源平観戦日記


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第38話「遠き鎌倉」

■サイトのほう、おかげさまでもうじきカウンターが5000になります。もし5000ちょうどになった方で、「この人のネタで漫画描いて」「この人のイラスト描いて」などリクエストありましたら、ぜひお教えくださいませ。
「平家だけ、源氏は描かん!」などとは申しませんよ~。源氏も好きなんです。必死がんばってる人はみな好きさ~(^^
■突然ですが、マイルがいいカンジにたまってたので、来週の夏休み(なんですよ私、今更ですが…)を利用して熊野に行って来ることにしました。
その翌週の連休では友達と鎌倉に行くことにしてるので、10月は旅行レポートラッシュになりそうです。しかし熊野は思いつきで決行したので、あまり食べる場所とかお土産とかチェックしてないのが不安。今から勉強します。

■さて。今週は「遠き鎌倉」。
先日会社で、「順番を変えて助詞がかわるだけで、タイトルづけの印象が全然違う」という話を皆でしてました。「天空の城ラピュタ」→「ラピュタは天空の城」だとカッコ悪い、とかそういう話です。このタイトルも当てはまりますよね。

「鎌倉は遠い」

ダメだこりゃ。
■今回は「きょうだい」がテーマですね。
期待通りに、頼朝・義経兄弟と、宗盛・重衡兄弟との対比があったのが嬉しかった。
今回の、宗盛の「すべて私のせいだ」のセリフ。
宗盛って「自分がバカなんですみません」とは絶対口にしないキャラだったけど、ついに出ましたね。道中もずっと自分のふがいなさを責め続けて、一番末っ子の弟を前にようやく素直に言葉になって出てきた…って状態だったのでしょうか。
それを重衡が、否定してやるというやさしさが、これまたよかった。
私、「重盛と宗盛」「宗盛と知盛」「宗盛と重衡」といった、宗盛がらみの兄弟会話シーンって好きなんですよ。なんか普通の兄弟っぽくてほのぼのする…。
■重衡はその前のシーンでも、頼盛に対しても許してやってましたよね。
建礼門院右京大夫が書いていた
「ちょっとしたことも、相手にとって良いように心配りしてくれてた」
という重衡像に近い気がして、嬉しかったです。
あと、前に義経と話してたとき(今回も宗盛に言ってたけ)に口にしてた「そういう運命だった」という考え方や、「もうやることもないし、南都に行くか」と決めることができる、明るい開き直りも、私の重衡像に近いんです~。 
みんなから大切にされて甘やかされて育った末っ子気質と申しますか。
■重衡自身の気質もそうだけど、平家自体のカラーもそうですよね。
失敗続きの維盛に対する清盛の対応とかもだけど、平家って基本的に身内の不始末に対して「あーっ、もう! でもコイツも頑張ったんだし、仕方ないよなぁ」って反応する甘さがある。
頼盛も、大河で描かれるかはわからないけど、この後すぐ病気で死んじゃいますよね。自分が一門を見捨てたことを、相当気に病んだんだと思うんですよ。
そういう甘さが平家の弱さである一方、「平家にあらざるは人非人なり」なんて言ってても憎めない印象がある理由だと思います。

■おっとついつい平家話に熱中しちゃいました。
でも、「義経と頼朝」については、次回が本編だと思います。今回は、対比材料としての平兄弟も含め、伏線をバラ撒いておく位置づけの回でしたね。
今回の頼朝は、またしても「義経の出方を見よう」作戦でした。なんかね、ずっと見てきて思ったのですが、前回私が書いた3つの「頼朝の対応の理由」、4つ目もあるような気がしてきました。

