源平観戦日記


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あなたバトン●回答

鷹羽さと様からバトンをいただいたので、書きます。


●好きな歌手ベスト5。
松任谷由実(4月もツアーの席取れたーよかったぁー^^)
くるり(上京者にありがちな「『東京』を聴いてハマった」組です。)
PERSONZ(歌詞はベタベタだけど、ひたすらポジティヴなので、元気出る…)
THE BOOM(声! 声! 声がすきだー。)
クラムボン(なごむ。でもよくよく聴くとキビシイことも言ってるのが面白い。)



●好きな歌ベスト5。

松任谷由実「スラバヤ通りの妹へ」(泣ける。「シャングリラ1」で歌ってくれたのが嬉しかった…。)
薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」(薬師丸ひろ子の歌声がやさしくて好き。この人がうたう歌って、かなりの確率で歌詞が寡黙というか、ぽつぽつ語る感じがいい。)
海援隊「そんぐふぉあゆう」(すげー名曲なんだけど、誰も知らなくてかなしい。)
BIRD「二代目はクリスチャンのテーマ」(しかし角川映画の主題集にも入ってない…すごく好きな映画なのですが。)
クラムボン「バイタルサイン」(上昇感がある曲で、好きです。出だしも好きです、インパクトある。)


●好きな漫画ベスト5。
苅部誠『地獄戦士魔王』(斜に構えたところのない直球ギャグで、ものすごく好きだった!)
小山ゆう『お~い竜馬!』(お栄姉さんのあたりと、マーガレットのくだりが泣けた…)
木原敏江『雪紅皇子』(余談ですが、『青頭巾』に重衡がいるのを先日発見。アシさんが描いてた…しょぼん。)
松田洋子『秘密の花園結社リスペクター』(「消費税取るのかよ!何消費した?私の心以外に!」が一時期会社の同期の間で流行語になってました。)
細川智栄子『伯爵令嬢』(私の中で「この作品以上の完成度の漫画は見たことない」漫画。恋愛すったもんだ、主人公のサクセスストーリー、宝探し(って、探してるのは子どもだけど)、陰謀、全部無理なく入ってるところに感動。ちなみに私はリシャール派っす。ダンゼン!)


●好きなことベスト5
・仕事(会議以外)
・漫画を描く(ネーム以外。イラストは描くのすごくしんどいので、あくまでも漫画。)
・長電話(仕事以外)
・昼寝(しかし昼寝であっても布団敷くのがまみころ流儀)
・旅行(旅行でガンガンお金つかうのが、貯金が貯まらない理由だと自分でも思う)


●まわす人
ごめんなさい、ここでゴールです。
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by mmkoron | 2006-03-26 23:27 | 余談あれこれ


雅楽への招待

東儀俊美 監修/林陽一 撮影/小学館/1700円/1999年発行

■タイトルどおり、雅楽の本です。監修者の先生は宮内庁式部職学部の元主席楽長。11歳のときに貞明皇后の前で「陵王」を舞われたそうです。なんだか生きた歴史ってカンジ……す、すごい。
■内容としては、楽器や舞台の説明、「陵王」「青海波」などなど代表的作品の紹介、現在雅楽を鑑賞したり習うことができる場所の紹介、雅楽の歴史についての解説、楽器や衣装などのプロへのインタビュー記事などですが、とにかく写真が満載。見てるだけでも華やかでしーあーわーせーな気持ちになります。
■しかし。まみころの真のおすすめはそういった紹介記事ではなく、著者の東儀先生が雅楽について語ってるインタビュー部分。
昔の貴族たちが、どう雅楽を楽しんでいたのか。そのあたりについて語っておられる部分は、非常に目からウロコです。

「貴族たちは、別に部活動みたく練習してるわけでもないだろうに、ぶっつけ本番で舞ったり演奏したりして、音合わせは大丈夫だったのか?」

という私の疑問は、ウロコと共に流れ落ちました。
なるほど、「音や動きが合ってないと巧くない」そういう風に考えてしまう私の音楽への価値基準自体が、既に西洋音楽に浸かった発想なのですね…。
パラダイムの罠にはまってたのかも私。西洋音楽の「巧い」だって、本来はもっと違うニュアンスだったのかもしれないし。
■あの時代の人たちにとっての「素晴らしい演奏」というのは、もっと抽象的で精神的なものだった…というこの本で語られたことを心にとめて、ぜひ一度雅楽の生演奏を聴いてみたいと思いました。維盛の舞とか、経正の琵琶も、そう思ってイメージしたら、今まで想像してたのとはまた違う「うまい」のイメージが浮かびそう。
宮内庁の演奏会って6月末受付開始でしたっけ? 今年のにハガキ出してみようかなぁ。
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by mmkoron | 2006-03-20 22:38 | 書籍


