■同窓会で古巣・名古屋に帰ってました。手羽先を頬張りながら大河を見始めたのですが、手羽先がすっかり塩味になってしまいました。そんなわけで涙鼻水ズルズルでお送りいたします。
■最初、今回も一の谷と同じく実況中継風でお送りしようと思ってたのですが、今回は同時に異なる場所で事件が起こるわけでもなく、また、どちらかというと事件より心情重視だったので、普通に感想書きます。今回の内容としては、
1)扇の的・時子と能子
2)田口裏切り・伊勢三郎の活躍
3)資盛の奇襲・継信の死
ですね。
1)扇の的
■「できません」と言う与一に、敢えて的を射よと命じる義経……
傍目に見たら、部下イジメですよ!
実際は、「状況の困難を一番客観的に分析できているから、信用できる」という理屈でしたが。そういえば義経は「臆病は冷静さになる」みたいなことを言ってましたね。
義経、ゴルゴ13と同じコト言ってるよ!!
いや、ゴルゴも強さの秘訣を訊かれて、「臆病だからだ」と答えてたんですよ。28巻「ザ・スーパースター」で。←私が選ぶゴルゴベストシナリオのひとつ。「2万5千年の荒野」とかも好き。ゴルゴに人情モノを求めてしまうのはファン失格かもしれないけど。
結果、与一は見事的を射落としました。あのキラキラ効果は何だったんでしょう。NHK、たまにああいうよくわからないCG演出しますね…「新選組!」お花効果とか。
与一、ちょっと無愛想そうなところが「無骨で武芸一筋なお兄さん」風で良かったのではないでしょうか。
■「畠山殿の推薦」って台詞が出てきましたね。名前だけだけど、嬉しかった。一の谷で馬かついでるところが見られなかったから(^^
そういや「馬を背負って一の谷を降りる畠山さん」の像があるらしいですね! うわー、見に行きたいー!! うちから2時間で行ける距離らしいのです。
■さて。私はずっと「この作品では、どこが時子の覚悟完了ターニングポイントになるのかしら」と思ってました。例えば、永井路子『波のかたみ』だと、重衡と生き別れになるあたりだと思ったんです。
普通のマダムだった時子が、平家の幕引きを予感し、覚悟を決めるのがどこなのか。今回が「義経」におけるその地点だったのかなーと思いました。
的を射落とされたとき、プルプルする宗盛や素直に凹む女性達とは対照的に、時子は「ああ、そうか、そうなんだ」っていう表情に見えたのです。
最後に諦めきれなくて波間に漂う扇を追っかけてしまうわけですが、しかしあの扇の的事件が、時子に何らかの気持ちの区切りをもたらしたように、私には見えました。やっぱり影の主役です、時子さん。
2)田口裏切り
■伊勢三郎の見せ場ですねー。前回は駿河次郎。次回は弁慶。そう考えると、佐藤弟って、実は活躍の場が少ないなー。どこかで作るのか、それとも最期が最後の見せ場になるのか・・・
■三郎の話に戻ります。彼の「平家は既に撤退して西へ行きましたよー」は実はJAR●に訴えられても文句言えないような「うそ・まぎらわしい広告」なのですが、「口先三寸で騙した」感が
少なかったのが残念。
お寺に駆けつけたときに、田口が「えっ、平家撤退してねーじゃん! でももう源氏方につくつもりになって動いちゃったし、仕方ない、そのまま裏切るしかねーな!」ってな反応してくれたら、もっと小気味良かったんですけど。
まぁ、あの場面では既に、佐藤兄エピソードへ中心が移行してたから仕方ないかなー。
3)継信最期
■佐藤兄を狙撃(まだゴルゴ気分が抜け切れてない)したのは資盛ですか! びっくりだー!! 逆境が人を逞しくするのでしょうか。しかし最後の撤退っぷりは、なんだかヘボ悪役みたいだったけど・
■正直、合戦ではなく待ち伏せ、しかもお寺でという末端色漂う戦闘だったので、「うわっ、小せぇな!」と思ったのですが、それでも佐藤兄の最後には涙鼻水ズルズルでした。
義経の「私のそばにおれ!」で、涙だらー。
↓
佐藤兄が皆の名前を呼ぶところで「西部警察の大門団長の最期みたいだな。
団長みたいに旗に乗っけて運んだりするのかな。」と涙一瞬止まる
↓
最期、目を開けたまま死んじゃうところで、涙だばだばー。
兄、義経に「眠ってはならぬ!」と命令されたから、最期まで言いつけにそむくまいとしたんですね。最後の最後まで生きようとしていたんだ……と思ったら、もう涙がざーざーと。
この演出は、私のような純朴(自分で言うし)な視聴者には直撃ですよ。
■最後に平泉で畑を耕したところから、旅をしたことまでを思い出しながら死んでいくのも悲しかった。出会わなかったら死なずにすんだんだけど、だけど出会えたから楽しかった。そういうことですよね。演出とかは対照的ですけど、伝えたいことは「新選組!」と近いんだろうな。
佐藤兄は義経主従の中では、最初の死者。だから、周りの郎党達(特に弁慶)が動揺してて、仲間の最期なんだけど最後に何をしてやればいいかわからない…って反応だったのが良かったです。
この後、ひとりふたりと欠けていく郎党たちですが、彼らにとっても、何らかの覚悟を改めて与える事件だったかもしれませんね。
■どんどん主要メンバーが減ってます。壇ノ浦まであと一か月。ドラマでは9月頭が壇ノ浦らしいですね。観てる私の喪失感もすごいだろうなー。ふぅ。
■あ、そうそう! 今回私、はじめて、ゴマキ能子が可愛いと思いました!
だんだん衣装が馴染んできたのかな? 最初に思った「なんか貧相な姫君だなー」という印象が徐々に薄れてきたように思います。これなら壇ノ浦も期待できるかな?