源平観戦日記


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第34話「白河院の伝言」

■ネットのニュースを流し読みしてたら、10月に宇宙刑事ギャバンの映画をやる、ってのを見てうわぁぁなつかしいー!とワクワク。当時私は男ばっかりのイトコたちと暮らしてたんだけど、ギャバンの裏番組がオバケのQ太郎でして。で、最初はチャンネル争いに負けてオバQをお祖母ちゃんの部屋の小さいテレビで見てたんだよね。でも、気がついたらみんなで一緒にギャバン見てた(笑)。

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■お話は前回の続き、屋敷で倒れている清盛を、時子と盛国が看病するシーンから。
病気は「寸白」とのこと。寄生虫ですな。今昔物語集にも「寸白信濃守に任じて解け失する語」(巻28-第39話)なんてのがあるので、わりと彼らにはメジャーな病気だったようです。ちなみに今昔物語の話は、寸白をわずらってた女性が出産して、その息子が出世して信濃の国司にまでなるんだけど、実は彼の正体が…! ってなお話です。読んでるとなぜか寸白のほうに肩入れして「やめて! 彼が何をしたというの!?」みたいな気分になってしまうのが不思議(笑)。
■それはさておき。
一門の皆を集め、お医者さんから「覚悟しとくように」と言われたことを告げる時子。サナダムシとかだと死ぬことはない…って聞いたことがあるように思うのですが、点滴とかで栄養注入できないこの時代だとまた違うのかな。悪い種類に中っちゃったのかもしれないですね。
清盛の看病は、盛国がしてるようです。時子がしろよ!と思うのですが、後の会話で彼らはこの病気が感染するかも…と思ってる風なので、時子は敢えて引き剥がされてるのかもしれません。
「覚悟」の言葉に動揺しまくる一同。教盛が「宋の薬がある!!」と言い出し、みんなでそうだそうだ、手元のが効かないなら兎丸に言って取り寄せよう!!いやでも間に合うのか!?いやいやでも!!…と盛り上がるのですが、騒ぐ一同を時子は叱りつけます。そして重盛に、今はお前が一門を統べるのだと呼びかけるのでした。「かしこまりました」と重い表情で頷く重盛。
重盛は、皆が騒いでいる間もずっとだんまりでした。彼は、考えていることが顔に出ないキャラクターなのですが、ものすごく何かを考えてそうなことだけが伝わるのが、なんか損な性格ですね(o´_`o)
■時子は一門の女性も集めて、訓示をたれます。尼削ぎの女の子がいる…と思ったら、藤原基実未亡人となった盛子ですか! わざわざここで出してくるってことは、10年後の彼女の死も描くってことですかね。
重盛の描写が重いことと合わせて考えると、盛子の死も、清盛ブチ切れ→後白河への攻撃 の要因として描かれるのかな。ううう。

■清盛危篤の知らせで、関係者の間でぶっちゃけトーク大会が開催されます。実際はうなされている清盛と並行で場面が入ってくるのですが、文章にするとめんどいので整理して書きます。

1)伊豆
■ここは本音もなにも、完全にダウナー系になっている頼朝ですから、清盛が死ぬはずなんてない、自分のこの不幸は永遠に続くんだ…と、かつて習得してなかった「自嘲的な笑み」なんて浮かべてます。
■頼朝(ちなみにこのときハタチとかそこら)は完全にエネルギー失ってる様子。八重姫んとこの下男との交流がなくなってお魚が入手できてないんじゃないでしょうか。大根業者時政の野菜だけでは足りないのでしょう。たんぱく質をもっと!脂肪をもっと!!…と、思ってたら今回のラストに貴重なたんぱく質の運び屋が登場してましたね。

2)摂関家Bros.
■相変わらずの安定感です。
清盛没後の身の処し方を相談している武官をたしなめつつも、もう嬉しくってしょうがない気持ちを隠すこともせず満面の笑み。
今こそ国をあるべき姿にすべきだと言い出す基房。なんと、彼は以仁王擁立に加担するつもりらしいのです。以仁王を持ち上げることを八条女院に約束する基房。まだ清盛死んでないのに、当確気分で3人で悪役笑い。以仁王のめっちゃ気合い入ったワル笑みが印象的です。悪役すぎないかこれ。
■盛り上がってる基房・八条女院・以仁王に対して、兼実はちょっとカタい表情。
兼実は清盛が倒れたときに日記に「この人がいなくなると、世の中マズいんちゃう?」ってなことを書いてますし、基房べったりってわけではないのに(のちに基房が失脚したとき、摂関の座が自分にまわってくるかも?ってワクワクしてる)、このドラマではいつも2人セットだなぁ…って思ってたのですが、このへんから徐々に兼実が距離をとりはじめるのかもしれませんね。

