師の見立てだったのです。努めて冷静に、「陰陽師などあてにならぬ」と諌める忠盛。じゃあどうすればいいんだ!と食って掛かる清盛。
■一方、明子がそんなことになってると知らない様子の時子が、清盛邸を訪問します。
清次を一生懸命なぐさめてる清太が、事情を知らない時子に「ケンカしてると、お母様がかなしむよ」って言われてたまらなくなって、結局子ども二人でわんわん泣いちゃうのが可愛い。
時子なりに子どもたちをなぐさめようと、琵琶を奏でます。その下手っぴな音で目を覚ます、病床の明子。
明子が目を覚ましたと聞いて、駆けつける(でも御簾の手前でみんなに止められてる)清盛に、別れの言葉を告げます。
明子は清盛が夢を語ったときに、船と海の話を興味を持って聞いて、プロポーズされたときも「海を見とうごさいます」と言ってましたよね。あれ、私は彼女自身にもそういう冒険心的なものがあるのかなーと思ってたのですが、そうじゃなかったんですね。
彼女は、清盛の夢いっぱいの姿に心を寄せ、彼の夢を心から理解したかった、そういうことだったんですね。
海を見ようって約束したじゃないか!と泣き叫ぶ清盛に、あなたの目に映る海を十分に見たと答える明子にほろりときました。
■そうして息を引き取った明子。清盛は泣き叫び、役に立たなかった祈祷の僧侶たちに斬りかかります。それを止めて、悪いのは僧侶たちじゃないだろう、宋の薬を自由に輸入させず、疫病に何の手立てもできない政治をなんとかしよう、それを明子も望んでいる…と諭すのは盛国。
これをするのが、忠盛パパではなく、明子に勇気付けられてた盛国だってのがウマいですね。世代交代も感じるし、盛国の縁談エピソードが、ここにもうまく生かされてる。
この脚本家の人って、エピソードを最大限有効活用するのがすごいと、いつも思います。ひとつのエピソードがその後の3つくらいに関連してる。
自分で「お前がいるから俺がいる」って言ってたくらいですから、喪失感に泣き叫ぶ清盛。
彼の激情を目の当たりにして、打ちひしがれるに留まらない、ネガティブな力の凄まじさに白河院の血を見て立ち尽くす忠盛パパなのでした。
なんていうか、この清盛の血って、初期の「スーパーサイヤ人」的ですね。主人公の隠し能力ではあるんだけど、目覚めちゃうと自分で制御できないっていう。

■というわけで、明子さんが死んでしまいました。
宋の薬が手に入らず(まぁ入っても一緒だったかもしれないけど)死んでしまった明子さん。しかし、彼女が遺した重盛は、宋の薬を手に取らずに死んでいくんですよね…ああなんとも皮肉な。
明子との関係が、重盛の性格もそうですし、あとは時子が正妻になった後も、清盛が重盛を尊重し嫡子にすえ続けてたことの根拠になってる。これまであまり注目されてなくて、多分歴史を学ぶという観点では今後も掘り起こされることはないと思われる彼女ですが、こうやってそんな彼女に生きる場面を与えることができるのが、「物語」の良さですね。
宗子が「うるさい継母」ではなく、ちゃんと院の近臣連中との接点として機能しているところもそうですが、女性の使い方は上手だなと思います。
■あとは、恋愛ドロドロが終焉に向かう中で、やり手政治家として目覚めてきた得子さんが注目株ですかね。鳥羽院が存在感を失っていく中で、彼女が単独で動き出してきてます。そこも楽しみです。
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by mmkoron | 2012-03-19 00:20 | 大河ドラマ「平清盛」

    

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源平関連以外の読書日記はここに。読む本にあまり偏りはないと思ってたけど、こうして見るとすごく偏ってる。
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