4)自分で弟の処遇を決断するのがイヤだった。

自分の思い通りに動くか、全く思惑から逸れて処断するしかなくなるか、どっちかになるまで弟のことについて責任持ちたくない…って思ってるんじゃないかという気もしてきました。
複雑な人ですね…。この人を、物語がどう表現したいと思っているのか、よくわかりません。そこが面白いんだけど。
■それに比べると、義経については、わりと人柄が理解できてきました。やっぱり主役だし。
今回重ねて強調されてたのは、「人間としては裏表がなくていいヤツ」。
安徳帝を鎌倉に売り渡せばお兄さんに許してもらえるかも…?とちらっと考えても、「それはやってはいけないことだ!」と、考えた自分の人間性を反省したり。
大姫に嫌われても、義高の供養塔に花を手向けることを忘れてなかったり。
1対1の人間関係の心配りはできるのに、組織の人間関係には疎い……ってことは重ねて強調されてます。
視聴者としては
「頼朝がウマく使えば、絶対よく働く人材なのになー」
とじれったく思っちゃうのでした。それこそ作り手の思うツボな私。
あと、安徳帝についてのセリフ(静に告白してるシーンね)で、「政治的駆け引き」を、義経は
「卑しいこと」
としてとらえてしまう…ってことも今回でわかりました。こりゃ、この兄弟もうムリですわ。

■さて。そんなこんなで、
次回予告はちょっと長めのスペシャルバージョンになってました。ポイントは以下の3点かと。

1)いよいよ平家の描写もこれで終焉。宮尾本が原作であることの本領発揮?
私が平家の女性陣のなかでかなり好きな部類に入る輔子さんがクローズアップされるようで、楽しみです。どこが好きかというと、平家物語の女性の中では、「動く」印象があるからです。走ったりコケたり泣き喚いたり。
重衡から「最後の最後まで生きろ」と言い残されるようですね。うわー、そう言い残して重衡は死んじゃうわけですよ。言われた輔子はもう「やっぱり、もういいよ」とは言ってもらえないわけですから、ホントに死ぬまで頑張って生き続けるしかないんですよね。
建礼門院右京大夫も資盛に死後の供養を託されてめっちゃ気負ってますけど、この時代の男性って、さらっと残酷なことをするなーと改めて思います。
原作である宮尾本平家物語は、女性の生き方に力を入れてるわけですから、この輔子のエピソードにも期待してます。

2)義経決起の動機がちょこっと見えた

どうやら、この作品での義経は
 ↓お徳に「戦の後には何がありますのやろ?」と言われて、ドキっとする
 ↓頼朝のやり方が、自分には合わないものであることを痛感する
 ↓自分が何を大切にしたかったのかを再確認
 ↓離反

となるようですね。追い詰められて逆ギレで挙兵、ではないみたい。
私は、この流れは上手だと思います。ずっと「新しき国」をちょこちょこ出してた甲斐もあるかと。義経が「新しき国」に基づいて行動できてるかというと、これが断続的で、一貫してない印象はあるのですが、まぁ義経がそこまでの器量なのだから仕方ないですよね。
「○家とまつ」のときのように、「支離滅裂なのに一貫してるかのように物語に評価されている」状態でなければ、不満はありません。

3)政子の動向がちょこっと見えた
これ、かなり重要ですよね! 
私、予告で政子の「源氏に力を持たせてはなりません」を聞いたときに、おおーっと思いました。
今回、政子が大姫のことで「義経を呼びたい」と言い出して、これは結局失敗したわけですが、このことが今後にどういう影響を与えるんだろう?と思ったのですよ。
ひょっとして、政子は「いちいち鎌倉殿の顔色をうかがうのはもうたくさん!」と思い始めるのでしょうか。で、政子は「鎌倉殿の野心を支える」ではなく、自分が野心を発動するほうに動いていくのでしょうか。
政子がこういうキャラであるなら、頼朝の孤独や悲劇もちゃんと描写できて、頼朝が単なる「何考えてるかわからない悪役」にならないですよね。
頼朝の判断の積み重ねは、どんどん彼自身を孤独に追い込んでいく…。
今回の腰越足止めの判断もですが、頼朝については
「何をするかという判断は頼朝自身の命令だが、それが頼朝がやりたいことかというと、そういうわけじゃない」
という場面が増えてきている気がします。
だんだん「鎌倉殿」と「頼朝」の乖離が進んで、頼朝自身も自分のキャラがわからなくなってきてる……ってのは深読みしすぎかな?




