源平観戦日記


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MOON SAGA 義経秘伝 第二章(教経篇)

****ネタバレありの感想・レポートなので、未見の方はご注意を。****

2014年上演(まみころが観劇したのは8月16日明治座)/
主演(義経役):GACKT  平教経:悠未ひろ 平知盛:川崎麻世 
伊勢三郎:ウダタカキ 弁慶:古本新乃輔 
佐藤継信(兄):西海健二郎 佐藤忠信(弟):古堂たや 陽和:初音/黒田有彩(Wキャスト)
伝内教能:鈴之助 菊王丸:堀江慎也  銀狼丸:君沢ユウキ 
源頼朝:大橋吾郎 北条政子:鈴花奈々 梶原景時:木下政治


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■ファンの人からは怒られるかもしれませんが、最初に書いておきます。
今回の劇の観賞は、
18000円を払って、
素晴らしいキャストと、豪華かつ最新鋭の舞台装置で繰り広げられる
ガクトさんの作り上げた壮大な中二病世界に耽溺する …というプレイ。

■私は文学少女崩れなので、劇を見るときって、伝えたいテーマをどう舞台に具現化してるか、みたいなとこを見ようとしてしまいます。が、今回の「テーマ」は、別に「新たな義経像」でもなく「人間観・人生観」でもなく、ガクトさんが考える「美しくカッコよい世界」「美しくカッコよい舞台」とは何か、なんだろうと思います。
脚本は、おたくな私とかにとっては「こってこてのテンプレ展開」なんだけど、メインはストーリーではなく、それを形にするときの装置とかビジュアルとか音とかのほうなので、寧ろ脚本がシンプルなのはちょうどよいのかもしれません。正直なところ、「これだけチープな話を、これだけゴージャスにできるなんてすげぇ!!」っていう驚きがデカかった。

【お話の内容】
■前回の上演が2012年。友だちと観にいって、「これどこまでの話をやるのかしら」と思いつつ見てたら最後に「義仲篇 完」の文字が出て来たときの「…続くのかい!」という驚きからもう2年です。
前作を見てないという方も多いのではと思いますが、冒頭にスクリーンにプロジェクトマッピングだっけ?あれで「前回までのあらすじ」を映し出してくれるのでご安心を。
このあらすじは、文字だけではなく映像と音声で説明してくれますので、飽きない映像です。装置を必然性をもった状態で活用するところは、センスいいと思います。「使ってみた」だけでなく、使い方がうまいなーと。