3)後白河&滋子&成親&西光
■後白河近臣チームは、ちょうど熊野の途中で、和歌山の田辺のあたりにいました。後白河は背中におできができていて、薬を塗って治療中のようです。
そんな中、清盛が病に倒れたという知らせが。朝廷に清盛という押さえがいないことを危惧し(以仁王たちが気になりますしね)、滋子たちは直ちに都に戻る準備を始めますが、後白河は政局云々よりも清盛が死ぬかもというそのことに衝撃を受けているようです。
■で、すぐに引き返そうとしたのですが、折り悪くの大雨(ちなみに病気になったのは2月とかなので、台風の時期とかではないです。)。途中で待機になってしまって、後白河はかなり焦れて苛立ってます。
それを見て「やれやれ」な表情なのは西光。彼にとっては、清盛は「信西にくっついてた武士風情」でしかなくなってます。敵視だけでなく見下しモード入ってるってことは、頼朝を殺す殺さない云々がなくても、内心「信西の真のパートナー」とは思ってなかったってことでしょうね。
■清盛ごときに大騒ぎして…とムッとする西光に対して、現状認識が甘いと言ってのける成親。世の中はすべてカネで、清盛はそれを持っている。ここで死なれたら、何のために重盛と我が妹を娶わせて姻戚になって擦り寄ったのか意味ないじゃん…と、成親さんここに来て真っ黒モードですよ。
成親がどういうキャラとして描かれてるのか読み取りづらかったけど、コバンザメ処世術の人物なんですね。というか、利益を受けるだけでなく足を引っ張ってくるところは、どちらかというと寸白系かも。重盛が細っていくぅ~!!
ところで、成親の表情を見ながら、いつも何かを思い出すんだよなぁって思ってたんですけど。今日、ギャバンのニュース見て気づいた! 「宇宙刑事シャイダー」の神官ポーだ!!
役者さんが似てるってわけじゃないんだけど、なんか表情(顔の上げ方とか目線とか)が似てるように思うんだよね。ギャバンよりもシャイダーのほうが好きだったんだよな。でもシャイダーは役者さんが亡くなったから復活はないよね。しょんぼり…。

4)盛国
■ある意味これも本音の吐露なのかな。生田(この人も老けないな…)が自分が代わりに看病する、もしあなたまで病気に倒れたら…と心配するのを遮って、自分が看病すると譲りません。清盛に何かあったら、自分も生きてはいないとさえ語る盛国。なんかこう書くとBLっぽいのですが、60と50のじいさん&おっさんなので、盛り上がるには乙女フィルターが何枚か必要ですな。

5)源頼政
■前回、なぜ平家にへつらうんだと責める息子・仲綱をたしなめてましたが、今回は、清盛が死んで一門が動揺することがあったら、そこがチャンスだ…と決意表明。でも、今回は清盛快復しちゃうから、こぶしを振り上げようとしたらスカった感じなんですけどね。そして10年、こぶしの下ろしドコロを待つことになります。

6)常盤
■父上が病気!?とショックを受ける牛若に、「そなたの父は相国様ではない、そなたの父は…」と言いかけも、なかなか言い出せない常盤。清盛が重体のいま、それを言おうとする心理って何なんでしょうね。
■ここで彼女の身になって考えてみるう。このへんの事情を説明するということは、敵の大将に身を任せた自分の行いを説明しなきゃいけないわけで、我が子には言いづらかったというのはあると思います。
ヘタに自己弁護しようとすると、清盛を悪く言わざるをえなくなる。しかし、彼女にとってそれは本意ではないから黙ってた。しかし、このまま清盛が死んで、牛若が「お父さんが死んじゃった!」とショックを受けるのは、取り返しがつかなくなる予感がした。…そんな感じなのかなーと。
■今回のラストで常盤は牛若を寺に預けることを決め、「悲しみとも憎しみとも無縁に生きてほしい」と告げています。自分自身は義朝の妻として生き抜くと清盛に宣言したのに…とも思っちゃいますが、まぁ、生きる戦う覚悟をしたのは子ども達への愛ゆえでしょうから、自分は恥をさらして生きてでも、子どもは穏やかにすごしてほしいってことなんでしょうが。

7)重盛&時子&宗盛&時忠
■清盛の代理をするという初の大任に耐えている重盛。しかし、清盛が倒れ後白河が足止めをくらっている今こそ…と山法師たちが嫌がらせの強訴(笑・ドラマでほんとにそう言ってた)をする動きが。また、氾濫してる鴨川の周辺に暮らす民も心配です。重盛は山法師の動きについて知らせをうけると、片方は弟に任せて手分けしようと思ったのでしょう、宗盛を呼び、鴨川への対応をするよう言いつけます。重盛、気を張ってることもあるんでしょうが、めっちゃ怖い感じですね。この余裕のなさが若さ…といっても、もう30ですけど。
■お兄ちゃんから命令を受けて、急いで出かけようとする宗盛。そこに現れるのは…トラブルメーカー・時忠おじさん!! お前その立場でいいのか?清盛の正妻(=時子)の長男はお前なのに…とじわじわ宗盛をゆさぶります。時忠はこう言ってますが、実際は明子も時子も正妻で、明子が前妻・時子が後妻だという関係ですから、重盛だって正妻の子どもなんですけどね(だから、舞子と宗子の関係とは違う)。ただ、明子は身分が低かったので、こういう言い方なんでしょう。
揺さぶる時忠と動揺する宗盛に割って入るのは時子。なんてこと言うの!2人とも私の子よ!!とばかりに時忠を叱り飛ばしますが、時忠はひるまず、腹を痛めた子のほうが可愛いのは当然じゃないか…と、時子がハラの奥にしまっている気持ちを引っ張り出そうとします。
ここの時忠の表情がいい。どこかちょっと思いつめたような目つきで。どこまでも利己的な男なんだけど、便乗して自分がウマい汁をすする気まんまんなんだけど、姉とその子どもたちを一番重んじられる立場にしたい…っていう気持ちもほんのちょっとあるんだよね(あくまでも、彼の価値観での「姉を幸せにしたい」であって、時子にしてみれば大きなお世話なんだが)。そのほんのちょっとの真心があるから、時子もひるんでしまう。
■姉・弟・甥がぴーちくやっていると、向かい側の館に人の影。重盛です。思わずぎょっとする3人。
重盛は何を考えているのかわからない眼差しで3人を見やると、それまでの会話については何もリアクションせず、ただ、事務的に宗盛に「さっき言ったことをはやくしろ」とだけ言い、屋敷の奥に去って行きます。
ビビりまくる宗盛。そして、時子。
ここで時子が「うちの弟がバカ言ってごめんね! 私にとってはあなただって大切な息子よ!」って笑ってあげられればまだよかったのかもしれないのですが、悲しいかな時子さんは時忠の言葉にほんの少し心を動かされ、そして重盛を見て後ろめたさを感じてしまった。さらに、何もリアクションを返さない重盛を、「怖い」と思ってしまった。……そんな心の動きが読みとれる、すごいいいシーンでした。
■でもさ、重盛ってそんなに怖い人じゃないですよね。以前のシーンでの経子とのやりとりからは、清盛のビジョンを読みとれない自分に苛立ちつつも、理解できなくてもお父さんの志に寄り添いたい、そのために自分にできることをしたい…っていう健気な気持ちが吐露されてました。基盛の快活さ率直さを、羨ましいって内心思ってる姿も見えてました。だから、つらいよね…。
しかも、奥さんの経子はオアシスだけど、そのお兄さんの成親は真っ黒であることが今回判明(涙)。
■この先のストーリーとしては、「一門での孤立感を深めているところを、後白河サイドが接近。後白河「自分をのけ者にして福原で楽しそうなのがムシャクシャしてやった。後悔はしていない。」→ひどい裏切り(=鹿ケ谷)→清盛ブチ切れ処断→絶望のなか神経細って重盛死亡→清盛が重盛死後の後白河にブチ切れ」って展開になりそうだな…って思うんですけど、でも、今までの重盛を知っている視聴者としては、救いのない中で重盛に死んではほしくないー!!