■追記■
あっ、いけない! 行家のことをさらっと無視してました。いやー、相変わらずのイタさで、たまりませんな。このドラマで唯一、ただひたすらイヤな奴キャラを貫いてるのはこの人だけなのでは…立派だ。ある意味において。
この人をみてると、中学生の頃に学校で読んだ魯迅『故郷』のヤンおばさんを思い出します。イタさには近いものがある…。
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by mmkoron | 2005-09-25 21:57 | 大河ドラマ「義経」


第37話「平家最後の秘密」

■今回のポイントは2点

1)義経と鎌倉殿の心の距離がぐーんと遠くなる
2)建礼門院様と義経の心の距離が縮まる


やっぱ、遠距離はダメだねというのが今週の教訓です。全国の遠距離な皆様、近場に引っ越すべきですよやはり!(それができりゃ苦労しないけど…)
■義経と頼朝についてですが、私はこの二人の仲を、北条氏や梶原父や後白河院が積極的に裂きにかかるんだと思ってたんですよ。でも、この大河では、ひたすら


遠まわしで婉曲話法な兄と、ストレートな弟との、性格の相違


が原因になってるようです。政子とか、今回はフォローにまわってましたものね。
原因が単純なだけに、どんどんこじれる様子が見てて切ない。
だって、社会のせいだとか誰かのせいだとかじゃなくて、当人同士の問題じゃないですか。生きている時代を問題にしない原因ですから、感情移入しちゃうんですよね。
とはいえ、手紙を読んでるシーンを見て、「手紙だけ(しかもソウロウ文!)って、キッツいなー」と思ったりもしました。電話とか、もしくは文書でも何度も行き来できるほどだったら、少しはお互いの本心もわかっただろうにね。……しかしなー、あの頼朝が相手じゃムリか。
■頼朝は、義経が政治に関しては全くのバカだとわかってるのに、それでも試すようなことをしちゃうんですよね。そこが疑問なのですが、結局この大河での頼朝の心情はどれなんだ!?

1)社会人教育してるつもり。でももう「だめだこいつ使えねー」と投げかけてる。
2)「義経ってバカだよねー」と自分の優位を確認したい。
3)「私の能天気な生き方が間違っておりました」と謝らせたいのに、義経が乗ってこない。


この3つが混合になってるように私は思います。
義経がバカだから安心できるって思いつつも利用しつつも、そのバカさが許せないというのは、頼朝身勝手だよなぁ。
一番の望みは3)の展開なんだろうけど、義経は今回「でも、捨てられない」と言ってるからなー。
■あ、梶原父は手紙で義経を攻撃してましたね。お前、その報告書は客観じゃなくて主観、分析じゃなくて感想だろとツッコみたくなる内容でしたが、当時はああいうノリでも許されたのでしょうか。軍奉行って、結構嫌われそうなポジションだなー。



■さて。話し替わって建礼門院様とのシーンです。
ちょっと自分語りを始めた義経に、興味を示す建礼門院が印象的でした。
出家してむしろ人間味が出てきている、という描写はなかなか良いのではないでしょうか。捨てられなくて苦しむ義経と、捨ててラクになった建礼門院…という対比も新鮮で面白かったです。
■建礼門院の使い方がウマいなーと思いました。
義経の駆け引き・立ち回りのヘタさ、なかなか見えづらい彼の美点がウマく出てましたね。
戦争中に船の漕ぎ手を射るのにはためらわないけど、戦争が終わったら、母親と子どもを引き離すことができないのが義経なんですね。
義経の良さというのは、近づいて話してみるとよくわかる。建礼門院は、虚飾を捨て去って、義経に近づいたから義経の美点が見えた。でも、鎌倉殿は遠いから、見えない。かなしい。


■次回は宗盛と重衡のご対面。まだ今回は出家してなかった、輔子もまた出てくるのかな?
ハンカチ用意しとかなきゃ。
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by mmkoron | 2005-09-18 22:17 | 大河ドラマ「義経」


第36話「源平無常」

■今日は朝から全身海草パックというものに挑戦してました。ちょっとしたグリーンジャアントになった気分でした。
ちょっとしたグリーンジャイアントってどんなだ。


■約1週間遅れで、ようやく再放送を観ました!! あら、今回は総集編だったんですね。
■海草じゃなかった回想部分はさくっと飛ばして、動きがあったところだけ感想を…と思ってたのですが、ひとつ見直してて大発見が。
清盛団長の臨終シーン、うわごとで

「あた、あた、新しき都…」

って言って、そして息絶えるのですが。

そうか、これって平家物語の、
熱病で苦しむ清盛のうわごと
「あた、あた、」のアレンジだったんだ!!


