源平観戦日記


カテゴリ:大河ドラマ「平清盛」( 44 )



第1話「ふたりの父」(録画見ながら再度)

■頼朝は御堂の柱を立てる儀式の真っ最中。ふんどし一丁のおじさんお兄さんがよいしょよいしょと柱を立てていきます。お好きな方にはたまらないシーン。
そんな中、馬をかっ飛ばして駆け寄る人がありました。頼朝の妻・政子です。「政子か」と呼びかける頼朝。

…なんか気弱そう。

政子がキビキビした物言いなのと対照的です。一緒にレストラン行ったらどのパスタにするかでずっと迷ってそうな、そんな感じの頼朝です。でも、政子からの「壇ノ浦で平家滅亡」の報告を聞いた部下たちが口々に喜びの声を上げ、さらには清盛を嘲る言葉を発するにあたって、「やめーい!」と絶叫。
多分、普段はあんまり大きな声をあげない人なんでしょう。みんなドン引きしてます。しかし、微妙に引いてたのは頼朝本人も同じ。どうしてこんなこと言っちゃったんだろう、と反芻しながら、自分の中に清盛を真の武士と認め敬意を払う気持ちがあることを認めるのでした。
■ところで。
この政子さんの戦勝報告ですが、『吾妻鏡』4月11日に実際に出てきます。
報告したのは政子じゃないんだけど、立柱の最中に飛脚が来て報告する記述があります。3月24日の報告を翌月11日にしてるわけなので、当時は下関から鎌倉まで急いで馬リレーしてもそれくらいかかるってことですね。
実際は、「滅亡」ではなく、ちゃんと入水したのが誰で、誰は生きてて…ってこまごま書かれています。また、神鏡と神璽は確保したものの宝剣がなくなったこともここで報告されてます。

■OPを終えると、清盛が誕生するちょい前の出来事へ。
清盛の父になる忠盛が、父親についてって盗賊朧月を対峙しとります。朧月は隆大介っす。でももう汚しと目のメイクがすごくて人相変わってます。こわいー! で、この怖い朧月の「覚えておけ、お前が人を斬るは、俺が盗みを働くとおなじことじゃ」という断末魔の遺言が、忠盛の耳に残ります。
翌朝、戦いの血と泥にまみれて帰還してると、そこで関白・藤原忠実と行き会います。ほめてもらえるどころか、バッチイ呼ばわり。忠実、めっちゃわかりやすく「イヤな公家」っす(笑)。
当時、彼らは汚れ役を引き受ける「王家の犬」と呼ばれてたと頼朝がナレーション。確かに、このころの武士って役人としての仕事としてってよりも、私兵っぽい使われ方ですもんね。「朝廷の犬」にもなれない感じなんだろうとは思う。
■きちゃない呼ばわりされたことにキレながら、川で体を洗う忠盛。意識的に若者演技してる。声の張り方が若い。ここで彼は、ボロ布をまとって水を飲みに這って来た女と出会います。
ここで「なんだ、こじきか!」って最初言ってましたね。おっ、今回はいろいろ大らかだ。女が身重だったことに驚いた忠盛は、彼女を屋敷の馬小屋にかくまいます。
で、家人の応援を呼ぼうと飛び出したところで、庭にいた源為義と遭遇します。

…為義、なんで人ん家で勝手に水飲んでるの?