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当初同じ源氏側の味方だったはずの義仲が、源氏の総大将・頼朝とその妻政子からいいように利用されすぎてついにキレて、敵になった。義経は義仲と仲良しだから戦いたくなかったけど、義経に封印されてた鬼の力が開眼しちゃって、義仲を倒しちゃった。鬼の力が発動しなかったら自分のほうが殺されてたので仕方ないんだけど、でも義経は傷ついた。
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前回までのあらすじは、まぁこんな感じです。
で、ナレーションで、この出来事が義経に与えた傷がとても深かったので、彼の様子もすっかり変わってしまった…みたいなことを言います。実際、前回はちょっと坊やっぽいショートカットのビジュアルでしたが、今回はなんだか天野喜孝氏の絵に出てきそうなうねうねロングのちょっと妖しげなルックスになってます。性格も、前はちょっと怯懦なトコのある人物でしたが、今回は怯懦というよりも、厭世的だったり熟考しすぎで後ろ向きに見える…って感じですかね。このへんについては、また後のほうで書きます。
■そんなこんなで、若干陰鬱なキャラになってしまった義経さん。
一の谷ではまさかの逆落とし戦法で大勝利をあげたのですが、いまだ心の傷は癒えず。
そんな彼ですが、ひょんなきっかけで、平家側の伝内教能という武将と知り合います。
■「伝内教能って誰?」とお思いの方も多いかと。私もそうでした。
なんとこの人、田口教能の別名なんだそうです。あの人です、壇ノ浦でやらかしてくれた阿波民部重能。彼の息子です。屋島で伊勢三郎にハメられて源氏側に寝返った、田口教能さんです!
ちなみに、演じてる役者さんは、大河「清盛」で経盛役でしたね。
■話を元に戻します。
じゃあこの劇でも途中で裏切るのかな?と思いきや、思わぬ方向に話は進んでいきます。
この教能が伊勢三郎と顔見知りだったこと、義経と教能がわりと気が合ったことをきっかけに、この出会いがさらには平家側の実質の総大将・知盛と義経をつなぐことになり、知盛と義経は和平を結ぶことにします。
平家最強のモノノフと呼ばれる教経は主戦派で、当初はこの和平が気に入らないようでしたが、何度も義経主従と酒を酌み交わすうちに、元々知盛を兄とも慕っていることもあって、だんだん心が和らいで行くのでした。それにしても、じゃあ仲良くなろう!ってときに、前作も今作もしょっちゅうノミニュケーション発動ですな。義仲とも飲んでたような。
■この和平のことが、景時によって鎌倉にこっそり伝わります。
激怒する政子。頼朝はショックを受けてるみたい。
えっ…義経、和議結んだこと報告してないの…?
知盛のほうは宗盛や教盛・経盛たち長老格をすでに説得できてる描写があるのに。お前がこの数ヶ月やってたことは飲み会だけか。という思いもこみ上げてきます。そんな根回しの下手さまで従来のイメージを尊重しなくてもいいっすよ…(涙)。
で、どうしても平家を殲滅し、この国を自分の影響下にすっぽり置きたい政子は、なんだか怪しげな降霊術みたいなので、「エン」という人の弱い心に張り込み、その人格を奪い取るという魔物を呼び出します。
■ここでターゲットになったのは教経でした。
なぜ教経?あのひとめっちゃメンタル強そうじゃん!!
…って平家物語好きは思うわけですが、このお話の教経はちょっと違います。
この世界の「モノノフ」は、みな1つ特殊能力を持っています。弁慶なら「瞬発的に怪力を発動」。伊勢三郎は治癒、知盛は人の頭の中をのぞき見る…などなど。
で、教経は予知夢の能力があるのですが、今は戦時下です。彼は他人が死ぬ夢にいつもうなされ、いつか自分の死も見てしまうのではないかという恐怖に内心怯えていて頭痛に悩まされ、内実は情緒不安定なのです。しかも、義経と戦う夢、繋いだ手を放してしまう夢を見てしまって、すっかり疑心暗鬼。
■そんな彼に、「人の心を錯乱させる」といった力を持つ景時が接近しました。
景時は、実は鎌倉側をスパイするために心ならずも平家を離れているのだ、ホントは味方だ、と教経にかきくどきます。そして「知盛は、和平の条件として自分だけの身の安全と栄達を鎌倉と取引している裏切り者だ」と耳打ちします。
自分がスパイである証拠は、鎌倉に護送された重衡が殺されずにいることだ、殺されないように景時がフォローしてるんだと。…なんとここで突然重衡の名前が!(ここだけだけど)
景時がもともと平家側だったこともさりげなく設定に利用してるんですねー。
■そんなこんなで、もともと不安定だったところに、景時によって心にキリキリを穴をあけられてしまった教経さん。予知夢による頭痛や精神錯乱を緩和してくれるのは、「他者の能力を押さえ込む」力のある伝内なのですが、伝内が源氏側とすっかり仲良しになっていることもあって、教経は伝内をも拒絶してしまいます。
その心のスキマに「エン」が入り込み、ついに…

ジェノサイダーと化した教経と、その部下菊王丸によって
敵も味方もHPゼロよ!


誤解が重なって菊王丸によって佐藤兄が殺されたのを皮切りに、
知盛の和平案に賛同していた長老ズと宗盛、知盛子飼いの銀狼丸、そして知盛までもが惨殺されるという事態に。知盛が弱いのか、教経が強すぎるのか、けっこうあっさりやられちゃったよー(涙)。
ああ、こんなときカイヤさんがいてくれたら勝てたかもしれないのに…。
■さて、あとは大体予想がつくと思います。暴走する教経(何が原因なのか、義経は最終戦間際までわからない)を、もう義経は倒すしかありません。菊王丸VS弁慶・伝内・伊勢・佐藤弟、教経VS義経です。
菊王丸つえー。彼はカミナリを使う能力を持ってるっぽいのですが、

カミナリ VS 瞬発怪力+相手の能力封じ込め+治癒+(佐藤弟の力が何だったのかわからん…)

