源平観戦日記


<   2005年 06月 ( 7 )   > この月の画像一覧



さざなみ軍記(・ジョン万次郎漂流記)

井伏鱒二 著/新潮文庫/420円/1986年文庫初版発行


――ある平家の公達が、都落ちの少し前から書き綴った日記。
                 その日記を後世の人が現代語訳した――

■そんな演出で書かれています。日付は1183年7月15日から始まり、翌年3月4日まで。
最初はぎこちない「いかにも古文を現代語訳しました」な文体。

「私は馬上で居眠りをしがちであったので、しばしば侍たちに注意された。」


これはexcite翻訳か!?ってな文体です。それが最後には若者らしい躍動感と、大きな感情の動きを抑えようとする理性の両方をほのかに感じさせる文体になっていきます。
井伏鱒二氏はこの作品を、9年かけて完成させたそうですが、この文体の変化は大人が9年かけないと表現できないものなのかもしれませんね。でも、主人公の少年公達にとっては、15歳から16歳に至る、わずか1年の成長なのです。
そして、この文体の変化は、少年自身だけでなく、この日記を現代語訳しているという、名前のない「誰か」(それが筆者自身なのかもしれませんが)が、少年の心と同化していく過程でもあるのでしょう。
■親戚の、一つ年上の美少年が薄化粧で戦場に赴くのを真似て、同じくうっすらお化粧をして出陣していた少年は、いつしか逞しい武者ぶりを見せるように振舞うようになり、荒々しく足音をたてて歩こうとします。土地の娘の好意に感動を覚えていた彼は、1年後には別の娘が寄せる好意を「自分の顔を立てるための儀礼」と冷静に受け止めるようにもなります。
しかし、これらのことは、彼がずっと戦いを嫌忌し続けていることと矛盾しません。
■気になる「この物語に出てくる平家メンバー」は…

・新中納言知盛(一の谷で京都奇襲を主張する)
・三位中将重衡(お兄さん的立場として登場。船酔いする様子がちょっと可愛い。)
・右衛門督清宗(主人公が手紙を書く相手。でも手紙は出さなかった。)
・尾張守清定・備中守師盛・長門守(退却戦で愛馬を手放す)
・参議・兼修理大夫経盛(末子はお父さんと一緒じゃないと夜も眠れない寂しがりやらしい)
・平大納言時忠・讃岐中将時実・内蔵頭信基(官位剥奪されずに済んだ人々)
・左中将清経
・左少将・新少将有経(左中将の死に悲しみの笛を吹く)
・能登守教経(三草山布陣を辞退、海戦の指揮を執りたいと主張)
・新三位中将資盛(教経のかわりに三草山へ)
・薩摩守忠度・但馬守経正・若狭守経俊(一の谷に布陣)
・内大臣宗盛
・二位大将(誰だろう…宗盛のこと?)
・越前守通盛
・従三位中将(知盛とともに生田に布陣。ということは資盛じゃない。誰? 維盛??)
・左馬頭行盛(夢野に布陣)
・従五位下敦盛(主人公より一つ年長。妻帯して一子があったとのこと)
・丹後の侍従忠房


名前だけは結構出てきますが、実際に主人公が見聞きしたものとして言動が描かれるのは重衡と、あとは知盛くらいで、あとは伝聞の中で登場する程度です。
主人公の関心は、親族達よりも、まわりの武者たちや、自分たちを迎える土地の人々に向けられています。

■そして。
一の谷の合戦で、少年は歴史年表の「事実」から逸脱し、ふと生き残ってしまいます。
「うねうねした道を歩いてひょっこり顔を出したら、いつもと全然違う道だった」ときのように、本当に、ふと。
彼の未来はどうなったのか。書きかけの日記のその先に何があったのか。
3月4日まで読み終えた私の読後感は安らいでます。うん。

■ところで、この物語に出てくる、水軍の掛け声がなんだか可愛い。
「ウッフーイ、ウッフーイ」って(^^
[PR]
by mmkoron | 2005-06-30 22:46 | 書籍


ダ・ヴィンチ特別編集 実は平家が好き。

メディアファクトリー/1500円/2005年発行

「イイ気になって滅ぼされた人々」のイメージが強い平家。
でも本当にそれだけだったら、平家物語はこんなに長く深く愛されるだろうか?