ここは忠盛の屋敷じゃなくて、武士の職場なんだろうか。それとも為義が、勝手に人ん家の冷蔵庫の麦茶飲んじゃうタイプなんだろうか。。。
■盗賊退治してきたと伝える忠盛に、自分との待遇の差でムッとする為義。源氏が見くびられてる!と言ったところに、追い討ちをかけるように頼朝からも「見くびられてるのは、源氏ってよりも、祖父の為義だったのだと思う」ってツッコまれて気の毒。とほほ。この頼朝ナレーション、意外と面白いかも。今度から頼朝の自分の身内へのナレーションに注目しよう。
■ムッとしつつも、為義は丁寧に自分がいま請け負ってる仕事を説明してくれます。
先ごろ鳥羽帝に入内した白河院愛育の養女・璋子の体調が悪い。その原因が白河お手つきの白拍子が身ごもった赤子だとわかったので、白河院は白拍子に子をおろすように伝えた。拒否した白拍子が逃亡し、それを為義は追いかけている…と。
■「手柄を横取りするなよ!」と言い残して為義が去ったあと(このセリフもまた小者っぽいね!)、馬小屋のいななきに驚いて忠盛が戻ると、女が生まれた子どものへその緒を切ってるところでした。おそるおそる、女に「その子は院の子か…」と呼びかけると、ヤバいばれたと思った女が逆上。短刀を手に忠盛につかみかかります。さっき子ども生んだばかりなのに! まさに火事場のクソ力!!
中井忠盛の「あーもう!」とか「うわっ、いってっ!!」とかの叫びが、ああまだ忠盛は若いんだなって感じでほほえましい。今度は赤子もろとも命を絶とうとする女と売り言葉に買い言葉の応酬。
「その薄汚い太刀で、どれだけの命を奪ってきたのだ」という女の言葉が、忠盛の「戦っても戦っても、それが誰かのためになっているという実感がない」という後ろめたさの地雷を踏んだようです。
しかし、口論途中で赤ちゃんがビーと泣き、さっきとは違う母の表情で乳を与える女にちょっと感動する忠盛。
■平さん家では、女を院に突き出すかどうかで家族会議。お父さんの正盛は女を匿うことにNGを出しましたが、忠盛は断固反対を貫きます。女にほれたということではなく、仕事に誇りをもてなくて自分が揺らいでる忠盛にとって、断固守りたい一線だったってことですね。この時点では。

■ここで場面は院の御所(?)。白拍子・舞子を見つけられない為義を叱責中です。
そこに祗園女御登場。ってことはここは院の御所じゃなくて祗園女御の屋敷なのかな??
祗園女御はやんわり白河の暴挙をいさめますが、璋子>>>【越えられない壁】>>>舞子なので、あっさり却下されてしまいます。
で、その璋子さま。彼女を心配した鳥羽は手ずから庭の水仙を包んで彼女に送ったりしますが、一向に具合がよくならない。そっか、養父の白河が恋しいのかなまだ入内したばっかしだしね!と気配りしたやさしい鳥羽は、璋子の里帰りを提案します。
璋子づきの女房堀河局はちょっと苦い顔。まだ若い鳥羽は、年上の新妻に鷹揚なとこを見せようとしたのですが、それが裏目に出てしまう…と。
■ちなみに、清盛が生まれた1118年時点ですと、
鳥羽帝=15歳 璋子=17歳 白河院=65歳 忠盛・為義=22歳 
です。鳥羽と忠盛パパたち、ちょい厳しい…。
清盛は1118年生まれで、没年が1181年。1と8でわかりやすいね!
■水仙の花が当時どういうお花として扱われてたのかよくわからないのですが、少なくとも薬用じゃないですよね(むしろ毒だし)。中国から伝来した花(和名じゃないですしね)のようなので、当時はちょっとオシャレな花だったのかな?

■出産後、舞子はそのまま忠盛の屋敷にいました。世話になりっぱなしは性に合わないとのことで、下働きをしてます。気心の知れてきた彼女に、働けば働くほど体に染み付く血の臭い、目的もないまま汚れていく苦しみを吐露する忠盛。彼に、舞子は「遊びをせむとや生まれけむ、戯れせむとは、生まれけむ」という今様を唄ってみせます。そのまんまだと

子どもたちって、お前ら遊ぶために生まれてきたんじゃないか?ってくらい夢中で楽しそうに遊ぶよね。あの姿を見てると、大人のこっちまで弾んできちゃうよ!

ってな意味ですが、彼女はこの詞を「夢中になって生きる素晴らしさ」と解釈して唄ってるとのこと。遊び女として生活し、そしてどん底を経験したはずの彼女が、「夢中になって生きたい、自分が為す事の意味はきっとわかる」と目を輝かせて語る姿に、感動する忠盛。
舞子役を、目がぐりぐりっと大きくって目力のある吹石さんにしたのはナイス配役でしたね。
■で、忠盛は狩りとった鹿の角を、舞子に魔除けとして渡します。ツンデレの渡し方で
テレた忠盛は、そのまま川でお洗濯する舞子を置いて、ニヤニヤデレデレしながら帰ってきちゃったのですが、なんとそこで舞子は為義一行に見つかり、院のもとに連れて行かれてしまったのでした。
■院のもとに引き出された舞子。祗園女御は璋子の快復を告げ、これで舞子と赤子を殺す必要はないと告げますが、白河は黙ったまま。そこに忠盛も駆けつけ、我が子を安易に手にかけることは院の威信を却って傷つける、だから敢えて母子を匿ったと奏上します。
しかし、白河院のお考えはみんなの予想の上を行くレベルでした。

「でも、助けちゃうと、私がお告げを安易に信じて自分の子を殺そうとしたアホって感じになっちゃうよね。私をアホにしちゃう罪は、母親のほうの命で購ってもらわなきゃね。」

すごい発想です。グレート天下人。さすが、サイコロと川の流れと僧兵以外思うままにしてた人です。もう誰もついてけません。お許しをと何度も平伏する忠盛に、お前が斬れと命令する白河院。曰く、

盗賊を斬るのも、この女を斬るのも一緒だから、簡単だろ?