って、どう考えても弁慶たちのほうが強そうじゃないですか。なのに勝てない。
最終的に伝内が身を挺して「おれごとやれー!!」少年誌的捨て身攻撃をしてくれたことにより(ここもかなりコテコテでキン肉マンの友情パワーとかそのへんを髣髴させる)、辛うじて勝利しました。でも、菊王はちょっと「狼に育てられた少年」系というか、頭が子どものまま凶暴性だけ育っちゃったようなキャラで、教経を慕ってくっついてただけなので、ちょっと哀れですな。
■そして義経VS教経の最終戦。
でも、義経は相変わらず「戦いたくない…」の人なので、もともと主戦派&現在「エン」に乗っ取られてイケイケドンドンモードの教経の猛攻に防戦一方です。
そんなところに、もう完全にそのために出て来たとしかいえない、義経を慕う妖のアルビノ少女・陽和(ひより)
がひょこひょこ間に入ってきます(ほんとにひょこひょこ入って来たんだよ!)。
で、義経を挑発したい教経によってプスリとやられて絶命。ほんと刺されるためだけに出て来た。
ここから無垢な陽和の死に義経絶叫⇒封印解けて義経さんの鬼が目覚める⇒教経コテンパン の王道展開が始まるのです。
■エンVS鬼の最終決戦は、役者の殺陣ではなく、LEDダンスの演出で、両者が瞬間移動を繰り返しながら戦う様子を表現してました。この活用も巧いっすね。観客も最新の技術見れておトク感あるし、役者はすこし時間に余裕できるし、暗転した中でのダンスになるので、舞台装置も動かせるだろうし。
■で、最後。人外の力をフルスロットルで使っちゃった二人はライフストリーム(FF7)の底のよーな場所にいます。ようやく自分を取り戻した教経は、しかし最早自分には帰る場所がないと嘆きます。
それでも一緒に帰ろうと言ってくれる義経の優しさに感謝しつつ、義経だけを元の世界に行かせるのでした。教経が予知夢で見ていた「繋いだ手を放す」は、これだったのですね。
こうして義経はまた大切な人を失いながら、戦う運命を背負っていくのです。
■…とまぁいろいろ端折ったけどこんな話!

【ストーリーについて】
■上記のように相当コテコテです。ストーリーだけじゃなくてセリフもかなりテンプレ台詞満載。教経との
「お前のその優しさが…ボクは大嫌いだ」
「…なんだよ、それ(照れ&不貞腐れ)」(無言で杯を傾ける)

みたいな会話とか、乙女ゲーを夜中にひとりで進めてて、
なんかすごいスペック高い男子キャラと交わされる
「お前みたいなナマイキな女、今までいなかったぜ」
「…なによそれ…!(ぷんぷん)」

みたいな会話を見てるときくらいに、ふるえがとまりませんでした。
テンプレはすべてやりつくすくらいの勢いの消化率だったと思います。なんかもう、「なにあれー」と馬鹿にするとかそんなのムリ、突き抜けててむしろ神々しい。
■一方、前も書いたんですけど、やっぱりこの義経がどうも好きになれない。
みんな義経を「やさしい」って言うんだけど、まさに「行動や決意を伴わない優しさって無力だわ」って感じでして。教経との戦いも、戦わざるを得なくなったから戦っただけだし、和平って言っても、結局鎌倉に報告するわけでも頼朝とケンカしてでも和平維持を決意してるわけでもないし。
教経が暴走したから和平ブチ壊しになったわけですが、そうでなくても結局破綻してただろうな…。
このあと終章とかで義経がこの中途半端な優しさの清算をさせられる展開なら納得ですが、そういうわけではないんだろうな。「優しさ」観が、この物語の書き手であるガクトとは合わないな、と私は感じた。

【演出について】
■プロジェクションマッピングの使い方は、前回同様洗練されてます。
異能者の戦い、という、生身の人間がやるとショボくなりがちなところにうまくコレを活用して、カッコよく見せてる。
歴史ファンタジーなので、歴史的な出来事の説明も必要になりますが、そこをうまくプロジェクションマッピングで解説してました。地図出したり文字出したり1作目の映像出したり。
■私はそんなにあちこちのお芝居を見てるわけではないので(年間2本とかしか観ない)比較対象があるわけではないのですが、プロジェクションマッピングで場面転換をくっきり出すことで、このお芝居の特徴(私は弱点のように感じた)「場面転換がやたら多い」に対して、メリハリをつける効果はあったと思います。
ただ、ほんとに場面転換多かった。終盤直前までは、マンガで言うと見開きごとに場面変わってるくらいのテンポ。それで3時間だから、頭が疲れて通常よりも長く感じたってのはあったなぁ。