指定バトン

鷹羽さと様からいただいた、「指定バトン」です。
テーマを指定したうえで、自分の周りのポジションにいてほしい人を答えてく…というもののようです。
ありえない妄想全開なので、笑いながら読み流してください。いやほんと。

1.家族にするなら
清盛。寄らば大樹のかげ。

2.友達にするなら
白河殿こと盛子。「友だち」がいたら、彼女はもっと長生きできたかもしれないと思う。

3.親友にするなら
重衡。気ぃ遣いらしいし。
しかし親友になると、捕虜になったあとに
「この手紙を●●の女房に届けてほしいんだけど」
「●△ちゃんに会いたいんだけど、セッティングしてくれない?」
とか頼まれてしまうのでしょうか…。

4.彼氏にするなら
源氏でも平家でもありませんが、
九条兼実みたいなタイプの人に非常に弱いです。もうこれは理屈じゃなく、習性。
しかし、絶対楽しくなさそうなので、
出会わないように避けて通って生きて行きたいです。

5.愛人にするなら
愛人に「する」…。「なる」、じゃなくて、「する」。カッコいい…!
えっと、うちのマンションで飼うなら(問題発言)、維盛! ダンゼン維盛!!
たまーに料理作って待ってたりしてくれたら、
あとは一日中謡ってても楽器しててもFF12やっててもかまいません。
彼に良い楽器良いお洋服(和服か)を買ってあげるために、
毎日馬車馬のように働きますよ私は…。
しかし同じネガでも清経になると、目を離せなくなりそうで、怖い。

6.結婚するなら
いやもうどなたでも…(笑)。
易きに流れがちな宗盛とか
そういうタイプの人を一生叱咤激励して生きていけたら、毎日やりがいあるかも。
宗盛は、副将が生まれた直後のエピソードからも、
奥さんを大切にするタイプだと思うし。

7.次に回す人へ指定付で5人以上
ごめんなさい、ここで終了です。
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by mmkoron | 2006-03-19 04:51 | 余談あれこれ


サイト管理人バトン

お友だちのりかこさんがまわしてくれました。ありがとうー!

1)取り扱いジャンルと傾向
平家物語
ストーリーや人物の紹介がメインで、パロディ漫画を少々。
正確な内容がわかるという調べモノサイトとして充実させるのは
私がこの道の専門家でない以上無理なので、
「このシーン見てみたいな」「この人カッコいいな」
「この本読んでみたいな」つまるところ
テキストを読む、もしくは
テキストに書かれていることから興味が広がっていく
「きっかけ」のサイトになればいいなと思ってます。
私自身にとっても。



2)それぞれのジャンルで好きなキャラクター
平重衡
知盛も義経も維盛も、このあたりの年代の人って、
私が今まさに同じ位の年齢なんですよ。
(ちょっと上になっちゃったけどね…)
この年齢で、ちょうど自分のやりたいことを具現化できる年齢で、
「どう考えてももう死ぬしかない」わけですよね。
そこに立ったらどういう気持ちなんだろう、って考えてしまいます。
そのときの受け止め方をみたときに、重衡のことがすごく好きになるのです。



3)作品を作る時に思うこと
紹介漫画を作るときの心意気としては、「細かいところも食べのこさない」。
「あれ?このときこの人何歳なんだろう?」とか
「こういうときってどういう衣装??」とか疑問に思っちゃったら、
自分のなかでイメージができるまでは考えたり調べたりしたい。

あとは、悪者はいないと思って描いてます。
わかればわかるほど悪い人間…って、そんなにいないと思うんです。
たいていの場合は、その人の背景を知らないから、
「悪い人!」って思える。
私は平家物語を自分が「わかり」たくて紹介漫画を描いてるので、
悪者はいないという気持ちで描いてます。
悪者がいるとすれば、それは手抜きして生きてる人だと
私は思うんだけど、
でも、あの時代って手抜きじゃ生きていけなさそうだし。