ああー。これは忠盛さんの地雷です。世の中のために盗賊を斬ってると思いたかった忠盛さんの誇りを踏みにじる一言です。忠盛のリアクションを見て、このままでは忠盛もあぶないと感じた舞子は、赤子を彼に託すと、短刀を持って院に向かい、護衛たちの矢に貫かれます。
血まみれで倒れる舞子。駆け寄る忠盛。舞子がヘンに余分な最期の言葉を言わないところが、子ども託した時点で覚悟を決めてた感じが強まって、よいですね。表情はあまり見えないんだけど、つーっと最期の涙が
伝うところが泣ける。あと、涙を堪えきれないけど、舞子から目を逸らさない祗園聖子ちゃんの泣き方もよかった。

■薄の野原で赤子を抱えて風に吹かれる忠盛。最初、舞子が逃げてたシーンでは野原は緑一色でしたから、1-2ヶ月の出来事だったってことですね。そこにお父さんの正盛が通りかかります。お父さん、さすが秋風が似合います。できれば木枯らしのほうがもっと…。
「この子に似合う名をつけてください」と言い残した舞子。その言葉に対して、忠盛は、赤子に「平太=平氏の長子」という名を与えることで答えました。のろわれた子呼ばわりされた子、けれど母親が命がけで守った子を、わが子として平氏の子として育てあげることで、彼は自分の「心の軸」を生んだのです。
■へいた、へいた、平太、と何度も呼びかける忠盛。呼びかけられた赤ちゃんがにこっと笑うところ、忠盛が微笑みながらほろっと涙をこぼすところは泣いたわー。もう脳内でですね、さだまさしの姿をした妖精さんがですね、熱唱してるわけですよ、「なきたいときこそわらえー くるしいときこそわらえー」。うわーん!!

■で、それから数年。赤子はまえだまえだ弟に成長し、知り合いの漁師さん&その息子の鱸丸と、忠盛パパと小船で海を見に行ってました。忠盛パパはイクメンが身についてる感じ。
鱸丸くん、って名前。鱸は出世魚なので縁起がいい名前なんでしょうね。平家物語巻1「鱸」ともかけてるのかな。
■で、船に乗って遊んでるところに、小規模ですが海賊船発見。宋との交易船が海賊に襲われたようです。パパ盛(めんどくさいからもうこの呼び方でいいや)は毅然と海に飛び込み、海賊に殴りこみ。
海賊側が朧月たちのように統制とれてる武装集団ではなかったようなので良かったですが、パパ盛、部下たちが駆けつけるまでターザンみたいにロープであっち飛びしながら奮戦ですよ。強すぎ!
このしーん、交易船の船乗りさんたちが端っこで固まって避難してるのとかが、リアルで可愛かったです。で、忠盛たちが勝利したらみんなで「わーい」って喜んでるの(^^
ところで、戦いの後にパパ盛が宋剣パクってるんですが。交易船は平氏所有の船で、彼らが海に来てたのは、その到着を待つためだった…ってことかな。
■平太は、あの事件の後に嫁いできたパパ盛の正妻・宗子のことを慕い(実の母親と思ってたのかどうかはわからん)、祗園女御にも可愛がられて、すくすく育っておりました。
祗園女御は忠盛からの経済的支援を受けていたので、彼女は忠盛をとりたてて…みたいな説明をしなくてもよくなったので、舞子のエピソードが巧く使われてますね。

■一方、ダウナー真っ盛りなのは鳥羽帝。
なんと、白河は璋子を娘として愛育してただけではなかったのです。白河院は、璋子が生んだ親王・顕仁への譲位を鳥羽に迫ります。それってつまり…
善良な鳥羽は、顕仁に父として優しく接しようとはしてるのですが、お父さんにお習字みせてごらんと言ったら、「はいっ!」と元気に白河にお習字を見せに行くような状態。しかも、鳥羽以外はみんなそれをほほえましくみてる状態。
仕事へのプライドも男としての矜持も全部踏みつけられて、でも、お花畑を踏みつけるくらいの逆ギレしかできない鳥羽。
白河&璋子のシーン、部屋の近くに女房が後ろ向きで控えてるのが、「爛れてる」感じUPでしたねー。

