■NHK大河ドラマサイトのTOPページが新しくなってたんです。
義経がどーんと出て、次に郎党達、またどーんと義経で、鎌倉勢、義経、院と近臣たち、義経、平家一門……っていう風にどんどん切り替わるんですけど、やっぱ平家一門、ビジュアルがエレガントですわ。
■今回、重衡が死んじゃうところではざばざば泣いちゃうかしらーと思ってたのですが、泣かずに済みました。重衡と一緒で、覚悟ができてたのかも(^^;
■重衡は、もっと抑え気味なのを想像してたので、思ったよりも感情を表面に出してたなーという印象。でもまだ29だし、そりゃそうかってカンジです。
輔子が良かった。夫の言葉にただただ従順。女心だなー。
いっぱい言いたいことはあるんだけど、でも重衡に真っ直ぐ見つめられてしまうと、もう従順に「はい」としか言えない。死んでいく人に心配かけたくない。
でも、いよいよ最後になって、重衡がきっぱり前を向きなおしちゃうと、「これでいいんだっけ、もっと私に言えることってないんだっけ?」と頭がぐるぐるしちゃう。
重衡が何を考えているのか、女の私には想像の限界があるんですけど、あの場面の輔子の気持ちには感情移入できました。
仮にも大納言のお姫様なんだからあんな乱暴に扱われはしないだろ、とかそういうツッコミはいくらでもできるんでしょうけど、私は人物の心情に対して誠実な演出ならそれで満足です。
■で、重衡。
なにしろ私が平家一門で一番愛情を注いでるのは彼ですから、もうTVにかぶりつき状態だったんですけど、さっきも書いたように、思ったよりも女々しかった印象。
細川氏の目の演技のせいかな? 輔子の声を聞いた後は、終始切なげな表情でしたね。
でも、あれが重衡だよなーと納得。
何も語らず以心伝心で相手への信頼を残した、明子に対する知盛の愛情とは対照的で良かったんじゃないでしょうか。
大河の知盛にとっては明子は戦友のような存在でもありそうだけど、重衡にとって輔子はやっぱり「可愛い奥さん」なんだろうな。そういう方向性のフェミニストっぽいもんな、重衡。
■重衡のシーンは結構あっさりしてて、宗盛のほうが引っ張ってましたね。
憑き物が落ちたように清清しくなってる宗盛。だけど清宗のことだけは執着しちゃう。…清宗との親子関係は、もっとべったりした感じでもよかったかな。
平家物語読んでると、かなり過保護ですよね。自分の袖を下に敷いて、清宗を寝かせてた…っていうエピソード、すごく好きです。あのあたりで宗盛が好きになった。
■義経との会話、しみじみ良かった。
宗盛のこれまでを丁寧に描いてきたからこそなんでしょうね。
前述の重衡の場合は、描き方は寧ろ平家物語本編に近い。
「最期が近くなるとフォーカスされる」タイプ。
平家物語って、殆どの人物はコレですよね。だからこそ、生き方がいちいちエネルギッシュな清盛の存在が、あの物語の中で目立つんだと思うんですが。
だけど、今回の大河の宗盛は、死に際だけクローズアップするんじゃなくて、ごく初期から彼の姿が描かれてた。だからこそ感動できるシーンだったと思います。紙食べてたのも無駄じゃなかった(笑)。
平家物語を原作に大河を作ってもらえて、有難いなうれしいなと思うのはこんなときです。
2時間ドラマだったら、結局平家物語原典と同じく「死に際クローズアップの群像モノ」にしかできないと思うんですよ。1年間やってるからこそできる手法ですよね。
■兄、弟達、義経をねたんでたことも今は正直に言うことができて、自分が理解しきれなかった父の「新しき国」を他人である義経が理解できているということも、悔しさではなく救いとして受け止めることができるようになって、穏やかに死んでいく宗盛。
もうこれが最期なんだと思ったときに、これだけ人間は共感し合える。でも頼朝も義経も生きていかなきゃいけないから、まだお互いにそういう境地に至れない。ううー、葛藤。
■今回、ほろりときたのは意外なところでした。
義経が郎党達に頼朝との決裂の覚悟を告げて、郎党達が明るく「勿論義経様についていきます!」とひとりづつ答えるところ。
よかったね義経、あんたもひとりぼっちじゃないよね…とホロリ。
それまでの義経が、清宗を心配する宗盛や、兄弟への穏やかな気持ちを語る様子をうらやましそーに見つめてたじゃないですか。
それを見て、「かわいそうだなー」と思ってたから、あの郎党たちの言葉に私が癒された(笑)。
■それにしても、清宗役の役者さん、やたらカッコいいですね。
私も清宗は美形気味にしておこうと思って設定してましたけど、もっとカッコいい容姿にしてもいいかもしれんと、この大河を観て思いました。ああでも清宗もこれが最後の出番だったのね・・・。
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追記。
そうそうそうそうそうでした。
重衡が輔子に渡そうと、髪の毛を食いちぎるシーン。
「ああっ、重衡。その量は噛み切るには多すぎるよ…。」
となかなか食いちぎれない重衡のことを、おかあさんのように心配してしまったのは、
私だけではないはずだ!
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