という問題提起から作られた本。

■平家物語から抽出したエピソードに見える、平家の美質を挙げてくれるので、平家ファンとしてはうれしくなっちゃう本です。
内容は、人物ごとの解説(女性も含む)や、清盛の政治手腕や人となりについての再評価、死に様紹介(^^;)、研究書紹介など。平家好き歴が長い人にとっては目新しくも無い情報ばかりですが、大河で興味持ったばかりとかなら、オススメです。A5判だから電車の中でも読めるし。
■ただし、「大衆向けの勧善懲悪にゆがめられた清盛像にもの申す」のが目的の割りには、コーナーごとに平家物語準拠だったり義経記からのエピソードだったり、はたまた玉葉とかの同時代資料の話題だったりと一貫してないのはちょっと残念。
「殿下乗合事件でも、実際は清盛ではなく重盛が怒っていたのだ!」という『玉葉』から引っ張ってきた話を紹介してるのに、その後で「重盛は立派な人物だったので、殿下乗合事件でも我が子の非を叱責し恥じ入りました…」っていう平家物語ペースの話が書かれてたりもする。
■あと、こっちはほんとに小さな話なのですが、

資盛の恋人の名前がずっと「建礼門院右京太夫」になってるのも気になったんですよ…。
ルビはちゃんと「うきょうのだいぶ」になってるから、決して「たゆう」と混同したわけでもなさそうです。

■この本で一番役立つ!と思ったのは、平家物語諸本の特徴を簡単に説明してくれてるところ。よく、平家物語の研究書をとかを読むと「●●本にはこのシーンはあるが、△△本には無い」とか書かれていますが、その●●と△△の違いが紹介されてるのです。
これも、文学部で平家物語調べてた人には当たり前の内容なのでしょうが、私のような素人には有難いです。
原典だけでなく、研究書や小説化された作品の紹介もあります。
一見するとマニア向けにも見えるタイトルですが、やっぱり初心者向けの構成です。
研究者ではなく、いわゆるライターさんが書いてるので、読み物として読みやすいし。
[PR]
by mmkoron | 2005-06-29 00:09 | 書籍


NHK大河ドラマストーリー 義経【後編】

NHK出版/950円/2005年発行

■「前編」が小学生向けのような歴史資料満載だったのと比べると、今回はインタビュー中心の構成で、読みごたえありました。
■内容としては、
 1) 後半の主要キャストのスチル
 2) 1)のうちの一部の人物のインタビュー
   (義経・弁慶・伊勢・駿河・喜三太・知盛・宗盛・丹後局・泰衡・義仲・巴・景時)
 3) 宮尾先生と、時子&政子の対談
 4) 一の谷など、主要な戦闘のマップと解説
 5) 義仲追討~最終回までのストーリーダイジェスト
ってなカンジでした。与一がたっきー&翼の翼のほうだとか、伊勢三郎にも恋人が登場するらしいとか、巴は終盤にも登場するようだとか、なんだか領子さんが本来の結末と違うことになるみたいだぞ、とかいろいろ新情報はありますが、イチバン、一番私が衝撃を受けたのは