■平太のほうでも、暗雲が。
弟・平次の怪我がきっかけで、平太が「あれ? お母さんは僕をほんとは好きじゃない?」と思うできごとが。さらに、偶然出会った朧月の息子(まえだまえだ兄。「てっぱん」のときのままのキャラで笑った。可愛いわ~。)にも「お前は出世のために忠盛が法皇からもらいうけた子」と暴露され、ショックを受けます。
真実を教えてもらおうと向かった祗園女御の屋敷で法皇に遭遇、そこで犬っころ扱いを受け、またショック。
さらに、可愛がっていた犬・岬丸が他の犬にかまれて死んだ姿を見ることに…もうショックのダメ押し。
その平太をに、忠盛は慰めの言葉はかけませんでした。彼が法皇の子であるという事実を告げ、しんじつ平太が犬ころであること、しかも王家の犬どころか平氏の犬であると言い放ちます。悔しいなら、強くなれ。
忠盛が突き刺していった宋剣を、幼い力でなんとか引き抜く平太。平太はまだすべてをわかっているわけではありませんが、忠盛の思いを平太が受け取った瞬間なのでした。

■ところでところで。
舞子が殺されるシーンで院のそばにいたのって国広富之でしたよね。どうしてこんな大物が!? と思って、クレジット見て納得。藤原長実だったんですね! 彼はこのあと出てくる璋子のライバル・得子のお父さんです。まだ出番があるってことかな。
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by mmkoron | 2012-01-09 19:34 | 大河ドラマ「平清盛」


第1話「ふたりの父」

本日は大阪のホテルにノートPC(しばらく自宅に放置してたVistaちゃんを叩き起しました…)を持ち込んで感想をお送りします。
今日は大阪に行ってたわけですが、万が一にも新幹線の遅れとかで見逃しちゃうことがないよう、会場真ん前のホテルを予約。会場爆破とかされない限りは20時にはTV前に座ってられる万全の態勢でした(笑)。
いやー自分でもアホや!て思うんですけどね、でもそのくらい嬉しいんですよ。だって、義経のあと、私が時子の年齢になるまではもう大河で平家は見られないって思ってたから。こんなに早くまたみられるなんて!

【OP】
■このドラマの根底をずっと流れ続ける「遊びをせむとや生まれけむ」のフレーズが、ピアノで静かに流れます。あれ? いつから激しい曲調になったんだろう。中盤からはこっちに挑んでくる感じの曲調ですね。
■ドラマ開始のとき、「平安時代」と聞いたときに思い浮かべがちな絵画的な美しさじゃなくて、ナマナマしさを重視するってプロデューサーが語ってましたが、その言葉にたがわず、CGはアクセントに使い、実写の映像を主にする映像です。幼い清盛?がひたすら走る姿、白拍子たちが激しく踊る姿が交互に何度もカットインしますが、これ、いいですね。
まっすぐにゴールを目指すような健全な躍動感と、からだの内側でマグマのように燻る躍動感の両方が、交互に伝わる感じ。
■最後は、「遊びを…」そのままに遊ぶ子供たち(小汚いけど、表情がいいね)と、幼い声の「遊びを…」の歌声、笑い声が入っておしまい。「ジャン!」て感じで終わるわけでも、しっとり締めくくられるわけでもない、ちょっと宙に放り投げられたような終わり方です。
ところどころに、双六の賽がころんと転がっていくんだけど、それと相まって、子供の歌声が「純粋な生命賛歌」とかではなく、どこかちょっと「神様の遊び」的な無邪気な残酷さみたいなのを感じさせるなぁ。
■この時代の、複雑さとか捻くれっぷりを2分程度にぎっしり詰め込んだ感じで、私、このOP好きになりました。でも、曲だけだとわりと散漫に感じちゃうかも。映像との相乗効果がある。
■あ、クレジットは後白河がラストでしたね。