今更言ってて恐縮なのですが、見直してて気づきました。
挫折したけれど、最期まで新しき都への夢を捨てられなかった清盛団長。その思いを、平家物語の「熱、熱」にひっかけたのですね。
これ考えた人、ひっかけ方がウマいわー。平家物語のことも、この作品の清盛のことも、愛してるんだなと感じる。かなり感動しました。
回想部分で気づいたのはそのくらい。では、本編のほう(今回は寧ろ回想が本編だったが)。

■今回の身どころは義経と3人の人物との対面です。
1)宗盛
「大将は我ではない、知盛じゃ!」
の発言意図は何なんでしょう?? 文字面だけだと「俺は責任者じゃない、弟が勝手にやったんだ!」系の、政治家の「秘書がやりました」的発言にも思えるけど、この前後の流れを見てると
「俺とお前とは確かに仲が悪かったが、
今回の大将は、幼いお前と遊んでやってた知盛だったんだ!」

という、批判のニュアンスなのかなとも思いました。
母・時子が引き上げられたメンバーの中に入っていないと聞かされて、涙を流す姿には私まで泣けた。時子はよく宗盛を叱ってたけど、でも愛情ある叱り方でしたものね。
「自分のホントの親は院なんじゃないか?」って宗盛に言われて、笑い飛ばしたときの時子の姿を思い出します。あのやりとりは、母の愛情感じたもんなー。
宗盛は「一門の父」としては全く力不足だったんだけど、でも家庭のなかでは良き父・良き息子だったんだと思いますよ。
この宗盛の描き方は、へなちょこ扱いしながらも突き放さない、平家物語自体での宗盛の描かれ方に通じてる気がします。


2)建礼門院(+治部卿局明子&大納言典侍輔子)
今回もセリフが!
「恨みでもありましたか?」は義経に対して辛辣、かつ、いかにも戦と無縁のところで蝶よ花よと育てられた人ならではの発言!ってカンジで、良かった。
これが『ますらお』だったら、義経に
「俺が人の子であったことなど、お前らのせいで忘れたわ!」
と逆ギレされるところですが。大河の義経はおっとり君なので、凹んでしまいましたね。
帝のことに話が及んだとき、輔子がいちばんキョロキョロ落ち着きなかったのが、私のイメージなので嬉しかった!
宗盛は着替えてたのに、建礼門院様たちは小袖や単衣と袴だけの姿だったのは、「男物は源氏軍のを貸してやれたが、女物については官女用を常備なんてしてないから、近辺から借りてくるしかなかった」ということですよねきっと。妙にリアリティがあって面白かったです。


3)能子
「兄がいると思うことが支えになる。ひとりになってももう寂しくない。」ってセリフは良かった。
頼朝と義経、義経と能子のきょうだい2組を比べると、女のほうが強いな~と感じます。義経のほうがさみしがり屋ですね。
「お兄ちゃんと一緒にいようよ、今まで不幸だったでしょ? 幸せにしてやるから!」という気持ちで声をかけたのに、「いいえ、私はどんだけ不幸になってもやっぱり平家一門と一緒にいる!」と返事されてしまった義経、可哀相でしたね。
この二人の会話、どっちも少しおどおどおっとりした雰囲気で演じているので、そこがほのぼのしてて、兄妹の親和性?のようなものを感じました(^^
能子の出番はこれで終わりかな? 初登場時はイマイチと思ったけど、あれは緊張だったのかな、どんどん良くなっていきましたね~。ちょうど彼女の今回のポジションと、女優としてのポジションが重なって、良い効果を出してたと思います。次に出演するときが勝負だと思うけど、がんばって大河常連になってほしいものです。

今回の感想はこれでおしまい。いつもより短く済んじゃった…。
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by mmkoron | 2005-09-17 17:20 | 大河ドラマ「義経」