どうやら大河に能登殿は登場しないらしいですぜ…。




■5)のダイジェストを読む限り、屋島で佐藤兄を射殺すのは資盛(!!!!)のようですし、義経の八艘飛びは知盛の攻撃から逃れるためにやるようです。
納得いかん! まったくもって納得いかん!!
能登殿が相手だからこそ佐藤兄も華々しく散れるのであって、あのヘタレな資盛に殺されたら死んでも死に切れないっしょー!
あとは、知盛。知盛はとっても好きなんだけど、でもそこで知盛がおいかけちゃダメですよ。
あの場面は、執拗に追跡する能登殿に「もうこれ以上無駄な殺生はするな」と声をかけるからこそ、敵の向こう側にある、自分の運命と対峙する知盛の「らしさ」が見えるのであって。
やだやだやだー能登殿見せてくれなきゃやだー……とゴネたい私です。
■と、知盛殿に対して恨みがましい気持ちになる私ですが、しかし阿部氏の「壇ノ浦では戦って戦って疲れ果てて落ちていきたい」という感想には期待しまくりです。
最後の平家の意地を見せてほしい!(大河の知盛は、乳兄弟と心中……ではなく、義経千本桜ノリの死に方になるようですよ)
■あっ、そういえば敦盛役についての記述もありませんでした。
しかしこっちはゲストキャラみたいなもんなので、誰かアイドル的な役者さんが入る可能性ありますね。
[PR]
by mmkoron | 2005-06-28 23:42 | 書籍


第25話「義仲最期」

■25話ですよ25話。全部で49話しかないのに、25話で初手柄ですよ、義経。
全50話のZガンダムでいうと、月にコロニーが落ちるーって大騒ぎになってカツがサラに騙されて主題歌が森口博子に代わったのが25話ですよ。…よくわかりませんね。
いや、とにかく雌伏期間が長かったーと。
「新選組!」のときに多摩にいる時期の話が長い、たるい、と言われてましたが、それ以上に引っ張ってます。でも私、多摩に住んでるから多摩の話好きだったんですよねー。あんなに多摩の名前が出てくる作品って、私はほかに「平成たぬき合戦ぽんぽこ」しか知らない。
■なんだか常套句になってますが、今回も面白かった!
このまま壇ノ浦まではこのテンションなのでしょうか。うわーい、たのしいー。日曜が楽しみ。


■■義仲■■

●今回はなんと言っても彼が主役。
最期のシーン、額に矢が刺さって動きがおかしくなるところも(痛々しかった…)、モノクロ映画風になる演出も、良かったです。
最初、血の色がグロいから自粛したのかな?と思ったんだけど、あれは義仲の視力から色彩がなくなる様子なのかも、とも思い直しました。
しかし最期に、目に痛いほどに輝く夕日?(朝日?じゃないよね…。)が映る。微笑みを浮かべる義仲……。
義仲って、別に清盛や頼朝のように天下を獲った後のビジョンがあるわけではないですよね。彼が見たかったのは、ただただ「陽の光」だったんだろうと、そう思うとすこし救われる気もして、泣けました。何が何だかわかんないままに射抜かれて即死、とかじゃなかっただけでも。
●兼平に言われて逃げかけて、でもやっぱり戻ってくる…というあのシーンも良かった。巴に「楽しかったな」と言葉をかけて弱音を吐いたことのフォローをするところも、その後の力を抜いた掛け声で馬を進めるところも、ぜんぶが義仲の、都では受け入れられない美徳を表してて、うん、今回はやっぱり義仲がイチバンですね。


■■巴■■
●この義仲&巴のカップルは、私が見た中では異色でしたが、でも一番好き。
巴のほうが義仲以上に短慮なんですよね。義仲がむしろフォローしてる(笑)。
●がつがつご飯食べてたり、げらげら笑ってたりする野蛮(笑)な巴だったから尚更、義仲にお前は残れと言われたときのセリフがいじらしい。
この二人の関係、女と男というだけでなく、同志というか…「人間として一心同体」といった雰囲気です。
●巴、ずっと鎧は着てたけど派手な戦闘シーンはなかったわけですが、最後に活躍するシーンがあったのも、またウマい!
口先や情熱だけの女じゃなかったんだな、という実力を見せてくれました。
次回、義仲の首を見に来るようですね。その時点で義高はどうなってるんだろう。これ以上哀れな巴を見たくない気もします。生き残る意味が見つかる状態になってほしいな…。
心身ともにボロボロになって物語からフェイドアウト…だけは勘弁してほしい。。。