【本編】
■すっごい内容ぎっしりだった。とくに、王家関係。人物関係をこの回だけで全部説明しましたね。これ、いきなり見て情報整理できるのかな。大阪で配ったペーパーが少しでも役に立ってるとよいのですが…。
これまでの大河で、ここまで皇族のドロドロを描いたのって、初めてに近いんじゃないかな。太平記のときも、後醍醐帝と大塔宮の関係はさらっと描かれてたし。
それにしても「王家」って呼びかた、便利だわぁ。確かに、サイトやってていろんな解説書いてても、ちょうどいい呼称がなかったんですよね。「皇室」って書くとパブリックな印象になっちゃう。もっと私的な、プライベートな範囲を表すときの言葉って何がいいんだろう?て思ってたんで、飛びつきました(^^
■では、以下に今回のポイントまとめ

1)忠盛の葛藤と、光明。
清盛を育てる決意をした理由が、「舞子への愛のあかしとして…」みたいな、ある意味単純なものではなく、彼のいうところの「心の軸」として描かれてたのが良かったと思います。
■忠盛に投げつけた、盗賊「朧月」(出たと思ったら殺されるのに、隆大介!なんちゅー贅沢な配役!!)の置き土産セリフも良かった。「俺の盗みもお前の働きも同じこと」と言われるわけですが、後から出てくる朧月の息子のセリフからすると、朧月はおそらく「どっちも生きるためにやっていること、だから、お前が善の側で俺が悪の側だと思うなよ」ってなことを言いたいんだと思います。忠盛は朧月が義賊的な活動をしてることを知っているとは限らないので、もうちょい浅い「お前の盗賊退治がどれだけご立派だっつーの?人斬って仕事にしてるのは同じじゃん。」くらいの受け取り方かもしれないですね。
これ、面白いなって思いました。ほぼ初対面の人間が言葉を交わして、完全に意思疎通できる可能性なんて低い。だから、朧月の意図するところと合致してるわけではないんだろうけど、忠盛は自分の問題意識に合わせて、朧月の言葉を受け取っている。こういうのはリアルでいいなって。
■で、武士として泥と血にまみれて働いているのに、誰かの役に立っている実感がない。ただただ自分が汚れていく気ばかりがして、焦っている忠盛君の前に現れたのが、白河院の追手から逃げている身重の白拍子・舞子。
舞子との関係が「か弱い娘さんを助けるヒーロー」ではなく、対等なのがいいですね。舞子はおそらくこの1回きりで、あとは出ても回想でしょうが、自分の身分職業に卑屈ではなく、逆に武士を人斬りだと見下してるのが面白い。忠盛との言い合いも可愛いっすねー。中井氏のムキになる演技が若々しくて、もういい歳のおじさんがツンデレしてるように見えないのがすてき!

■忠盛が白河を説得しようとして失敗し、今度は覚悟の上で真情を吐露するシーン。私は舞子の表情をずっと見てました。忠盛のセリフにぎょっとして、今度は女の子っぽく涙ぐんで…。で、最後は立ち上がる。自分の胸を刺すのではなく、白河に向かっていくといく選択です。単純に「わが子と愛する男を守るためにわが身を犠牲に…」じゃなくて、彼女は何を守るのかと同時に、何と戦うのかも選択したんでしょうね。
舞子は、忠盛にとって永遠の恋人という以上に、ロールモデルというか、「軸のある生き方」のお手本なんだと感じました。
■で、彼女が残した赤子をわが子にする忠盛。王家からゴミか何かのように捨てられ、舞子が宝物のように守り抜いた子を、「平家の太郎」として育て上げる。これが彼の戦いになるわけですね。
1話の序盤は忠盛の成長物語だったなー。うんうん。


2)王家のドロドロ
■最近は控えめにしてた濡れ場っぽいシーンが、結構露骨に出ましたね。それが伊東四郎と壇れいだから、なんともエグいというかなんというか。
鳥羽院の各種トラブル(笑)へのリアクションが、ややデフォルメされぎみっつーか、一歩間違うと笑えるくらいだと思ったのですが、あれはわざとなのかな。
お花畑をばっさばっさやってるシーン、あそこで花を加えて「キリ…」とかやってくれたら、完璧でした(笑いとして)。
いやー、でもこういうドロドロは大河じゃNGなのかと思ってたので、驚いた。これなら天武・持統あたりの話も大丈夫じゃない? 上代大河への希望出てきた! 鳥羽の傷つけられっぷりが半端ないですね。役者さんが役者さんだけに、「鳥羽様をいやしてあげたい…」と思っちゃうマダムが続出するのではないでしょうか。「あさイチ」で鳥羽様特集組まれちゃったりするのではないでしょうか(いま適当なこと書いてますすみません)。
彼にも何らかの「軸」が見つかるんでしょうかね。目が離せない人物になりそうです。
■聖子ちゃんの祇園女御、思ったよりもずっと自然でよい感じです。白河の寵愛を得ていても、自分の意思を通す権利があるわけでもないっていうしんどさが伝わる。