■とまぁ、こんな感じで周辺がそれぞれの思惑をちょびっと見せているころ、清盛はうなされる夢の中で、過去の記憶を旅していました。それこそお母さん・舞子のおなかの中の記憶まで遡って。
■そこで見たのは、「鴨川の水・山法師・賽の目」という思うままにならない「三不如意」に苛立つ白河院の姿。そして、母・舞子が「白拍子という身分でありながら、白河院の子を身ごもる」という大ラッキーな目を出しながらも、陰陽師の報告によって一気に転落する様子。さらに、おなかの子を流せといわれた舞子が一世一代の決意をし、逃亡。忠盛と出会ったのちに、彼と清盛を守るため院に立ち向かい、死んでいった姿でした。
これは清盛が見ていない・覚えていないはずの記憶。しかし、彼の原点です。
今回はある意味の「総集編」ですね。次回から清盛が出家して生まれ変わるために、もう一度最初に立ち返って、彼の進む道を何が決定してきたかを描いている回です。同時に、彼が進む道を阻む人々を描写しているところが、なんともニクいわけですが。

■そんな頃、足止めをくらっていた後白河は、清盛がいなくなることへの懼れをつぶやきます。
清盛が向けてくれる鋭い眼差しによって、自分が居場所を与えられている気がしていた…。とのこと。
今回のぶっちゃけ大会で、一番清盛に好意的なぶっちゃけが、まさか後白河から発せられるとは…!!
この2人の関係は面白いですね。政治的センスはなく、でもプライドと自意識だけは高くて、立場だけを便利に使われることに耐えられない後白河。そんな彼は、自分に面と向かって「お前はほんとにダメだ!」と宣告してくれる清盛を、非常に屈折した胸のうちで気に入ってる。でも、清盛は「めんどくさいので、正直相手にしたくない」って思ってる(笑)。だから、清盛にこっちを向いてほしくて、ちょくちょく悪さをする。
めったにない、彼の内面吐露の場面なんですけど、滋子がさらっと流してるのが笑えた(笑)。
背中のおできがサイコロに似てるねと滋子に指摘され、ハッとします。立ち上がると、大雨の中、輿で都へと突き進む後白河。しかし鴨川が氾濫していて先に進めません。
サイコロ(のおでき)、鴨川、そして動きを見せる山法師。おつきのものたちは彼を押しとどめようとします。
しかし後白河は、輿から出ると、泥と雨の中を自らの足で都へ進むのでした。

■清盛の病床には、乙前がやってきました。
治療のすべもない清盛の隣で、やさしく「遊びをせんとや…」の歌をうたう乙前。
清盛の耳には、人が生きる意味・武士が生きる意味を問いかけ語る舞子の記憶に、乙前の歌声が重なります。対面のためではなく人が生きるために武士の力をふるうと信じ、舞子と清盛を守ろうとした忠盛の姿、その忠盛と清盛を守る為に命を落とした舞子。清盛は、ついにその記憶までたどり着きます。
■舞子の亡骸の前で、「母上ぇぇ!」と号泣する清盛。このシーンはよかった。これはわざわざ吹石さんにもう一回死んでもらう価値のあったシーンだわ。これが、清盛を前に進ませるために流れた、最初の血です。
目の前の母親の死に泣き叫ぶ清盛の前に、白河院。
顔を上げた瞬間に舞子の亡骸がすっと消えるところや、清盛が普段のシーンよりも年齢を意識してない演技になっているところは、いかにも夢の中ってカンジでいいですね。
実の父親である白河院の前で、登りつめるまでに流した多くの血への苦しみを語る清盛。太政大臣をすぐやめた清盛と、院政を選んだ自分が似ているという白河院に、清盛は違うと告げます。
自分を突き動かすのはもののけ(=自分の欲だけを追求した白河院)の血ではない、これまでに流してきた血への決意や責任が自分を突き動かすのだ。それが清盛の答えです。
(ちょっと、『ベルセルク』でグリフィスが「ささげる」って言ったシーン思い出したわ。あれも、流した血への決意ですよね)
中年になった清盛は、自分の思いを胸に収めるタイプに自分を変えましたが、ここは夢の中だからこそ全部吐露できるんですよね。いい仕掛けだなと思います。このシーンがあるなら、今までの回でちょい出しを続ける必要なかったような気もするけど(何度も続いたからちょい言い訳がましく感じてたんだよね)。
■清盛の決意を聞いた白河院は、清盛に賽を投げかけます。これを振って、自分が見た「頂点のその先」を見てみろ、と。それを受けて立つ清盛。
でもさ、ドラマで白河院の最期を見る限り、頂点の先は誰にも訪れる「諸行無常」だったと思うんですけど。
…ああ清盛そのサイコロ振っちゃだめー!って思っちゃう。この白河院は清盛の記憶の中の院だから、また別だとは思いつつも、じたばたしてしまったわ。
■白河院のサイコロを受け取った清盛。目を開けた彼の前にいたのは、泥まみれのずぶぬれで駆けつけた後白河院でした。
ツンデレ全開で「この死にぞこないが!」と悪態をついて帰る後白河。
ふと気づくと、背中にあったサイコロのおできが消えていました。そして、起き上がった清盛の手にはなぜかサイコロ。
清盛は白河院から渡されたサイコロだと思っている。でも、実は、三不如意の中を突っ切ってサイコロを届けたのは後白河なのです。この2人の腐れ縁はまだまだ続きそうです。