■■後白河&丹後局■■
●義経をマジマジと見つめるシーンでは、弁慶のとき以来二度目の「義経ー!逃げろー!! 猛ダッシュでここから逃げろー!!!」の掛け声をかけてしまいました。
「政子が義経の顔を見てドギマギするシーン」のときも思いましたが、タッキーはこういうシーンで説得力を持てる顔ですね。
●この妖怪ふたり、ほんと巧いですねー。
瞬時に相手の「都ぶり」「下僕度」を計測してる(笑)。これが「大天狗」と評された能力なんだなと思いますよ。
この二人が義経に声をかけるたびに、「ああっ、義経、このひとたちに近づいちゃだめだー!」とハラハラします。今のところはまだ近づきすぎてはいないようだけど…。
●この二人の不気味さと比べると、行家は小者っすね。今回、義経がガツンと言ってくれたから胸がすいたよー!(笑)
でもこの先義経にまとわりつくんだよね…。現代でもこういう親戚に困らされてる人っていそうだなぁ…(^^;


■■常盤■■

●蛭子さん、可愛かったですね。常盤の再婚相手は、ほんとにいい人なんだなーと。
常盤、すこし白髪交じりになってました? 穏やかに歳を取ったのですね。
●常盤が言いかけた言葉を飲み込んだとき、私はてっきり「亡き義朝様もさぞかしお喜びに…」って言うつもりなのかと思ったので、どうして表情が暗くなったのかわからなかったのですが、そうか、清盛の名前を出しかけてたのですねぇ。
彼女の中では義朝は遠い美しい思い出というか、リアリティのない存在なのでしょうか。うーん。
●能子のことも義経のことも思っている…という言葉が良かった。母親のこの言葉が、義経が妹を気にかけることになる伏線になるのかな。


■最後に、人に張り付いた話ではなく、合戦シーンの話を。
宇治川での合戦描写が、まさにPS2の「義経英雄伝」宇治川の戦闘そのもの!
「義経英雄伝」でも、最初は川の浅瀬を渡るところから始まるんですよ。ゲームやったときのワクワク感を思い出しました。
戦い方も個性的で良かったですね。駿河次郎はモリで戦ってるんですか!? 網を準備してる描写がありましたが、戦闘で使ってるところってありましたっけ。後でビデオで観直そう…。
■そんなこんなでいよいよ折り返し地点。
次回はインターバル的な話で、その次が一の谷?
次は大姫と義高の話も出てきますよね。ああまたハンカチが必要かしら…。
[PR]
by mmkoron | 2005-06-27 00:23 | 大河ドラマ「義経」


第24話「動乱の都」

■遊びに来た友達が
「タッキーがどんだけ演技ヘタだろうと、彼はあの顔である限り、義経役として適任だ」
と言ってました。私もそう思います。


■いよいよ次回は「木曽最期」。今回はその前段階。
義仲に対して「話し合いで解決できるんじゃないか」とまだ思ってた義経が、遂に見切りをつけるまでを描いた形ですね。
最後の義経は、珍しく悩みを振り切って決断する表情でしたねー。
久々…というか初めて観た気がする。あのくらいいつもキリっとしててくれるといいのになー。大河の義経、普段悩みすぎだから(^^;
それにしても、一の谷まであと1ヶ月弱、屋島まで1年と1ヶ月、壇ノ浦まで1年と1年と2ヶ月…!!
そう考えると、平家って転がり落ち始めてからはホントにアッという間なんだなー。
■今回は後白河&丹後局の妖気炸裂でしたね。
OP前の解説では「日本一の大天狗」とキレ者っぽくも見える紹介してましたが、本編ではちゃんと平幹氏が、愚蒙と老獪がカオス状態になってる後白河を演じきってますね。
役者の演技力にナレーションの説明力が追いつかないという、不思議な状況。すごい。
義仲に命乞いする姿、なのにその後義仲の滅びを確信してほくそ笑む姿。その両方がどっちも後白河の中では矛盾してない。それが不気味ですねー!
しかし義仲から隠れてたとき、襟に顔を埋めてジャミラ状態だったのは、キモ可愛いかった(笑)。