第35話「決戦・壇ノ浦」

■涙もそろそろ引いたので、今週の感想です。今回は、登場人物ごとに感想を。

1)時子
■知盛も活躍したけど、何と言っても今回の主役は時子ですね。
泣けるポイントはいくつかありましたが、安徳帝が「清盛のおじじに早く会いたい!」って言ったとき。
あの言葉に堪え切れずに泣く姿が、一番涙を誘いました。
清盛に会いたい、ってのは時子の気持ちそのものだったと思うのですよ。よく頑張ったよ時子様…とねぎらいたい気持ちになりました。
しかし、次の瞬間に、安徳帝を残す策を思いつくところがすごい!
■今回の会話によって、前回の時点では、すり替え提案は
「源氏勢を混乱させるためのおとり作戦」
としか考えておらず、
「帝を活かすために、いざとなったら親王に死んでもらう」
までは当初考えていなかったことが明らかになりました。
皆がどう死ぬかを考えてるときに、その思考がすっと出てくるというところが。だからこそ、この作品の時子は主役になり得るんですね。
■最期の微笑みはどんな思いだったんでしょう。
「勝者は戦いの結果を自分のモノにできるけれど、敗者の人生まで思うようにはできないよ」という笑みであり、
「敗者にだって窮鼠猫を噛むができるのよ(=安徳すり替え&神器道連れ)」
という笑みであり、原作宮尾本を意識すれば
「戦いを始めるのは男だけど、結末は女にだって決められるのよ」
という笑みであるとも思いますが、何よりも、

戦いの連鎖から抜け出した人間の、
まだ連鎖の中にいる人間への「お先に」っていう余裕の笑み


だと私は感じました。
清盛を失った悲しみに浸る間さえなく、沈没寸前の平家をなんとか立て直そうと心を砕いてきた時子。勿論平家が負け、自分の子や孫が死んだのはつらいことでしょうが、やっと家族みんなが戦いから解放されるという結末を、穏やかに受け容れる気持ちもあったんじゃないかな。
「清盛に会いたい」という言葉にこらえきれず涙をこぼし、「海の都で、清盛も重盛も維盛もみんな待っていてくれる」と言った時子だからこそ。
(ここで小松一家の名前が出てくることは意外だったけど。大河の時子は器が大きい…。)


2)知盛

■今回の準主役はこの人。
タッキー義経とのタイマン勝負は、両者の動きが対照的で、名勝負でした! 
知盛が無駄なくシャープで、義経が身軽で相手を翻弄する動き。
平家物語で教経に言った「無駄な殺生をするな」などのセリフが一切カットなのは残念でしたが、でも、義経に向かい合ったときの「あのときがこうなる運命の始まりであったか」というセリフ、義経の動きを見上げ、ただその動きを目で追う表情、そのあたりから、彼の運命論者的な性質は伝わりました。
あの、キラキラしながら軽やかに飛ぶ義経を動きを目で追ってる瞬間に、もう自分達が時代の主役ではなくなった事実を受け容れたんだろうなーと。
■最期、錨がなんだか軽そうなのはトホホでしたが(しかし弁慶の岩よりマシ)、しかし海への落ち方は良かった!
今更ですが、やっぱり知章最期は出してほしかったなー。
「見るべきほどの事は見つ」の重みが変わると思うんですよね、あれがあるとないとでは。


3)資盛
一の谷でのへなちょこがウソのように勇猛でしたね。強いじゃん資盛!!
セリフもなく、ストイックな死に方。ヘタにベラベラ喋らなかったのは良かった。
扱いとしては知盛の前哨みたいな感じでしたが、前を睨みすえながら死んでいった姿は、
後で出てくる知盛や時子の、恨みつらみを残さない死に方とは対照的で、そこが良かったのではないでしょうか。それが若さだ!


