源平観戦日記


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新訂 官職要解

和田英松著/講談社学術文庫/1350円/1983年初版発行(文庫版)

■私が通っている歯医者さんは予約したはずの時間からえらく待たせるので(30分以上待つの普通なんですかね…しかもベッドに寝転んだあともまた30分とか待つの…もうやだ…T_T)、その間に本でも読もうと思って購入しました。
上代、中古~中世、近世の官制について説明している本で、職掌の説明→役職の説明が基本の構成です。書き方が「一覧」っぽい紋切り型ではなく、語り調なので、調べ物本としてでなく読書しても面白いです。もちろん、調べ物にも活躍すると思いますよ。索引ついてるし!
ここでは上代・近世の話は置いておいて、中古の内容をご紹介します。
■いやー、私、こういうのって全然知識なくって、なんとなく想像して描いてただけだったので、官職同士の違いとか、当時の人のその職へのイメージとかを、文献を根拠に説明されていると、すごくためになります。
大納言と中納言の話とか、面白いです。
もともとは大納言の定員は4人で、それを2人に減員したんだそうです。その影響で元々は無かった「中納言」っていう役職をつくったらしいのですが、宇多天皇の時期あたりから「権大納言」の数がポコポコ増えて、結局「中納言~大納言」にあたる人が18人とかになったんだそうで。
権大納言作ったときに中納言を廃しちゃえばよかったのに、うっかりそのままにしたから、管理職だらけになっちゃったわけですね。

うわー、いかにもありそうな話…!!

なんか、こういうのって昔から変わらないんだなー(^^;
■私が持ったイメージは、正四位のラインから上がいわゆる「政治家」ですね。仕事内容の説明を見てると、このへんは要するに、人脈作って話を聞いて会議して決定するのが仕事なんだなーと。うんうん、だからパーティー三昧なんだ(笑)。
そう思うと、大納言だ中納言だ参議だとやたら数が増えていったのって、自分の仲間の数を増やして多数派になる作戦だったのかなーと思います。
一方、その下は、わりと「公務員」に近い気がします。やることがわりと具体的に明確に決まってます。「庶務」にあたる部署がやたら多い印象はありますが。
その後は、六位のラインでキッパリ俸禄が違います。源氏物語で夕霧のスタート地点が六位だったかと思うのですが、確かにこれはガッカリかもなぁ。
最盛期の平家子息たちの多くが五位以上スタートだったのも納得。
■そんなわけで、文官の四位以上は、正直「パーティーと会議するのが仕事」状態のようなので、みんなが具体的に「やること」がある武官の職を、兼任でほしがったのはわかる気がします。平家物語でも「大将」大人気ですよね。やりがい云々よりも、具体的な権力を持ちたいってのもあるだろうけど。
維盛や重衡たちの「近衛権中将」は内裏の警護なのでSPみたいなもん。清宗の「衛門督」は官公庁街の警護みたいなもんですかね。やっぱり近衛のほうが花形だったそうです。
宗盛もそこは流石に遠慮したんだなぁ(笑)。
頼朝「兵衛佐」の兵衛府はちょうど衛門府の領域と近衛府領域の間にあたるところを警護していたそうで。……えっ、狭っ。
この本で「近衛は内、兵衛は中、衛門は外の警護」と説明されてて、すんなり納得しかけたのですが、いやまて「中」はきっとその両側と仕事かぶってるよ!
近衛府が後でできた部署らしいので、これも「なんだか残っちゃった役職シリーズ」なのかもしれませんね。

■社会人のかたは、自分の知っている職掌や役職に当てはめながらイメージしてくと、結構面白いと思います。やたら「●●補佐」に近しい役職名がバリエーション豊富なのも、なんか今でもそうだよなーと興味深いです。
今でもわけわかんないですよね。課長補佐とサブリーダーとか副課長とか課長代理とかアシスタントマネージャーとか!!
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by mmkoron | 2008-09-22 23:56 | 書籍

    

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