■義仲、小沢氏の表情のせいかな、バカやってるときも視線が前を見据えるカンジがあって、心の底から舞い上がってるだけじゃなく、どこか自暴自棄に終わりを見据えてる気がする……っていうのは欲目かしら。
小沢氏の視線が強くて揺らぎがないからそう思うのかな。
今回は、宴席シーンで巴がモリモリとご飯食べてるのが可愛かったです。ああいう粗野な巴もいいな。次回、巴は義仲と離れるわけですが、どんな別れになるのでしょう。
今までの作品ではもっと毅然と上品な巴が多かったので、別れのシーンもお上品に泣けるシーンでしたが…。もっと巴に物わかり悪く追いすがってほしいものです。

■平家側は今回は1場面だけの登場でしたね。
このまま一の谷に突入しちゃうのかなー。輔子と重衡は会話シーンないまま生き別れになっちゃうのかな。あっ、そういや重衡もついにヒゲになってました。あああ。
■あ、頼盛のシーンもあった!
都落ちで出てこなかったからどうなるのかと思いましたが、今回の登場だったんですね。これが最後の登場になるのかな。できればその後の、彼が病気になって弱っていくところも観たいんだけど。。。でも、この大河ではそんなに清盛と頼盛の関係性は描かれてなかったから、ムリかな。残念。


■そのほかでは……梶原パパが義経たちに合流しましたね。
今の時点ではパパも息子も両方義経とはごく円満な関係のようです。まぁ、「却って危険さを感じるほどの戦上手」っぷりはまだ発揮されてないから、この大河の義経って今の時点では、やさしげで誠実な若者……ってだけですものね。関係も悪くなりようがないか。
この先どこからこじれていくのかな。
義仲との合戦で、義経の戦の才能が開花して、みんながそれに危機感を持つ……とかそういう展開ですかね? 今後要注目です。
■今回がインターバル的内容だったからかな、感想短めですみません。
それにしても、ここ数回、テンポが良くて面白いです。この後も一の谷、屋島、維盛の顛末、壇ノ浦、生き残り組の処断……とイベントが集中してますから、この後3ヶ月くらいは目が離せませんね。楽しみだぁー。
[PR]
by mmkoron | 2005-06-19 22:08 | 大河ドラマ「義経」


第23話 「九郎と義仲」

■仕事で古典の文章をいくつか選ぶことになり、後輩が持ってきたのを確認してたら、最初に持ってきたのが維盛が華やかに暮らしてる場面の文章で、もういっこが維盛の最期の場面でした。
前者を読みながら「これさ、もういっこのほうで死んじゃった人だよ」と教えてあげたら、後輩ちゃんは「うわー、並べると辛いですね…」と凹んでました。
たしかに、ひとりの人間の一番輝いてる時期と、消えようとする時期の両方を並べてるわけなので、残酷です。
片方は建礼門院右京大夫集か何かで、もう一方は平家物語でした。作者が違う文章なのに、それでもどっちの維盛も、繊細でいつも困り顔っぽい雰囲気であることは一緒。きっと維盛は実際にそういう人だったんだろうなー。


■大河、今回も面白かった!
ホントは都落ちの人間模様をいろいろ見せてもらいたかったけど、タイトル「義経」だし、やりすぎはダメですものね。がまんします。
■法皇にまんまと逃げられたときの宗盛の涙はちょっと感動した。自分のドコが悪いのか全然わかんないけど、自分の存在がひどく軽くされてる。みんなみんなバカにしやがって……っていう、その苛立ちと無念はわかるような気がします。
徳子様は落ち着いた雰囲気でしたね。私、もっと「みなさまのよろしいように…」っていうような、受け身気質な徳子なのかと思ってたのです。思ったよりしっかり者で意外でした。
安徳天皇役の子はいくつくらいなのでしょう? まだセリフはないけど、この先いろいろ喋ってくれるのを期待。NHKの子役はいつも上手だから♪
■それにしても、後白河&丹後局は妖怪化がエスカレートしてますね。あまりに人外度が進んじゃって、