■無事に快復した清盛。重盛に、病気の間の状況を訪ねますが、重盛は無表情のまま出来事だけを報告します。時忠たちとのやり取りなどおくびにも出さず。そこに不気味さを感じてしまう時子。
生まれ変わった清盛ですが、その周囲は逃れられないしがらみにとらわれています。
■一方、鎌倉では。いよいよ政子登場です。すげー、今までで一番ワイルドだわこの政子。
「草燃える」の政子はちょっと今回の時子っぽいというか、夢見る夢子さんなところがあった。「義経」の政子は武芸に熱心だったけど、泥まみれになって暴れるカンジではなかったですもんね。面白い、楽しみ。
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by mmkoron | 2012-09-09 19:56 | 大河ドラマ「平清盛」


第33話「清盛、五十の宴」

こないだ自分が書いた「義経」のときの感想を見てたんですけど、そっちと比べると「清盛」の感想はめっちゃ真面目に書いてますね。自分でびっくりした。
「義経」のほうは、わりとお話自体はどストレート展開だったので、茶化しつつ感想を書いてたのですが、「平清盛」は「なぜこうしたのか?」の解釈を書きとめたくなっちゃうから、あまり遊んでる時間がない(笑)。
どっちの作り方もありだと思うし、どっちの作り方でも面白くできるんだと思います。今の世の中、正解はいくつもありますから。なのに、未だに何かの正解は常に1コしかないと思い込んでる人は多い。自分自身がそうなりがちで、いつも「そうじゃない、そうじゃない」って言い聞かせながら仕事とかしてるから、余計に他に敏感になっちゃうんですけどね。

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■今回の最初は後白河院のレッスンから。乙前が出張講師に来てくれたんですって。
かつて青墓で講師依頼されたときは断ったのに何故?と問われて、特に理由はない、私はただの老い先短い白拍子だから…と答えるにとどめる乙前。
しかし、聖子ちゃんは白髪以外全然老けてないので、あまり説得力ありません。このドラマの乙前は、『天上の虹』の額田王状態ですな。今回ラストのほうで時子が清盛のことを「永遠に生きるつもりか?ってくらい元気」と評しますが、いやむしろこっちのほうがそんな感じ。
で、聖子ちゃんが都に留まっている理由ですが。単純に「清盛の夢の行き着く先を見届けてみたい」ということなのかなと思います。