3)平太と宗子の親子関係
■宗子がどういう理解や納得をして平太を育てているのかはまだわかりませんが、継子いじめとかじゃなくてほっとした。
これは異論あるかもしれませんが、父親と息子は「意志」が共有されることで親子として絆が作れるのに、母親と息子は血がつながってないハードルが予想外に高い…ってのはありそうだと思いました。宗子は、正しい母親であろうとすることがじわじわストレスになってそうですね。今後爆発するのかも?

4)その他の見どころ
■まえだまえだ兄(朧月の息子役)と、まえだまえだ弟(清盛役)のやりとりがかわいかったー。兄の、平太の正体を知る前の話し方とか、「てっぱん」のころを思い出してくすっとしちゃった。
■頼朝のナレーションは思った以上に控えめなので、OK。清盛の心情とか説明されても「お前が語るな」って思うよなーって感じてたのですが、ああいう「あいの手」程度のナレーションなら気にならないですね。
■為義が想像以上にトホホな感じ(笑)。
■崇徳役の子役が、ほかの子役とは格が違うお上品な感じに見えて、すごーいと思った。
■まえだまえだ弟、松ケンに似てる!
■岬丸(犬)のくだりは、「ますらお」序盤を思い出した。まぁあの漫画で犬にかみ殺されちゃうのは犬ではないわけですが…。
宮廷シーンもかなりあるからかな、予告編を見たときほどには「こぎたねー!」とは思いませんでした。

あまりに盛り沢山だったので、どう整理したものか困ってしまった…。
とりとめない感じですみません。

■ここであらためて。
私、この大河は1年応援し続けようと思います。肯定し続ける…ではなく、「応援し続ける」。
■ほかのところでも書いたことがありますが、私が平家物語に惹かれたのは、滅びる姿の美しさではなくて、どうやっても滅びるってわかっててもじたばたするその姿の美しさでした。
当時の仏教の理想的な死生観の枠組みにあてはめて物語進行しようとはしてるんだけど、そうしようとしてもはみ出ちゃう姿。思惑ならぬ思枠からこぼれ出す共感や感動。私はそういうのがあるからこそ文学だよなーって思う。
で、私のその「平家物語のツボ」と、今回の大河がチャレンジしようとしてるテーマはすごく重なるって思ったのです。だから、1年通してこのドラマを、ワクワク視聴していこうと思います。次回も楽しみ!
■次回からはもっと頭突っ込んで、清盛に肩入れ気味にレポートしていこうと思います!(笑)
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by mmkoron | 2012-01-08 23:42 | 大河ドラマ「平清盛」


あなたが主役50ボイス年始スペシャル 大河ドラマ平清盛ボイス

2012年1月3日 18時05分~18時34分/ NHK総合放映

■清盛関連の特番はお正月からどんどん始まってますが、これは特に面白かった。
■「平清盛」のスタッフ・キャストの中から50人が、それぞれ「これだけは譲れませぬ!」というこだわりを一言コメントするというものです。キャストは普段からわりと露出あるけど、スタッフがかなり多岐にわたって登場してて、それが面白かった!
■やっぱり、各パートの人に尋ねると、それぞれ何らかの含蓄がある言葉が出てくるんですね。出てきた中で面白かったのは…

○造園
…コケへのこだわりについて「コケが地面との接点だから」ってセリフにしびれた。
○照明
…普段寺社仏閣に行っても、窓からの光の差込具合を見ちゃう…ってのがプロだわー。
○装飾
…御所等に使う高級調度品のストックが少ないから、ちょっとずつ変化をつけて1年分プランをつくって使いまわしてる…ってのが、胸が熱くなった。だよね、予算も底なしじゃないもんね。やりくりって大事。
○侍女役のエキストラ
…「ホンモノの侍女も、こうやって出ててきそうになるのをグッとこらえてたのかなーと妄想してやってる」ってのがほほえましかった。そういう感覚って、エキストラやってみないとわからないですね。ちょうどその前後で時子役の深田恭子が「ともすると同じ人間じゃないような感覚になってしまうので、生身の人間であることを常に意識してる」ってなことを言ってたのと呼応するのが、興味深かった。
○演出助手
…みんなのパフォーマンスを引き出すためには低姿勢だ!という信念がすばらしい。傍目で見たら気の毒なポジションだけど、本人は達成度を「自分がどれだけイニシアチブをとれたか」じゃなく「どれだけみんなのパフォーマンスをUPさせられたか」で測ってるから、楽しめてるんですよね。すごいと尊敬した。と同時に、言い分が通らないときに負けた気分になる自分の狭量を反省した…。(まぁ、この人も飲んだらめっちゃ愚痴言うのかもしれんけど・笑)
○音響
…仕事で耳が疲れるから、プライベートは無音で暮らしてる…ってのが面白い。