【アクション】
■舞台に2段階の坂道がつくられてて、それを利用したアクションが多彩で面白かったです。この坂道のために、キャストのほうはケガ人続出のようですが…。
・坂道上部から、仰向けに、手前側にどーんと倒れる(倒れてずるずるっと坂を落ちてくるわけです)
・すべり台のように使う
・坂を転がり落ちる
などなど。
ガクトはワイヤーを使っていわゆる「八艘跳び」をやってくれました。くるくるっと旋回しながらジャンプすると、敵が吹っ飛ばされるとか。
ワイヤーが頑丈すぎて丸見えだったのは残念といえば残念ですが、でもかなり動き回ってたので、強度的に仕方ないんだと思います。
■元宝塚男役の女優さんが演じる教経も、動きがきれいでした。
終盤の義経とのタイマン勝負も動きにキレがあって、スマートな戦い方。あと、エンに操られるときのマリオネット演技が流石のウマさでした。基礎力が違うんでしょうね。

【登場人物】
■私は平家好きなので、平家中心で書きます。
教経は白銀っぽい衣装で、クールな感じ。役者さんのスタイルが段違いによいので、「並んだ登場人物がことごとく公開処刑(友人談)」。
ただ、平家物語を読んでると、もっと体育会系なイメージを持つ人のほうが多いと思います。この教経は、結構正確はよく言えばツンデレ、悪く言えば若干ヒス気味。だから、この教経はかなり新鮮でした。
伝内に力を抑える手伝いをしてもらってて、普段から伝内の膝枕で寝てる…というシーンなど、伝内とやたらスキンシップしてたり、「オトコオンナ」「女のような顔」と言われてたりしたので、最初、「隠してるけど実は女性」設定なのかな?と思ったりもしましたが、特に何も言うことなく終わったところを見ると、「キレイな男性」だったみたい。
終盤までは伝内とかなりベタベタしてましたが、最終戦とエピローグの回想シーンで急速に義経との関係が密接になってました。ここはどっちかにそろえたほうがよかったような気もするが、しかし別にBLじゃないんだから、そこを掘り下げる必要はないか。
■ストーリー本編の中で義経と親交を深めてたのは、むしろ知盛でしたね。「兄弟」って呼び合ってたし。
わたくし、初めて川崎麻世氏をカッコイイと思いましたよ…。重みのある感じかつ誠実そうな人柄が出てて、この物語の知盛役としてピッタリだったのでは。直接戦闘ではいまいち弱いとこも含めて(笑)。
知盛と教経との関係は、ある意味、壇ノ浦での「知盛:もう無意味な戦いをするな  教経:では無意味でないように大将と戦ってくるわ」会話のような、「噛み合ってない」感を継承した描かれ方だといえるかも。
■伝内は非常においしい立場でした。教経の頭痛を止められるのは彼だけなので、それを使って彼が泣く泣く教経を倒すとこに役割を果たすのかな、と思ったりもしましたが、でもそこまでやると主役食っちゃうもんね。平家物語の世界では、田口親子はせっかく平家を裏切って源氏側についたのに、源氏側では裏切り者は信用できない的扱いを受け、結局早々に排除されてしまうわけです。そういう意味でも、裏切り者になることなくかっこよく退場してる今回の扱いは、おいしい役だったかも。
■菊王・銀狼は…。菊王は平家物語にも出てくる教経の側近、銀狼はオリキャラです。
この2人の「子どもの頭脳のまま成長し、舌足らずな口調で喋りケモノのように歩き、しかし戦闘力だけ研ぎ澄まされ凶暴」って設定が、私はコテコテすぎてもうおなかいっぱい…って気分だったのです。が、同行の友人が「佐藤兄弟とキャラかぶっちゃうから、平家側はこういうキャラにしたのかねぇ」って言ってました。
なるほど、納得!
しかし、陽和の「アルビノの透明感のあるビジュアル、言葉を話せずただぽかぽかと陽だまりのように微笑むだけ」みたいなキャラを見てると、キャラ立て目的だけでなく、やっぱガクトさんの趣味なんだろうなとは思いますが…。
で、この陽和、わざわざオーディションまでやって、ニュースサイトとかでは「ヒロイン」とか言われてましたが、役割はヒロインではなくどちらかと言うと「マスコット」ですね。
ヒロインは…カドが立たないように明確なヒロインはいなくて、今回でいうと教経がそれに近かったのかな。
■義経の部下達で特筆すべきは弁慶でしょうか。声が甲高いのも、お笑いキャラなのも、ちっさい弁慶(ほかが高身長すぎるのかもしれんが)なのも愛嬌があってよいのですが、
弱いのだけはいただけない。
瞬間的に怪力になる設定だったはずなのに、なぜ菊王丸に全然勝てんのんじゃー!!
中盤で、己の中の力に苦しむ義経に対して、「義経が鬼になったときは、わしが殺してやる」と伝えてましたが、無理だと思うよ弁慶…
■あとは鎌倉の頼朝・政子・景時。頼朝と景時がこの劇の「笑い」の大部分を担ってくれてました。
源氏側の笑えるシーンは観客としての義務感(笑)で笑わざるを得ない場合もあったのですが、こっちは素直に笑えるときが多かったな。
頼朝は序盤では義経を信頼している雰囲気でしたが、終盤で「もう誰も信用できない…」となってます。こりゃ、政子がラスボスですかね。景時は…義経主役のドラマだと、梶原景時ってかなりの確率でこういう「コスい悪役」を担わされるのですが、今回も安定のコスいキャラでした。ちなみに景時役の役者さんは、大河「清盛」で大庭景親役をされてたようです。へー。石橋山の合戦で頼朝を見逃してその後頼朝に重用されたのが梶原景時、最後まで頼朝に抵抗して負けて殺されたのが大庭景親ですから、なんだか対称的な役を両方されてるんですねぇ。