■次は平家の邸。
前回、清盛(当時大納言くらい)の「音戸の瀬戸を拓きたい」という提案は貴族たちに一蹴されてましたが、今回は無事に幹部会(みたいなもの)を通ったようです。
といっても、清盛は既に太政大臣まで上り詰め、それも辞任してる「隠居した会長」状態ですから、自分で会議に出たわけではなく報告を聞いた状態。お手柄だったのは、音戸の瀬戸をひらくことで貴族が得られるメリットをアピールした時忠でした。
彼は引退前の清盛の「身内をどんどん要職に就ける作戦」にのっかって、「参議」になってました。清盛の、「自分は隠居するが、身内を要職に就けて、幹部会の多数決を握れる数にする」というやり方の成果ですね。
いやしかし、時忠は現実的な(しかも短期の)利害の話になると強いね(笑)。
■報告を聞いている清盛さんは、隠居の割にフォーマルな服装だったのですが、どうやらこれから厳島神社に旅に出るそうですよ。
形は隠居ですが、清盛はやりたいこといっぱいで元気元気。時子に「帰ったら50歳のお祝いパーティーやりましょうね」と言われても、自分のお祝いだってわかってないくらい。年齢を数えるヒマもないほどなのです。
■清盛の周囲も順風満帆。
後白河院のもとにいる滋子は、ますます院の寵愛を得て夫婦円満。
熊野詣のときのでしたっけ、大雨の中でも「胡飲酒」舞をきっちりやりきった…っていう男前エピソードが再現されました。この舞、読み方がかわいいわ…「こんじゅ」。
舞は…どうなんでしょう。あまり優美な感じはしなかったけど、見るからにヤバイとも思わなかった、って感じかな。(※みるからにヤバいレベル=大河「義経」最初のほうに出てきた静御前の舞シーン。)
ずっと滋子役がどうしてこの女優さんなんだろう、もっと華やかな女優さんのほうがよくないか?…って思ってたけど、後白河院役の松田翔太が婀娜っぽい雰囲気だから、対照的にナチュラルさ・健康美を選択したんだな…と、今になって思いました。確かに、2人並んだときに、滋子までエレガント系だったらちょっとくどいね。
■さて、そんな上機嫌の後白河のもとに、息子である以仁王が参上したとの知らせが。
途端にご機嫌ナナメになっちゃう後白河。息子が父親に会いに来たわけなのに、ひどいよなぁ。。。
この以仁王ですが、1151年生まれなので、このドラマの時点で16歳とかそのくらい。二条天皇は異母兄で、同母兄姉妹には、平経正が都落ちの際に琵琶を返却した守覚法親王や、歌人として有名な式子内親王がいます。
お母さんは、藤原成子。この女性のお父さんは、後白河の生母・璋子さまの異母弟ですから、後白河とは母方のイトコですね。
母方の親族とはいえ身分は高くもなく、早くからの身内で気楽だったのか何なのか、彼女は後白河との間にたくさん子どもがいるのに、あまり重んじられてません。なんというか、食事における「じゃ、とりあえず●●で」的な扱いにされちゃった感あるなぁ。滋子のお父さんだって身分的にたいしたことないのに、明らかに差をつけられてます。
■と、紹介に字数を使いましたが、ここで以仁王が養母扱いになっている後白河の妹・暲子内親王と一緒に登場。彼女はこの時点で既に出家してるはずですが、普通の衣装と髪ですね。
この暲子内親王は、美福門院の娘です。両親の財産をごそっと相続してて、超お金持ち。財力をバックにした政治的影響力のある彼女が一緒だとわかったから、最初「出直してこいと伝えよ」と言った後白河も、結局以仁王と対面したわけです。
すると、めっちゃどストレートに、「以仁王こそ次の帝となるべき!」アピールしてくる2人。でもなぁ、後白河にこういうアピールの仕方は逆効果だよね。自分が主役でなきゃイヤな人なんだから。
後白河は以仁王の親王宣下の話も「まぁそのうちにね」で流そうとしてて、右から左にモードなのですが、滋子は彼女なりに危機感を持ったようです。兄・時忠を呼び出して、平家の財力を我が子・憲仁のバックアップに使ってほしいと依頼するのでした。
具体的に言いますと、まだ幼い憲仁親王のライバルにならないように、カネにものいわせて以仁王の親王宣下を阻んだのでした。自分は一門縛られない、と宣言してたのに、一門の影響力は使うのね。このへん、滋子って時忠と似たものきょうだいだよねー。
■この兄妹の対面シーンに、滋子の女房である建春門院中納言こと健御前が登場してました。
このドラマでは「健寿御前」でしたね。文献に残ってるのは「健御前」だけど姉妹がみんな「●寿御前」なので、寿をつけるのが一般的になってる…ってのが私の認識なんだけど、実際はどうなんだろう。
で、この女性ですが、藤原定家の同母姉です。しかし、ホントはこの33話の時点…1167年時点では滋子のとこに就職するかしないかくらいの時期でして、しかも年齢はまだ11歳。ドラマではベテラン女房の風格漂ってましたが、実際にはこの頃は「建春門院さますてきー」と目をハートにしたり、「こんな就職するんじゃなかった、やめときたかった…」とクヨクヨしてたりです。

■厳島神社に出向いた清盛は、これから都のそばに港を持ってこようとしている、そのときには瀬戸内海の航海を守る存在として、ここ厳島の神に安全を祈願したい・・・と、兎丸と桃李の間に生まれた赤ちゃん(子兎丸、って言ってたから男の子なのね)をあやしながら未来のプランを伝えます。ここではみんなそのプランを歓迎してます。
■そして清盛が都に帰ったところで、彼の五十の宴が華やかに開催されました。ではここで、お客さん紹介。

1)重盛の子どもたち
のちの維盛、資盛、清経…なのかな? 3人が出て来ました。
子ども3人がおじぎした後の、重盛のドヤ顔に笑っちゃった。幸せなのね重盛…よかったよ…。
そして子役たちですが…どうしても維盛の顔を気にしてしまう!
子役の子は元気な感じで、美少年イメージではなかったですが(勿論役者さんなので普通よりも当然整ってるけど)、どう成長するのかな。
この3人、実際は経子との間の子は清経だけで、全員母親が違うはずですが、このドラマでは母親は全員経子っぽいですね。確かに、このあとの展開を考えると、そのあたりを正確に描くとややこしくて本筋がわかりづらくなりそうだから、仕方ないかな。
大河「義経」のときは、明言はしてないけど経子の息子ではないのかなーって表現になってましたね。経子の、維盛のことを語る雰囲気にちょっと距離がある感じだった。
さて、孫3人のあいさつにホクホクの清盛は、この3人の教育係を伊藤忠清に命じました。頼もしい!と思う前に、不幸フラグがぁぁぁと思ってしもた。どういう教育係になるのかな、維盛の味方でありつづけてほしいんだけど…。

1)源頼政&仲綱 父子
平治の乱で清盛側について生き残った源頼政も宴の前にお祝いのごあいさつ。これから伊豆に出張するんだそうです。息子の仲綱(平家物語では名馬を巡って宗盛ともめる人ですね)はなぜこんなに平家に擦り寄るのかと詰りますが、頼政はいまはガマン、の思いでいるようです。