お徳が普通の可愛いおばあっさんに見えてきた。


■今回、初めて?ホロリときたシーンがありました。
平家の福原での管弦シーンです。「清盛殿…」のシーンでほろっと。
宮尾本の清盛だなーと思いましたよ。
■清盛の夢を理解できなかったとき、
創造者になれなければ一族は前に進めないということを、時子も知盛すらも理解できなかったときに、平家の滅びは始まってた。
でも、それでも清盛は一門を愛していたんだろうなーと。ベタなシーンだったけど、清盛の笑顔に泣けました。その幻影をじっと見つめる時子にも。
優雅なひとときの中で、ゆっくり平家が沈んでゆく。

「平家ハ、アカルイ。アカサハ、ホロビノ姿デアロウカ。」(右大臣実朝@太宰治)

を思い出してしまった。
『右大臣実朝』は、他の場面を指してこの言葉を出してくるんですけどね。
■今回、知盛が「いつの間にか我らは公家になっていた」と悔いていましたが、知盛も福原遷都のときは反対してました。今漸く、自分が都の貴族の一員になって意見言ってちゃいけなかったんだと気づいたのでしょうね。
維盛は、宮尾本では草むらに隠れてうじうじ悩んでるような印象(ひでー)でしたが、ちょっと男らしかった! ああでもあそこで維盛を励ますのは、重衡であってほしかったなー。「励まし役」の本領発揮で(^^

■平家のことばかり書いちゃいましたが、義経と義仲の対面シーンにも少しホロリとしたんですよ。どこって、義仲が「義高に会ったら伝えてほしい」と伝言した、「すまぬ」の言葉。
■義仲は頼朝に勝てるとは思ってないんじゃないのか?と、このセリフで初めて思いました。
巴は以前「先に都に上れば、義高を取り戻せる!」と息巻いてましたが、きっと義仲はそんな楽観視はしてないんだろうと思ったのです。
自分が権力の座に登って頼朝を牽制すれば、義高の身だってとりあえずは安泰かもしれない。でも、義仲は「すまぬ」と言った。
正面からぶつかったら勝てないかもしれない、それでも戦って意地を通してみせると決意したんだろうと。
それほどに彼の「源氏のなかで、不当な立場に追いやられてきた」という孤独感は大きかったのですね。頼朝もそうですが、「自分の運は尽きた」という状態に一旦突き落とされたトコロから、「まだやれるか? まだいけるか?」と少しずつ這い上がるのって、かなり追い詰められてる状態ですよねきっと。
そう考えると、義経が生まれたときには、突き落とされた後の状態だったわけですから、随分精神状態が違うだろうなと思います。

■次かその次でもう義仲退場?
いいキャラだったので寂しいなー。義仲と一緒になってはしゃぐ巴も好きです。
私が今までに読んだ本では、義仲の増長を戒める発言をしてる場合が多かったので、新鮮でした。今回は、平家の管弦や義仲たちの田楽?など、芸能の再現がいろいろ観られたのも楽しかった。絵巻物とかで見たことのある衣装や楽器が、実際に人の手で動いてる場面を観られるのってワクワクします。さすが大河。
[PR]
by mmkoron | 2005-06-14 23:02 | 大河ドラマ「義経」


第22話「宿命の上洛」

■6月に入ればラクになれると思ってましたが、全然ラクになれてません。漫画描きたいけど睡眠時間はもう減らせない…すみません。。。せめてココだけはちゃんと更新していこうと思います。

■今週は平家主役でしたね! ひゃっほー。
タイトルを源氏視点にすることでかろうじて義経主役を保ってるけど、中身は平家主役。
場面転換が少なかったこともあって、シナリオもまとまりがよく、面白かったです。
そう思うのは私が平家贔屓だからかしら?