■今回のお話で、義経が平家を倒し(本人的には不本意だったわけですが)、しかし頼朝との亀裂が入ったところまで進みました。これは、また2年後くらいに平泉篇をするのかなーって気がします。
今度は誰が宝塚女優枠になるんですかね。藤原泰衡かしら?
「義経:お前に殺されるなら本望だ、さあもう終わりにしてくれ 泰衡:義経、すまない…!」みたいな。
私は教経ではないので、予知夢は見られませんが…。
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by mmkoron | 2014-08-17 14:11 | その他映像・劇 等


能・狂言・平曲による平家物語の世界 語りの伝承~巻十七

2014年8月2日/於横浜能楽堂/13:00開演 15:30終了

【演目】
狂言「吹取」(野村萬斎 深田博治 飯田豪)
平曲「千手」(須田誠舟)
能「千手」 (桜間右陣 ほか)

■前に「維盛」を見に行ったのっていつだっけ、とこのブログで確認したところ、もう5年も前だったんですね。いやーおどろいた! そんなわけで、久々に見てきました。
毎年、このくらいの時期に、平家物語を題材に平曲と能と狂言を上演している会です。
前と変わらず、なにかの教室の仲間なんですかね、ほとんどのお客さんは知り合い同士って感じです。私はもちろん完全アウェーなのですが。
■変わってたのは上演順ですかね。確か前に見たときは 平曲⇒狂言⇒能 の順番だったかと思うのですが、今回は 狂言⇒平曲⇒能 でした。今回は、平曲と能の内容(平家物語中の、扱っている箇所)がほぼ同一だったので、連続にしたのかなと思います。

■まずは狂言。今回わたくし運がよかったのか悪かったのか、1列目だったので、萬斎さんにあと3M!くらいの距離で観ることができました。「花の乱」以来の萬斎FANとしてはラッキー。
■ここであらすじのご説明を。
長年独身でそろそろ身を固めたい武士?の男が、清水の観音様のところでご縁がありますようにと祈願してたところ、「名月の夜に五条の橋の上で笛を吹きなさい、そこに現れた女性があなたの運命の女性です」ってなお告げをうけました。しかし彼は笛の心得がないので、知り合い某さんに依頼して自分の代わりに吹いてもらいます。この日、月見の宴にお呼ばれしていたその知り合い某さんは、仕方ないと来てくれたのですが、笛を吹くのを忘れて月に見入ってウットリしちゃったりで、男をやきもきさせます。
ドタバタしつつも、なんとか笛を吹いてもらったら、お告げどおりに被衣姿の女性が現れました。
んが、彼女は笛を吹いた某さんのほうにふらふらと、いや、力強く(笑)突進してしまう。何度自分のほうに連れてこようとしても彼女が某さんのほうに行っちゃうので、男は観音様の決めた縁があるのは自分のほうだから、と必死に女説得する。そんなとき女の被衣がはらりと落ちて…。
彼女の顔を見て絶句する男2人。そこから男2人の醜い押し付け合いが始まるのですが、男の説得にほだされた女のほうは、独身男を追っかけて…。
■とまぁ、こんな感じです。萬斎さんの笛の演奏を聴けたのはなかなか貴重だったかも。吹く真似だけするのかなと思いきや、ちゃんと演奏してたので「おおー」と思いました。
■助っ人の某さんが月見に熱中しちゃって、独身男がちゃんと笛吹いてよ!とツッコむシーンなど、ボケとツッコミの内容がわかりやすくて面白かったです。女の顔(舞台では、オカメの面をつけてます)を見て男共が絶句するシーンではお客さん声をあげて大ウケでした。
で、これのどこらへんが平家物語にちなんでるのかっていうと、多分「五条の橋で笛を吹く」つながりかと思われます。ストーリー上で牛若丸を引き合いに出すシーンがあるわけではありませんが。