このへんでしょうか。
スタッフさんの話をこんだけいろいろ集めてる番組は今まで見なかったから、すごく新鮮でした。
みんながそれぞれのパートで力を尽くしてて、でもみんなが「いい作品にするぞ」というベクトルに向かってて、さらに全体統括の人が「自分の机上の予想を超えるパフォーマンスが出てくる」ことをワクワクして待ってる…って体制なんですよ。ああ、やっぱチームっていいなー!って。
いまお正月休み中だけど、早く会社行ってまた仕事したいわって思った(笑)。私が編集っていう仕事してるからかな、「各パートの相乗効果で、ひとりじゃできないことを成し遂げていく」って姿にきゅんきゅんときめきました。
■というわけで、仕事への里心を喚起させた「50ボイス」でした。最後に、出てきた「50」を羅列しときます。

殺陣指導/流鏑馬指導(小笠原流)/馬術指導/スタント/藤木直人(西行役)/玉木宏(源義朝役)/中村梅雀(平家貞役)/山本耕史(藤原頼長役)/上川隆也(平盛国役)/加藤浩次(兎丸役)/撮影車ドライバー/特殊効果(霧・埃・雨など)/製作助手・ロケハン担当/車両/特殊機材(クレーン)/大道具(基礎担当・元大工さん)/大道具(塗装)/美術デザイン(全体)/美術デザイン(セット)/装飾(調度品など)/照明/造園(植物)/造園(全体)/制作助手(考証)/演出助手/人物デザイン監修/衣装/美術デザイン(小物)/撮影/時代考証/動物担当/所作指導/編集/CG制作/音響デザイン/デスク補(電話対応)/エキストラ(侍女)/エキストラ(子役1・2)/松雪泰子(美福門院役)/和久井映見(藤原宗子役)/加藤あい(高階明子役)/田中麗奈(由良御前役)/壇れい(待賢門院役)/深田恭子(平時子役)/音楽/プロデューサー/演出/松山ケンイチ(平清盛役)
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by mmkoron | 2012-01-03 21:17 | 大河ドラマ「平清盛」


カテゴリ新設しました&5分番宣の感想

■1月8日からの大河ドラマに合わせて、カテゴリを新設しました。「大河ドラマ」には「義経」の記事が入ってるので、こっちは「平清盛」用。
ドラマが始まったら、毎週更新していきます。感想のノリがどんな感じなのかは、「義経」の感想を見ていただければだいたいわかるかと。当時私は重衡以上知盛以下の年齢で、今は知盛以上宗盛以下なわけですが、脳みそのレベルは大して変わってません(涙)。

【感想のスタンス】
■よほどめちゃめちゃにならないかぎりは、基本的に肯定的な立場で書いてくと思います。
でもって、冷静な批評とかじゃなく、思いっきり気持ちが入り込んだ感想を書いちゃうと思います。
楽しもうって気持ちがなかったら、怨念だけじゃ感想文なんて毎週続けていけないので(^^)
■私の大河ドラマ歴&NHK歴をご紹介しますと…。↓な感じです。
・最初に見た大河は、たぶん「いのち」
・独眼竜は、裏番組だった「おんな風林火山」を家族みんなで視聴してたので、観てない。
・BEST3は「太平記」「いのち」…もういっこは、「義経」は贔屓が入っちゃうので、「毛利元就」か「花の乱」。
・途中脱落しちゃった大河は「武蔵(主役一人モノに没頭しきれなかった)」「風林火山(巡り会わせが悪かっただけなんだけど、観るたびにおっさんが会議やってるシーンばかりで心が折れた…)」「新選組!(後半の内部粛清の嵐がつらくて見続けられなかった)」。作品がつまんないというより、波長とかめぐり合わせの問題かなーと。
・新選組の多摩時代とか、毛利元就の極貧時代とか、吉宗の紀州時代とか、「下積み時代」が好物。
・リアルタイムで演技力が成長してく姿に感動するので、主役の役者さんが若いほうがすき。
・NHKドラマはけっこうみてる。最近で一番ワクワクしたのは「ラストマネー」(終盤で失速したのが惜しい)。ラストマネー終了後の楽しみは「イ・サン」(しかし全70余話のうちまだ半分にも行ってないらしくて、気が遠くなってる)。