4)HPにおける目標や野望
各話紹介の完結です、やはり。
何年後になるかわかりませんが、
これを自分のプライベートな「しごと」にするつもりで
このサイトを始めました。

最後までいったら、本にするんだ!って思ってます。
知り合いのデザイナーさんに表紙お願いして、
この本なら親にもあげられるから1冊あげて…など
夢(妄想)は膨らみます(^^;



5)バトンを渡す5名
友だちには大抵まわってるので…
みやえもんさん、もし見てたらよろしくですー!
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by mmkoron | 2006-03-05 22:04 | 余談あれこれ


村上元三短編館3 「五色庵」

村上元三 著/毎日新聞社/1631円/1995年発行

■1910年生まれの重鎮・村上氏の短編集なのですが、この中に平家物語に関連する作品が2本入ってます。「重衡と仁通」「吉水院の下部」の2本です。

【重衡と仁通】
■仁通ってどちらさま?と申しますと、興福寺の僧侶として登場します。
ここでもうおわかりかと思います。つまり、興福寺を焼かれた僧侶の復讐譚です。
ひじょーに短いので、あっさり終わります。
まず、室山の合戦で重衡が行家に勝ったあと、彼はひょっこり重衡の前に現れ、襲いかかろうとしますが取り押さえられます。重衡の意向で命をとられることは免れ、そのまま追放。
次に彼が重衡の前に現れるのは、鎌倉。千手と重衡がともにいるところに、現れます。いよいよ仇を討つ好機になったわけですが、そこで仁通は……うーん、おそらく予想通りの展開だと思います。
■展開には不満はないのですが、なんか、あまりに感情表現があっさりしてて、仁通にガッツが足りないっつーかおいおいあんた何年もうらんでたんじゃないのかとツッコミたくなってしまいます。
千手の3行程度の説得(しかも、あまりひねりのない内容)で引き下がっちゃだめだよ…!
私が大好きな山本周五郎も仇討ち小説書いてるんですけど、その小説や、あとは菊池寛「恩讐の彼方に」とかと比べると、ずーんと来るものがない、あらすじだけのお話って印象でした。
この方は長編のほうが面白い作家なんだと思います。


【吉水院の下部】
■珍しい、佐藤兄弟絡みの物語でした。
主人公の父親は平泉で佐藤家に仕えていたが、金を盗んで(だったと思う)出奔。しかし佐藤家の主は残された家族を責めることなく、却ってこまやかに気遣ってくれたのでした。
長じた主人公は、その後紆余曲折を経て吉野山へ流れ着き、吉水院で下働きをしていましたが、佐藤家への恩はずっと忘れてはいませんでした。
そこへ、京都から逃れてきた義経一行がやって来るのです…。
■こちらもあっさりしてます。主人公がもっと吉野での騒動に絡んで動かしてくれたほうが面白かったと思っちゃったのですが…そうするとベタベタになるのかな。
しかし、主人公の忠義の対象が佐藤弟だってのは面白い切り口でした。
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by mmkoron | 2006-03-05 18:30 | 書籍


君の名残を

浅倉卓弥 著/宝島社文庫/上下巻・各780円/2006年1月発行(文庫版)

■歴史を題材にした小説には、ダイムトラベル物と種別されるものがありまして、有名な時代は大抵題材にされてます。
源平も、私が知ってる範囲だけでも、本やら漫画やらゲームやら果てはラジオドラマも含め、4作品くらいあります。この作品も、いわゆる「タイムトラベルもの」です。
「戦国自衛隊」と「平家物語」と「十二国記」を足したような印象です。

■主人公は剣道部のライバル・武蔵と友恵(友恵のほうがちょっと強い)。
それと、友恵の友だちの弟・志郎も、出番は少ないけど物語に大きく関わります。
3人の名前を声に出して読んでみると、わかりやすいっす。志郎はちょいとわかりにくいですが、永井路子作品を読んでる方ならピンとくるのではないでしょうか。
この3人が、稲光とともに姿を忽然と消し、同じ時代の別々の場所に落ち、そこで生き抜くことを始めます。
ひとりは山中から流れ流れて五条大橋、ひとりは木曾の山中、ひとりは鎌倉に。
彼らは「自分が今、何の役割を歴史から割り振られているか」を漠然と感じ、それに抗ったり敢えて身を投じたりを繰り返します。そして彼らを歴史の中に配し、導く、“生きながらにして死んでいる”という謎の僧侶。