2)常盤&牛若 母子
今日が清盛の50歳パーティーと聞きつけた牛若が、常盤にどうしても行きたいとせがんだそうです。
しぶしぶ来たところを、時子にみつかってしまいます。しかし時子にとっては、常盤&牛若は「清盛の愛人とその連れ子」という以上に、「清盛の友だちだった義朝の妻とその忘れ形見」なのですね。
自分を「父上」と呼ぶことを特に訂正せずに、お菓子を与え、知盛・重衡・徳子と遊ばせる清盛。子どもたちも特にわだかまりないようですね。この先を思うと心が痛むわけですが…
大河「義経」の牛若も、知盛や重衡たちと遊んでましたね。あっちのほうが頻繁に遊んでるようでした。こっちは、役者の年齢の都合で重衡と牛若の年齢差があるように見えちゃうので(実際は2歳くらいの差)、そこまでの関係にはしないようですが。

3)忠度
亡き父・忠盛の末の弟です。平家一門が出家したこのタイミングに、と貞盛が呼び寄せたそうです。
が、清盛とその兄弟たちはその存在を知らなかった模様。突然元気に飛び込んできたムサい男に一門がびっくりするのが面白い。でも、15話くらい前はさ、平家も同じくらいムサい感じだったよね(笑)。
新規加入した彼に紹介するというかたちで、改めての平家一門の「モリモリ整理コーナー」。
定期的にありますねこのコーナー(笑)。グダグダになりそうなところを、忠度が「いずれ劣らぬ持ち味の兄上方」とウマくまとめてくれました。忠度、解説役としても見込みのある男ですな。
兄弟と会えてうれしい忠度、その喜びのままにコミカルな熊野の祝い踊りを披露し、みんな大喜びするのですが…

4)摂関家ブラザーズ 基房&兼実
身内でたのしくやってるところに、呼ばれてないのに訪問してくる摂関家兄弟。
都の近くに港を持ってくるとか、その守りを祈願する為に厳島の神を持ち出すとか、昔からのお約束に従わない清盛がとにかく気に入らないのがこの2人。
で、「新しい神社を造営するには、やっぱり古来よりの伝統とか風流を解する心がないとねー」と、平家一門のセンスをテストすると言い出しました。
さすが摂関家、嫌がらせのセンスが昔のアイドル漫画とか大映ドラマ。
で、宴へのプレゼントとばかりに2人で舞をご披露してくれました…わかりやすくドヤ顔で舞う二人
。「俺ら並みに舞えるかな、フフン」ってなもんですな。意図のわかりやすさに、いっそ好意すら持ちたくなる二人です。

■しかし、この2人のイヤミな圧力に「参りました、うちの一門じゃかなわないです」とうなだれるような清盛ではありません。この2人の舞へのお返しを、重盛・宗盛・経盛に命じます。
経盛が笛、重盛&宗盛が舞。経盛が笛を吹き出した時点で基房の顔つきがかわったところで、なんか報われたような気持ちになったわ…どんだけ今まで経盛を応援してたんだ自分…。
摂関家ブラザーズの舞が優雅で厳粛な感じだったのと比べると、重盛&宗盛のは、若さ強さがある感じ。ここで同じ系統の舞ではなく、あくまでも自分達の姿をぶつけるのが、清盛らしさなんでしょうね。
維盛と牛若が隣同士で座ってたのになごんだわー。しかしこのあとの以下略。
■2人の見事な舞にグヌヌ…となった摂関家Bros.、今度は和歌合戦を挑んできます。お題は時子さんが指定して「恋」。えっ、そこは清盛の長寿を願うとかそういうテーマじゃないの!?と思ったんだけど、まぁ「恋」です。
当然経盛が出てくるのか…と思ったら、兼実にびびって萎縮しちゃった。そこで、清盛はニューフェイス忠度を指名します。

兼実さんのお歌。これは実際に残ってる歌ですね。

帰りつる 名残の空を ながむれば 慰めがたき 有明の月
(あなたが帰ってしまった後の余韻のままに空を眺めると、私のこの心を慰めてはくれない有明の月が見えるわ)

ってな感じですかね。有明の月とは、字面のまんま「夜が明けてもまだ空に見える月」です。その光のない、「ぽっかり」感が、心のぽっかり感と呼応するのかな、こういう和歌では必須アイテムのようですね。
時子が目をハートにして解説してくれるのかと思ったら、経子ちゃんが解説してくれました。今回の経子ちゃん、男塾で技の解説をしてくれる富樫と虎丸みたいです。
さて、この和歌にどう対抗するんだ、このむっさい熊男が…と思いきや、忠度の和歌

たのめつつ 来ぬ夜つもりのうらみても まつより外の なぐさめぞなき
(来てくれるって頼みにしてたのに来てくれない、そんな夜が積もりに積もったけど、どれだけ恨んでも結局のところ津守の海岸の「津守は松で有名!逆に言えば松以外には特に見るものない!」みたいに、私も待つ以外に自分のこの心を慰める方法なんてないよね)