4)輔子
あああっドジっ子発動! だからこそ好きなんだこの人!
結局彼女は壇ノ浦で生き残り、重衡にも先立たれ、後には建礼門院にも先立たれ、常に残される側になり続けるわけでして、船べりにしがみついての「お待ちくだされー!」の絶叫が泣けました。その後の彼女のことを思うと。


5)明子

何気にオイシイポジションでしたね。
最後の知盛への呼びかけ、夫婦の会話シーンは殆ど無かったし、前回は知盛に叱られてましたけど、明子が知盛をどれだけ愛してるかは、あのセリフだけで伝わりました。
お別れでござるという知盛の言葉を「いいえ!」と打ち消し、「是非にもお会いいたしまする」という言い方に、強さを感じました。前回、知盛に叱られてるときにも思ったのですが、この二人は同級生夫婦というか、夫唱婦随でない関係がいいですね。
このドラマに限らず、知盛って自分の胸一つにおさめるタイプに描かれることが多いので、明子がこういう無理矢理にでも入り込んでくるタイプの性格だと、お似合いです。

6)領子
■海に飛び込む直前、大切そうに勾玉を抱え込む仕草で、「この人ってイジワル役だったけど、筋が通った、責任感のある人だ…」と、大河領子をますます好きになりました。
そもそもこの人、時忠のヨメであり、それが縁で典侍になったというだけで、平家の血縁ではないんですよね確か。
他の女性たちのように、目を閉じて拝みながら…ではなく、勾玉を抱きしめて目をしっかり開いたまま…という最期のシーンは、彼女らしくて良かったと思います。
■平家物語では、彼女ってその後生き残ってますが、この大河では死んじゃったのかな。だとすると、ますます「平家の権勢に巧くのっかた世渡り上手の奥さん」のイメージではない領子だといえますね。


7)能子
パリっとした決意の表情が、ちょっと弱いと思うんですけど、その特徴ってタッキーも一緒だから、兄妹似てて丁度良いのかな。
もうひとつ時代劇扮装が似合ってないところも、彼女の不安げなおとなしげな演技がいいカンジなので、そこでカバーしてたと思います。
兄からもらった策を、平家を守るために使うっていうのがイイですね。そこに能子の一途さと覚悟が表れていて。


8)建礼門院徳子
よく出てきているのに、声の印象が殆どないので、「あっ、徳子様がしゃべったー!!」といちいち驚いてしまいます(^_^;)ゞ
乗船前に「心はひとつにございます」と我が子に呼びかけている場面、いよいよ最期になってひとり生かすことに決まった帝を抱き寄せて微笑む場面、そこは印象的でした。母としての愛情の露出が控えめなところは、高貴さが出てて却って良いのかもしれませんね。母の愛全開だと、感動的ではあるけど、俗っぽくなっちゃうかな。


9)時忠
生き残る人代表。計算高い人ですし、どんな言動が描かれるのかな?と興味津々でしたが、今はまだその後の身の処し方には思い至ってないようでしたね。
この人が、「ああ、終わったか…」という表情だったことで、余計に宗盛の往生際の悪さが引き立って(笑)。


10)宗盛&清宗
ちゃんと突き落とされてくれました!! よっしゃー!!
景季にダメ出しされちゃうなんて、トホホ。しかし、彼らの見せ場はむしろこの後なのです。
あと2回くらいは生きてるのかな? TVブロスを見ると、重衡との対面シーンがあるようなので、カットされてないことを祈り、楽しみにしてます。


11)義経主従
■相変わらず殺陣の動きが軽やかで良いですねー。この後、大きな戦は最後までないわけですし、殺陣については、これが最後の見せ場??
■みんなが入水し始めたときの、「こんなことになるなんて思ってなかった!」という慌てふためき方が可愛かったです。
ホントに勝つことしか考えてなかったというか、自分が勝つってことは相手が死ぬってことなんだということに、想像力が働いてなかったんでしょうね。そのへんは今時の若者っぽい。
■漕ぎ手を射たことについて、ヘンな言い訳がましいフォローや正当化が入らなかったところは良かった。
戦争に勝つために漕ぎ手の一般市民を殺して船の動きを止めるのはOK、でも平家一門の女子供が自死するのはショック……支離滅裂です。でも、そのアンバランスさが義経なんだと思うんですよ。
勝つためにはすごく合理的だし、結果重視。でも、勝つと解った後は、スポーツ選手が対戦相手と握手するようなさわやかな感情になってしまう。そういう人として描かれてるのかなーと思います。
私も義経にはそういう人、戦争が部活動みたいになっちゃってる人のイメージがあったので、満足です。
■景時の先陣希望を却下したのも、部活動的。「自分が目立つことよりも、チームが勝つのが大事でしょ!」って発想なんだろうなと。そこで褒美に差がつくとか、人間関係だとか、そういうところには思い至らない。自分が、部活できることがただただ楽しいから、みんなそうだと思ってる。そういうタイプなんだろなー。
■義経主従の出番は殆どなかったわけですが、ひとつ。