■次は平曲。前の「維盛入水」のときも思ったけど、いやー相変わらずスローペースで長い!!
すみません、何度か船出しかけました。朗読的なところと、謡うようなパートがあるわけですが、その抑揚が、こう、眠りにいざなうんですよねー^^;
内容は、巻十「千手前」のほぼそのまんまです。覚一本のテキストよりも、修飾が増えてる気がしました。

■最後は能「千手」。これはオリジナル新作ではなく、元々ある演目のようです。
狩野介宗茂に預けられている重衡のもとを千手が訪ね、彼が頼朝に要望していた出家の願いが承認されなかったことを伝えます。がっかりする重衡を慰めようと、狩野は酒宴を催し、千手は朗詠する。重衡は千手の心のこもった慰めに癒されて、琵琶を合わせてくれる。しかし、その後重衡は南都に送られ、千手は泣く泣く彼を見送った……平家物語に描かれる内容そのまんまですね。
重衡はほぼ座ったまま、狩野もあんまし動きがなく、千手が舞うくらいがわずかな動きでした。このお話は場面もずっと同じ室内ですから、能に慣れてない私には、淡白すぎてあんまし面白みはなかったかな。なるほど、能に「●●さんの霊が××の姿で過去の自分を語りにきた」って設定が多いのは、こういう理由なのかと納得。
確かに、そのまんま平家物語をやっても、内容も知ってるからかなりだるい。すこし意外性やストーリーの面白さを持たせようと思うと、夢幻能になるわけか。
■あと、今回は重衡役の方が非常に若く見えました。中学3年とか高1くらい…かな?
一方、千手の演者はベテランだったので、その差が、ストーリーに合ってなかったんじゃないかなとか素人目に思いました。このお話としては、やっぱり重衡のほうが包容力があって上手でないと「ええ話や~」にならないんですよね。千手の心を込めた慰めに、都人の貴人(鎌倉にとっては)・重衡が心を開いて受け容れるという。
でも、今回重衡役が若かったので、千手が坊やの世話を焼く百戦錬磨の銀座ママっぽく見えるというか。イマイチ2人の心情が交わってる感じじゃなかったんですよね。
こういうのって、時間が熟成させていくものなんだろうな。スキルでどうにかなるもんでもない気がする。
おそらく期待の若手だからこそいい役に抜擢してるんだと思うので、平家物語のなかにちょうどいい演目があるといいですねぇ。
■あ、役者さんのことばかり書いてしまいましたが、演奏のほうも趣深くてよかったです。特に今回気になったのが笛! その前の狂言のほうで萬斎さんの笛を聴いてるわけですが、そちらでは吹き始めのときに演技なのか何なのか、すぅっと息を吸うのがかすかに聞こえるんですよね。でも、能のバックで演奏されている方のほうはそれが聞こえない。でも、座ったままの姿勢であの力強い音が出てくるわけで、そこがすごいと思いました。そういや維盛は笛が得意でしたね。肺活量は結構あったのかしら、とかいろいろ妄想がよぎったのでした。

■まったくの余談なのですが、今回の帰りにふと、そういえば私の母校(高校)に能楽研究部があって、仲良かった友だちが入ってたことを思い出しました。1こ上にずば抜けてうまい先輩がいて、卒業式か何かに高砂を謡ってくれたっけなぁと思い出して、名前を検索してみたら、なんとプロの能楽師になっておられた。すごい…。やっぱり高校生の頃から「すごい」人って、それでやっていけるもんなんだなと妙に納得しました。
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by mmkoron | 2014-08-04 01:34 | その他映像・劇 等

    

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