■こういうタイムトラベルものが生まれてくる動機というのはいくつかあると思うのですが、私が今思いつくのはこのあたりです。

1)歴史のフローチャートで、「別のを選んだらどうなったかな?」をやってみる悪戯心。
2)現代の感覚を持つ人間を物語に投入することで、読者が感情移入しやすいようにする。
3)「結末を知っていたとしたら、人は生にどう向き合うか」というテーマの具現化。


昨今の小説や映画では、1)は主流から外れてきてますね。
わりと、歴史の浄化作用を尊重する…というか、高度成長期を抜けて人間が丸くなってきたというか、「人間は何でも変えられる!」根性論から「どうしても変えられないものがある」になってきてる気がします。
この作品もそうでして、おそらくこの題材を選んだのは3)の要素が大きいのかな?と想像。
『四日間の奇蹟』の作者の作品ですしね。
■武蔵も友恵も運命への立ち向かい方を自分の中で導き出し、これが自分の道だったんだと自分で納得できる結果を迎えます。
そしてひとりひとりの悲壮な意思を、残酷に、でもやさしく包み込み掬い上げる「運命」という存在。
■面白いのは武蔵と友恵の「選び方」の違い。
友恵はわりと歴史の自分の中に取り込んでいってて、意識の中で「今このとき」が占めるウェイトを高くしてる印象ですが、武蔵のほうは何かというとフッと「あのころ」に引っ張られるという状態です。私、この武蔵のそういうところはちょっと減点対象だったなぁ。別に小説としてよくないという意味ではなく、単に好みのタイプじゃないという意味だけで。
大昔に会社の人と「女は別れた男とよりを戻す確率なんてないって思うけど、男は別れた女とよりをもどすのをひとつのドラマと考えてる」みたいな話をしたのを思い出しました。
みんながみんなそういうわけじゃないと思うんだけど、精神構造の違いってあるかもなぁ。と。

■結末はここでは書かず、主人公達以外の平家物語の人々について書きます。
おそらく小説が一番魅力的に書こうとした「歴史上の人物」は義仲なのかな?と思います。
事実義仲はさわやかで飾らない優しさがあって非常に好い男なのですが、私はこの小説の義経が非常に好きです。万事さらっとしてて、情はたしかにあるのに表面に出てこない人。
あまり表面的には見せてないけど、弁慶(=武蔵)に懐いてるんですよね。そこが可愛い。
平家側はあんまり重視してもらえてない雰囲気。清盛は良かったけど、知盛とかはああっもうちょっと掘り下げてほしかったよー!という気持ちがあります。平家好きとしては。

■さて。あとこの小説で特筆すべきは、作者の源平時代に対する見解です。
前述のとおり、私は作者がタイムトラベルを題材としたのは「結果がわかってたら、人は生にどう向き合うか」をテーマとしてるからではないかと書きましたが、だったとしても、別に現代に生きていた3人を、あの人物に置き換える必要はないんですよ。
義仲や義経たちに関わった、オリジナルの人物を設定してもいいわけです。愛妾とか側近とか。それをしなかったのは、この作者は「あの時代のあの大きなうねりは、外側から飛び込んできた人間でないと生み出せないものだ」と考えてるからではないでしょうか。
■そう考えちゃいますとね、源平を愛しちゃってる私とかは「違う違う、あのひとたちが、あの時代のハンデのなかで、命ごとの体当たりでつくりだした流れなんだ」と言いたくなっちゃうのです。
タイムトラベルものって、本来、異邦人たる人物たちのほうに感情移入すべきものなんだけど、元がこの時代大好きだから、むしろ時代の中にいる人たちのほうに感情移入してしまうんですよね。
というわけで、起伏があって面白い物語なのですが、源平の人物に思い入れ過多な場合は、あまり前のめりにならずに読んだほうが楽しめると思いますです。
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by mmkoron | 2006-03-04 23:50 | 書籍


平維盛/平維盛異文

永井荷風 著/永井荷風作品集 第7巻 所収/創元社/1951年発行(明治42年発表)