ときました。私が適当に意訳してますが、同じ31字の情報量で「恋人にちょっといいようにされてる女のやるせなさ」を読んで、これだけ訳の情報量に差がわるわけなので、忠度の和歌はかなり状況と思いの両方が込められたイケてる和歌です。
(と言い切ったものの、私は和歌については真面目に勉強してこなかったので、よくわからん)
■見た目全然風流じゃない忠度がするっと巧い歌を詠んできたことにキーッとなったBros.は、高笑いのようなカラ笑いをしつつ、「で、でも、結局私らのサルマネだもんね、だから、巧く詠めたからって神社の造営なんて絶対許さないもんね!」と、最初の主張を無視して居直る(笑)。
大人げないBrosの対応にやれやれとなった清盛は、ついにあたためてきた厳島神社造営計画を見せます。
海を活かす、タテ方向へ広げるのではなくヨコに拡がりをつくる。これの発想こそが、神社だけでなく、清盛の政治ビジョンとなのです。
ここの説明はウマい!って思った。なるほどなー、説得力あるわ。
■摂関家Bros.が帰っていった後も、日が暮れていく中で宴は続きます。
清盛のビジョンにすげー!となっている一門の皆。この先へのワクワクが止められない清盛。宴よ終わるな、このおもしろい時間よ終わるな、とばかりに扇で夕日を招きよせると、なんと夕日が輝きを取り戻した(ように見えた)!
音戸の瀬戸での日招き伝説をここで使うとは。しかし、清盛の絶頂期のエピソードなのに、太宰治『右大臣実朝』の「アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。」を連想しちゃいますなぁ。
父上が夕日を招いたら、また日が昇ったんだよ!と目をキラキラさせて常盤に報告する牛若。彼はその昇った日を叩き落すのが自分だと知らないんですよね。なんというか、相変わらず、絶頂期にそこはかとなく不幸の種を仕込まずにはいられないのがこのドラマの脚本ですなぁ。

■さてさて。そんな清盛のエピソードは尾ひれがつきながら、あちこちへ。
伊豆に出張した頼政さんの荷物にもくっついて、大根業者ならぬ北条時政の屋敷にも届きました。
時政に誘われて頼朝を見に行く頼政。彼が見たのは、以前の、ある意味「世捨て人の穏やかさ」を醸し出していた頼朝ではなく、完全に虚無感でダウナー入っちゃった姿でした。都にいてもこれだけのダメージを及ぼせる清盛の影響力に恐ろしさを感じる頼政と時政。
■しかし、清盛だって超人ではないんです。これから新しい仕事に着手するぞ…という矢先、彼は不意に倒れてしまいました。どうなる清盛!?

…というところで次回。
清盛が病床で見る夢に、過去の登場人物がわんさか登場するようですね。
白河院がお花畑で手招きしてたら笑う。
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by mmkoron | 2012-09-09 00:24 | 大河ドラマ「平清盛」


第32話「百日の太政大臣」

■今回のあらすじは

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【都】
ものすごい勢いで位階官職を上げていく清盛。バックについていた藤原基実が若くして病死するという緊急事態が起きるものの、そのピンチもチャンスに変えてのしあがる。
しかし、それは清盛に無視されて内心ハラワタ煮えくり返っている後白河による「祭り上げして倍速でゴールに到達させてしまう」作戦だった。その種明かしをされた清盛は絶望しかけるが、持ち前のバイタリティでそれすらも逆境を変えようとする意欲に変えてしまう。
名ばかり栄誉職である太政大臣にまで持ち上げられた清盛は、自分からわずか100日でそれをあっさり辞任。勝手に「あがり」にさせられた清盛だが、それを逆手にとって、立場の制約から自由になったのだ。

【東国】
頼朝は、永遠に続く流人生活でぼんやりモードだったが、八重姫との出会いによって「小さな幸せで満足」モードに入り、ますますかつての武人としてのカドはとれていった。八重姫と生まれた息子との小さな幸せを育ててここで埋もれて生きていこうとマイホームパパとして目覚めたのもつかの間、前回都で清盛の迫力を目で見てしまった八重姫の父親にその赤子を殺されてしまう。かりそめの平和ボケになりかけていた頼朝だったが、ここで「敗者である自分」を突きつけられることになった。
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とまぁ、こんなかんじ。
本筋はこれだけなんだけど、いろいろ組み込まれている今後へのポイントがありますので、そのへんをメモしておこうと思います。

1)摂関家兄弟のネチネチ
■なくなる前から、朝議の場面や兄弟とのやり取りで、ストレスフルで弱り気味だったことは描かれてました。
基実がなくなったときの、涙目の盛子がかわいそうだけどかわいかった…。これ、基実がイケメンが売りの俳優さんだったら、もっと盛子が視聴者に注目されたかもなーとは思うんだけど。視聴者の興味をあまり分散させない方針なのかな。
基実の息子である基通も、まだみづら結いの子どもですが、出て来ました。もちろんまだ11歳である盛子の子どもではなく、平治の乱で処刑された藤原信頼の同母姉妹の間に生まれた子どもです。
■そして基房&兼実兄弟は、兄の死にイヤミ言うだけでは飽き足らず、さらに宴でも嫌がらせ。
この嫌がらせが、もう昔のアイドル漫画における「主人公のステージ衣装が、ライバルによって隠される」みたいで笑った。そういった場合、王道は

衣装を隠された!→主人公、敢えて制服姿でステージに上がり熱唱!→清楚さがむしろ新鮮だと喝采!

ですから、このドラマも

舞姫を隠された!→なんとかしろと言われた盛国、敢えて自分が衣装を着てダンス!→キモさがむしろ新鮮だと喝采!

