源平観戦日記


火の鳥 乱世編(角川文庫7・8巻)

手塚治 著/角川文庫/(7)620円 (8)580円/1992年発行

■私が紹介するまでもない気がしますが……。
名著『火の鳥』の乱世編は源平争乱が物語の舞台です。
■山の民として暮らす弁太は、攫われた恋人・おぶうを追って都へ。おぶうは時の権力者・平清盛に仕える女房となり、一方、弁太は牛若という源氏の少年と出会い、家来になります。
永遠の命を与えるという「火の鳥」への妄執にとりつかれる清盛。その様子を見続けるおぶうには、いつしか清盛への憐憫の情が。弁太は牛若の、弱き者の命をないがしろにする様子に憤りを覚えつつも、その怒りを言葉や行動にする術を知りません。
恋人達の想いは、源平の争乱の中で踏みにじられ、生き残った者たちもまた……

■清盛や義経たち、強き者の欲望に、弱い者達の幸せは巻き込まれ、あっけなく踏み砕かれる。しかし、その強き者をつき動かす「欲望」こそが争いの根源であり、「強き者」たちも、その欲望に振り回されるおろかで哀れな存在でしかない。
しかし、この物語で欲望の対象になっている「火の鳥」自体には別に罪はないのです。しかもこの乱世編ではホンモノの火の鳥は登場せず、人々はその虚像に一喜一憂しています。
じゃあ、何が争いを生む原因なのか。人を突き動かす衝動を、人はどうすればいいのか。
そのへんがテーマなんでしょうかね。

■しかしなんといっても、この漫画で特筆すべきは、めっちゃ性悪な義経!
政治的野心がないこと&見た目がカッコよいことだけは、一般のイメージ通りですが、そのほかは従来のイメージを反転させたような非道っぷりです。弁太が最後にキレたのもわかります。
物語の中でも徹底的に悪役扱いなのですが、でも、「この義経は結局何がしたかったんだろう?」と思うと、憎めないんですよね。結局彼も「何か大きなもの」に動かされてただけというか。
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by mmkoron | 2005-08-28 01:53 | コミック

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