■戯曲です。えらく短いです。あらすじを書きます。

===================================
一の谷合戦後の屋島。通盛討死の報を受けた小宰相は、自らの死を願って浜辺に
さまよい出て、乳母はそれを必死に説得しています。
おっとそこへ人の影。維盛主従です。妻子に別れを告げてから高野山にのぼろう。
さよなら平家のひとびと…と船出する維盛たち。すると、向こうのほうの崖から身を
おどらせる人影が。ああきっと絶望した女人が、だれか身を投げたのだ…と思いながら
主従の船は沖へ沖へ。浦にはひとり乳母の嘆きの叫びが残るばかり。
===================================

…以上! 
上映時間は何分なんでしょう。15分くらい?
アメリカフランスから帰国後の、荷風の野心作だったらしいのですが、おもくそコケたそうです。まぁたしかに…私には戯曲の巧拙はわかりませんが、これを読んでズッコケたのは確か。
私、永井荷風っていうと「腕くらべ」のイメージがものすごくインパクトのこってて、どんなエロ維盛が出てくるかとハラハラしましたが、ぜんぜんでした。よかったようながっかりしたような。
■「異文」のほうも、基本的には同じ筋です。維盛のセリフに修飾が多くなり、美文度が上がってますが。
あと、もう1点重要な要素。小宰相(と維盛たちはわかってはいないんだけど)の身投げを見た維盛のセリフが加わってます。
可哀想だと思っても、もう船は遠いからどうしてやることもできない。でも、どうしてやることもできないことが、お互いのために却ってよかったのだ。……ってな内容のことを言うんですよ。
思わずユーミンの「ツバメのように」が頭をよぎりました。

どんな言葉に託そうと、淋しさは いつも、いつも、いつも ひとの痛みなの

つかのま彼女はツバメになった~♪です。まさに小宰相もツバメになったわけでして。
■あのひとの絶望の深さを、誰も救ってやることはできない。私の絶望だってそうだ。…維盛はそういう気持ちなんでしょうね。共鳴してるというか。
最後がこんなオチで恐縮ですが、私は維盛と小宰相がカップルじゃなくて良かったと思ったのでした。超ネガネガカップル誕生になる予感。

■この本は大きめの図書館に行けばたいてい読めると思います。購入は古書店じゃないと無理かもしれません。
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by mmkoron | 2006-03-02 22:54 | 書籍


史外史伝 小宰相局

山田美妙 著/山田美妙歴史小説復刻選 第7巻 所収/本の友社

■こちらは小宰相の物語。重衡は1冊まるっと重衡づくしの中編でしたが、こちらは60P程度の短編。
■上西門院のお気に入り・小宰相は、門院のもとへ出入りする平家の公達・通盛のことが気になっています。お花見の宴にお供する予定でしたが、いつも一方的に見つめている通盛と顔を合わせるようなことになったらどうしよう、と仮病で欠席するつもり。
おつきの女房に眉をきれいに整えてもらった3月6日。
安倍清明の占い本を開いてみると、正月16日の欄には「衣装を裁たば禍あり。眉を作らば人に恋はる。」の文字。ドキッとして、きゃー3月6日にこんなことが書いてあったらどうしよう、と震える手で巻物を進めたら…
「三月六日。事を改めて幸い有り。眉を作らば人に恋はる。」

人に恋はるキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!

↑小宰相の気持ちを2ちゃんねる風に表現してみました。
そんなわけで、彼女は速攻前言を撤回し、お花見に出席するのです。
■まるで少女漫画のような出だし。山田美妙先生ってば乙女の才能ありますよ!
この時点では通盛はお役目大事な人で、門院のところにはせっせと出仕してるけど小宰相の顔は見たことない…って状態なのです。でも、お花見で一目ぼれ。そこから先は「平家物語」でもおなじみの猛烈手紙アタックです。
平家物語では、小宰相が何を思って手紙を無視してたかはわからないのですが、こっちの場合は小宰相は通盛に恋してるわけですから、単にどう返していいのか戸惑って気恥ずかしくて放置しちゃってた…という形ですね。
この小説の通盛は無骨一辺倒な雰囲気。なるほどなーこういうイメージもアリですね。
■紆余曲折を経て二人はついに相思相愛になるのですが、でも、次のシーンではいきなり屋島の海上。通盛の討死の報告を小宰相が受ける場面です。
この小説では、小宰相には子どもがなく、かわりに正妻(宗盛の娘。この小説では紹子と呼ばれてます。)に子どもがいるという設定です。
で、小宰相は、例の眉を整えてくれたおつきの女房に、静かに訴えるのです。