弁慶の投げた岩のチャチさはどうかと思う……。



コントじゃないんだからさ。ううう。
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by mmkoron | 2005-09-04 22:16 | 大河ドラマ「義経」


壇ノ浦直前!●TV雑誌4誌 「義経」記事比較

■いよいよ日曜日に、またまた今年の平家一門が壇ノ浦に沈みます。
TV雑誌のなかにも大河「義経」にページを割いているものがあったので、購読し、比較なんぞをしてみました。4誌を選定した基準は
 1)表1に「義経」の名前の見出しが入っていること
 2)3P以上「義経」記事があること。1見開きのみは除外。
という、至ってシンプルなものです。それではGO!


エントリー№1●なんてったって大本命!「ステラ」
オススメ度★★★★☆
【データ】
表1スチル:滝沢義経の大鎧姿
特集タイトル:決戦壇ノ浦
ボリューム:カラー8P
インタビュー:有(黛りんたろう/滝沢秀明/阿部寛)
備考:代ゼミ講師による壇ノ浦合戦講義あり。連載コラムとして童門冬二コラムあり。
【講評】
■やはり大本命はNHKサービスセンター発行の「ステラ」でしょう。黛ディレクター&合戦の主役格2名のインタビューを載せられるのが強みです。
さて。私はこの雑誌のインタビューが、他の雑誌と「何か違う」と感じました。その印象がどのへんにあるのかとしばし考え、そしてわかったように思います。
記事の対象者が「大河義経をいつも観てる人」に留まらず、「普段義経を観てない人」にも及んでいるのです。
タッキーも阿部寛も、「ココが見所だよ、面白いよ、こんな気持ちで演じたよ、この回が今後にこんな影響を及ぼすターニングポイントになるんだよ、だから観てね」と読者にPRしています。さすがNHKの雑誌。攻めの姿勢です。
■インタビューは、3者の、この戦いをドラマにするに際して込めた思いが手堅く語られてます。目新しいカンジではないですが、このドラマの「筋の通し方」のようなものは垣間見えるので、読む価値はあるかと。
代ゼミ講師の壇ノ浦講義は、平家FANにはさほど目新しい情報ではありません。お年寄り向け?? 連載コラムは相変わらずつまらないです。ここは飛ばしましょう。その後の門司港レトロのPRページのほうが面白い。


エントリー№2●むしろタッキー特集「TVガイド」
オススメ度★★★☆☆
【データ】
表1スチル:滝沢私服
特集タイトル:「流れ…」
ボリューム:カラー5P
インタビュー:有(滝沢秀明)
備考:時間軸に沿った壇ノ浦合戦あらすじ紹介あり。
【講評】
■2部構成です。
 前半3P…「壇ノ浦合戦のあらすじ+主要人物の動き」
 後半2P…タッキーへのインタビュー

典型的な記事構成と言えます。壇ノ浦合戦の説明は3Pですが、最初が「壇ノ浦ってドコ?」から始まり、その後時間軸と主要人物の動きで合戦の経過を見せるという、わかりやすい構成です。難点は、「重要な記事が目に入りづらいレイアウト」くらいかな。まぁ、興味があれば全部見るからいいのかな。
■対象者はおそらくタッキーFAN。インタビューのまとめ方も、「ステラ」の「義経はここをひとつの山場にして、これからどんどん面白くなりますよー」的ノリではなく、「この戦いにこういう思いを込めました。僕なりの義経を応援してください。」ってな収束の仕方。
なるほどなー、対象者が違うとこう記事が変わるのか…と、非常に興味深いです。
義経を演じることでタッキーがどう成長しているのか。そのあたりに興味がある方にはオススメじゃないでしょうか。表1のタッキーがもろ肌脱ぎでお迎えしてくれます。