【5分番宣の感想】
■わざわざプレマップを録画したのに、普通にNHKのサイトで見れちゃった…!! ショック。
■私が平家物語を通しで読んだあとの感じたのって、決して滅びの美とかはかなさじゃなくて、流れが決まっていて抗えない中でもギリギリまで生きる逞しさとか、健気さだったんです。
全体的に諸行無常観で…とはいうし、教科書でもそう教わってきたんだけど、それは作り手の整合性の取り方であって、読み手に突き刺さる感動はそこじゃないんだな、とすごく実感できた。
■で、今回の大河のコンセプトが「逞しい平安」。いいねいいねー。
前の「義経」は映像美とか様式美の世界でキラキラしてたけど、今度は主役の清盛がもう小汚い(笑)。
武士団もヨレっとしてる。(でも動きは統制されてる感じで、不気味さがありますね。)いいねいいねー。
清盛が「民のために…」みたいなことを叫んでるのには「またか」という気分にちょっとなりはしたけど。でも、このドラマの清盛は白河隠し子の設定のようなので、「自分がどこに所属しているのかわからないから、『みんなの』中に所属したい」という流れだったら、なるほどなーと理解できる。
■貴族の皆さんは、眉もつぶして気合い入ってますな。
頼長役の山本耕史も眉つぶしてるじゃありませんか! 美男枠のはずなのに、すてき!
山本氏って、ちょうど頼長の享年と同じくらいの年齢ですよね。同世代の人が演じてくれるって、うれしいなー。
大河って実年齢と演じてる年齢にギャップが出ざるを得ないわけですが、やっぱり実年齢に近いって、それだけで人物への理解度が違うと思うんです。
前半での注目人物は、頼長と信西と、あとはまだキャストがわからない信頼です。楽しみ。
■シーンとしては、中井忠盛が、貴族に水?ぶっかけられてるシーンが入ってますね。
この、まるで「うたってナナちゃん(※「小学○年生」とかに連載されてたアイドルまんが)」でナナちゃんがライバルに受けていたような、ベッタベタなイジメ方!! ステキ!!
忠盛の一族郎党は、骨太の俳優さんで揃ってますね。
「義経」のときも、平家と源氏それぞてのキャスティング巧いなって思ったけど、今回も貴族側と武士側でキャスティング分けが絶妙。期待。
そうそう。瀬戸内の海賊もムサくてよいですなぁ。「毛利元就」のときにも海賊(あれは水軍か)の仲間っていたと思うんですけど、なんかそっちは当初期待していたほど後半の活躍がなかったような記憶があるので、こちらには頑張ってもらいたいです。
■女性陣も、作品から浮きまくることなく華やかで、いいですねー。
この番宣見る限りでは、聖子ちゃんも違和感ない。
壇れいは明らかに美女役っぽい画だったんだけど、中谷美紀のほうは美女というよりも才女のほうを強調したいのかな。そんなに「キレイに見せるぞ!」って感じの画面じゃなかったような気がします。

…とまぁ、5分の動画でよくもこれだけ盛り上がれるものだと自分で自分に驚くわけですが。でも書けちゃうんだ、これが! だって楽しみなんだものー!
前半のキャストはかなり発表されてますが、前述のとおり、私の注目は信頼役です。私は田中圭イチオシなんだけど(私、信頼ってあんなイメージです。田中圭をもうちょっとふっくらさせた感じ。)、無理だろうなぁ。。。
こちらはまだまだ先ですが、清盛の息子達も楽しみですね。
清盛役が若い役者さんなので、同世代かちょい下の俳優さんが来るのかな。だとすると、「義経」のときとはまた違った世代になりますよねー。
子役枠だったら、「おひさま」の長男役とか、「天地人」の殿の子役だった人とかがいいんだけどなー。あ、でも「おひさま」長男は、家政婦のミタに出てたらしいから、注目されすぎで無理だったりするのかしら…。「おひさま」長男の雰囲気ママで重盛とかやってもらいたかった…。
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by mmkoron | 2011-12-25 10:31 | 大河ドラマ「平清盛」

    

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