私は、人間はみな誰か自分以外の人のために生きるのが道なんだと思う、男なら国のため主のため一族のため。子は親のため、親は子のため。でも私はひとりになってしまった。もう誰のために生きるのかわからない。

そして、月の光を浴びつつにっこり微笑んだかとおもうと、身を翻し、波間に身を投げ…
■私もそうだったらドラマチックだなと思ってたので、嬉しかったのは、そのときに小宰相引き揚げの陣頭指揮を執り、引き揚げられた彼女に脈がないのを確認したのが、維盛だったこと。
この小宰相の絶望を理解しようとしてあげられる人…と思うときに、維盛ってかなりいい線いってると思うんですよね。

「可哀想ぢやと今他(ひと)と言ふ己等もいつか既(と)う頓(やが)ての内には同じ様に言はれるわ。泣くのは他(ひと)に泣くので無い。皆己れにと泣くのぢやわい。」と、美しい顔に凄い笑み。

まさに維盛は自分の運命を見てるんでしょうね。さて、このモチーフは後述の永井荷風「平維盛」にも出てきます。その話はのちほど。
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by mmkoron | 2006-03-02 22:33 | 書籍


史外史伝 平重衡

山田美妙 著/山田美妙歴史小説復刻選 第6巻 所収/本の友社

■山田美妙は平家に関連した人物の小説をいろいろ残しているのですが、先日、重衡の小説があることを知りまして、ウキウキと図書館へ行きました。
最初、この本も近場で見つけようと思ったのですが、東京都立の図書館にも神奈川県立の図書館にもなかったので、結局国会図書館へ。
国会図書館、いつの間にあんなに電子化されていたんですか! 出庫依頼も複写依頼も全部PC経由なんですね。おどろいた! 5・6年前は紙で申請してたのに。

■物語は、やはり!といったカンジでして、一の谷逃走シーンから始まります。
自分の馬を射られた重衡が守長(後藤盛長のことっすね)に向かって「己にその馬を!」と叫んだときは、うわっ、その馬よこせって言ってるよどうしようこの重衡ジャイアンだよ…と開始後5P目にして既に暗澹たる思いになりました。
でも、そのあとの重衡の人物像は非常にチャーミング。この重衡、好きだ。
源氏側の慇懃無礼を皮肉に茶化したりするんですけど、冷たいカンジじゃないんですよ。で、たまーにキツく言い返しちゃったりするんですけど、そういうときは自分を恥じてちょっと反省してるの。愛らしいぞ28才男子!
■物語はだいたいこんなカンジです。

場面1 虜囚直後。土肥実平とのやり取りと、内裏女房こと中納言局との再会
場面2 鎌倉へ。頼朝との対面と、千手・柳葉(だっけ?名前忘れた…)・伊王との交流
場面3 奈良へ。大納言典侍との再会。処刑。

…全編女がらみかよ。
平家の男性陣はほとんど出てきません。知盛が全然出てこなくて、重衡の思い出話には重盛にどこそこに連れてってもらったとか、重盛がこう言ってたとか重盛がらみが出てくるくらいでした。