かと思ったのですが、普通に、ちょうど来ていた聖子ちゃんにおねがいしたみたいで残念。
それにしてもあの一の舞姫さんの芸能人生命は大丈夫なんでしょうか。この苦しさを糧にして頑張ってほしいです。


2)入れ知恵シーンで藤原邦綱登場
■清盛のビジネスパートナーとも言える藤原邦綱。このドラマでは政治家としての清盛の秘書的存在としては盛国がいるから、もう出てこないのかなーと思ってましたが、ここだけの役割で出てきました。
ちなみに、清盛と時子の息子・重衡の奥さんは、この邦綱の娘(輔子)です。幼馴染婚なのかも…とちょっと萌える。大河「義経」では重衡を細川茂樹(今回の藤原基房役)、輔子を戸田菜穂が演じてましたね。実は最期の別れのシーンが初めて言葉を交わすシーンだったと、インタビュー記事で知って驚きました。
■邦綱の娘たちは、六条・高倉・安徳の乳母をそれぞれ努めています(輔子は安徳の乳母のひとり)。邦綱さん、ある意味清盛以上のヤリ手です。しかもお金持ち。よく「だれだれさんが、●●を失くして困ってたら、邦綱さんがそれを持ってきてくれた」って話が出てきます。で、私は「平安末期のド●えもん…!!」と思ったので、いつか彼を描く機会があったらドラっぽく描いてやるぜと狙ってます。って、ドラマの話から脱線しましたすみません。


3)頼朝
■子どもができたとわかった当初は、「また罪をかさねてしまった…」と、自分の不幸に酔ってるモードだったのが、実際に子どもを抱きしめたところで変化しました。永遠にリピートする毎日をヨシとするのではなく、毎日をちょっとずつ積み上げていきたいと希望を持つようになった姿は、ちょっともらい泣きしちゃった。
このドラマの頼朝は(実際も)、親兄弟と不意にはぐれて、そのまま捕縛され。親兄弟が殺されたと教えられはしたけど自分で見てるわけじゃない。いきなり戦いから切り離されて、戦いを全うできずにそのまま現実から迷子になっちゃったような状態で十数年生きてたんですよね。そりゃ「明日が今日でも…」になってくのはわかる。(実際には都に縁者が残ってたりもするので、ある程度情報は得ていたんだろうけど)
そんな中で自分の居場所をようやくつくったわけだけど…しかしむごい結末。
■余談ですが、頼朝が「私はまた罪を重ねて…」と自分に酔ってるときに、藤九郎や大根業者(違)たち周囲の男子どもがそれをたしなめるわけでもなく、なんとなく同調して「そんなことないよ、ファイト!」みたいな空気になってるのが、いかにもありそうで笑えた。男子会のぬるさがいい。(^^
■しかし、幸福や未来の希望は、伊藤祐親の帰宅であっさり消える。
幸せそうにキャッキャしてる居間の奥に、無言で佇む祐親が怖かった…!
そしてそんな父親に無邪気に自分の赤ちゃんを抱かせてしまう八重姫。「ぎゃーなんてことするんだお前!」と八重姫に叫びたくなったよ!!
「私の赤ちゃん、こんなに可愛いんだから、お父さんも当然可愛いって思うでしょ?」って気分なんでしょうね。「子どもだけしか写ってない年賀状を送ってくる職場の同僚」みたいな心情だよなこれ。
娘をはらませちゃった頼朝のほうがまだ現状認識度は高かったけど、しかし、赤ちゃん連れ去られたときに、すぐ行動できず「えっ?えっ?」となってたあたり、彼の現状認識も甘かったわけです。
■一方、残酷な場面を決して頼朝に見せまいとする藤九郎の厳しい表情はよかった。
このドラマの「男子主要人物の第一の側近」はみんないい役だよなぁ。ちょっとしか登場しなくても見せ場がある。そんな中で、ここぞという登場タイミングがなくてなんとなく便利に使われてるのが盛国だったりするね。何かこの先に重要な役があるからこそ、あの役者さんをあてているとは思うんだけど…脚本、頼むよ~!

■ところで。今回のあとにフォーム経由で「頼朝むかつく!」となぜかうちにメールが届いて、「私、登場人物へのメール転送代行業はしてないよ!?」とびびった。(笑)
フォローすると、頼朝の最後の
「ひとつだけわかっていたことは、私の子を殺したのは、遠い都にいる平清盛であるということだけであった」
はもちろん
「遠い都であっても、清盛率いる平家が実権を握っている限り自分は敗者であり、大切な者や当たり前の生活を守ることなどできないという事実を私は突きつけられた。」
という、現実認識しました…って意味であって、頼朝が自分のうかつさを棚上げして清盛を逆恨みした、ということじゃないと思います…って、メールくれた人もそれは御存知だとは思うのですが。。。

4)西光(藤原師光)再登場
■朝子さんに私の命令は信西の命令と思え!と叱咤されて、後白河に仕えることにしたようです。
後白河が、清盛にちょっと放っておかれてる状態であり、後白河もそれにムカついてることはその直前に描かれてました。後白河は「清盛ヨイショ作戦」をひそかに実行してたわけですが、後白河大事の朝子も、彼女なりに動いたわけですね。
■西光は、信西を討った源氏の生き残り(頼朝)を流罪で済ましたことを恨んでいることを宣言しました。ああ、すでに10年後の鹿ケ谷フラグが…。

そんなこんなで不安の種まきをしつつ、次回へ。
次への種まきを丁寧にコツコツやってく実直さは、このドラマの美点でもあるんだけど、しかし視聴者は最終回までにどんな盛り上げがどこで行われるか知らないわけで、ゴールの見えない状態で伏線撒きばかりされるのも疲れる。週1のドラマだったら、種まきが多少強引でも、毎回の「ドカン」をもっと大げさにしてもいいと思うんだけど、そのへんの力加減が「全体を踏まえての配置」重視に偏ってる感じなのが、このドラマが「作り手の自己満足」と言われがちな要因なのかなと思う。
↑この評価も大げさというか、言いすぎだと思うけどね。ネットって、批判や悪口をなぜか大げさな表現で書きがちなのが怖いですね。
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by mmkoron | 2012-09-06 00:24 | 大河ドラマ「平清盛」

    

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