■維盛が鎧を手放すところは、映像でその場面を見たかったのですが(宮尾本では自分の意志で決断してて、結構カッコよかった)、伝聞調で出てきただけでしたね。そこは残念。
■今回の維盛はいろいろ変化ありました。
宗盛にもキレてたし、衣装も冬の直衣にクラスチェンジ?してましたし。
直衣を普段着で着られるのに条件があるってことなのかな。調べてみたけどよくわかりませんでした。維盛、別にこの時期に昇進してるわけでもないのだけど。しかも平家の都落ちって夏じゃなかったっけ。
経子ママとの関係は、巧くボカされてました。経子ママの主張は「自分が生んだ子に鎧を譲りたい!」ではなく、重盛への愛情の方を強調。
しかしそのために宗盛の悪党度が高まっちゃったけど。どこまでも冷遇される星の下で生きる男だ宗盛…。
■このドラマの維盛は、基本的に言い訳をグッとこらえる性格に描かれてるので、好きです。
お坊ちゃんなんだけど、決して甘ったれてではないんですよね。この先のドコでぽきっと折れてしまうのか、そのきっかけは何になるのかな。

■維盛から始めちゃいましたが、今回の主役はやはり宗盛。
自分の子・清宗に鎧を着せて親バカ全開できゃっきゃ喜んでる場面は切なかった。
自分が父親に愛されないと思い込んで萎縮しまくってたから、自分の子どもにはめちゃめちゃ甘いんですよね。自分が着るのではなく、自分の息子に着せてあげたいってのが、かなしい。
■屏風を燃やそうとするシーンも良かったです。
屏風にまで反抗されちゃうのが宗盛らしいんだけど(^^
「福原の屏風を見ても、自分が受けた屈辱のことしか思い出せない」というところで、ああこの息子は結局父親の夢と無念を何も理解できないまま、決して本当の後継者にはなれないんだなーというのがよくわかりました。
今回の演出は、ナレーション控えめだったし、全体的に好きです。蛭子さんも久々に登場したしね!(笑)

■このまま清盛の息子達の感想を。
知盛はどんどん勇猛さが強調されてきてますね。いいよいいよ。
この知盛が一の谷で逃げ延びた後にどう変化するか、観るのが今から楽しみ! 知章、ちゃんと出てきてくれよー。
明子との会話シーンも、「ようやく宮尾本原作らしいシーンが来てくれた!」と嬉しくなりました。
今までずっと女性陣は女性陣とだけ井戸端会議してるイメージだったから。
息子ふたりの寝顔を出陣前に眺めてから出て行く…ってシーンもすごく好きだったんだけど、あれは宮尾本の何巻だっけ。今度読み直しておこう。
■あと、女性達に説明しにいったのが重衡だったのが、重衡らしい役回りでした。でもこのドラマの重衡はかなり一本気で堅物っぽい性格してるんですよね。もうちょっとチャラくてもよかったんだけどなー。牡丹と言われたほどの華やかさがないのが残念。

■あとは、時子についても、もじわじわ追い詰められてる様子が注目です。
自分がついた嘘が一門の運命を動かしていく。宗盛はハラをいためた我が子なのにどうも意思疎通ができない。あの最期に繋がっていく道筋が、丁寧に描かれてると思います。
宮尾本を原作にしていることの意義は、時子にだけはちゃんと残ってるなーと。

■次回はいよいよ都落ち&義仲入京。
平家物語では、いろんな平家の公達のいろんな都落ちドラマが描かれてますが、今回の大河ではどこまで描かれるのかな。どうしても注目ポイントが平家に偏ってしまう私です。
[PR]
by mmkoron | 2005-06-05 21:40 | 大河ドラマ「義経」

    

源平関連の本・ドラマなどの感想文あれこれ
by mmkoron
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
最新の記事
カテゴリ
記事ランキング
最新のトラックバック
スキヤキ・ウエスタン ジ..
from 徒然独白 - 手鞠のつぶやき
小栗旬 カリギュラ 関連..
from 小栗旬 画像・動画 最新情報..
小澤 征悦『西郷隆盛』役
from 篤姫(あつひめ)大河ドラマ
リンクなど。
きよもりよりもよき
まみころの平家物語サイト。
あらすじ紹介漫画とか人物紹介など。



まみころのブクログ
源平関連以外の読書日記はここに。読む本にあまり偏りはないと思ってたけど、こうして見るとすごく偏ってる。
以前の記事
その他のジャンル