エントリー№3●メイキング壇ノ浦「TVnavi」
オススメ度★★★★★
【データ】
表1スチル:成宮なんとかという人。私はかつてこの人の苗字だけ見て皇族なのかと思った。
特集タイトル:壇ノ浦決戦!-源平、その栄華と無常-
ボリューム:カラー8P
インタビュー:有
(黛りんたろう/滝沢秀明/阿部寛/後藤真希/小泉孝太郎/南原清隆/うじきつよし)
備考:衣装考証&美術統括担当者へのインタビューと、衣装・船舶づくり紹介記事あり。
【講評】
■これは良い。本命の「ステラ」を軽く超えてます。大河「義経」FANは買い!ですよー!!
コンセプトが「メイキング秘話・こぼれ話」に徹しているので、義経観たことなかったら面白くもなんともないのかもしれませんが、インタビュー記事は面白いです。
 ・義経…猛暑の中での苦労・今後の展開への布石をどう演じたか
 ・黛氏…演出意図・工夫したシーン
 ・知盛…殺陣へのこだわり
 ・能子…船酔い話・初時代劇の振り返り
 ・資盛…最期の見所PR・他の平家メンバーについて
 ・三郎&次郎…乗馬の苦労・壇ノ浦ロケの苦労・今後への展開

これ、記事をまとめてるライターさんの取材の仕方が上手だなと思います。それぞれ話題をウマくバラけさせてて面白いし、それぞれの意気込みがうかがえて好感が持てる。(強いて言えば、知盛がわりと平凡な話だったかな~)。やるな扶桑社。
奥州編のラスト、義経主従が馬で草原を駆けるシーンの話が面白かった。
だだーって駆けて、気がついたら佐藤弟が馬の上にいなかった、って(笑)。



エントリー№4●不精講座の間違いか「TVBros.」
オススメ度★★☆☆☆
【データ】
表1スチル:甲殻機動隊の主役の女の人と、バトー(こっちは名前知ってる!)。
特集タイトル:女の子のための源平武将講座
ボリューム:モノクロ6P
インタビュー:有(鶴見辰吾/細川茂樹/賀集利樹)
備考:どうでもいい脱線記事多し。
【講評】
■まず、看板に偽りあり。表1には「義経&源平武将講座」としかなかったんですよ。で、開いたら「女の子のための・・・」って、なんだよこれはJAROに訴えるぞ!
■「大河ドラマ義経」とサブタイトルに入ってましたが、義経の記事は上記3名のインタビューくらいです。あとは、「アナタにピッタリな恋愛相手はどのタイプ?」とか、女子向け源平ゲーム「遙かなる時空の中で3」の紹介記事とか、とにかくいっぱい載せた源平人物紹介とか。
「女性向け雑誌をイメージ」したというコンセプトらしいのですが、ライターのライティング力が演出に追いついてないのか、担当者が途中で演出に飽きて放り出したのか何なのか、滑り気味。
■そもそもこの特集、訴求が立ってない。読後感は、
 「これ、大河特集って言っていいのか?」
 「っつーか、壇ノ浦放映前にこの記事である理由って何?」

これにつきます。インタビューの3名のラインナップ見てもわかりますよね。3名中2名が壇ノ浦関係ねーじゃん!
■しかし良かった探し(@ポリアンナ物語)。重衡&宗盛&維盛のインタビューが読めるのはココだけ! まぁ、インタビュアーの質問が「何を今更そんなこと聞くのか」みたいな内容ですが、しかしなかなか読めない面子なので、良かったです。宗盛の記事は、鶴見さんの、宗盛への愛情感じますよ。重衡のインタビューは散漫でイマイチ。処刑時点でのインタビューに期待します!
あと笑ったのは、遙か3の維盛(※ゲームでは「惟盛」)のキャプション。

「手段を選ばないナルシスト。髪が名古屋巻きなのもその姿勢の表れ。」

1週間分は笑いました。ありがとう! ★はコレと宗盛の分!!
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by mmkoron | 2005-09-02 23:13 | 大河ドラマ「義経」

    

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