■まず場面1。
内裏女房=中納言局=髑髏の尼 で同一人物として扱われてます。髑髏の尼ってのは、平家公達の子どもを生んだ女性で、でも子どもが殺されちゃって、その子の首を自分の袖に入れてずっと離さなかった…っていう、ちょっとサロメ入ってる(自分で斬ったわけじゃないけど)女性です。源平盛衰記とかで出てきてる人ですが、あれ、私この人って経正の奥さんだと思ってた。
重衡の隠し妻っていう説もあるのかな。
おっといけない脱線しました。
この中納言局が重衡に会いに来て、でも重衡は彼女が車から外に出ることを許さず、二人は車の御簾ごしに、ただ手だけぎゅっと握ってさよならをするのです。
彼女の膝には、重衡の子・三世丸がいて、重衡は我が子にも別れを告げます。
この我が子との対面で、それまで「さっさと死ぬ」ことばかり考えてた重衡に、すこし「受け止める」余裕が出てきます。
そうそう。このあとに法然とも対面してます。
重衡の懺悔(というほど悔いてもいないんだけど)に対して、「それは仏罰ではない、運命だ」と言ってるシーンが印象的。
■場面2は、「清盛公には恩があったが、世の中のためにこういう仕儀と相成った」ってな態度で出てくる頼朝に対して、「恩とは一体どんな恩なのやら。まぁ恩と言いたいならそれでも良いが。」ってリアクションをする重衡が清清しい。頼朝がかなり慇懃な人に描かれてます。
で、頼朝からの美女プレゼント攻撃に耐え抜く重衡が、この場面2の中心です(笑)。
意外や意外、3人だか4人だかの美女が出てくるんですけど、千手に対してが一番そっけない。この物語で重衡が危うく落とされかけるのが「伊王」という女性。
肩揉ませたり、手に触れたりまで行くんですけど、結局鉄の自制心発動。
ここでの伊王に言ったセリフが面白い。
「もうすぐ死ぬから」とか「出家したいから」じゃなくて、自分に操を立ててくれてる中納言局と大納言典侍へ、自分も男の操を立ててるんだって。すでに相手が二人いる時点で操もへったくれもないのでは…。
何度も何度も「そんなことを言われてもお前も困るだろうが」って重衡自身が言ってますが、伊王もドン引きだよなぁ。そんなこと目の前で言われても。。。
…それにしても、この小説の重衡って、手フェチ?
■場面3は、大納言典侍との最期の対面シーン。平家物語とそんなに違わない印象です。違いは、大納言典侍と姉の大夫三位の姉妹愛がおっとり描かれてるところかな。
中納言局に対して御簾ごしだったのに、こっちはもうべったりです。そこは本妻・側室への彼なりの筋の通しかたなんだろうか(^^;
で、処刑シーンです。お堂を巡りながら念仏を唱えるから「適当なときを見計らって勝手に首を斬れ」って言って、ほんとにその方法で処刑されてます。
首の無いからだが仰向けに濡れ縁から転がって、そこへ駆けつけて抱き取った郎党が、高らかに掲げられた主君の首を見上げる。
簡潔なんだけど、このシーンにはグッときました。

■とまぁそんな展開なんですけど、特筆すべきは、ちらちら出てくる義経。
明治41年に新聞に連載された小説なんですけどね、でも、義経の人物像はかなり脱・判官贔屓してます。
重衡が出家したいって言い出したときの反応がふるってます。
「どこで出家するつもりなんだろう? 興福寺だったらすごいよね。興福寺もビックリだろうね。」ってなセリフいうんですよ。この義経はシニカルっつーか、かなりトんでる人だわー!
で、土肥に「そこまで想像外なことはしないだろう」って返されて、
「人と同じことをやるのは意味がない。人と違うことをやるから偉いのだ。」ってさらっと言ってるのです。つまり、この小説の義経はそういう人物なのです。人と違うことをやろうとする。裏をかくのが好きなのです。
あと、人の考えてることを当てるのが好きらしく、「ちょっと待って、まだ言わないで、今、考えてることを当てるから」ってなことを言い出したりもします。
私にとっては新鮮な義経像でした。なんだろう、ある意味において義経を天才として認めてるからこその描写だなーと。
■で、そんな義経と、この小説の重衡とは相性が悪いらしく、重衡は「義経は基本的に冷たい人間だ」ってなことを言ってました。まぁこの小説の重衡とは合わないだろうなー。
入手困難な作品だと思うので、長々と書きましたが、重衡好きにはオススメです。古い作品なので、重衡の葛藤を深く描いてるとは思いませんが、でも、重衡らしさは十分出てると思いますよ。
鎌倉で、ずっと優雅にしゃべってたのに、最後に“御託を並べずにさっさと殺すがよい、男らしく!”と言い放つところとか、闊達な貴公子っぽくて好き。
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by mmkoron | 2006-03-02 22:06 | 書籍

    

源平関連の本・ドラマなどの感想文あれこれ
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きよもりよりもよき
まみころの平家物語サイト。
あらすじ紹介漫画とか人物紹介など。



まみころのブクログ
源平関連以外の読書日記はここに。読む本にあまり偏りはないと思ってたけど、こうして見るとすごく偏ってる。
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